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一周忌とは?一回忌との違いやお布施・香典・お供え・お返しについて

一周忌とは?一回忌との違いやお布施・香典・お供え・お返しについて
  • 2024年08月26日

お葬式が終わったあとは、節目節目にさまざまな法要が執り行われます。一周忌は、四十九日法要や百箇日法要のあとに行われる法要です。

前の法要からも月日が経っているため、どのように一周忌法要を準備したらいいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、一周忌法要を執り行う流れや喪主の挨拶例、お坊さんを手配する際のお布施の相場などを紹介します。

▼詳しい内容と手配方法▼

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

一周忌とは

一周忌は、故人さまがお亡くなりになってから満1年後に行われる法要のことです。ここでは、一周忌の概要や他の法要との違いを解説します。

一周忌の概要

一周忌とは、故人さまがお亡くなりなってからちょうど1年後に行われる法要のことです。

一周忌法要は、長い喪中の期間が終わる節目。法要には、ご遺族や友人、知人など、故人さまと親しかった人が参列します。

本来であれば、故人さまがお亡くなりになってから、ちょうど1年後に法要も執り行われるのが一般的でした。

しかし、平日が命日の場合だと仕事や学校のため法要が執り行えないため、命日に近い日よりも前の休日に行われるケースが多くなっています。

一周忌は年忌法要の一つであり、三回忌や七回忌など、決まった年数で開催するのが一般的です。

一周忌と一回忌の違い

一周忌が法要の種類であるのに対し、一回忌は故人さまがお亡くなりになった日を示しているという違いがあります

一回忌はお亡くなりになった日であるため、一周忌は二回忌の法要になるというわけです。「〇周忌」と表現するのは一周忌のみであり、そのほかの年忌法要は「〇回忌」となります。

年回忌の法要がある年は以下の通りです。

  • 一周忌(二回忌)
  • 三回忌
  • 七回忌
  • 十三回忌
  • 十七回忌
  • 二十三回忌
  • 二十七回忌
  • 三十三回忌

故人さまがお亡くなりになって2年後に行われる法要が三回忌、6年後に行われるのが七回忌となります。

三十三回忌を弔い上げとし、年忌法要の区切りとなりますが、最近は三回忌や七回忌までとするケースも少なくありません。よりそうお坊さん便では法要日程がわかる、法要の日取り計算表もあります。ぜひご活用ください。

四十九日と一周忌の違い

一周忌は喪中が終わるのに対し、四十九日は忌中が終わるという違いがあります。

四十九日は忌明けとも呼ばれ、喪に服していたご遺族が日常生活に戻るタイミングです。忌中とは故人さまが冥土で旅をする期間、喪中はご遺族や親族が故人さまを偲ぶ期間となります。

