葬儀の返礼品とは?おすすめのアイテムや贈るときのマナーを解説
- 2024年08月09日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お葬式に参列していただいた場合、お礼として返礼品を渡すのが一般的です。
返礼品の中には、「会葬のお礼」「通夜返礼品」「香典返し」があり、それぞれ意味合いや渡すタイミングは異なっています。
お礼とはいえ、中身によってはマナー違反になる場合もあるため注意が必要です。返礼品を用意する際には、相手に失礼のないようにマナーやしきたりを意識しながら選びましょう。
この記事では、葬儀の返礼品の種類やおすすめのアイテム、贈るときのマナーを紹介します。
葬儀の返礼品とは
お葬式の返礼品とは、お葬式に関わった方に感謝の気持ちを込めて贈るお品物です。ここでは、お葬式の返礼品3種類をそれぞれ紹介します。
会葬返礼品
会葬返礼品は、お通夜告別式に参列していただいた方にお礼として渡すお品物です。
西日本の一部では粗供養と呼ばれ、参列者全員に同じものを手渡しするのが一般的です。参列に対するお礼となるため、それほど高額な返礼品を用意する必要はありません。
地域によって相場の差はあるものの、500~1,000円までとする場合がほとんどです。
会葬のお礼には、参列した方に対して感謝の気持ちを表すお礼状を添えます。お礼の気持ちを示すため、宗教や宗派に関係なく準備するのが基本です。
また、地域や宗教、宗派によっては会葬のお礼に清めの塩を入れる場合もあります。
この塩は穢れを払い清め、お葬式に参列した人が自分の家に穢れを持ち込まないようにするためです。
そのため、お亡くなりになることが穢れという概念がないキリスト教では清めの塩はありません。
同じ仏教でも、浄土真宗はお亡くなりになることを忌み嫌うものではないと考えられており、塩で清めることはありません。
通夜返礼品
通夜返礼品とは、お通夜の参列者に対してお礼として贈るお品物です。通夜振る舞いを用意する場合は不要とする地域もあるものの、基本的には参列者全員に渡します。
一昔前は会葬のお礼とは別に用意するのが一般的でしたが、最近は通夜返礼品としてまとめて渡すケースも多いです。
お通夜に参列した方へのお礼であるため、会葬返礼品と同じく500~1,000円のお品物が相場となります。
通夜振る舞いを行わない場合や通夜振る舞いに関係なく渡す場合、会葬礼状と同じタイミングで渡すのが基本です。
通夜振る舞いに参加した方のみに渡す場合、会葬のお礼と同様に参列者が帰る際に渡しましょう。
香典返し
香典返しとは、香典をいただいたお葬式の参列者に対し、弔事が無事に終わったことへの感謝の気持ちを込めて渡すお品物です。
香典とは、御霊前にお供えするお花や線香の代わりに贈る金銭です。香典は参列者からご遺族に贈るもので、故人さまへのお悔やみの気持が込められています。
ご遺族は四十九日の法要が無事に済んだ報告も兼ね、香典返しとしてお礼をするのが一般的です。
会葬返礼品や通夜返礼品と混同される場合もありますが、香典返しは香典をいただいた方のみに贈ります。
そのため、お葬式にも参列して香典をいただいた方には、会葬返礼品や通夜返礼品と香典返しを合わせて送るのがマナーです。
香典返しの金額の目安は、香典の金額の半分となっています。
香典返しは香典の金額によって返礼品も異なってくるため、参列者ごとに異なるものを用意しなければなりません。
返礼品を渡すタイミングは、忌明け法要から1か月以内が目安です。忌明け法要は宗教によって異なり、仏教であれば四十九日の法要となります。
なお、家族葬でも香典返しを用意する場合がほとんどです。家族葬の香典返しの相場や品物、挨拶状は以下の記事でも詳しく解説しています。
葬儀の返礼品を贈るときのマナー
お葬式の返礼品を贈る際には、マナーを守りましょう。ここでは、お葬式の返礼品を贈る際に知っておきたいマナーを紹介します。
お礼状を添える
お葬式の返礼品を送る際には、お礼状を添えるのがマナーです。
お礼状には、お葬式に参列していただいたことに感謝の言葉をつづります。お葬式の際に返礼品を直接渡す際には、お礼も述べましょう。
また、お葬式のお礼状で注意すべき点として以下が挙げられます。
- 句読点は使用しない
- 繰り返し言葉は使わない
- 正しい敬語を使用する
- 縦書きで書く
- 弔辞用のはがきや切手を選ぶ
句読点は文章の流れを止める役割があり、法事が滞り進むことを妨げるとされるため使いません。また、「ますます」や「くれぐれ」などの重ね言葉も、不幸を重ねると連想するため避けましょう。
手書きに自信がない場合はパソコンやスマートフォンで文章を作成し、コピーしても問題ありません。なお、縦書きで書くのはより丁寧な印象を与え、相手に感謝の気持ちを深く伝えやすいとされているためです。
香典返しの書き方や送り方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
宗教や宗派によって表書きが異なる
返礼品の表書きは、宗教や宗派によって異なるため注意しましょう。
仏教では表書きに志と記載して白黒の水引をかけるのがマナーですが、西日本の一部では即用品と記載し、白黄の水引をかけているところもあります。
キリスト教や神式では、表書きを偲び草(偲草)とするのが一般的です。
ちなみに、キリスト教や神式では香典返しにあたる習慣はありません。しかし、最近はお葬式の参列者に対し、お礼の意味も込めて返礼品を渡す場合が増えています。
