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二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日法要について

二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日法要について
  • 2023年03月30日

仏教では、人が亡くなってから49日間を「中陰」と呼び、この期間を経て、新たに生まれ変わる世界が決まるとされています。

中陰の間、故人への供養は特に手厚く行われます。最近では省略されることも少なくありませんが、7日ごとに家族や親戚が集まり僧侶を招いて法要を営むのが、古くからのしきたりです。

初七日を終えると、7日ごとに法要が行われます。二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日(四十九日)と、それぞれを司る仏さまがいて、故人は極楽浄土に行けるかどうかの裁きを受けます。だからこそそのつど家族たちは一堂に集まり、故人のために手を合わすのです。

この記事では、追善法要がなぜ7日ごとに行われるのか、そして家族はどんなことをしなければならないのか、詳しく解説いたします。

追善法要とは

追善法要とは、7日ごとに営まれる法要の総称です。

生前の行いが善い者はよい世界に生まれ変わり、悪い者は悪い世界に生まれ変わると信じられていたことから、遺族たちは死後七日ごとに法要を営んで、故人に代わって善徳を積みます。

あとを追うように善を積むことから、これらの法要を「追善法要」と呼びます。49日間を中陰と呼ぶことから「中陰法要」とも呼ばれます。

インドの輪廻転生と中国の十王信仰

こうした死後の供養文化は、インド、中国を経て、日本で醸成され、今にいたります。

インドでは古代から輪廻転生の思想があり、人は亡くなったら7日ごとに小さな転生を繰り返し、49日間の中陰を経て、新たな世界に生まれ変わると信じられていました。49日という期間は、お釈迦さまが悟りを開く際に、菩提樹の下で瞑想した日数だとも言われています。

中国では、インドの輪廻転生の思想と中国古来の道教による「十王信仰」と融合して、新たな供養文化が生まれます。いわゆる、冥界をつかさどる閻魔大王の裁きによって来世の行き先が決まるというものです。

十王信仰では、初七日から四十九日を超えて、百か日、一周忌、三回忌までの10の法要を、それぞれの王が司り、裁きを下すものと信じられています。

日本の十三仏信仰

インドの輪廻転生と中国の十王信仰が融合してできた供養文化が日本にやって来ると、十三仏信仰が生まれます。死者は49日でホトケとなり、33年でカミとなるという独自の考え方で、区切りとなる法要を13の諸仏が守護します。

日本では、死者は49日でホトケになり、33年まではその家で祀られ、それ以降は村全体の神さまとして、地域の山や森から私たちを見守ってくれているという、仏教や道教や古来からの自然崇拝が融合した死後観が形成されていきました。

これが、現代の日本でも行われる供養文化の成り立ちです。

法要を司る諸王諸仏たち

追善法要や四十九日以降の年忌法要では、それぞれの法要を司る王や仏がいると考えられています。

法要 中国の十王 日本の十三仏
初七日 秦広王 しんこうおう 不動明王
二七日 初江王 しょこうおう 釈迦如来
三七日 宋帝王 そうていおう 文殊菩薩
四七日 五官王 ごかんおう 普賢菩薩
五七日 閻魔王 えんまおう 地蔵菩薩
六七日 変成王 へんじょうおう 弥勒菩薩
七七日(四十九日) 泰山王 たいざんおう 薬師如来
百か日 平等王 びょうどうおう 観音菩薩
一周忌 都市王 としおう 勢至菩薩
三回忌 五道転輪王 ごどうてんりんおう 阿弥陀如来
七回忌 阿閦如来
十三回忌 大日如来
三十三回忌 虚空蔵菩薩

初七日から七七日までの法要の意味


亡くなった人は四十九日の旅に出ます。7日ごとに仏様による審判が下り、そのつど家族は家で追善法要をして故人のよき転生を後押しします。初七日から七七日までにはそれぞれどんな意味があるのでしょうか。

初七日

最初の7日目は故人が三途の川にたどり着く頃です。この川を渡るといよいよこちら側の世界には帰ってこれません。

初七日では秦広王(不動明王)によって、生前にどんな殺生をしてきたかについて調べられます。また、この裁きの結果によって、三途の川の渡り方を、激流の中を歩むのか、緩流の中を歩むのか、橋の上を渡れるかが決まります。