仏教では人の死後に冥土と呼ばれる世界を49日旅し、49日目に閻魔大王から下される来世の判決を待ちます。

この期間中は汚れたものであり、さらに他の人にも伝染すると考えられていました。

そのため、来世が決定する49日までの間はご遺族や親族が汚れの伝染を防ぐ目的で、喪服を着て外出を控えなければなりませんでした。

一方、喪中は残された人の悲しみが癒え、日常生活が通常に戻るまでの期間という考えがあります。

一周忌法要の準備

一周忌法要の準備

一周忌で慌てないためにも事前準備が大切です。ここでは、一周忌の準備を紹介します。

法要の日程を決める

一周忌の日程は、お墓があるお寺(菩提寺)と相談して決めます。

命日が平日で都合が悪い場合は、その前の休日が候補の一つです。ご遺族だけでなく親戚や知人など、ほかの参列者の予定を踏まえる必要もあります。

なお、命日よりあとに法要を行うのはNGとされています。その理由は、命日よりあとに法要を行うと故人さまを待たせてしまうためです。

お寺のスケジュールもあるため、1か月前には日程調整をして予約しましょう。

お寺との付き合いがない場合は、親戚や友人からお寺を紹介してもらったり、お葬式をお願いしたお寺に相談したりもできます。

場所を決める

一周忌は読経やお焼香、食事会などをお坊さんを招いて行うため、会場選びも必要です。主な会場候補としては以下が挙げられます。

  • 自宅
  • 法要会場
  • ホテル
  • お寺

自宅で行う際には、日頃から手を合わせている仏壇が欠かせません。仏間でお焼香や読経を済ませ、そのあとにはお墓参りを行います。

自宅が難しい場合は、法要会場やホテルも選択肢の一つです。自宅と違って準備に手間がかからないメリットがあり、プランによっては法要と会食を同時に行うことも可能です。

また、菩提寺を所有している場合だとお寺に参列者が出向いて一回忌を行う場合もあります。

ご遺族や親族だけで一周忌を行うのであれば、落ち着いて法要ができる自宅やお寺がおすすめです。

知人や友人なども呼んで規模の大きな法要になる場合は、法要会場やホテルがよいでしょう。

いずれにしても法要ではお墓参りも行うため、お墓のある場所からアクセスがいい会場を選ぶことも大切です。

参列者に連絡をする

一周忌の日時や場所が決まったら、法要への参列者を決めて連絡しましょう。

会場や会食の都合もあるため、一周忌を行う際には事前に参列者の出欠を確認しておく必要があります。

ご遺族や親族をはじめ、故人さまと親しかった友人や知人などに参列してもらうのが一般的です。小規模で行う場合は、ご遺族や親族のみとする場合もあります。

基本的には、施主が案内状を出す形で参列者に案内を出します。

案内状を送る際には、返信できる往復はがきを使用しましょう。人数が少ない場合は電話やメールなどでも問題ありません。

会食の場を決める

法要が終わったあとにお斎(おとき)と呼ばれる会食を行う場合は、会食の場を決めておく必要があります。

お坊さんを自宅に呼んで読経を行う場合であれば、自宅でそのまま会食を行うことも可能です。自宅の広さや準備の手間を考慮し、飲食店に移動して会食を行うケースもあります。

法要会場やホテルで一周忌を行う際は、同じ場所で会食を行う場合もあるでしょう。いずれにしても会食を行うのであれば、会食の場を早めに決めて手配しておく必要があります。

お斎には、集まった方々に感謝の気持ちを伝えるという意味合いがあります。

ただし、「小さな法事にしたい」「参列者が少ない」などで会食の場を設ける必要がないと感じた場合、無理に会食を行う必要はありません。

会食を行わずにお弁当を配るケースもあるため、柔軟に対応して問題ないでしょう。

参列者の移動手段を決める

一周忌を行う際には、参列者の移動手段も決めておきましょう。車で会場まで来てもらう場合には、駐車場を確保しておく必要があります。

お寺や法要会場であれば駐車場に余裕があるケースも多いですが、自宅や街中のホテルだと駐車場がない場合もあるため注意しましょう。

また、一周忌が終わったあとに法要会場とは別の会場で会食する場合も、参列者の移動手段を確保しておく必要があります。

車で来ている参列者はそのまま会食会場に向かってもらうことも可能ですが、電車やバスで来ている参列者は移動手段がありません。

この場合は自分たちでマイクロバスやタクシーを手配したり、お店の送迎サービスを予約したりなど、事前対応が必要です。

法要に必要な費用を準備する

一周忌ではお布施をはじめ、いただいた香典に対する返礼品や飲食にかかる費用を準備しておく必要があります。

お布施の相場は3~5万円で、飲食代については一人あたり3千円〜1万円です。参列者が多いほど施主の負担は大きくなります。

また、自宅で一周忌を行う場合だと会場費はかかりませんが、法要会場やホテルだと費用がかかります。

お寺であれば1~5万円、法要会場やホテルだと5~10万円前後かかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

返礼品を用意する

一周忌では、参列者からいただくご香典やお供え物に対する返礼品を用意する必要があります。ご香典やお供え物の有無や金額に関係なく、参列者全員に渡すのがマナーです。

返礼品は一人ひとりにお礼を伝えながら手渡しするため、お礼状や挨拶状は用意しなくても問題ありません。

ただし、一周忌に欠席してご香典だけを送ってくださった方にはお礼状を添えて、返礼品を送りましょう。

返礼品は不祝儀を残さないという考えに基づき、香典返しと同じように消えものを選ぶのが一般的です。

消えものは使うとすぐになくなるもので、お茶やお菓子、洗剤などの日用品を指します。また、返礼品は参列者が持ち帰りやすいかどうかの配慮も必要です。

飛行機や電車を使って遠いところから来ている参列者にとって、荷物が大きいと移動の負担になります。返礼品は軽くて持ち運びのしやすい品物にしましょう。

一周忌法要の流れ

一周忌法要の流れ

一般的に一周忌は、以下の流れで進んでいきます。

  • お坊さん入場
  • 施主の挨拶
  • お坊さんによる読経
  • 参列者によるお焼香
  • お坊さんによる法話
  • お坊さんの退場
  • お墓参り
  • 施主のお礼、挨拶
  • 会食

