遺骨がダイヤモンドになる。気になる値段や作り方
- 2023年05月17日
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手元供養(自宅供養)の方法として、最近、注目されているのが遺骨をダイヤモンドに加工する方法です。
ダイヤモンドと言えば、宝石の中で最も硬度で、美しい鉱物であることは知られていますが、実は、火葬後の遺骨を使って人工的にダイヤモンドを作れることは、あまり知られていません。
人工的に作られたたものとはいえ、その輝きや硬度は天然のダイヤモンドとほとんど同じというから驚きです。
製造業者は海外にあり、スイスのアルゴダンザ社やアメリカのライフジェム社が有名です。ちなみに、ライフジェム社は世界で初めて、遺骨からダイヤモンドを生成した会社です。
では、一体どのようにして遺骨からダイヤモンドが作られているのでしょうか。また、製作にかかる費用や製作期間など、気になることもたくさんあるかと思います。
この記事では、遺骨ダイヤモンドについて詳しくご紹介していきます。
目次
遺骨ダイヤモンド:遺骨をダイヤに生成する
まずは、遺骨ダイヤモンドの概要について解説いたします。
遺骨ダイヤモンドとは
遺骨ダイヤモンドは、故人の遺骨から作られた人工ダイヤモンドのことで、身近に故人を感じられる供養の方法として注目を集めています。「メモリアルダイヤモンド」や「ラボグロウンダイヤモンド(ラボ=研究室、グロウン=生成された、の意味)」などとも呼ばれています。
ダイヤモンドは、炭素が自然環境の中で高温高圧にさらされてでき上がります。遺骨ダイヤモンドはこの自然環境を人工的な技術によって再現します。火葬後の遺骨の中に含まれる炭素を純粋抽出して、人工的に高温高圧にかけることで、合成ダイヤモンドができあがるのです。
そのため、その硬度や輝きなどは天然ダイヤモンドと比べても遜色がありません。
遺骨ダイヤモンドの歴史
人工ダイヤモンドの製作そのものは、19世紀から行われており、技術が向上した1980年ころから市場に出回るようになりました。
世界ではじめて遺骨内の炭素を生成して人工ダイヤモンドを作り出したのは、アメリカのライフジェム社です。2002年に販売を開始し、これまでに6,000以上もの遺骨ダイヤモンドを作っているそうです。
遺骨ダイヤモンドの作られ方
どのようなプロセスを経て、遺骨をダイヤモンドにしていくのでしょうか。
遺骨ダイヤモンドの製造プロセス
遺骨ダイヤモンドは次のような手順で作られます。
▶STEP 1 遺骨の受け取り
まずは遺骨ダイヤモンドの販売店と契約して、遺骨を製造メーカーに送ります。
依頼する業者によって、郵送のケースと自宅まで受け取りに来てくれるケースがあります。
▶STEP 2 分析と検査
遺骨に含まれている炭素量および成分の分析と検査をします。
▶STEP 3 炭素を抽出
遺骨の中から、ダイヤモンドの元となる炭素を抽出します。
▶STEP 4 黒鉛への変換
純度を上げるため、熱処理や物理処理を行い、不純物を取り除いて黒鉛にします。
▶STEP5 高温高圧法で合成ダイヤモンドを生成
ダイヤモンドの生成には、高温かつ高圧な環境が必要となります。自然界では地殻140〜190km下だけで、生成に要する期間は10億年〜33億年と言われています。これの高温高圧を人工的に作り出し、ダイヤモンドを結晶化します。
▶STEP6 カット・研磨
でき上がった原石をカット、研磨をして仕上げます。
▶STEP7 品質検査を行い、保証書や鑑定書の発行
製作した業者が発行する証明書となります。
▶STEP8 ジュエリー加工
ダイヤモンド生成は海外で行い、日本国内の定型業者にてジュエリー加工するのが主流です。
製造メーカーが遺骨を預かってから、遺骨ダイヤモンドを完成させるまでには、数ヶ月から1年程度の時間がかかります。
デザインやカットの選択肢
遺骨ダイヤモンドは、さまざまなデザインやカットで作ることができます。ラウンドカットやプリンセスカット、エメラルドカットなど、好みや故人のイメージに合わせて選べます。
また、ダイヤモンドの色も選ぶことができ、ブルーやグリーン、イエローなど、故人が好きだった色を選ぶことができます。