また、故人の両肩には倶生神(ぐしょうじん)という神様が宿り、一神は善行を、もう一神は悪行をずっと監視しています。秦広王は倶生神の報告を聞いて、帳面に故人の生前の行いを書き入れ、後の裁判で登場する王に引き継がれます。これが俗にいう「閻魔帳」です。

二七日

三途の川を渡りきると、川岸に奪衣婆(だつえば)という老婆の鬼がいて、衣服を剥ぎ取られます。そして、剥ぎ取られた衣服は懸衣翁(けんえおう)という老人に手渡され、衣服は生前犯した罪の重さを計れる衣領樹(えりょうじゅ)という木にかけられます。

その後、初江王(釈迦如来)が登場して、生前犯した盗みの罪について調べられます。

三七日

三七日は、宋帝王(文殊菩薩)に、生前の不貞(配偶者以外の男女関係)について調べられます。

もしも罪を犯していた場合、化け猫や蛇に襲われ、その罪を悔い改めなければ衆合地獄に堕ちてしまうと言われています。

四七日

四七日は五官王(普賢菩薩)が審判となり、生前についた嘘について裁きを受けます。

五官王のいる秤量舎という場所には、生前の罪業の重さを測る「業秤」(ごうのはかり)と呼ばれるものがあり、罪が重ければ重いほど、反対側の秤に乗せられた重い石が軽々と持ち上がります。

また、五官王の「五官」とは目・耳・鼻・舌・身のことを指し、人はこれら五官を使って他人を欺き、傷つけることができるとし、その罪の重さを見極めます。

五七日

五七日を司るのは、かの有名な閻魔王(地蔵菩薩)です。

閻魔帳に書かれたこれまでの裁きの結果、さらには「浄玻璃の鏡」と呼ばれる水晶に映し出された生前の行いから、故人が来世に生まれ変わる世界を決めます。

六七日

五官王と閻魔王の裁きを受けて、生まれ変わる条件や場所を具体的に決めるのが六七日の変成王(弥勒菩薩)です。

人間道に生まれ変わるにしても、どの国の、どの地域の、誰の子として生まれるか。地獄道に堕ちるならどの地獄に生まれ変わるかなどを決めると言われています。

七七日(四十九日)

中陰の期間が終わりとなるのが七七日です。これまでの裁きをもとに、泰山王が死者に来世の行き先を言い渡します。

四十九日法要には、家族や親戚が集まって故人の供養を祈ります。それは、来世に少しでも良い世界に生まれ変わってもらうためのものでもあります。

泰山王が少しでもよい世界を言い渡すよう、この世に遺された人たちがしっかりと心を込めて手を合わせます。その想いが回向となってあちらの世界に届き、故人の来世の安寧につながるのです。

7日ごとの法要の流れ・準備・お呼びする範囲


7日ごとの追善法要は、どのような流れで行われるのでしょうか。準備すべきものや、法要にお呼びする範囲についても詳しく見ていきます。

初七日

初七日法要は、亡くなって7日目に執り行われる法要です。しかし、ご逝去から数日後に葬儀や火葬を執り行い、その数日後に再び初七日法要に参集するのは大変なことから、最近では葬儀・告別式の当日に繰り上げて営まれるのが一般的です。

火葬を終えたあと、葬儀式場やお寺の本堂に戻って初七日法要を営むことが多いようです。祭壇に、遺影、遺骨、位牌を並べ、僧侶の読経の中、1人ずつ焼香をします。初七日法要を終えたあとは、精進落としの席を設け、親族たちを飲食でもてなします。

時間短縮のため、葬儀告別式の中で初七日法要を行うこともあります。

二七日から六七日

自宅の後飾り祭壇(遺骨を安置する祭壇のこと)の前で、遺族のみで供養をします。地域によってはいまでも7日ごとに僧侶がお参りに来て、読経をしますが、最近ではこうしたお参りを省略するケースも少なくありません。法要を営まないとしても、心静かに手を合わせて、供養しましょう。

七七日(四十九日)

