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飾り方(祀り方)
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仏壇には何をお供えする?注意点は?
浄土真宗本願寺派である人は、あらかじめしっかりと御本尊や脇侍のことや、
位牌は必要であるのかどうかということを知っておきましょう。
また、お仏壇の選び方や注意点などもきちんと知ったうえで祀ることが必要です。
万が一のときに慌てなくて済むように、事前に基礎的な知識を備えておくことをおすすめします。
浄土真宗のことをきちんと知っておけば、いざ御本尊などを準備するときに
スムーズに物事を進めることが出来るでしょう。
浄土真宗本願寺派の御本尊は阿弥陀如来となっています。他の宗派と同じように、浄土真宗本願寺派の御本尊もお仏壇の真ん中に置いて安置するようにしましょう。
そもそも阿弥陀如来とはどのような仏様なのかと言うと、西方浄土を主宰していると言われている仏様です。現代からはるか昔に、法蔵菩薩という姿で修行を行っていたときに、命が有るもの達を全部救うために四十八願を発した後、成就したことにで如来に成ることが出来たと言われています。
梵語におけるAmitayusは訳すと無量寿という意味になり、Amitabhaは訳すと無量光となることにより、無量光もしくは無量寿とも呼ばれているのが事実です。特に四十八願の中の十八願は、念仏を唱えれば誰もが極楽浄土に生まれ変われると説かれており、浄土教のそれぞれの宗派において御本尊として祀られています。
浄土真宗におけるお仏壇においては、絵像が非常に有難いと言われており、御絵像を祀るのが一般的となっています。しかしながら、どのような形で祀るのかということはその家の考え方などに沿って、選ぶようにすると良いのではないでしょうか。
浄土真宗本願寺派の脇侍は、親鸞聖人と蓮如聖人ということになっています。脇侍とは何かと言うと、仏教彫刻や線画で中尊、すなわち御本尊の左右に控えている存在であり、明王や菩薩、天などを指します。脇侍は中尊が持っている教化を補佐するという役割を担っていて、中尊及び脇侍を揃えることで、より一層深く教化に触れられると言っても過言ではありません。
中尊と脇侍はどのような組み合わせなのかということは宗派ごとに、まったく違うと言えます。宗派ごとに違うとは言っても、その全部が固定されているという訳ではありません。同様の宗派でも浄土真宗本願寺派と大谷派のように、それぞれ脇侍及び中尊が違うという場合もあるという訳です。
それだけでなく、宗派によっても脇侍の数も違っており、ほとんどの場合は三尊像となっていますが、数がそれ以上になることもあると言えます。
このようなことから、組み合わせも数も何もかもが宗派によって違うということがよく分かったのではないでしょうか。自分自身が信仰している宗派の基本的なことをあらかじめしっかりと知っておくと、非常に便利だと言えます。
浄土真宗本願寺派は御本尊が阿弥陀如来であり、脇侍として右側には親鸞聖人、左側には蓮如聖人を揃えるのが一般的です。
東本願寺大谷派は、御本尊が阿弥陀如来で右側には十字名号、すなわち帰命尽十方無碍光如来を安置して、左側には九字名号、すなわち南無不可思議光如来を安置するのが一般的となっているようですが、お寺さんや地域によって非常にさまざまなパターンがあるので、あらかじめしっかりと確認をしておきましょう。
本来であれば、浄土真宗は本山から御本尊の掛け軸を貰うのが基本的なスタイルだと言っても過言ではありません。このような場合には、別に冥加金と呼ばれるものが必要です。店で購入する場合は、冥加金が無いということも有ります。
阿弥陀如来の仏像を選ぶときには、功徳で選ぶという方法があります。掛け軸の選び方としては、通常であれば仏壇のおおよそのサイズが書かれているので、仏壇に合った長さの掛け軸を選ぶと間違いないでしょう。掛け軸の紐のところなど、余裕を持ってサイズを選ぶことをおすすめします。掛け軸の長さと仏像は、仏像のすべての高さとほぼ同じ物を揃えると良いでしょう。
浄土真宗の御本尊は阿弥陀如来なので、仏像もしくは掛け軸を祀るのが一般的です。
掛け軸を飾るのであれば、阿弥陀如来の後光の部分が8本になっているものを選ぶようにしましょう。脇侍は浄土真宗本願寺派ならば向かって右側には親鸞聖人、左側には蓮如上人を安置するのが基本的なスタイルなので、このようにして仏像を祀ります。
最近の傾向は、御本尊が描かれている御絵像を仏具店などで購入する人もたくさんいらっしゃるようですが、浄土真宗本願寺派においては御本尊はお寺さんにお願いをして、本山から脇侍と一緒にもらうことが出来ます。
