葬儀の補助金「葬祭費」 申請方法、給付金額、いつ振り込まれる?
- 2024年10月25日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
国民健康保険、または後期高齢者医療制度に加入している人が亡くなった場合、加入先の自治体から「葬祭費」が給付されます。給付金額は自治体によって異なりますが、おおむね3万円〜7万円で、申請から2〜3週間程度で喪主の口座に振り込まれます。
この記事では、葬祭費の申請方法や給付金額、いつ振り込まれるかなどを詳しく解説いたします。また、葬祭費以外の公的補助金制度についてもご紹介いたします。
この記事を読み進めることで、少しでも喪主さまの経済的負担が軽減されればと思います。どうぞ最後まで読み進めてみて下さい。
葬儀費用は高額。喪主を支える補助金制度
葬儀の総額費用は高額で、平均金額は160〜170万円にも及ぶといわれています(一般財団法人日本消費者協会「第12回 葬儀についてのアンケート調査」より)。葬儀のスタイルもさまざまなので、安く抑えることももちろん可能ですが、直葬にしても20万円前後、家族葬にすると100万円前後の費用はかかります。
加えて葬儀はいつ起こるか分かりません。突然の高額の出費は喪主に大きな負担としてのしかかります。そんな負担を軽減するために、次のような葬儀の公的補助金があります。
- 国民健康保険の「葬祭費」
- 社会保険の「埋葬費」「埋葬料」
- 労災保険の「葬祭料」
- 生活保護受給者の「葬祭扶助」
次章より、具体的な申請方法について解説いたします。
葬祭費の申請方法
葬祭費の申請は、いつまでに、どこに、誰が申請すればよいのでしょうか。結論から先に言うと、2年以内に、加入している自治体に、喪主が申請します。
申請期限は2年以内
葬祭費の申請期限は、葬儀をとり行った日の翌日から2年以内です。ここで言う「葬儀」とは、葬儀告別式や火葬をした日のことです。期限を超えてしまうと葬祭費が支給されなくなってしまうので、充分に注意しましょう。
申請は市区町村役場
お住まいの市区町村の該当する窓口に申請します。主に、年金や保険の部署が取り扱っています。
申請者は喪主
「葬祭を行った方」、つまり喪主が申請します。喪主以外の人が窓口に行く場合は委任状が必要となります。書式は役所や自治体のホームページから入手できます。
準備しなければならないもの
葬祭費の申請には主に次のようなものを準備しなければなりません。
- 亡くなった方の保険証
- 死亡の事実が確認できるもの(埋火葬許可証など)
- 申請者の本人確認書類(運転免許証、保険証、マイナンバーカードなど)
- 申請者が喪主であることを確認ができるもの(葬儀社からの領収書、請求書または会葬礼状など)
- 申請者の預金通帳、または口座番号の控え
葬祭費の支給金額
葬祭費の支給金額は自治体によって異なりますが、おおむね1万円〜7万円です。
東京都23区は一律7万円。23区以外の自治体は5万円です。
全国的にみると3〜5万円とする自治体が多いようです。横浜市や名古屋市や大阪市のような主要な政令指定都市は5万です。また、神奈川、千葉、埼玉の全自治体も5万円です。県庁所在地の中でも、たとえば富山市や高知市のように3万円としてるところも見られます。
今治市の1万円、宮崎市の2万円というようなところもあり、支給金額は自治体によって異なりますので、まずはお住まいの市区町村役場に問い合わせてみましょう。
葬祭費はいつ振り込まれるか
葬祭費は、通常であれば申請をしてから2〜3週間で、指定の口座へ振り込まれます。
葬祭費をすぐに葬儀費用に充当することはできず、葬儀を終えたあとの申請、受給となります。また、申請書類に不備があった場合は支給が遅れることがありますので注意しましょう。
葬祭費が支給されない場合
葬祭費は、故人の状況によって支給されないケースがあります。
他の健康保険などから給付を受ける場合
他の健康保険(組合保険の「埋葬料」など)を受けることができる場合は、葬祭費は受給できません。そもそも一般企業の会社員は組合保険に加入し、国民健康保険には加入していないため、それぞれを受給することはあり得ません。
もしも会社を退職していたとしても、退職3か月以内に亡くなった場合は、勤務先で加入していた健康保険から埋葬料が給付されます。
直葬の場合
通夜や葬儀を執り行わずに火葬だけを行ういわゆる「直葬」の場合、葬祭費が支給されないことがあります。杉並区や横浜市はホームページ上で火葬のみの場合は葬祭費を給付しない旨を明記しています。
東京23区の場合、杉並区のほかに、港区、足立区、千代田区は葬祭費を支給しないとの見解を示しています。
補助すべき「葬祭」を、火葬ではなく葬儀告別式のような式典を指していると考えているからです。
直葬に葬祭費を給付するかしないか、方針は自治体によって異なります。直葬をお考えの方はお住まいの市区町村役場に確認しておきましょう。
葬祭費以外のさまざまな制度の解説
葬儀の公的給付金制度は、葬祭費以外にもさまざまなものがあります。
協会けんぽや組合保険の埋葬料・埋葬費
