当日あたふたしないように!納骨式の準備と流れ
- 2023年02月13日
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一般的に人が亡くなった場合、葬儀では火葬をして遺骨を骨壺におさめます。
後に亡くなった人の遺骨をお墓におさめることを納骨式といい、四十九日法要で行われるのが一般的とされています。
遺骨をおさめ、故人を偲びながら供養をする大切な儀式の一つです。
今回は、納骨式がどのようなものかよく分からない、という人のために、納骨式を行うにあたっての前準備や当日の流れ、細かな決まり事などを紹介します。是非参考にして下さい。
▼詳しい内容と手配方法▼目次
納骨式の前に決めておきたいこと
納骨式を行うにあたり、事前に決めておかなければいけないことがあります。
参列者の人数を決めておく
納骨式に誰を呼ぶかを事前に決めておきましょう。
各家庭の事情や地域の風習によって様々なので、どの範囲までの人に声をかけるべきか迷うこともありますが、特に決まりはありません。
一般的には、家族や親族、親しくしていた友人や近所の人に参列してもらう例が多く見られます。家族内だけで納骨式を行う場合も、一応親族や友人などに声を掛けておきましょう。知らないうちに納骨式が終わっていたことによるトラブルを避けるためです。
納骨式後の会食の手配
納骨式後に行う会食の手配も重要な決定事項の一つです。おおよその参列者の人数が決定したら、会食の場所や料理の予約をします。
会食は親族、参列者、僧侶で行います。
会場と料理が決定したら、事前に席順も決めておきましょう。席順の基本は、上座に僧侶、その隣には施主、僧侶の近くから参列者が座ります。親族は末席に座るようにします。席次表や席札を用意しておくと、よりスムーズに事が進みます。
納骨式に必要なものを確認しておく
納骨式には必要なものが沢山あります。埋葬許可書やお布施、骨壺やお供え物などです。当日忘れてしまうと、納骨を行うことができない場合もあるので、リストに書き出して忘れることのないように、事前に確認を怠らないようにしましょう。
納骨式前の準備の流れ1.寺院へ連絡
納骨式を行うにあたり、最初に決めることは日程です。四十九日法要と一緒に納骨式を行うのが一般的ですが、納骨をいつまでに行わなければいけない、という決まりはありません。また、時間帯も特に決まりはありません。
納骨をするお墓が決まっていない、気持ちの整理がつかないなどの場合があるので、納骨の時期については様々です。準備が整い納骨ができる気持ちになるタイミングで式を行うことが大切になります。
結婚式などでは大安や友引が好まれる傾向にありますが、仏事ごとでは六曜は関係ないとされているので、日取りを気にする必要はないでしょう。
ただし、お彼岸やお盆の時期は、寺院や参列者などが忙しくなる可能性があるので、考慮して決めましょう。
希望日が決定したら、寺院へすぐに予約を入れます。
納骨式では僧侶に読経をしてもらうので、寺院へ連絡を入れて僧侶の手配をお願いしてもらう必要があります。ギリギリに連絡をすると、僧侶のスケジュールを押さえることが出来ずに、納骨式の日取りをずらさなければいけなくなる可能性があるからです。
納骨式前の準備の流れ2.石材店へ連絡
寺院への連絡が済んだら、次は石材店へ連絡を入れましょう。納骨式までに墓石に戒名を彫っておくことが必要になります。
戒名の文字や位置などの細かな確認事項が多く、墓石に彫刻を施すには数週間かかる場合も考えられます。納骨の日程が決定したら、早めにお願いをするように心がけましょう。
他にも、納骨式の当日に立ち会ってもらい、お墓のカロートを動かしてもらうことも頼んでおく必要があります。
地域によっては、家族の手によって墓石を動かし納骨する風習もありますが、石材店にお願いをして納骨を行うのが一般的とされています。
石材店によっては、納骨予定時間までに石塔の掃除やお花、供物の準備を行ってくれるところもあるので、自分の希望する石材店を選択することが重要です。
納骨式前の準備の流れ3.当日の持ち物チェック
納骨式当日に持参する必要があるものです。当日忘れてしまうと、納骨を行うことが出来ない場合があるので注意しましょう。
遺骨埋葬許可証
市町村役場に死亡届を提出した際に発行されます。火葬許可書に火葬場から認印が押されたものを指します。納骨式には必ず必要となるものなので、紛失しないように注意しましょう。この遺骨埋葬許可証は、納骨する墓地の管理者に提出する必要があります。