御本尊と脇侍の大きさの選び方としては、それぞれの家のお仏壇に最適となっているサイズが記載されているので、そのようなものをあらかじめしっかりと参考にしたうえで選ぶことをおすすめします。
掛け軸の祀り方は、もしも御本尊を仏像として脇侍を祀るのであれば、その高さが御本尊よりも高くなってしまうということがないように、きちんと注意をしてから選ぶようにしましょう。御本尊よりも若干掛け軸が低くなるようにして高さを選ぶようにすることをおすすめします。
通常、故人を祀る祭壇である仏壇には亡くなった方があの世で修業を行い、いつか成仏して浄土へ行くための場所として「位牌」を置く習慣が多くの仏教に存在します。
しかし浄土真宗においては「亡くなった方はどんな人でも阿弥陀如来の救いによって極楽浄土へ往生できる」という考えがあるため、これに則って位牌のような「魂の一時的な居場所」は必要ないとされているのです。そのため、仏壇にしても浄土真宗のものは位牌を置くための段がないなど他宗派とは違いがありますので購入の際には注意が必要となります。
通常の仏壇であれば、ご本尊の仏様をかたどったものに加えて故人の位牌を置いてこの両方を拝んで供養する、加護をお祈りすることになりますが浄土真宗では大きく異なってくるのです。
魂が死後すぐに阿弥陀如来によって浄土へ送られるという考え方はどちらかというと西洋的で、他の宗派との大きな差別化となっているため位牌に関しても厳格に「必要ない」としてきました。最近ではこの厳しい考え方も時代の流れとともにやや緩やかになっており例外もあるのですが、やはり他宗派に比べて位牌を置くケースはまれであると言って良いでしょう。
位牌はもともと仏教というよりは儒教から生じたものですから、土着の仏教とは違い体系的に作られた浄土真宗から見るとやや異質な存在であることは否めません。もちろん、それを置いて拝みたい、故人を身近に感じたいという遺族の気持ちは無視できないため設置を許可することもあり得ます。
浄土真宗では人は亡くなれば阿弥陀如来によって極楽へと往生することになりますが、西洋的に「消滅した」というわけではなく、きちんと現世に残った人とのつながりも保つことになります.
先述のように基本的に位牌を置くことはしませんが、「こういう人が生きていた」「いつ亡くなって、法名と俗名はこれこれである」という情報はしっかりと書面に残して仏壇に設置するのです。この俗名などを記録しておくのが「過去帳」と呼ばれる帳面で、別名は「法名軸」とも言われます.
記載するのは死亡した年月日、俗名、法名であり、これに加えてお寺によってはさまざまな生前の情報を書きこむケースもあります.普段は閉じて置かれており、法事のときや命日、お祈りをするときなどには開いてご本尊の邪魔にならない位置に置くのが作法です.
ここで、やはり日本人は仏壇を霊魂が宿る場所(お墓のようなもの、故人が眠る場所)とどうしても考えてしまいがちで法名軸の前に水や生前好きだった食べ物、タバコなどをお供えする習慣があります.遺族の精神的な安定のための行為ではありますが、本当は浄土真宗の考え方で言うと「そこに魂はない」ことになるので水や食べ物のお供えは通常しません.
浄土真宗 本願寺派の仏壇は他と比べると華やかで金ぴかですが、これは単に派手にしているわけではなく「極楽浄土」を模しているためです.過去帳は極楽にこういう人が入った、という入館記録のようなものだと考えればその位置づけが理解しやすいのではないでしょうか.
浄土真宗の教えに帰依し、阿弥陀如来を信じる門徒は亡くなるとそのままで仏になる(成仏)、これが基本の考え方です.そのため仏教というより儒教的な意味合いを帯びた位牌を個人の代わりとみなし、水や食べ物をお供えしたりお参りしたりする行為は本来なら禁忌に近いため、大昔の厳格な浄土真宗では厳しく禁じられていました.
しかしながら、仏教自体がキリスト教など他の宗教と比べて非常に寛容であり排他性の少ない性質を持っています.
もちろん、他宗派との論争や譲ることのできない教えのコアな部分というのは持っているわけですが、「葬儀や仏具全般は故人を悼む遺族のためでもあり、いつくしむ必要がある」という考えに基づいてある程度自由に弔うことも現代では許容されているのです.
少子高齢化が進み、大きな仏壇がないお家や親戚からもらった仏壇をそのまま使っているお家などでは宗派もバラバラの位牌が所狭しと並んでいるということも珍しくありません.お寺のほうでもそういった事情は承知していますので、「お寺さんに叱られる」という心配はしなくても大丈夫です.
