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法事・法要のマナー
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お布施の相場はいくら?正しい包み方とは?渡し方のマナーなど気になる疑問点を解説!
お葬式でお世話になるお坊さんに対しては、お布施を包む必要があります。
初めてお葬式を執り行う人のなかには、「そもそもお布施とは?」「どれくらい包む?」「どのタイミングで渡す?」など、わからないこともあるのではないでしょうか。
この記事では、お布施の書き方や金額相場、マナー、よくある質問などについて詳しく解説します。お布施について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
お布施は、お葬式でお世話になったお坊さんに渡す謝礼のことです。
お葬式では、お坊さんに戒名や読経を行っていただく必要がありますが、こうした宗教的儀礼は無償で行ってもらえるわけではありません。
行っていただいた儀礼に則して、相応のお布施をお渡しします。
なお、お布施はお坊さんの報酬になるわけではなくお寺のご本尊に捧げられるもので、金額に明確なルールはありません。感謝の気持ちでお渡しするのがマナーとなります。
お布施には書き方や入れ方、包み方、渡し方にそれぞれマナーがあるため、どのようにお渡しすべきか知っておくのが望ましいです。
普段からお世話になっている菩提寺(ぼだいじ)ごとに対応が変わるため、何かわからないことがあれば一度直接相談してみましょう。
お布施は、表書き・中袋・裏面でそれぞれ書き方が変わるため、注意が必要です。ここでは、お布施の書き方について詳しく解説します。
お布施の表書きは、上段と下段に分けて記載します。
お布施を入れる袋の上段にはお布施、御布施、御経料、御礼などの言葉を書き、下段には施主の姓「〇〇家」もしくはフルネームを書くのが一般的です。
基本的には封筒の正面中央上段にお布施と書き、下段に〇〇家と書けば問題ありません。
しかし、家庭や地域によって表書きの書き方が変わるため、念のため身内の年長者にどのように書けば良いか聞いておくと安心でしょう。
お布施の中袋表面には、金額を記載します。ここの金額は、漢数字の旧字体で記載するのが一般的です。
あくまでも上記の数字は金額相場ではなくわかりやすいものにしているだけであるため、お渡しする目安については家庭や地域の慣例に従ってください。
なお、数字は死を連想させる「4」、無を連想させる「6」、苦を連想させる「9」など、不吉とされるものは避けるようにしましょう。
「2」や「8」など割り切れる数字も別れを連想させるため、避けるのが望ましいです。
お布施の中袋裏面には、氏名と住所を記載します。
氏名は、施主の苗字もしくは名前をご記載ください。住所は、施主が現在お住まいの所在地を記載しましょう。
氏名と住所に関しても、家庭や地域の慣例に従う必要があります。
お布施には、戒名料や読経料が含まれていますが、まとめてお布施代と捉えると良いです。ここでは、お布施の金額相場について詳しく解説します。
まずお伝えしておきたいのは、お布施の金額に決まりはないということです。
お布施の金額についてお坊さんに相談すると、具体的な金額を教えてくれるところもあれば「お気持ちで構いません」と濁すところもあります。
お布施はあくまでも戒名や読経に対して感謝の気持ちを表すものであるため、定価というものが存在しません。
そもそもお布施はお坊さんの懐に入るものと考えられやすいですが、実際にはお坊さんが所属しているお寺のご本尊に捧げられるものとなります。
捧げられたお布施はお寺の維持や活動に使用し、社会に還元していくのが仏教における本来のお布施のあり方とされています。
普段のお付き合いによっても変わるため、お坊さんのなかには「いくらでも良い」と回答する場合も珍しくありません。
多すぎたり少なすぎたりしなければいくらでも問題ないため、全国の地域別相場に合わせてどれくらいお渡しするかを決めると良いでしょう。
お布施については、全国の地域別相場を見るとわかりやすいです。
ここでは、日本消費者協会が行った「第12回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」のデータを紹介します。
