喪服のストッキングのマナーは？伝線しにくくする方法・合わせる靴の選び方を解説

• 2024年10月15日

女性がお葬式に参列する場合、喪服でストッキングを着用する必要があります。

しかし、お葬式で着用するストッキングのマナーについては、あまり詳しく理解できていないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、喪服のストッキングのマナー、よくある質問、よくあるトラブル、伝線しにくくする方法、合わせる靴の選び方について詳しく解説します。

お葬式のストッキングについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

喪服のストッキングのマナー

女性が喪服を着用する場合、ストッキングのマナーを守ることが重要です。ここでは、喪服のストッキングのマナーについて詳しく解説します。

色は原則黒のものを選ぶ

ストッキングの色は、原則黒のものを選ぶのがマナーです。

黒寄りの灰色でも構いませんが、紺色や茶色のものは好ましくないため、原則は黒いものを選ぶのが良いでしょう。

地域によっては、「急いで駆けつけた」という印象を与えるために肌色のものを選ぶ場合がありますが、特別な理由がない限りは黒を選ぶことを推奨します。

当然ですが、赤・緑・青など色つきのものは避けてください。

柄は無色・無地のもの

ストッキングの柄は、無色・無地のものを選ぶのがマナーとなります。

柄が入っているものはお葬式の場に相応しくないため、原則は刺繍・模様などが一切入っていないものを選ぶようにしてください。

急いで選ぶと履いてみてから柄が入っていることに気づく場合があるため、よく確認してから購入するのが望ましいです。

もちろん、ラメ入りのものも避けましょう。

生地は25デニール以下のもの

生地は、25デニール以下のものをお選びください。

デニールとは生地の厚さを示す単位で、糸の太さが基準となっています。喪服として着用する場合は、20〜30デニールのものを選ぶのが望ましいです。

25デニール以下であればマナー違反にはならないでしょう。また、実際に履けるかどうか、試着できる場合は実際に履いて確かめてから購入するのが望ましいです。

あまりにも厚みがあるものだとカジュアルな印象を与えるため、やや肌が透ける程度のものを選ぶと安心です。

素材は伸縮性のあるもの

ストッキングは、素材に伸縮性があり破れにくいものを購入しましょう。

喪主・ご遺族側として参列する場合、通夜振る舞いや精進落としのお手伝いを頼まれることがあります。

食事の盛り付けや料理の配膳、その他の食べ物・飲み物の運搬などで座ったり立ったりを繰り返すため、伸縮性に優れている方が何かと便利です。

むしろ、伸縮性のない素材だと破ける可能性があるため、ある程度動いても破れない素材のものをお選びください。

一般の参列者として参加する場合も、会食や焼香で何度か座ったり立ったりする場面があるため、伸縮性のあるストッキングを選びましょう。

網タイツなどは避ける

お葬式の場では、カジュアルな印象を与える網タイツは避けるのがマナーです。

さすがにお葬式に網タイツで参列する人はいないと思いますが、普通のタイツでもカジュアルな印象を与えることから避けるのが好ましいとされています。

地域によっては60デニール程度までOKとされる場合がありますが、タイツそのものがお葬式の場にそぐわないため、着用は避けましょう。

派手ネイルは避ける

お葬式の場では、派手なネイルを避けるのがマナーとなります。爪を綺麗に手入れするのは構いませんが、派手なマニキュアやペディキュアは避けたいです。

薄手のストッキングだとネイルが透けて見えるため、何も塗らないのが良いでしょう。どうしても爪を綺麗に見せたい場合は、ナチュラルな色合いのものをお選びください。

クリアやベージュなど目立たないものは許容範囲とされる地域もあるため、お葬式の形式なども考慮して判断することを推奨します。

なお、職場から直行する場合はネイルの落とし忘れがよくあるため、式場に到着する前に確認するのが望ましいです。

予備を持参する

ストッキングはお葬式の途中で破れる可能性があるため、予備を持参しましょう。

破れるまでいかなくてもテーブルや椅子の角に引っかかって伝線することがあるため、予備で1〜2足ほど持ち歩くと安心です。

特に、黒いストッキングは伝線が目立ちやすいため、もし伝線してしまったらトイレなどで履き替えることを推奨します。

ストッキングでよくある質問

ここでは、喪服のストッキングに関するよくある質問について詳しく解説します。

夏と冬で使い分けるべき？

喪服として着用するストッキングは、夏と冬で使い分けるのが良いでしょう。

暑い時期は薄めのストッキング、寒い時期は厚めのストッキングと使い分けることで、無理せず快適に過ごせます。

