喪中はがきを送るのは何親等?喪中はがきを出す時期・書き方・マナー
- 2023年01月19日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
喪中はがきは出す機会が少なく、いつ、どの範囲でどのような文面のものを出したら良いのか、わからないことばかりです。
実際、出すときになって、慌ててしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは喪中はがきを出すタイミングや文面に関して、分かり易く紹介します。ぜひ、参考にして頂けると幸いです。
目次
喪中はがきとは
「喪中はがき」とは家族や親戚などの身内のご不幸があった場合、「年賀状のやり取りを行っている方々」へ、喪に服しているために年賀欠礼(年賀の挨拶を遠慮すること)をお伝えするはがきです。
喪中はがき、「年賀欠礼状」「年賀状の欠礼はがき」などとも呼ばれます。
喪に服す喪中の期間に決まりはなく、一般的には目安が1年間とされています。地方の風習、宗教・宗派により判断します。喪中は死を悼(いた)んで社交的な行動、華やかな場への出席などを避けて身を慎むため、年賀状や正月行事、お祝いごとなどを控えます。
喪中はがきの目的
喪中はがきは「喪に服しているため、年賀の挨拶を遠慮する」ことをお伝えする以外に、「誰が亡くなったのか」を伝える目的があります。
近年「家族葬」といった身内だけで葬儀を行うことも多く、喪中はがきがご不幸をお知らせする役割を担うようになっています。
喪中はがきのマナー
喪中はがきのマナーは宗派や地域、各家庭の考えなどによって異なるものです。
ここでは現在多数を占め、一般的とされている「喪中はがきを出す範囲」「投函の時期」「送る相手の範囲」「書き方のマナー」について説明します。ぜひ、参考にしてください。
喪中はがきを出す時期・タイミング
喪中はがきを出すタイミングの目安としては、年賀状受付開始の12月15日までに相手に届くように、11月中旬から12月初旬までに投函すると良いでしょう。
投函時期が遅れてしまうことで、相手がすでに年賀状を投函してしまった後になってしまわないように、早めに投函することを心がけましょう。ただし、年末にご不幸があった場合、たとえば年賀状を出した後にご不幸があった場合などは仕方のないこととします。
そのうえでご不幸をお伝えした方が良い方には、「寒中見舞い」という形でお伝えします。「寒中見舞い」は1月8日から立春(2月4日)の前日(2月3日)までの間に投函します。
喪中はがきを出すのは、亡くなった親族が二親等の範囲が目安
一般的に喪中を出すのは、亡くなった親族が2親等以内の範囲です。
・0親等:夫や妻
・1親等:父母、義父母、子供
・2親等:祖父母、兄弟・姉妹、孫、兄弟・姉妹の配偶者、義兄弟・義姉妹、義兄弟・義姉妹の配偶者、義祖父母
3親等とは甥、姪や叔父叔母、曾祖父母など(一部を例示)で喪に服さなくてよいとされますが、出す場合と出さない場合があります。たとえば同居している場合には、故人と関係が深い場合など、喪中はがきを出すのが自然です。
また2親等の場合は「亡くなってから3ヶ月~6ヶ月までが喪中」とみなす方も多く、その場合は年賀状など年賀の挨拶は通常通りとします。しかし、親戚関係には年賀状を送らない配慮などを行った方が良いでしょう。
喪中はがきを出す範囲は、宗派や地域によっても若干違いがありますので、迷う場合は周囲の方や親戚の方などに相談しましょう。
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喪中の期間と範囲についての詳しい説明はこちら
喪中はがきを出す相手の範囲
喪中はがきを出す相手は、毎年、年賀状のやり取りをしている方となりますが、自分がやり取りをしている相手だけではなく、故人がやり取りをしていた相手にも出すのが良いでしょう。
葬儀に来て頂いた方にも出します。
なお、既に喪中を知っている親族には一般的に出さないものとされますが、近年では家族以外には出す場合もあるので一概には言えません。
仕事関係の方で故人と面識の無い方に対しては、喪中はがきは送らず、通常通り年賀状を出します。
ビジネスの相手へ気を使わせないためです。
喪中はがきの書き方のマナー
喪中はがきの基本的なマナーは「句読点は入れない」「行頭の一字下げはしない」「数字は漢数字で表記」することです。
縦書きが一般的ですが、横書きでもかまいません。ただし横書きになるとカジュアル感がでてしまいますので注意しましょう。
喪中はがきの基本的な構成は以下の6つです。諸々の事情や相手方との関係などを踏まえて、2の項目は省略することもあります。(1~4までの全ての項目を含む必要はありません。)
別の記事にて喪中はがきの文例を詳しく紹介しています。
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喪中はがきの文例について、詳しい内容はこちら
1.挨拶文
新年のご挨拶を遠慮させて頂く旨、または相手方が良い年を迎えることを祈念することを伝える挨拶文です。
時候の挨拶は必要ありませんが、あっても問題はありません。
「年賀」は使わず「年始・年頭・新年」等を使います。