さらに、ダイヤモンドを留めるリングやペンダントなどのジュエリーも、素材やデザインを自由に選択できます。
このように、遺骨ダイヤモンドは、故人への想いを形にするだけでなく、オリジナリティを持たせることができるのが魅力です。
遺骨ダイヤモンドの費用
遺骨ダイヤモンドの費用は、一般的には数十万円から数百万円の範囲で、ダイヤモンドの品質を決める「4C」によって大きく変動します。4cとは次の通りです。
- カラット(Carat)重さ
- カット(Cut)輝き
- カラー(Color)色
- クラリティ(Clarity)透明度
ちなみに、世界ではじめて遺骨ダイヤモンドの製作を手がけたライフジェム社の場合、カラーレス(透明)のダイヤモンドの場合、最も小さいサイズ(0.1~0.19ct)で544,500円、最も大きいサイズ(1.25~1.49ct)で3,279,100円です(2023年4月現在)。
スイスのアルゴダンザ社の場合も、528,000円~2,728,000円と大きな開きがあります(ピュア・ダイヤモンドの場合。2023年4月現在)
製造メーカーの選び方
遺骨ダイヤモンドを制作するにあたり、信頼できる製造業者を選ぶことが重要です。以下のポイントに注意して選びましょう。
- 実績と評判:長年の実績があり、口コミや評判が良い業者を選びましょう。
- カスタマーサポート:丁寧で親切なカスタマーサポートがあることが大切です。故人への想いを十分に伝えられる環境を選びましょう。
- 透明性:製作プロセスや費用について明確で透明性のある業者が望ましいです。隠れたコストがないことを確認しましょう。
- アフターサービス:ダイヤモンドのメンテナンスや修理に対応してくれる業者が望ましいです。
現在日本で遺骨ダイヤモンドの取り扱いができる企業のほとんどが、海外企業の日本法人です。
代表的なメーカーをご紹介します。
▶ライフジェム社(アメリカ)
https://www.lifegem.co.jp/
ライフジェムは、アメリカ・イリノイ州シカゴにある遺骨ダイヤモンドメーカーで、世界で一番はじめに遺骨をダイヤモンドに生成した会社として知られます。遺骨だけでなく人間の毛髪からもダイヤモンドを作る技術を持っており、GIA(米国宝石学会)ややIGI(国際宝石学会)の認定を受けるほどの高品質のダイヤモンドを作っています。
▶アルゴダンザ(スイス)
https://www.algordanza.co.jp/
アルゴダンザはスイス発の遺骨ダイヤモンドメーカーです。山々に囲まれた美しい環境の中で、丁寧なケアの下にダイヤモンドが製作されます。2004年に創業し、日本法人であるアルゴダンザ・ジャパンが設立されたのが2005年。日本向けのホームページでは動画も交えて、遺骨ダイヤモンドがどのように作られるのかを丁寧に紹介してくれています。
▶ロニテ(スイス)
https://www.lonite.jp/
ロニテはスイスにあるダイヤモンド製造メーカーです。社名はスイス・フランス語で「最後のとき」を意味します。1950年代から人工ダイヤモンドの結晶化に取り組んでおり、現在は、高いレベルの制御・監視機能、7つの箇所で25回の品質検査などを経て、美しいダイヤモンドを生成しています。
▶ハート・イン・ダイヤモンド(イギリス)
https://www.heart-in-diamond.jp/
ハート・イン・ダイヤモンドは2006年に設立され、同じ年に日本でも事業を展開しています。他の企業に比べて短納期であることが特徴で、70日から120日という日数でダイヤモンドができあがります。
▶TOMONi(日本)
http://www.towani-tomoni.com/
TOMONiは、手元供養アイテムを手がける株式会社ウィザードによる遺骨ダイヤモンドブランドです。国内唯一の遺骨ダイヤモンドメーカーですが、ダイヤモンドの製造をスイスの工場で行い、日本の工場でジュエリーの製作を行います。
遺骨ダイヤモンドに関するQ&A
遺骨ダイヤモンドに関するよくある質問にお答えいたします。
ダイヤモンドにするために必要な遺骨の量は?
