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「来年は厄年だから」と言った会話が日常で出てくることがあります。しかし「厄年」とは何なのか、自分とどう関係あるのかをじっくり考えてみたことがある人は少ないのではないでしょうか。今回は、人生に三回(女性が四回と数える地域も)訪れる厄年だけでなく、「厄払い」「厄除け」「厄落とし」と言った言葉の違い、そして厄の落とし方を解説します。
「厄年」とは、日本では昔から伝わる「厄災」が降りかかるとされる年齢のことです。そのため、例年よりも慎ましく暮らそうと、昔の人が考えた習慣と考えればいいでしょう。
その由来は古く、今から千年ほど前の平安時代から「厄年」の概念はあったようです。もともと仏教や神道といった宗教とは関係なく、中国由来で日本独自に発展を遂げた「陰陽道」に起源があると言われています。貴族の間で行われていた習慣が、江戸時代に入ると庶民の間に広まるようになりました。
厄年の数え方や行事は、地方や地域、寺社の宗派によって異なりますが、通常は数え年を用います。
数え年の場合は生まれた日を一歳と数え、正月(1月1日)が来ると歳をとるという数え方です。江戸時代までの日本では、数え年で年齢を表すことが一般的でした。誕生日は重要ではなく、知らない人も少なくなかったほどです。
ただし現在、社会で一般的に使われているのは、「満年齢」の方です。
これは生まれた日を「0歳」とし、次の誕生日がくると1歳とする数え方です。誕生日を迎えて、歳をとるという考え方ですね。公的な書類にもこちらを記入します。
最近では、数え年で年齢を示すことが実生活ではほとんどありません。数え年の年齢がわからない人もいるため、寺社などでは満年齢を併記しているところもあります。
数え年の計算方法は
厄年は男女で異なり、数え年だと
となります。太字が大厄(本厄)で、それぞれの前後年を前厄、後厄の年とし、3年の間は被害を被る可能性があるので、健康に注意し、厄落としをして災難を避ける習慣があります。昔は、42は「死に」、33は「散々」と語呂合わせで覚えていたようです。
女性は厄年の回数が地方や寺社によっては男性よりも多い場合があります。また、女性の30代は前厄と後厄を入れると半分以上の年が厄年になります。
厄年には科学的な根拠はありませんが、身体的に変化を迎えることが多い頃で、昔から健康に気をつける年齢でもあったのでしょう。ただし厄年の概念が生まれた千年前に比べ平均寿命が大幅に伸びた現代では、身体的には若干状況は異なるでしょう。
厄落としとは、「それ以上に悪くならないように自ら災厄を作り出すこと」です。つまりすでに厄がついている状態から起こすアクションと考えるといいでしょう。そのため、地方によっては日頃から身につけているものに厄をつけて、わざと落としたりする風習があります。不要になったものを処分するだけでなく、食事を振る舞うことで厄を落とせると考える地方もあります。また、地方によっては厄落としを年末に行うところもあります。
具体的には寺社で祈祷をあげてもらい、厄を落とすのが一般的です。後述する「厄除け」と似ているのですが、厄除けが厄年でなくても悪いことが続いた場合などに行うのに対し、厄落としは厄年に行うのが一般的です。
厄払い(厄祓い)は、「すでに自分の身についてしまった厄を神仏に祈ることとで取り払い、吉に転じる儀式」のことです。邪気や穢れを儀式によって取り払ってもらいます。前述した「厄落とし」とほぼ同じ内容です。
厄払いは厄年に、とりわけ本厄の年に行うのが一般的ですが、厄年以外の理由で行う厄払いもあります。厄払いはマイナスの面だけではなく、神事であり、厄払いをした後に次の段階へ進むという通過儀礼の面もあります。
たとえば子どもの誕生日の初参りや七五三は厄払いの一種でもあります。また、車の購入の際にお祓いをしてもらうのも「厄払い」のひとつです。
一般的には、お寺で行う「厄除け」に対し、厄払いは神社で行われます。
「厄除け」はその名のように、「災厄が自分の身に寄ってこないように、あらかじめ祈祷や祈願をしてもらう」という予防の意味合いが強いものです。神社で行う「厄払い」に対し、こちらは寺院で祈祷を行うことが多いです。儀式の内容は、護摩木という薪を使って煩悩を焼きつくす「護摩祈祷」が中心です。
それでは厄払いと厄除け、どちらを行えばいいのでしょうか。どちらでもかまいませんが、ふだんから関わりのある信仰に合わせるのがいいといえましょう。
たとえば菩提寺があるならそのお寺、地域の神社の神事と関わっているなら神社でという具合です。とくに厄払いと厄除けの区別のない寺社もあるので、両方を行っても問題はありません。