「喪中につき新年のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます」
2.誰がいつ何歳で亡くなったのか
誰がいつ亡くなったのかを報告するため、亡くなった日付、続柄、故人の名前や亡くなった年齢を記します。
故人の名前はフルネームか、苗字が同じ場合はお名前のみで記します。
1枚の喪中はがきで、複数人の故人名を記載しても問題ありません。
「本年○月 父○○○○が○○歳にて永眠いたしました」
「本年○月 母○○○○が○○歳にて永眠いたしました」
亡くなった日付は、実際は「平成○○年○月」や「本年○月」と月までを記します。
続柄は、「父母、祖父祖母、兄弟姉妹、伯父伯母、叔父叔母」等を使います。
また義父、義母のかわりに「妻の父(岳父《がくふ》」、「妻の母(岳母《がくぼ》、丈母(じょうぼ)」を記します。夫の父の場合は「父」、夫の母は「母」とします。つまり「義父や義母」は使いませんのでご注意ください。
また、家族で同じ喪中はがきデザインを使用する場合は、立場によって続柄が「父」か「祖父」かとなりますので、あえて続柄、名前を記載しない喪中はがきにすることがあります。
相手の方に余計な気を遣わせないために、同様に記載を省く場合があります。
同年中に不幸が重なる場合も複数名を記さずに「名前を省略する」こともあります。
故人の年齢は、数え年でも満年齢でもどちらでもかまいませんが、現代では一般的に使用される満年齢を使う人が多いようです。
病気療養中であった場合にその旨をお伝えするかどうか、ご自身(ご家族)で判断して文面に含むことはあります。その場合でも病名までは記しません。
3.お世話になったことへのお礼、または葬儀済みをお詫びする言葉
故人が存命中に、相手から受けたことに対してのお礼(感謝の言葉)を書きます。
近年ではご家族、親族だけで行う葬儀「家族葬」が増えてきており、この場合は喪中はがきで亡くなったことを知ることになります。そのため近親者で葬儀を行った事や連絡が遅くなってしまったことをお詫びする文章をいれます。
香典を辞退する場合にはその旨もお知らせします。
葬儀におきましては 故人の生前の意志により
誠に勝手ながら 家族のみにて執り行いました
本来ならば早速申し上げるべき処でございましたが
ご通知が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
尚 お供えや御香典につきましてはご辞退させていただきたくお願い申し上げます
4.結びの挨拶
引き続きのお付き合いを願う言葉や、相手方が良い年を迎えることを祈念する言葉や、健勝を祈念する言葉を書きます。
「本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
「生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に 明くる年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます」
「ここに本年中に賜りましたご厚情に感謝致しますと共に 皆様に良き年が訪れますようお祈り申し上げます」
5.差出の日付
喪中はがきを出す年月を書きます。
6.差出人の住所・氏名
喪中はがきの表の宛名面ではなく、裏面の文章の最後に差出人の住所と氏名を書きます。
夫婦連名は問題なく、子供の名前までは連名しないのが一般的です。
または子供を通じてのお付き合いのある方へは、夫婦連名で喪中はがきを作り手書きで子供の名前を追加する、子供同士は変わらず年賀状のやり取りを行うため「子供は例年通りに年賀状を送らせてもらいます。」と一筆書くなど、柔軟に対応するご家庭もあるようです。
一言・添え書き
喪中はがきは原則、添え書きしないものとされますが、印刷した定型文での喪中はがきを用意したときには、手書きで一言添えたいと思うこともあるでしょう。
その場合はお世話になった感謝の気持ちや相手を気遣う言葉を添えます。
結婚した、子供が生まれたといった祝い事や「今度お食事にいきましょう。」といったお誘いの言葉は書きません。
近況報告などは喪中はがきとは分けてお知らせするものですが、引っ越したことを伝えたい場合は、住所項目の上などに「新住所」「引越しました」とシンプルに表記するまでにとどめます。
「生前は○○がお世話になり ありがとうございました」
「まだまだ寒さが続きます くれぐれもご自愛ください」
「皆様に良き年が訪れますようお祈り申し上げます」
喪中はがきの購入とデザイン
喪中はがきのデザインに決まりはなく、郵便局で切手部分が「胡蝶蘭」になった弔事用官製はがきを購入するか、市販の私製(喪中用)はがきを購入して準備します。
郵便局で通常はがき(官製はがき)購入する場合
郵便局に行くと、料額印面に「胡蝶蘭」をデザインした通常はがき(官製はがき)が販売されています。
この胡蝶蘭のはがきが、寒中見舞いや喪中欠礼はがきとして用いられ、弔事用として定番化しています。
四面連刷(248円)もありますが、インクジェット紙については、四面連刷は無いようです。
市販はがきを使う場合
私製はがきは別途切手が必要ですが、弔事用切手は必ずしも必須ではありませんので、無ければ通常の切手を使用します。
弔事用切手は62円の花文様で、郵便局で購入できます。