中陰の期間が終わり、来世の行き先が決まるのが七七日(四十九日)です。家族にとってもこの日を境に忌明けとなり、故人の供養にひとつの区切りがつく大切な法要です。

家族や親族のほか、故人と縁の深かった方々を招いて法要を営みます。自宅、またはお寺の本堂で法要をし、その後お斎の席を設けて飲食をもてなします。

四十九日法要当日までには、さまざまな準備をしなければなりません。

▶法要の日程と場所の決定

いつどこで法要をするか、早めにお寺と相談しておきます。四十九日当日が平日の場合、それより手前の土日祝日に営むことが多いようです。また法要の場所は、自宅、お寺の本堂、葬儀会館などから選びます。

▶参列者への連絡

日程と場所が決まったら、速やかに家族や親戚など、参列してほしい人に連絡します。

▶法要当日の供花や塔婆

法要当日にお供えする供花を手配します。また宗派によっては塔婆(故人の供養のための木の板)を供えるところもあるので、早めにお寺に確認しておきましょう。

▶位牌の準備

故人のお性根が仮位牌(白木)から本位牌(塗り)に移されるため、法要当日までに新調しておきます。

▶仏壇の準備

位牌は仏壇の中に祀られます。仏壇がない家は、法要までに準備しておきます。

▶引き物の準備

参列者に配る引き物を手配しておきます。1世帯にひとつ用意するのが基本です。

▶お斎(会食)の手配

お斎の席は、法要を行う場所か、料理店のいずれかに設けます。

▶香典返しの手配

葬儀の時にいただいた香典に対するお返しは、四十九日法要が無事に済んだ報告を兼ねて相手に贈ります。法要の翌日には発送ができるよう、早めに手配をしておきましょう。

7日ごとの法要 お布施はいくら?


7日ごとに執り行う法要ですが、いったいお布施の金額をどれくらいにすればいいのでしょうか。

▶初七日

初七日は、葬儀・告別式の当日に繰り上げて行われることから、お布施をまとめて包むケースが多いようです。もしも個別に包むのであれば、3万円〜5万円でしょう。

▶二七日から六七日

二七日から六七日のお参りは家族だけで行われる規模の小さい法要です。お布施の相場は5千円~1万円でしょう。また、7日ごとの法要を執り行わない場合は、お寺へのお布施は不要です。

▶七七日(四十九日)

四十九日法要は、故人にとっても遺族にとっても大切な法要です。お布施の相場は3万円~5万円です。

忌明け法要を五七日に繰り上げる理由

通常であれば、七七日(四十九日)法要を忌明け法要とします。

しかし、ご逝去から四十九日法要までが3か月をまたぐことを縁起が悪いと考える地域では、四十九日を待たずに五七日(三十五日)に繰り上げて忌明けの法要をすることも少なくありません。

どうして3か月にまたがるのが縁起が悪いのかというと、「四十九日、三月」を「始終苦が身につく」と読む語呂合わせからだという説が有力です。

この場合は、四十九日法要と同様のことを執り行うため、さまざまな準備が必要となります。

まとめ

7日ごとに行われる追善法要についてお分かりいただけましたか?

追善法要には、死後の故人の物語があり、遺された家族は故人の来世の安寧を祈って、7日ごとに集まり、法要を営んでいました。

最近では7日ごとの法要を省略することも少なくありませんが、せめて故人に想いを馳せて、心の中で手を合わせてほしいものと思います。きっと故人もきっと喜ぶ、閻魔王も遺族のそうした姿を見てくれているに違いありません。

中陰法要に関するよくある質問

中陰法要とはなんですか?
仏教では故人が次の生を受けるまでの49日間を中陰と言い、7日ごとの裁きに合わせて、故人が成仏できるよう遺族が供養(法要)を行います。この供養(法要)の事を、中陰法要と呼びます。
中陰法要にはどのような種類がありますか?
初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)法要があります。
僧侶(お坊さん)をお呼びする必要がありますか?
初七日と七七日(四十九日)には、僧侶(お坊さん)をお呼びし読経をあげていただきます。 二七日から六七日は僧侶(お坊さん)による読経は省略される場合がほとんどですが、極楽浄土へいけるよう遺族だけでも読経をあげるようにしましょう。
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