同アンケート調査によると、お葬式でのお布施の全国平均は42.5万円です。この相場には2日分のお葬式の戒名料や読経料が含まれており、地域別に見ると以下のようになります。
全国の地域別相場を見ると東京が一番多く、北海道が一番少ないことがわかります。
ただし、すべて相場通りにお渡ししなければいけないわけではなく、戒名や読経の内容によっても変わるため、年長者と相談しながら判断するのが良いでしょう。
ただし、戒名は階級によってお布施の相場が変わるため注意が必要です。
読経でお布施の相場が変わることはありませんが、階級によって金額が変わることがあるため状況に応じた判断が求められます。
なお、都市部ではその場限りのお付き合いのお坊さんを葬儀社が紹介してくれることがあり、求められるお布施は状況によって大幅に変わります。
お葬式のお布施の金額相場については、以下の記事でも詳しく解説しています。
お布施の他にお坊さんにお渡しするものとして、お車代や御膳料があります。
近場のお坊さんの場合、お車代は数千円でも問題ありませんが、遠方から来ていただく場合は数万円ほど必要となります。
ガソリン代や高速道路代、公共交通機関代を見据えて距離に見合った金額をお渡しすることが求められるため、実費を含めて計算しましょう。
御膳料に関しては、参列者の食事と同様の金額を包めば十分です。
なお、喪主やご遺族が送迎用の車両を手配したり、自ら食事を提供したりする場合は、お車代や御膳料は不要となります。
お坊さんによっては、お布施だけで十分と断られる可能性もあるため、柔軟に対応すると良いでしょう。
年忌法要でもお布施が必要です。年忌法要には、主に以下のようなものがあります。
最近では、初七日法要はお葬式当日にまとめて行うのが主流となってきていますが、四十九日法要や一周忌、三回忌や七回忌にはお坊さんに対応してもらう必要があります。
年忌法要では、一度に数千円〜数万円のお布施が必要となります。
菩提寺がある人は祖父母や両親だけでなく、自分自身をはじめ子や孫もお世話になる可能性があるため、今後のお付き合いを見据えてお渡しするのが良いでしょう。
お布施は、挨拶・入れ方・書き方・包み方・渡し方のマナーを守ることが重要です。ここでは、お布施のマナーについて詳しく解説します。
お布施では、お札の入れ方のマナーを守ることが重要です。
お札は開封時に紙幣が表側かつ肖像画が上側、旧札ではなく新札もしくは比較的きれいなものを入れるのがマナーとなります。
香典では、故人さまを失った悲しみを表現するために紙幣を裏側かつ下側に入れるのがマナーですが、お布施は紙幣を表側かつ上側に入れます。
また、香典では突然の訃報で間に合わなかったことを表現するために旧札を入れるのがマナーとされますが、お布施は新札もしくは比較的綺麗なものを入れましょう。
お札の向きはすべて揃え、バラバラにならないように配慮するのが望ましいです。
お布施では、袋の書き方のマナーを守ることも重要です。
袋は薄墨ではなく濃墨で、数字は大字(だいじ)で書くのがマナーとなります。
香典では、故人さまを失った悲しみの涙を表現するために薄墨で書くのがマナーですが、お布施は濃墨でお書きください。
また、香典と同様にお布施の数字は大字で書くようにしましょう。
あくまでもお布施は受け取ったお坊さんの読みやすさを重視すべきであるため、香典の書き方などに合わせる必要はありません。
お布施は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布に包んで持ち運ぶのがマナーです。袱紗は、お布施を汚さない、先方の気持ちによりそうなど、色々な意味合いがあります。
弔事では紺色や灰色、緑色など落ち着いた色合いのものをお選びください。紫色の袱紗は慶事や弔事にも使用できるため、冠婚葬祭に合わせて一つは持っておきましょう。
なお、お布施を袱紗に包む場合は、右側ではなく左側の布を重ねるように包みます。実際にお坊さんにお渡しする場合は、袱紗から取り出すのがマナーです。
お布施は、袱紗から取り出してお坊さんにお渡しするのがマナーです。
タイミングとしては、すべての儀礼が終わった後となります。会食に参加される場合は、会食が終わったタイミングでお渡しください。
なお、お坊さんが車で葬儀場にきた場合はお車代、会食に参加しなかった場合は御膳料をあわせてお渡ししましょう。
辞退された場合もすぐに引っ込めず、どうかお受け取りくださいとお伝えください。それでも断られた場合は、気持ちとしてお布施だけお渡しすれば問題ありません。