※一般用の官製はがきや切手はコンビニでの取り扱いがありますが、弔事用の取り扱い有無は店舗によるため、確実に入手するならば郵便局の窓口かWebショップになります。
書体は装飾があるものや、変わった書体は使わず、明朝体や行書体または楷書体がおすすめです。
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慶弔用の切手やハガキについての詳しい説明はこちら
喪中はがき用印刷サービス
喪中はがきは手書きにこだわらなくても大丈夫です。
郵便局の印刷サービスには喪中はがき向けの定型文入りやイラスト入りなど様々のデザインがあります。
もちろん自身でオリジナルのデザインで作成してもかまいません。
Web上では無料でテンプレートがダウンロードできるサイトがあり、文例やおしゃれな背景が揃っているので利用しても便利です。郵便局やエプソン、キャノンのサイトなどにも無料素材が揃っています。
郵便局、コンビニ、エプソンなどの印刷会社やカメラのキタムラなど写真専門チェーン、イオンなどの大型スーパーなどの店頭やネット受付で喪中用印刷サービスを行っています。
早めに注文すると割引が受けられ、格安で用意できます。
薄墨にこだわらなくてもよい
喪中はがきは「薄墨」を用いて書くのがマナーではありますが、葬儀などと違い事前に準備できるものなので、黒でもマナー違反ではありません。
パソコンなどで喪中はがきを作成される場合,はがき作成ソフト自体に薄墨設定ができるものの多くあります。
ただしその設定がない場合はこだわらず、黒で印刷しましょう。
宛名面は郵便局が読み取りやすい黒が良いでしょう。
会社・法人の場合は喪中はない
・会社・ビジネス上の相手への喪中はがきは送らない
仕事の取引先などビジネス上の関係の相手(個人)や、会社の同僚などへは喪中はがきを送りません。
相手に気をつかわせないようにするためです。
・法人の場合、喪中はない
社葬を行った場合でも会社・法人が喪中にはなりませんので年賀状などは通常通りでかまいません。
ただし家族経営の会社などでは公私を分けず、年賀欠礼をお伝えすることもあります。
キリスト教の場合は考え方次第
キリスト教では「喪中」という考え方がありません。
人が亡くなることとは神に召されて天国へと旅立ち、天国で再び会えると考えます。
しかしながら、クリスチャンでも日本では慣習として喪中はがきにあたるものを出す方は多いです。
「喪中」という言葉を文面に使わず、「過日○○○○○が主の御許(みもと)に召されましたため新年のご挨拶をご遠慮申しあげます」や「天に召される」という言葉に変えて出します。
※カトリックは「帰天」を使います。
※プロテスタントは「召天」を用いましょう。
喪中はがきを受け取った時は「寒中見舞い」
喪中はがきが届いた場合、年賀状を出すことは控え、新年のご挨拶など何も行わないのが一般的です。
しかし、自分の近況や、相手への励ましの言葉など何か伝えたいことがあって返事をしたいという方は、「寒中見舞い」で返事を送りましょう。お正月明けの松の内と呼ばれる1月7日以降から遅くとも2月の節分の頃までに届くのがよいとされています。
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喪中に関係する「寒中見舞い」についての詳しい説明はこちら
喪中はがきでよくある疑問・質問
喪中はがきをいざ送る立場となった場合、ちょっとしたことに対して疑問に思うことも多いものです。
そこで喪中はがきに関する悩みで多く寄せられる疑問について、質問に回答する形でお答えしていきます。
無料テンプレートは、郵便局やチラシやハガキなどの印刷を行う印刷業者、エプソンやキャノンといったプリンターを販売している企業などのサイトにあります。
どのサイトも似たようなテンプレートもありますが、菊や桔梗、蓮などオシャレでセンスの良いデザイン素材なども揃えてあります。自分好みや故人が好きそうなものを選んで使うことで簡単にオリジナルの喪中はがきを作ることができます。
その時期のご不幸の場合も同様です。
受け取った相手もご不幸の日付をみれば、事情を理解して頂けるでしょう。
「寒中見舞い」という形でお知らせしましょう。
喪中側が年賀状を受け取ることには何の問題もありません。
返事を書く場合は「寒中見舞い」を送りましょう。ご不幸を知らずに、故人への年賀状が届いた場合にも「寒中見舞い」でお伝えします。
別の記事にて文例を詳しく紹介しておりますので、ぜひご参考にされてみてください。
【合わせて読みたい】
喪中はがきの文例について、詳しい内容はこちら
まとめ
喪中はがきについての基本的なルール、そして書き方のマナーをご紹介しました。
意外に知らなかったということも多くあったのではないでしょうか。
喪中はがきを出す機会は突然やってくるものなのでいざという時に迷ったり、相手に失礼にならないように知識として覚えておくようにすると安心です。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
喪中はがきの時期になると、「自分は喪中に該当するのか」といった質問をよく受けます。喪中の時期に決まりはなく、3カ月程度から丸1年とそれぞれの家庭や故人との関係性により概念が異なります。