並ぶ順番はお坊さんのすぐ後ろを最前列とし、施主か血縁が近い順番に座るのが基本です。お坊さんによる読経中は、数珠を手に持って静かに聞きましょう。

お焼香は施主から順番に席順に進みますが、やり方はお坊さんが教えてくれます。

法話が終わったらお坊さんの退場となるため、法要が始まる前にお布施を渡すタイミングがなかった場合、退場したあとに渡しましょう。

実際の流れは、法要の規模や地域によって変わってくる場合もあるため、当日の流れは関係者と確認しておきましょう。

施主は挨拶を行う必要があるため、不安に感じる場合は事前に挨拶例文を考えておくと安心です。

一周忌法要での挨拶例

一周忌で一般の参列者も呼ぶ場合は、施主が開始時と終了時に挨拶を行います。難しく考えられやすいですが、要点をまとめて伝えるだけでも問題ありません。

【開始時の挨拶例】

「本日はお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。

それではこれより(戒名)の一周忌の法要を始めさせて頂きます。

本日は○○寺の住職である○○様にお願いしております。それでは○○様お願い致します。」

この時の故人の呼び方は、氏名ではなく戒名で呼ぶのが正しい作法です。参列者に挨拶をし、お坊さんにも挨拶と一礼をした後読経と焼香が始まります。

焼香が全員終わった段階で、終了時の挨拶を行います。

【終了時の挨拶例】

「本日はおかげ様で(戒名)の一周忌法要を無事終える事ができ、故人も安心している事と思います。

皆様にはこれからも変わらぬご支援の程よろしくお願いいたします。

簡単ではございますが、お膳を用意させてもらいました。お時間の許す限りゆっくりとなさってください。

本日はまことにありがとうございました。」

終了時の挨拶では、お礼とお斎の案内をする事が多いです。その後会場へ案内をして、法要は終わりとなります。

お坊さんを手配する時のお布施の相場

一周忌の場合のお布施は、3万円~5万円が相場とされています。

一周忌のタイミングで納骨をする場合は1万円から5万円ほど多く包む事もあります。

ただし、お布施は本来、感謝の意を表した物であり、決まった金額がある訳ではありません。その為相場とされている金額もあくまで目安であり、付き合いのある菩提寺がある場合は、檀家総家の方に聞いた方が間違いはありません。