またそういった世相を反映して、位牌と法名軸を合体したような「繰り出し位牌」というものも近年生まれています.見た目は霊が住まうような位牌なのですが、扉を開けると法名軸が中から取り出せるという仕組みであり「何か故人を思わせるものを拝みたい」という気持ちと浄土真宗の教えを折衷した現代的なアイテムです.
細かい部分で不安があれば所属のお寺に問い合わせ、ご遺族の気持ちがもっとも安らぐ方法を模索しましょう.
日本において檀家数が最大といわれる浄土真宗ですが、この浄土真宗は大きく分けて浄土真宗 本願寺派と浄土真宗大谷派の2つの流派が存在しています. もともとは親鸞聖人を開祖として始まった浄土真宗で、その後11代までは1つの流派でした.
しかし、織田信長と本願寺との戦いの中で、主戦論と融和論が対立し、融和論が優勢となったため主戦論派の者が義絶されるという事態が生じました.その後織田信長の死後に義絶が解かれるのですが、いったん主戦論と融和論でこじれた人間関係および宗派としての運営はぎくしゃくしたものとなり対立していくこととなりました.
その結果、宗派が2つに割れて浄土真宗 本願寺派と浄土真宗大谷派に分裂していったのです.そのため宗教上の教義での論争というよりは政治的な立場での違いによって分かれたというのが実情です.
しかし、別れてしまった後それぞれが独自の宗派として歩みそれぞれのお寺の本堂で御本尊と向き合ってきたことからお仏壇に対する考え方も違いがでてきます.
例えば御本尊を置く宮殿の考え方についても浄土真宗 本願寺派は一重屋根で金箔張りの柱という西本願寺にある阿弥陀如来像を想起させるような御仏壇の造りとなっているのに対して、浄土真宗大谷派においては二重屋根で黒漆塗りの柱という東本願寺の阿弥陀如来像が置かれている本殿を想起させるような形となっています.
それぞれの宗派の本殿のデザインが末端の檀家の仏壇のデザインにまで現れているという状況にあるのです.
このように浄土真宗 本願寺派と大谷派ではデザインが異なるのですが、ただ基本的には浄土真宗は厳しい戒律を求める宗派ではなく世俗的な側面が多々ありわりと緩やかな宗教です.
そして他の宗派、特に禅宗のような修行という概念がありません.ですので割と何事にもおおらかであるのです.このような緩やかな点が庶民の心をつかんだ点なのかもしれませんが、この特徴から基本的にはどの種類の御仏壇でも問題はないのです.
原則、金仏壇というものがあるのですが、高価であることや仏間が現在はなくなってきていることなどを考慮してまあモダン仏壇、唐木仏壇でもよいでしょうというくらいのスタンスであることが各お寺でも多くなってきている状況にあります.
実際には浄土真宗の御本尊である阿弥陀如来は縦長であるという点に特徴があるので、モダン仏壇などにおいてはそのスペースで御本尊を収納できるのかというような問題もあるのですが、まあ入りきらなければそれはそれでよいというような考え方もあるようで割と緩やかな形で仏壇については考えられているようです.
ただ、法事などで親族が集まるといった場合にはあまりに不格好では様になりませんのでご本尊がきちんと安置できるような形にしておくべきでしょう.
このように基本的にはどのような種類の仏壇でも問題はないという考えではありますが、その仏壇のサイズにあった御本尊の大きさというものを仏具店には相談してあらかじめサイズを確認した上で本山に御本尊の依頼をするという段取りが必要となります.
このように、浄土真宗 本願寺派においては仏壇の種類についてはモダン仏壇であれ、唐木仏壇であれかまわないというスタンスではあるのですが、阿弥陀如来が照らす浄土という世界を現すのが金色であるというのがこの宗派における仏壇のコンセプトであることを踏まえると、このことをご存じの方や伝統を遵守されることに価値を見出す方にとっては金仏壇というのが選ばれる対象となるのがいまだに根強いということも言えます.
このような金を選択する場合においては内装について注意が必要となってきます.
具体的には、宗派の考え方による違いで示したような宮殿の構造について一重破風屋根で作られ、外柱などは金箔を張り巡らせたものとなり、さらに内部においても金箔を張り巡らされたものとなっており全体的に金色が多いという印象を与える構造をしたものを選ぶ必要があります.
間違って、二十屋根で黒塗りの柱がある金仏壇を選んでしまうと宗派が異なるものを選択してしまったという事態が生じてしまうからです.
このような事態を避けるためには自分が檀家となっているお寺に購入時に相談してみるのも一つの方法でしょうし、場合によってはそのお寺のおつきあいのある仏具店に紹介してもらうということで間違った購入を防ぐことができるかもしれません.
仏壇を購入しようという場合には浄土真宗のどちらの宗派かということを明確にお店に伝える等しておかないと無意識のうちに間違った選択をすることとなりかねませんので注意が必要です.
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