メーカー各社がダイヤモンドを作るのに必要な遺骨の量を示していますが、業者によって大きな幅があります。
各社ホームページによると、ライフジェム社は70g、ロニテ社は300g、アルゴダンザ社は400gとしています。アルゴダンザ社が示す400gとは、遺骨全体の3分の1から4分の1に相当します。
遺骨の量が少ない場合はどうする?
まずはメーカーに相談してみましょう。限られた量でダイヤモンドを作れる場合もあるようです。分析や検査の上、もしもダイヤモンドにできないということであれば、遺骨は未加工の状態で返還されます。
ペットの遺骨でもダイヤモンドを作ることは可能なの?
ペットの遺骨でも人骨と同様、ダイヤモンドを作ることが可能です。人間の遺骨と混合しないよう、専用の製作所を設けている業者もあります。
遺骨ペンダント:遺骨をペンダントに納める
中には、遺骨をダイヤモンドに作り変えることに抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。
それでも故人の遺骨を肌身離さず持っていつまでもその存在を感じていたい人には、遺骨を収納できるペンダントがおすすめです。
遺骨ペンダントとは
遺骨ペンダントとは、故人の遺骨のかけらを納められるペンダントのことです。ペンダントに遺骨を納める箇所が内蔵されており、一般的なアクセサリー同様に日常生活の中で身に着けることができます。大切な人をいつも身近に感じられることから人気を集めています。
遺骨ペンダントの種類とデザイン
遺骨ペンダントにはさまざまな種類とデザインがあります。シンプルな形状から立体的なデザインまで、故人のイメージや遺族の好みに合わせて選べます。
素材もシルバー、ゴールド、プラチナなどさまざまな選択肢があり、ペンダント本体には名前や日付やメッセージの刻印ができ、より想いを込めたアクセサリーにできます。
遺骨の納め方
遺骨ペンダントは一部が空洞になっています。精密ドライバーなどを用いてネジで開閉して、その中に遺骨のかけらを納めます。遺骨を納める際には、ピンセットを使用し、丁寧に扱うことが大切です。遺骨を納めたら、ペンダントの蓋をしっかりと閉めて固定し、遺骨がこぼれないように注意します。
お手入れや管理のポイント
遺骨ペンダントを長く大切にするためには、以下のお手入れや管理のポイントに注意しましょう。
▶定期的なお手入れ
柔らかい布や専用のクリーナーで定期的に拭き上げることで、本来の艶や輝きをより長く維持できます。
▶湿気や直射日光を避ける
湿気や直射日光はジュエリーにダメージを与える原因となります。遺骨ペンダントを保管する際は、乾燥した場所で、直射日光が当たらないようにしましょう。
▶衝撃や圧力に注意
遺骨ペンダントはデリケートなため、衝撃や圧力に注意して取り扱いましょう。
▶着脱時の注意
ペンダントの着脱時には、チェーンや留め具が壊れないよう丁寧に扱いましょう。
遺骨ペンダントは、愛する人の存在を身近に感じられるものとして、日常生活で身に着けられます。
好みに合ったデザインのものを選び、日常的なお手入れを丁寧に行うことで、長く大切に維持できます。故人との思い出を胸に抱き続けるためにも、遺骨ペンダントは大切にお祀りしましょう。
その他の手元供養の方法:さまざまな形で故人を偲ぶ
ここまで、遺骨ダイヤモンドや遺骨ペンダントについて解説してきました。
これらに共通するのは、「故人とずっとそばにいたい」「故人を忘れたくない」という切なる想いです。遺骨をそばに置いておく供養の方法を「手元供養」と呼びますが、遺骨ダイヤモンドや遺骨ペンダント以外にも、さまざまなアイテムや、故人を偲ぶ方法があります。