自宅で行う場合はお坊さんに来てもらう事になりますが、その時はお布施とは別にお車代として5千円~1万円渡すこともあります。

参列者が知っておきたい一周忌のマナー

参列者として一周忌に参列する際には、いくつか気をつけておきたいマナーがあります。ここでは、参列者が知っておきたい一周忌のマナーと準備するものを紹介します。

招待されたら基本的に断らない

一周忌に招待された場合、基本的には断らないのがマナーです。

都合がつかなかったり、外せない用事がある場合を除いてできる限り参列しましょう。どうしても参列できない場合は、お断りの連絡を入れる必要があります。

お断りの連絡を入れる場合は、手紙や電話で伝えるのが一般的です。

本来であれば手紙でお悔やみを伝えるのがよいですが、一周忌の予定が迫っていて時間がなければ、やむを得ず電話でも問題ないでしょう。

ご遺族は法要に参列する人数分の食事の手配を行う必要があり、日程が近づけば近づくほど、断ったときに迷惑をかけることになります。

そのため、参列できないことがわかった時点で速やかにお断りの連絡を入れましょう。

香典を用意

参列者の規模や範囲に関係なく、一周忌に参列する際にはご香典を用意するのがマナーです。

そもそもご香典は弔意を示すだけではなく、突然の不幸に対して助け合う相互扶助という役割もあります。

お葬式に参列した際にご香典を渡していたとしても、改めてご香典を用意しましょう。

ご香典は一周忌に限ったことではなく、三回忌や七回忌などの年回忌の法要でも渡すのが一般的です。

ただし、事前にご遺族から香典不要の連絡があった場合や、会場・案内状に香典辞退の文言があれば用意しなくても問題ありません。

香典不要としている場合は、ご香典を渡すことがご遺族に迷惑をかける行為となるため避けましょう。

なお、一周忌のご香典の相場は5千円~1万円です。会食にも参加する場合は1〜2万円、卒塔婆を立てる場合は5千円ほど多く包むのがマナーとなります。

香典袋(不祝儀袋)の書き方

一周忌も葬儀などと同じく不祝儀袋を使います。故人さまはすでに仏様になられているので、表書きは「御仏前」、「御沸前」、「御供養物料」、「御香料」などを書きます。

また、葬儀の場合は薄墨で書きますが、一周忌の場合は薄墨ではなく濃い墨を使用します。

薄墨は急な事で墨をすれなかったや、涙で墨が薄くなったとされており、突然の別れに動揺しているという意味で使われる物です。

その為四十九日以降は全て濃い墨で書くようにします。テキスト

お供え物を用意

一周忌にご香典を持参する場合、お供え物は必須でないものの、地域のルールによっては用意した方がいいケースもあります。

金額相場は5千円~1万円とされており、基本的には一周忌のみに参列するご香典相場と同じです。お供え物は法要後に分けて持ち帰ることが多いため、個別包装が喜ばしいです。

果物や日持ちするお菓子、ジュース、ビール、供花が選ばれやすいですが、殺生をイメージするため、お肉やお魚はやめましょう。

お供え物を持参する際には、のし紙も必要となります。その理由は、のし紙には故人さまへの感謝や、ご遺族へのいたわりの気持ちを表す意味があるためです。

一周忌に参列する際には外のし、参列せずにお供え物を送る場合は内のしをかけるとされています。

ただし、参列者が多くお供え物が多くなる場合は誰からのお供え物かわからなくなるため、外のしを使う場合もあります。

当日は時間に余裕を持つ

一周忌に参列する際、当日は時間に余裕を持つという意味で、法要開始30分前までには会場に到着しておきましょう。

その際は施主に挨拶を行いますが、「ありがとうございます」は使わず、「本日はお招きいただき恐れ入ります」と挨拶をします。

早めに到着することで、お供え物を渡す時間にも余裕が持てるでしょう。

また、一周忌に遅刻することはマナー違反です。車で会場に向かうにしても、公共交通機関で向かうにしても、予期せぬトラブルで遅れてしまう場合があります。

このような場合に備えるという意味でも、時間に余裕を持った行動が大切です。

遅刻することがわかったら、その時点で一周忌を行う会場に連絡を入れましょう。法要が始まってから連絡を入れるのは厳禁であるため、それまでに必ず伝えておく必要があります。

一周忌に関するよくある質問

ここでは、一周忌に関するよくある質問を紹介します。

一周忌とはなんですか?
「一周忌」とは、故人さまが亡くなってから満1年後に行われる法要の事を指します。
一周忌にはどのような服装で参加しますか?
一周忌の服装は、施主や親族は正礼装か略礼装が一般的です。参列者も特に指定がなければ略礼装で参列するのが無難です。
一周忌でお坊さんを手配する時のお布施の相場はいくらですか?
一周忌の場合のお布施は、3万円~5万円が相場とされています。一周忌のタイミングで納骨をする場合は1万円から5万円ほど多く包む事もあります。
一周忌はどれくらい前から準備したらいいですか?
一周忌は、命日の2か月前くらいから準備することをおすすめします。一周忌は参列者のスケジュール調整をはじめ、お坊さんや会場、会食の手配などが必要です。直前だと十分な準備ができない可能性があります。
一周忌は命日以外でも可能ですか?
参列者や会場の都合もあるため、命日より前の土日に行われるケースが多くなっています。できるだけ多くの方が参列できるタイミングがよいでしょう。

なお、法要全般にいえることですが、命日よりあとに行うことは故人さまを待たせることになるため、前倒しして行うのが望ましいです。

まとめ

この記事では、一周忌の概要や一回忌との違い、事前準備、参列者が知っておきたいマナーを解説しました。

一周忌は故人さまがお亡くなりになってから1年目に行う大切な喪明けの法要です。参列者への案内をはじめ、会場や会食の手配が必要となり、想像以上に手間がかかる場合もあります。

直前の準備や用意だと会場が確保できないようなケースもあるため、時間に余裕を持って一周忌の準備を進めていきましょう。

また、一周忌には形式的なことやマナーもありますが、もっとも大切なことは故人さまを偲ぶ気持ちです。一周忌に対する理解を深め、追善供養としての本来の役割を果たし、故人さまに感謝の気持ちも伝えましょう。

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