神道(神式)の法事法要に参加する上での注意点
- 2022年04月15日
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神式の法事について
仏式でいう法事・法要に当たる儀式のことを、神式では「霊祭(れいさい)」もしくは「式年祭(しきねんさい)」と言います。
故人の死後100日目までに当たる儀式のことを「霊祭」、1年目の命日以降の儀式のことを「式年祭」と言い、神社はなく自宅や墓前で行います。
霊祭には、翌日祭、十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭、合祀祭、百日祭があり、五十日祭が「忌明け(きあけ)」とされています。
式年祭には、一年祭、三年際、五年祭、十年祭以降10年単位で執り行われます。
霊祭および式年祭は、自宅で霊璽(れいじ)もしくは墓前の前で執り行います。
ちなみに、葬儀(葬式)のことは「神葬祭(しんそうさい)」、仏式の焼香にあたるものを「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」、仏式の仏壇に当たるもののことを「祖霊舎(それいしゃ・みたまや)」と言います。
神式の法事のマナー
神式での法事・法要の儀式も仏式とは異なり、儀式は神官によって執り行われます。
神式にとっての「死」の捉え方は、キリスト教、仏教のいずれとも異なり、人が亡くなったら、御霊(みたま)が幽世(かくりよ)に帰り、先祖の神々の仲間入りをするという意味し、人は死ぬと幽世・幽冥に行き、そこで子孫を見守り守護するとされています。
幽世は、同じ発音で「幽冥(かくりよ)」と書かれることもあり、「永久」を意味し、永久に変わらない神域を指します。
神式の法事・法要では、一般的に料理が準備されていることが多いということも念頭に置き、以下のことを心がけて、参列しましょう。
●案内状への返信は必須
●代理出席の場合は、事前に先方に連絡
●「他界」は禁句
●数珠不要
●式開始前に到着が必須
神式の法事での注意点
訪問するタイミング
事前に儀式が執り行われる日時、場所が記載されてされた案内状が届きますので、案内状に記載されている日時までに、指定された場所に伺いましょう。
神社は祝福や厄払いなどの祭り事を行う場所であり、死に関することは不浄(穢れ)とされている祭り事を行う場所ではないとされています。
そのため、法事は神社ではなく、自宅もしくは故人の墓前となりまので、場所を間違えないように気をつけましょう。
また、神官より到着が遅れることは失礼に当たりますので、神官より前に、指定された場所に到着しておくよう心がけましょう。
服装について
服装は仏式と同じく、男性の場合は黒のスーツに白いシャツ、女性の場合は黒のワンピースやスーツを着用します。お子様の場合は、制服もしくは黒・紺・グレーなどの落ち着いた色の上下、ワンピースを着用すると良いでしょう。
案内状に平服参列の旨の案内があった場合は、喪服での参列は控え、男女ともに、黒、紺、グレー等の落ち着いた色の上下やワンピースを着用しましょう。
お子様は、学校の制服もしくは大人同様に黒、紺、グレーなどの控えめで、落ち着いた色の洋服を選びましょう。
神式の香典について
神式(神道式)では、香典として現金を包んでいくケースと落雁や果物を供物(くもつ)として持っていくケースの2つのケースがあります。
もし、案内状に香典や供物を辞退される旨の記載がある場合は、どちらも持参しないようにしましょう。
現金を包んでいく場合の香典袋の書き方や金額については、以下を参考にしてください。
香典袋の書き方
神式の場合、無地の熨斗袋に白黒や双銀の水引(銀結び切り)がかかっているものを使います。
表書きは、主に以下のものが使われます。
はす模様は仏式のものとなりますので使わないように気をつけましょう。
・御神前(ごしんぜん)
・御玉串料(おたまぐしりょう)
・御榊料(おさかきりょう)
・御神饌料(ごしんせんりょう)
・御供(おそなえ)
・幣帛料(へいはくりょう)
神式にも宗派はありますが、宗派によって表書きが異なることはありません。
間違いやすい表書きとして、「初穂料(はつほりょう)」や「御初穂料(おはつほりょう)」があります。いずれも、お宮参りや七五三、合格祈願や安産祈願などの祝い事や願い事の際に使われる表書きとなり、香典では使いませんので気をつけましょう。
ちなみに、玉串とは榊(さかき)などの常緑樹の枝に紙垂(かみしで)を付けたもので、参拝者や神職が神前に捧げるもののことを言います。
香典の金額
香典の金額は、仏式やキリスト教式と変わらず、故人との関係や自身の年齢によって決まります。 一般的には5千円〜1万円程度が多いかと思います。目安として関係性別の金額をご紹介します。
●両親:50,000円〜100,000円
●兄弟・姉妹:30,000円〜50,000円
●祖父母:10,000円〜50,000円
●叔父・叔母:10,000円〜30,000円
●知人・友人:5,000円〜10,000円
●恩師・先生:3,000円〜10,000円
●上司:5,000円〜10,000円
●同僚:5,000円〜10,000円
最後に
仏式に比べて、参列する機会が少ないのが、キリスト教や神式の法事・法要となりますが、事前に知識として持っておくことで、いざという時に慌てることがありませんので、参考にしてください。
特に、仏式とは死に対しての考え方が異なっており、仏式では当たり前のことが、神式ではそうでない場合もあります。 できるだけ故人の宗派に合わせて見送ってあげることが大切ではないでしょうか。
神道(神式)の法事に関するよくある質問
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監修者のコメント
岩田 昌幸一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
神葬祭が民間の間で行われだしたのは明治以降のこと。神葬際やそのあとの霊祭の流れについては、全国統一の基準はありませんが、産土神社への帰幽奉告や、白木の霊璽に故人の御霊を遷す儀式などが行われます。