初めてお坊さんのお世話になる人は、お布施に関するよくある質問を知っておくと安心です。ここでは、お布施に関するよくある質問についていくつか紹介します。
お車代や御膳料はお布施とは別物です。お布施は、お坊さんが戒名や読経に対応してくれた謝礼としてお渡しするものとなります。
お車代はガソリン代・高速道路代・公共交通機関代、御膳料は食事代という認識となるため、基本的には別途でお渡しするのがマナーとなるでしょう。
お坊さんによってはお車代や御膳料を辞退される場合がありますが、一度断られてもすぐに引っ込めずにお渡しするのがマナーです。
それでもお坊さんから断られた場合は、「お言葉に甘えさせていただきます」と一言添えて引っ込めるようにすると失礼に当たりません。
あくまでも、感謝の気持ちとしてお渡しするのがマナーとなります。
お寺によっては、お布施が足りないといわれることが稀にあります。
財政状況が厳しいことを理由に総代会よりお願いの文書が届くことがあり、従来のお布施の基準よりも増額された金額が求められます。
こうしたケースは珍しいですが、最近では存続の危機に瀕しているお寺も多く、お布施が少ないといわれるパターンもあります。
その場合、追加でお布施をお渡しするか、お寺との今後の関係を見直すことが重要です。
もちろん、お布施はあくまでも感謝の気持ちを表すものであるため、足りないと直接的にいわれることはほとんどありません。
一方で、お寺も維持や活動を続けていくための資金が必要となるため、普段からお世話になっている菩提寺などには十分な金額をお渡しするのがマナーです。
多すぎても少なすぎてもマナー違反となるため、平均的な金額をお渡しすることが求められます。お葬式のお布施については、以下の記事でも解説しています。
お布施は、宗教や宗派で金額相場が変わることがあるため注意が必要です。
日本では主に仏式・神式・キリスト式のお葬式が執り行われており、それぞれで求められるお布施が変わります。
例えば、仏教や神道では数万円の謝礼が必要となります。
一方で、キリスト教ではカトリックで追悼ミサ、プロテスタントで召天記念日などが年忌法要に当たり、献金として数千円~数万円の謝礼が必要です。
所属している宗教や宗派によって金額相場が大幅に変わることはありませんが、どれも数万円の謝礼が必要となる点には注意が必要となります。
お布施に文字を書く際は、毛筆や筆ペンを使用してください。ボールペンやシャープペンで書くのはもちろん、マジックなどで書くのもマナー違反です。
理想としては毛筆が求められますが、筆ペンでも問題ありません。
今後のことを考えると毛筆はあった方が良いですが、お葬式は何度もあるわけではないため、筆ペンで対応しても良いでしょう。
家庭や地域によっては使用するペンを指定される場合があるため、何を使用すれば良いか判断しかねる場合は葬儀社や年長者に相談しましょう。
お葬式でお坊さんにお世話になる場合、お布施をお渡しするのがマナーです。
お布施はお坊さんの戒名や読経に対する感謝の気持ちを表したもので、封筒などに入れてお渡しするのがマナーとなります。
封筒には表書き上段にお布施、下段に名字もしくはフルネームを記載し、中袋の表面には金額、裏面には氏名と住所を記載します。
お渡しするタイミングはお葬式の後となるため、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。
お葬式自体を執り行うのが初めてで何から着手すれば良いかわからない場合は、よりそうお葬式にご相談ください。
よりそうお葬式では一般葬をはじめ、家族葬や火葬式(直葬)に対応している他、定額でお坊さんの手配にも対応しています。
よりそうお坊さん便サービスにて、定額でお坊さんを手配できるため、お布施をどれくらいお渡しすれば良いかわからない人も安心です。
まずは、お気軽にお問い合わせくださいませ。
「よりそうお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「お葬式読本」を無料で贈呈しています。はじめての喪主でも安心の役立つ情報がそろっています。もしも時のための事前準備に活用できます。
※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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