見た目を気にして季節に合わないストッキングを選ぶ人もいるかもしれませんが、夏用・冬用で分けないとお葬式で体調不良になりやすいです。

最近の式場は、空調管理が徹底されていて快適に過ごせるよう調節されていますが、お寺などでお葬式が執り行われる場合は空調設備も限られるでしょう。

そのため、あらかじめ夏用・冬用のストッキングを1〜2足ずつご用意ください。

生足で参列しても大丈夫？

お葬式に生足で参列するのはマナー違反です。

アトピーなどで肌が荒れる、痒くなるなど特別な理由がある場合は別ですが、原則は黒いストッキングを着用します。

もしストッキングを履けない事情がある場合は、喪主・ご遺族もしくは葬儀社のスタッフにご相談ください。

単に忘れてしまった場合は、式場までの道中にあるコンビニやスーパーで購入しましょう。

肌色のものでも構わない？

ストッキングは黒が原則とされるため、肌色のものは避けたいです。

一部では「急に駆けつけた」という印象を与えるため、あえて肌色のストッキングを着用するご家庭もありますが、マナー的には黒が推奨されます。

40デニール以上でも問題ない？

ストッキングはやや肌が透けるものが原則であるため、40デニール以上は避けたいです。

寒冷地や降雪地帯では分厚いストッキングでも良いとされるものの、濃すぎるものはカジュアルな印象を与えるため、マナー的には30デニール以下が推奨されます。

女性は普通の靴下でもいい？

女性はストッキングが原則で、普通の靴下で参列するのはマナー違反といえるでしょう。

最近ではお葬式の形が変わりつつあり「普通の靴下で参列しても良いのでは」と考える人もいるかもしれませんが、あくまでもストッキングがマナーです。

黒の靴下だとしてもややラフな印象を与えるため、お葬式用に黒のストッキングを何枚か用意しておくことを推奨します。

男性や子供はどうする？

男性や子供の靴下を選ぶ場合、女性と同じく黒を選ぶのがマナーとなるでしょう。

色は黒で柄は無色・無地のもの、女性と同様に目立たないものを選びたいです。なお、靴下の場合は五本指のものやくるぶし丈のものがありますが、マナー的にはNGとされます。

キャラクターが描かれたものや、文字が印刷されたものも避けてください。

式場によっては他の参列者に靴下を見られる可能性があるため、男性・子供も油断することなく礼節をわきまえた服装をしましょう。

ストッキングでよくあるトラブル

お葬式のストッキングではさまざまなトラブルが発生するため、事前に把握しておくと対処しやすいです。ここでは、ストッキングでよくあるトラブルについて詳しく解説します。

着圧が強すぎて苦しくなった

喪服でストッキングを着用する場合、着圧が強すぎて苦しくなる場合があります。

従来のお葬式と比べて現代のお葬式はお通夜・告別式・ご火葬それぞれ1〜2時間で終わるのが主流となっているため、それほど窮屈に感じることはないでしょう。

ただ、着圧が強いストッキングだと短時間で苦しくなりやすいため、注意が必要です。

あまりにも着圧が弱いとずり落ちたり脱げたりするため気を付けたいですが、購入する際はストッキングの着圧を見て自分自身の足に合ったサイズのものをお選びください。

着用時の色味を考えてなかった

ストッキングは購入時と着用時で色味が変わるため、注意が必要です。

購入した段階では黒に見えていても、いざ着用したら紺色・茶色だったというパターンが珍しくなく、不可抗力的にマナー違反となってしまう場合があります。

そのため、ストッキングは伸びることを想定して購入しなければなりません。

柄も着用してから気づく場合があるため、必ず「黒・無色・無地」であるかを確認してから手に取ってください。

伝線によって破けてしまった

お葬式に限った話ではないのですが、ストッキングは伝線によって破ける場合があります。

伝線とは、足を何かに擦ったりぶつけたりすることで傷ができ、穴ができる現象です。

ストッキングはデリケートな素材で作られているため、ちょっとした衝撃などでも伝線しやすく、気づいていない間に広がっていることが珍しくありません。

一度破けてしまうと肌が見えてしまい、非常に不格好です。伝線したままお葬式に参列するのはマナー違反となるため、丁寧な取り扱いが求められます。

伝線しにくくする方法

伝線を防ぐためには、原因と方法を熟知しておくことが重要です。ここでは、伝線しにくくする方法について詳しく解説します。

伝線が起こる原因

伝線が起こる原因は、以下の通りです。

• 線維に傷がつく
• 傷口が広がる
• 穴になる

ストッキングの伝線は、何かしらの衝撃によって線維に傷がつき、徐々に傷口が広がって、最終的に穴になるのが原因とされています。

ちょっと擦ったりぶつけたりするだけでも起こるため、扱いには注意が必要となるでしょう。

状況によっては座ったり立ったりする際に、線維がテーブルや椅子に触れ、伝線する場合があります。手で引っ張ったり爪で引っかいたりしても伝線するため、十分気を付けたいです。