故人が勤務先の社会保険に加入していた場合は、健康保険組合または中小企業の健康保険である協会けんぽから、「埋葬料」や「埋葬費」が給付されます。申請先は健康保険組合、または協会けんぽの都道府県支部で、期限は亡くなった日の翌日から2年です。
埋葬料
故人が社会保険の加入者だった場合に喪主に支払われる給付金です。厳密には故人(加入者)によって生計が維持され、埋葬を行う人が対象となります。給付金額は5万円です。
家族埋葬料
加入者が扶養していた家族が亡くなった場合は、加入者本人に「家族埋葬費」が給付されます。金額は埋葬料と同じで、5万円です。
埋葬費
上に挙げた埋葬料も家族埋葬料も、加入者によって生計の一部または全部が維持されていることが条件となります。もしも故人が生計が同一としてなかった場合、埋葬料の対象外となりますが、その代わりに「埋葬費」が給付されます。埋葬費は、5万円を上限に実際に埋葬をした費用が給付されます。
労災保険の「葬祭料」
業務上の事故や災害で亡くなった場合、労災保険から「葬祭料」が支給されます。葬儀や法要をおこなった人であれば、仮に喪主が家族や親族でなくても給付対象となります。給付金額は、故人の1日当たりの賃金額をベースに、次のいずれかの高い方となります。
1)給付基礎日額×30日分+315,000円
2)給付基礎日額×60日分
請求先は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署で、請求期限は亡くなった翌日から2年です。
生活保護受給者への「葬祭扶助」
葬祭扶助とは、生活保護受給者の葬儀費用をまかなう制度です。葬祭扶助の範囲は、検案、運搬、火葬や埋葬並びに納骨のために最低限必要なものまでで、20万6千円を上限として(子どもの場合は16万4800円)公金から拠出されます。そのため、通夜や告別式のような式典の実施はできず、直葬をすることとなります。
基本的には生活保護受給者向けの制度なので、所轄の福祉事務所や担当のケースワーカーに相談します。
葬儀の経済的負担を抑える方法
公的給付金は大変ありがたい制度であるものの、これだけでは現実的に高額な葬儀費用をまかなうことは難しいものがあります。
いざという時の出費に備えるための方法をご紹介いたします。
葬儀保険
最近ではさまざまな保険会社が「葬儀保険」を商品として売り出しています。「少額短期保険」として扱われ、月々の掛け金が少額であることが特徴です。月々数百円から積み立てられ、審査もゆるく、高齢の人でも加入しやすいので、元気なうちから無理なく葬儀費用を積み立てておくことができます。
互助会への入会
互助会とは「冠婚葬祭互助会」のことで、月々数千円を掛けておくことで、婚礼や葬儀などの葬儀費用を充当できるというものです。互助会系の葬儀社は日本全国に点在していますが、掛け金だけで葬儀ができない、解約手数料が不当など、さまざまな社会問題を引き起こしているという側面もあります。
元気なうちからの事前相談
葬儀費用を抑える一番のおすすめなのは、元気なうちから葬儀について学び、調べておくこと、そして安心できる葬儀社に事前相談をすることです。葬儀がどのように行われるか、何にどれくらいの費用が掛かるのかを事前に知っておくことで、いざという時も冷静に判断ができ、無駄のないプランニングが可能となります。複数の葬儀社を訊ねてみることで比較検討でき、価格が安く、安心の葬儀社とめぐり合えるかもしれません。
もしも葬儀社巡りが大変だとお考えの方は、私たち「よりそうのお葬式」にお気軽にご相談ください。インターネットやお電話で簡単に葬儀の相談ができます。24時間365日いつでも専門相談員があなたのお悩みを無料でお伺いし、全国の式場から、ご希望に合った場所をご案内いたします。
まとめ
葬祭費をはじめとする葬儀の公的給付金は喪主の大きな支えになります。葬儀を終えたらすみやかに専門窓口に葬祭費の請求をすることをおすすめします。では最後に、この記事のポイントを箇条書きでまとめます。
- 葬祭費とは、国民健康保険、または後期高齢者医療制度の加入者向けの、葬儀への給付金制度
- 申請期限は、葬儀をとり行った日の翌日から2年以内
- 申請窓口は市区町村の該当部署
- 申請者は喪主
- 申請の際には次に挙げるものを準備する
- 亡くなった方の保険証
- 死亡の事実が確認できるもの
- 申請者の本人確認書類申請者が喪主であることを確認ができるもの
- 申請者の預金通帳、または口座番号の控え
- 葬祭費の金額は自治体によって異なる。1万円~7万円
- 通常であれば申請をしてから2〜3週間で、指定の口座へ振り込まれる
- 他の健康保険などから給付を受ける場合や直葬の場合など、葬祭費を受給できないこともある
- 葬祭費以外にも、社会保険の「埋葬料」「埋葬費」、労災保険の「葬祭料」、生活保護の「葬祭扶助」などがある
- 葬儀費用を抑える方法として、「葬儀保険」「互助会」「元気なうちからの事前相談」などが挙げられる
この記事が、少しでも葬儀費用の負担が軽減され、満足のいくお葬式につながれば幸いです。
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