旧暦では現在の節分の日が大晦日だったので、厄払いや厄除けは厄年、あるいはその前厄や後厄の年のお正月から節分までの日に参拝してお祓いを受けるのがいいとされています。ただし厳格な期限ではないので、過ぎてのお祓いも可能です。また、初詣での際にお願いする方も少なくありません。
厄払いや厄除けは、性質上、特に厄年やその前後でなくても行うことがあります。不運が続いたり、何か新しいことを始めたり、車を購入した時などです。いっぽう、厄落としは厄年とその前後に行うのが一般的です。
とはいえ、この3つはいつでも受付しているので、誕生日や大安など、都合の良い日を選んで祈祷をお願いしましょう。祈祷の内容はその年の間、続くと言われています。また、期間が過ぎた後のお礼参りも忘れずに。
厄払いや厄除けは常時受け付けていますが、人が常駐していない寺社などは予約が入った時にしか祈祷ができないところもあります。そのため、事前に確認してから行くといいでしょう。
神社の場合、「厄払い」などの祈祷料のことを「初穂料」と言います。
これはその年の初めに収穫したお米を、まず神前にお供えして神様に感謝をしたという習慣に由来しています。厄払いに限らず、安産や交通安全祈願、七五三などの催事すべての祈祷料に初穂料が使えます。似たものに「玉串料」がありますが、こちらは結婚式やお葬式などの時に使われるのが一般的です。
それに対し、お寺の場合は「祈祷料」と呼ばれることがほとんどです。
初穂料、祈祷料の相場ですが、神社やお寺によって3,000円から数万円まで様々ですが、平均的には5,000円ほどです。「お気持ちで」と言われたら、まずこの5,000円を目安にしましょう。初穂料、祈祷料によって、儀式が簡素化されたり、ご利益が少なくなったりはありませんが、いただける授与物が異なる寺社もあります。
また、一般的には縁起の悪い数字と言われる「4」や「9」を避ける金額にします。
渡し方ですが、大きな寺社では受付に直接現金で支払うこともできますが、できれば失礼に当たらないようにのし袋に入れて渡すのが礼儀でしょう。
神社の場合は、のし袋の表の上に「初穂料」「御初穂料」、下に自分の名前を書きます。中袋があれば、その表面に金額、裏面に名前と住所を描きます。お寺の場合は、のし袋の表面に「御祈祷料」あるいは「お布施」と記入しましょう。
神社、寺院とも、特に明快な決まりはありません。ただし祈祷していただくので、失礼のない服装でいくのが礼儀です。
男性ならスーツを、なければジャケット、ネクタイはあればあったほうがいいでしょう.下はTシャツは避け、襟付きのシャツを着用.パンツはジーンズは避けてスラックスを着用.全体の色は、黒やグレーなど、落ち着いた色調のものを選べば無難です。
女性の場合、スーツがなくてもシックな装いであればスカートやパンツ、ワンピースでも問題ないでしょう.避けるべきは、スカートの丈が短い、露出が多い、色彩やデザインが派手な服などです。
冬の場合は、コート、マフラー、手袋などを着用して出かける場合も多いと思いますが、本堂と祈祷所では防寒着は脱ぎます.また、帽子をとることも忘れずに。
神社や寺院によっては、服装指定があるところもあります.平服か礼服かを確認してから出かけましょう。
厄払いや厄除けをしたいと思っていても、なかなか外出する余裕がないという方や、現在のようにコロナ禍で外出制限があるので出かけられないという人もいます.基礎疾患がある方や高齢の方、妊婦の方も同様でしょう。
そんな方のために「オンライン厄除け」を行っている神社や寺院があるので、利用してみてはいかがでしょうか。
初穂料や祈祷料を納めて御祈祷してもらい、あとで祈願授与品を送ってもらうもの.ライブ配信を行ってもらうもの、zoomなど双方向で参加できるものなど方法は様々です.料金も異なるので(祈祷料3,000円〜、ライブ配信料5,000円〜)、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
神社や寺院に行かなくても、日常の中で簡単に厄落としできる方法があります.以下にいくつかを紹介します。
塩には穢れを清める効果があるとされています.粗塩がいいですが、お風呂の場合はバスソルトでもいいでしょう。
部屋が汚れていると、知らない間に厄がたまっているかもしれません.不要なものを捨てることによってマイナスなエネルギーを取り除き、「厄落とし」ができます。
「厄落とし」の項でも出てきましたが、人を食事や飲み物でもてなすことで厄を落とすことができます。
パワーストーンやお札、ネックレスやブレスレット、財布などが、厄除けになると言われています。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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