まずはストッキングに傷がつかないよう、慎重に扱ってください。

伝線を防ぐ方法

伝線を防ぐ方法は、以下の通りです。

• 手足を十分に保湿する
• 洗濯方法を工夫する
• 爪を整える
• 丁寧に扱う

ストッキングの伝線は手足を十分に保湿したり、洗濯方法を工夫したりすることで防げます。

手足が乾燥してガサガサの状態だと、めくれた皮膚がストッキングの網目にダメージを与えて伝線しやすくなるため、可能な限り保湿を行いましょう。

なかでも、かかとは保湿しづらい部分といわれているため、念入りにケアしたいです。

洗濯する場合はストッキングだけを洗濯ネットに入れて他の衣服との摩擦を最小限に抑えたり、手洗いしたりと、できる限り工夫してみてください。

他にも、爪を整えたり丁寧に扱ったりと意識して気を付けていればある程度の伝線は防げると思います。

伝線の応急処置

伝線したにもかかわらず予備がないときは、応急処置を行いましょう。

もし爪に塗るトップコートを持っている場合は、伝線した部分に塗って一時的に穴を塞げます。同様に液体のりなどがあれば、応急処置可能です。

しかし、以上の応急処置はあくまでも緊急時の対処方法であり解決策ではないため、やはり予備を持参するのが安心でしょう。

どうしても自宅に予備がなかった場合は、途中のコンビニ・スーパーなどで1〜2セットほど余分に購入しておいてください。

喪主・ご遺族・その他の参列者が予備を持っている可能性もあるため、どうしても買いに行けない場合は相談してみるのもありかもしれません。

合わせる靴の選び方

お葬式では、ストッキングだけでなく靴にも気を配らなければいけません。靴によってはお葬式に相応しくないものがあるからこそ、選び方にも一定の配慮が必要です。

ここでは、合わせる靴の選び方について詳しく解説します。

足に合ったものを選ぶ

靴は、足に合ったものを選ぶようにしましょう。

サイズの合わない靴で参列すると転倒する危険があり、他の参列者に迷惑をかける可能性があるため、履き慣れた靴で参列するのがマナーです。

転んで他の参列者に接触し、怪我を負わせてしまう場合があるからこそ、靴は足に合ったものを選ぶようにしてください。

ただし、履き慣れているとはいえスニーカーなどの運動靴はラフな印象を与えるため、ヒールが3～5cmほどのパンプスを推奨します。

光沢のないものを選ぶ

喪服に合わせる靴は、光沢のないものをお選びください。

生き物の毛皮や生皮を使用したものは「殺生」を連想させるため、お葬式の場に相応しくありません。ヘビ革やワニ革など、爬虫類の皮を使用したものも光沢があるためNGです。

特殊な加工が施された靴も避けましょう。

装飾のないものを選ぶ

装飾のないものを選ぶのも、マナーと言えるでしょう。

アクセサリーや宝石が散りばめられたものは、華美な印象を与えるためNGとされています。できれば光沢がなく、マットな質感のものを選びたいです。

サンダルをはじめ、リボンやベルトが備え付けられた靴も避けてください。

まとめ

女性がお葬式に参列する際は、喪服として黒のストッキングの着用が求められます。

服装は黒のアンサンブルやスーツ、ワンピースなど状況に応じて選んで構いませんが、ストッキングは黒で無色・無地のものを選ぶのがマナーです。

生地は30デニール以下でやや肌が透けるもの、素材は伸縮性があるものを選びましょう。ただし、網タイツや派手ネイルは避けてください。

例外として、伝線する可能性に備え、予備の持参を推奨します。

喪服自体は、喪主・ご遺族側として参列する場合も一般の参列者として参加する場合も黒で統一するのがマナーとなるため、共通認識として覚えておくと安心です。

主催する側・参列する側、どちらでも服装のマナーは必須となるため、あらかじめ備えておくことが重要となるでしょう。

お葬式のことは、よりそうお葬式にご相談ください。

当社では「一日プラン」「二日プラン」など幅広いお葬式の形式に対応している他、ご火葬のみを行う火葬式にも対応しています。

お葬式が初めての人でも安心できるよう、明朗会計セットプランをご用意しているため、気軽にお問い合わせいただけると幸いです。何かわからないことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。