弔問の服装は訪問のタイミングで違う!香典やお供え物のマナー
- 2023年01月26日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
弔問(ちょうもん)とは訃報をうけて、遺族にお悔やみをお伝えしに出向くことをいいます。
ひとことで弔問といっても、通夜・葬儀に会葬することの他、訃報を受けてお通夜前に駆けつける弔問と、葬儀や告別式に参列できずに後日、ご自宅へ伺う弔問の2つのタイミングがあります。
そのタイミングによって弔問時の服装や香典やお供え物といった持ち物が異なります。
弔問はご遺族のお気持ちや事情を第一に優先して行うものですので、マナーをきちんと守ることがとても大切です。
この記事では、弔問の服装や持ち物について詳しくご紹介していきます。
弔問とは、お悔やみを伝えに遺族を訪問すること
弔問のタイミングはいくつかある
弔問とは故人の家を訪問してご遺族にお悔やみの言葉を伝えることです。
弔問には大きく分けると3つのタイミングがあります。
- 訃報を受けてすぐに(お通夜前に)駆けつける
- 通夜・葬儀に会葬する
- 後日にご自宅へ訪問する
弔問タイミングで気を付けたいこと
弔問するタイミングについて気をつける点は、故人との関係性やご遺族の意向です。
通夜前の弔問はよほど親しい親族や友人でなければマナー違反とされることと、後日の弔問では、家族葬を行ったご遺族が香典や弔問を辞退することもあることです。
弔問は義務ではない
弔問は義務ではなく、弔問する以外に葬儀や告別式へ弔電を打ち、お悔やみの手紙を香典とともに郵送する、といった方法もあります。
ご自分の気持ちよりもご遺族への配慮を優先して、弔問するかどうか決めましょう。
また会社関係の場合には、個人の独断で決めず上司と相談して弔問するかどうか判断しましょう。
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弔問の服装マナー
自宅への弔問時、喪服はマナー違反
通夜・葬儀以外の弔問では喪服はマナー違反となりますが、理由はそれぞれ異なります。
通夜前の場合は、喪服で駆けつけると死を予見していたように感じられ、ご遺族に失礼とされるからです。
それに対して葬儀などが済んでいる後日の弔問の場合、葬儀や告別式も終わったご遺族は気持ちを整え、日常生活に戻ろうとしているので葬儀を連想させる喪服を避ける配慮をする、ということです。
通夜前弔問の服装は平服で
通夜前の弔問は「訃報を受けてとり急ぎ駆けつけた」ということなので地味な平服や普段着とします。
そうはいってもジーンズなどのラフな恰好やデザインが派手な服は避け、夏でも特に女性は肌を出しすぎない格好で訪れましょう。
黒でなくてかまいませんので、全体的に落ち着いた地味な印象の服装にします。ビジネススーツやワンピースでも良いです。
外出先から駆けつけた、ということであればベージュのパンツに白シャツでも通夜前弔問の場合は許容されるでしょうが出来る限り、紺やグレー、茶といった落ち着いた色を選びましょう。
なお、親しい親族の場合はこれから通夜や葬儀の手配をするご遺族の手伝いをすることになるかもしれません。女性の方はエプロンを用意しましょう。白や黒などの無地のエプロンが望ましいです。
後日弔問の服装は、訪問着かスーツ・ワンピースなど
葬儀後の弔問も服装は「平服」ですが、こちらは事前にご遺族と弔問の日時を調整して伺うものなので、あらたまった訪問着とします。
例えば男性ならダークな色のビジネススーツに白シャツ、地味なネクタイなどで、女性はダークカラーのワンピースやスーツなどです。
アクセサリーは身に着けずに、女性の化粧は薄くします。結婚指輪は許容されます。
また女性の髪形はまとめるなど、すっきりとさせます。
明るい髪色は黒く染め直す、ウィッグにする、カラースプレーで対処するなどの配慮も必要です。とにかく控えめにまとめます。
またネイルはクリアかベージュ、淡いピンクなどにとどめてラメやラインストーンはNGです。
突然の訃報があったときにラインストーン付きなどのジェルネイルをしていた場合、上からマニキュアを塗る、レースタイプの黒の手袋をつける、思い切って自分で落とすといった配慮をしましょう。
どのタイミングの弔問かで持ち物は違う