墓地使用許可証
遺骨埋葬許可書と同様に自治体が発行しているものです。霊園墓地を使用する場合に必要になります。印鑑も一緒に準備しておきましょう。
塔婆
長さ1~2メートル細長い板に、戒名・経文・命日・供養日などが書かれたものです。塔婆を立てることは故人の冥福につながるものとされており、寺院に頼んで作ってもらいます。一般的に費用は2千円から1万円とされています。浄土真宗の場合は、故人が亡くなったらすぐに浄土へ往生すると考えられているので、基本的に塔婆供養を行うことはありません。しかし、寺院や地域によっては宗派に関係なく塔婆供養を行う場合もあるので、事前に確認をしておくようにしましょう。
お布施
僧侶に対する謝礼です。お布施は3万円から5万円、車代は5千円から1万円くらいが相場とされています。
寺院によっては、事前に金額が決められている場合もあるので、予約をする際に確認するようにしましょう。
二重封筒や郵便番号の欄がない市販の白い封筒を用意します。
表面は濃い墨で上部に「御布施」と書き、その下にはフルネームの氏名や「○○家」など、差出人が分かるように記入します。
裏面には、金額や住所、電話番号を記入しておいた方がより親切です。
お布施の場合は新札を用意し、お札の肖像画が表になるように入れます。
お布施の他にも、僧侶が会食を辞退した場合は「御膳料」を用意しておきましょう。
5千円から2万円くらいが一般的とされており、封筒の書き方はお布施と同じになります。御車代も同様です。
これらの他には、お供え物や線香、焼香台や遺影写真、数珠などがあります。また、参列者に渡す引き出物も重要です。納骨式の引き出物は、法事のお返しなどとほぼ変わりません。参列者が持ち帰りやすいように、注意して品物を選ぶようにすると良いでしょう。
納骨式当日の流れ1.施主挨拶
納骨式当日には、お墓に焼香台やお供え物、お供え花を並べ、準備を行います。準備が整ったら、遺族の代表者である施主から参列者へ向けて挨拶を行います。この挨拶では、納骨式に参列してもらったことへのお礼や遺族の近況報告、また葬儀が終了したあとも変わらないお付き合いに対するお礼を述べます。また、納骨式の後には会食があるということも忘れなく伝えるようにしましょう。
納骨式当日の流れ2.納骨
施主の挨拶が終了したら、納骨を行います。
墓石の下にある納骨室に遺骨をおさめるのが一般的です。
この時、事前にお願いしていた石材店の人がカロートの開閉を行ってくれます。
カロートとは、骨壺をおさめるスペースのことを指し、その空間に仕切りや棚を設置することにより複数の骨壺が納骨できる仕組みになっています。
関東地方では、このカロートの部分に骨壺ごと遺骨をおさめる方法が多く見られます。
一方関西地方では、遺骨を骨壺から納骨袋に入れなおして納骨を行う方法が風習として残っています。
納骨袋は様々なところで市販されていますが、自分で作ることもできます。使用する素材は土に還る天然素材です。遺骨を入れやすいように、骨壺よりも一回り大きなサイズであること、遺骨がこぼれないように口を塞ぐことができるものが良いでしょう。
納骨の際の遺骨の並べ方に決まりはありませんが、古い遺骨は奥の方へ、新しい遺骨は前の方に来るようにして並べるのが基本とされています。
カロートが遺骨で一杯になった場合は、古い遺骨からカロート内に撒いたり、粉骨したり、納骨袋に入れ替えたりする方法があります。
他にも、骨壺から遺骨をそのまま取り出し、先祖の遺骨と一緒に撒いて納骨し、土に還す方法をとることもあります。
これらの納骨の方法は地域や宗派によって様々です。予めどのような納骨方法をとるべきか、寺院や家族に確認しておくようにしましょう。
納骨式当日の流れ3.読経と焼香
納骨が終了したら、僧侶による読経と参列者による焼香があります。
お墓で行う場合は、外でそのまま行いますが、寺院に移り屋内で読経を行う場合もあります。
この遺骨を納める時に行われる読経は「納骨経」とも呼ばれ、故人を供養するという意味を持ちます。
この時、魂入れと同時に回忌法要を行うことも多く見られます。
一例として浄土真宗の場合、外で行う納骨経は「重誓偈」や「讃仏偈」などの短いものが読まれ、屋内で行う場合は「仏説阿弥陀経」などが読まれます。
僧侶が読経を始めたら参列者は焼香を行います。