手元供養の種類と選び方
手元供養は、故人を偲ぶさまざまな方法があります。遺骨ダイヤモンドや遺骨ペンダント以外にも、ミニ仏壇やミニ骨壺などを購入して、自宅の中に手を合わす場所を作る人も少なくありません。
▶ミニ仏壇
ミニ仏壇は、通常の仏壇よりもサイズが小さく、手軽に設置できる仏壇です。アパートやマンションなどの狭い住まいでも、リビングや寝室に置くことができます。デザインもさまざまで、伝統的な仏壇からモダンなデザインまで幅広く選ぶことができます。ミニ仏壇は、毎日のお参りやお線香を上げることができるため、故人とのつながりを感じられる手元供養アイテムです。
▶ミニ骨壺
ミニ骨壺は、遺骨を一部分だけ納められる小さな骨壺です。遺骨を分けて納めることができるため、遠方に住む家族や親戚にも手元供養ができます。ミニ骨壺は、陶器やガラス、金属など様々な素材で作られており、デザインも豊富です。また、遺骨を安全に納めるための専用のケースやバッグも用意されていることが多いです。
最近では位牌や仏具もコンパクトでオシャレなものが登場しています。ガラス製、金属製、陶製など、室内のインテリアにうまく調和するサイズとデザインのものが人気です。
思い出の写真や手紙、オブジェなどを並べる
思い出の写真や手紙、思い入れのある絵画やオブジェなどは、故人の姿や思い出を視覚的に感じることができる手元供養です。家族で共有できる写真アルバムや、故人が好んだ風景画などを飾ることで、日常の中で故人を偲ぶことができます。また、故人の遺品をアート作品やインテリアとしてリメイクし、部屋に飾ることも一つの手元供養になります。
また、故人が好きだった音楽を流す、映画や文学作品に触れる、故人と交わした手紙を読み直すなどの方法で、故人とのつながりを感じることもできます。
家族での共有や交流を大切に
供養で大切なのは、「故人を忘れない」ことです。それさえできれば、形式や慣習がなくても、しっかりと故人を供養できていると言えます。
最も素朴な供養の方法は、家族で故人の思い出を語り合うことです。家族が集まる機会には、故人のエピソードや教えを語りあい、故人とのつながりを感じましょう。また、故人が好きだったものをみんなで食べたり、思い出の場所を訪れることも供養の一環です。
そんな時に、指先や胸元に遺骨ダイヤモンドがあれば、なおのこと、故人とともにいることを実感できるのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?遺骨ダイヤモンドについて、さらには手元供養について解説して参りました。
遺骨ダイヤモンドは、故人の遺骨から生成される特別なダイヤモンドで、オリジナリティあるデザインやカットで故人を偲ぶことができます。
製造のためには海外の工場に遺骨を送り、完成まで数か月の日数を要します。費用は大きさなどによってさまざまですが、数十万円から数百万円と、決して安い出費ではありません。しかし、故人そのものである遺骨をダイヤモンドに変えることで、ずっと故人と一緒にい続けられます。
その他にも、遺骨ペンダント、ミニ仏壇やミニ骨壺など、さまざまな手元供養アイテムを活用して、故人を偲ぶ場所を設けましょう。家族で故人の思い出を語り合い、交流を大切にすることこそが何よりの供養です。
遺骨を宝石や、ガラス細工にする手元供養についての記事もご参照ください
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