弔問時の香典について
通夜前の弔問の場合、香典は持参しません。
お通夜や葬儀、告別式にお持ちしましょう。
参列できない場合は、お悔やみの手紙とともに香典を郵送するという方法もあります。
また後日の弔問では、葬儀や告別式に参列していない場合、香典を持参します。
仏式の場合、香典の表書きは忌明けの四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前(御佛前)」とすることが一般的です。
香典の金額相場やマナーについては詳しい記事がありますので、参考にしてください。
手土産・供物・花
通夜前の弔問は基本的に不要
通夜前の弔問では手土産やお供え物は不要ですが、花(枕花)や故人が好きだったからなどの理由でのお菓子などのお供え物はお渡ししてもよいとされます。
通夜前の花は特に「枕花(なくらばな)」と呼び、ご遺体のそばに供える花で、白を基調とした百合などを籠花にしておくるのが一般的です。
葬儀などの供花と違い、芳名札を付けたりしません。予算は5,000円~20,000円程度です。
また、枕花は訃報を受けてからお通夜の前までに贈るものですから、訃報からあまりに早いタイミングで持参するとかえって失礼になる可能性もあります。
葬儀社に手配してもらう、または生花店で手配して届けると良いでしょう。
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後日の弔問、お供え物は喜ばれる
後日の弔問では、菓子折りなどの手土産は無くてもいいですがあってもかまいません。どちらでも大丈夫です。
香典をお持ちしますので、お供え物も無くてもいいものですが、果物や菓子折りなど定番のものや、人気のお品をお持ちするか故人が好きだったものを用意してお供えしても気持ちが伝わります。
日持ちのしないものや、冷蔵のものは避ける、小分けできるものだと頂いた方も助かるなどのマナーは守って選びましょう。
日持ちしてもハムなど肉、魚などはタブーです。また仏式では線香やろうそく、抹香を供物としてもよいですが、神式では供物としません。
またキリスト教ではお供え物ではなく、白いお花を贈るとされます。
相手方にあわせて用意するように配慮しましょう。
弔事用の「のし」はない
「のし」は掛紙の右上に印刷されている慶事用の柄のことで、つまり弔事用の掛紙に「のし」はありません。一般的に「弔事用のし紙」などと呼ばれたりするものは、掛紙に水引が印刷されているものを指します。
結び切りの水引になりますので、購入店で弔事用と伝えて用意してもらいましょう。
表書きは「御供」や「御霊前」です。掛紙や表書きは地域によって異なることもあるので、購入店や周囲の方に確認すると安心です。
弔問のタイミングで作法(流れ)が違う
通夜前の弔問は、基本的に玄関先でお悔やみを述べ、お供え物があればご遺族に渡してそのまま失礼します。ご遺族の申し出があった場合のみ、ご焼香や対面ができます。
後日の弔問であれば、事前にご遺族と日時を調整していますので家に上がり、お線香をあげさせて頂けることでしょう。それぞれに作法やマナー、タブーがありますので、詳しくは別の記事を参考にしてください。
まとめ
弔問にはタイミングによって、服装や香典やお供え物の有無など持ち物についても全く異なります。
どちらにも共通しているのは、ご遺族の都合や事情が最も優先されるということです。
弔問した場合でも、ご遺族から申し出がない限り、こちらから何かを申し出てさせて頂くということはマナー違反です。
故人の冥福を祈るお気持ちやご遺族を労わるお気持ちをマナーや言葉にかえてお伝えしましょう。
この記事が参考になれば幸いです。
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監修者のコメント
岩田 昌幸一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
訃報を知った直後や葬儀が終わって自宅へ訪問する場合などは平服で伺います。訃報直後は「取り急ぎ」のためカジュアルな装いで訪問するというケースも少なくありません。葬儀後については、弔意を表すことができるようスーツもしくは準じた服装など、その場にふさわしい装いを心掛けるようにしたいものです。