このタイミングはほとんどの場合、僧侶が合図をしてくれることが多いので、指示を待つようにしましょう。焼香を最初に行うのは施主になります。次に故人と縁が深かった親族、知人や友人の順番に行います。参列者全員が焼香を済ませると終了になります。参列者の数や宗派によって違いはありますが、納骨式は30分から1時間くらいにおさめると良いでしょう。
納骨式当日の流れ4.会食
納骨式が終了したら、僧侶と参加者全員で会食を行います。
参列者の人数が決定したら、早めに会食をする場所や料理の内容を予約するようにしておきましょう。会食の会場に移動し準備が整ったら、この時点で再度施主が挨拶をします。
挨拶の前は、必ず位牌の前にお酒の入った盃を用意することを忘れないようにしましょう。
納骨の前に行う挨拶と同様に、納骨式に参列してくれたことへのお礼や納骨が無事済んだことへの感謝の気持ち、故人への思いや遺族の今後についてなどの内容を盛り込みながら挨拶を行います。
この時の挨拶は長くならないように注意し、1~2分程度で終わらせるようにします。
挨拶が終了したら、献杯を行い会食のスタートとなります。献杯は乾杯のように盃を高く上げたり、打ち合わせたり、飲んだ後に拍手を行うことはしません。静かな声で唱和をするようにします。
会食時間が終了に近くなったら、施主は最後の挨拶を行います。そろそろ会食が終了する時間であることを伝え、今後も変わらずに付き合いをしてもらうお願いと、最後にもう一度参列のお礼を述べるようにします。
挨拶が終わると引き出物を参列者に渡し、解散して終了となります。
納骨式の会食は何のため?場所の決め方
納骨式の後に行われる会食は何のために開かれるのでしょうか。
納骨式や法要の後に行われる会食は「おとぎ(お斎)」とも呼ばれ、僧侶や参列者に対するお礼の意味が込められています。
また、この会食をすることによって故人を偲び、語り合うことも目的としています。
会食をする場所に特に決まりはありませんが、お寺や霊園の法要室、食事処やホテルなどで開くのが一般的です。お寺や霊園に会食施設があれば、納骨を済ませた後にすぐに会食の会場に移動することができます。
そのような場所が無いときは、納骨場所から近い場所に食事処があるケースもあるので、下調べは充分行っておく必要があります。
近くに食事処が無い場合は、なるべく移動時間がかからないような場所を選ぶようにしましょう。
会食をする店によっては、移動の手段として配車を手配してくれるところもありますが、子どもやお年寄りが参列者に多い場合などを考慮して、近隣の会食会場にした方が良いでしょう。
この会食は、およそ2時間を目安に考えるようにします。納骨後の会食の相場は、1人5千円から8千円くらいです。
予約をする際には納骨後の会食であることを忘れないように伝えます。これは料理の中に慶事用の素材が混ざってしまわないようにするためです。
遅くとも納骨式の半月前には、予約を終了させておくと安心です。
かつて納骨式の後の会食で出される料理は、魚や肉を使用しない精進料理でした。今では、懐石料理や仕出し弁当など様々なメニューから選択ができるようになっています。
スムーズに進められるように下準備は万端に
納骨式を行うにあたって、色々決定しなくてはならないことや、決まり事があるということが分かりました。
また、納骨式の基本的な決まり事や流れがあっても、地域の風習や宗派などによって細かな違いがあり、特に初めて納骨式を経験する場合は、戸惑うことや分からないことが様々出てきます。
当日になって慌てることなく、スムーズに納骨式を進め、無事に終わらせることができるように、家族間で話し合いを行い、しっかりと知識を身につけ下準備をするようにしましょう。そうすると、心にも余裕が生まれ、故人を偲びながら落ち着いて納骨式を行うことができるでしょう。
納骨式に関するよくある質問
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監修者のコメント
岩田 昌幸一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
納骨堂など屋内である場合を除いて、お墓は屋外にありますので、納骨時に必ずしも天候に恵まれるとは限りません。石材店に依頼をすることで、必要な備品を一式準備してくれますし、雨天時や真夏日などはパラソルを準備してくれます。足腰の悪い方がいる場合は簡易椅子を用意してくれることもありますので、納骨準備については事前に石材店と打ち合わせしておきましょう。