返礼品の書き方は地域や宗教、宗派による違いも大きいため、事前に葬儀社に相談しておくと安心です。
辞退の申し出があったら贈らない
香典返しの辞退の申し出があった場合は、返礼品は贈らないようにしましょう。香典返しの辞退は、ご遺族に余計な負担や気遣いをかけたくないという理由で行います。
また、お亡くなりになった方の交友関係が広いと、たくさんの方がお葬式に訪れるため、香典返しの負担を減らしたい理由で辞退する場合もあるでしょう。
香典の金額が少ないという理由で、香典返しを辞退するケースもあります。
いずれにしても、参列者の気持ちをありがたく受け止め、香典返しをしなくて問題ありません。なかには、立場的に香典返しをすると迷惑がかかってしまう方もいます。
ただし、香典返しを辞退した参列者に対しても、忌明けには必ずお礼状を送りましょう。
高額な香典の場合は後日郵送する
最近は香典の当日返しを行うケースもありますが、高額な香典の場合は後日郵送をするのがマナーです。
香典の当日返しは「即渡し」と呼ばれ、一般的な香典の相場をもとに同じ返礼品を渡します。しかし、用意した香典返しに対し、高額な香典を受け取った場合は忌明けに返礼品を贈りましょう。
高額な香典とは一般的に20,000円以上を指しますが、香典返しの金額が安い場合は香典が10,000円を超えた場合も後日郵送が望ましいです。
例えば、10,000円の香典をいただき当日返しが2,500円だった場合、忌明けに2,500円程度の返礼品を渡します。
このケースも、参列者から香典返しの辞退があった場合は贈らなくて問題ありません。なお、距離に関係なく返礼品を宅配便で贈ることもマナー違反にはなりません。
香典返しを贈る適切な時期やタイミングは、以下の記事でも詳しく解説しています。
葬儀の返礼品を贈るポイント
お葬式の返礼品を贈る際には、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、それぞれのポイントを解説します。
相場の金額を目安にする
お葬式の返礼品を用意する場合、金額は相場を目安にして問題ありません。
会葬返礼品や通夜返礼品であれば500~1,000円、香典返しは香典の半分が相場となります。会葬返礼品と通夜返礼品をまとめる場合でも、相場の2倍にする必要はありません。
また、お葬式の返礼品は相場より高すぎても低すぎてもよくない点に注意が必要です。高すぎると相手に気を使わせてしまい、安すぎると失礼にあたる可能性があります。
参列者に気を使わせず、お礼の気持ちを伝えるためにも、相場の範囲内で返礼品を用意しましょう。
消耗品を選ぶ
返礼品は、お菓子やお茶などの食品や石鹸や洗剤などの消耗品を選びましょう。
消耗品は「消えもの」といい、不祝儀を残さないという考えから推奨されています。参列者の年齢や好みに幅があるという点でも、手元に残らない消耗品の方がよいでしょう。
消耗品にもいろいろな種類があります。基本的には軽くて持ち運びがしやすく、どの家庭でも使えるものであれば問題ありません。
ただし、消耗品でも肉や魚などの返礼品は、宗教上の理由からNGの場合もあるため注意が必要です。
これらは四つ足生臭ものと呼ばれ、殺生をイメージさせるものとして考えられています。
他にも、お祝いごとで贈られることの多い鰹節や昆布などは避けた方がよいでしょう。お酒も神事を営む際のお供え物としての意味合いが強く、返礼品には向いていません。
地域の慣習に習う
お葬式の返礼品は地域の慣習に習うのが基本です。
返礼品は、地域の慣習によってルールやしきたりが異なる場合があります。例えば、会葬返礼品や通夜返礼品は渡すものの、香典返しを行わないところもあります。
返礼品を贈らない理由は、「ご遺族の気持ちの切り替えが早くできるように」「ご遺族の負担を減らす」など地域によってさまざまです。
いずれにしても、地域の慣習で返礼品を贈らないなら無理に用意する必要はありません。むしろ、地域の慣習に反していると思われてしまい、失礼にあたる可能性もあります。
地域の慣習を調べるためには、その地域に詳しい親族や近隣の方に確認するとよいでしょう。葬儀社も地域の慣習を把握している場合が多いため、事前に確かめておくと安心です。
会葬のお礼やお通夜のお礼におすすめの返礼品
会葬やお通夜の返礼品は少額の消耗品が基本です。ここでは、お葬式の返礼品におすすめのお品物の種類を紹介します。
お菓子
お葬式の返礼品として、クッキーやマドレーヌなど焼き菓子の詰め合わせもよいでしょう。お菓子は食べるとなくなる消えものにあたり、返礼品にふさわしいギフトといえます。
その中でも焼き菓子は日持ちしやすく、賞味期限も長いものが多くおすすめです。
返礼品のお菓子は、派手な色みやデザインの包装は避けて落ち着いたデザインのものを選びましょう。例えば、グレーや白、紺色などは返礼品に相応しい色といえます。
コーヒー
コーヒーもお葬式の返礼品におすすめの定番アイテムです。
コーヒーは飲むとなくなる消えものであり、さらにインスタントタイプはかさばらないというメリットがあります。
お菓子に比べると賞味期限が長く、日持ちするため、もらった側も慌てて消費する必要もありません。
ただし、お葬式に参列する方の年齢層によってはコーヒーが好まれない場合もあります。また、派手なパッケージのものはマナー違反となるため注意しましょう。
石鹸、洗剤
石鹸や洗剤も、お葬式の返礼品として人気のアイテムです。
石鹸や洗剤は消えものとしてだけでなく、不幸をきれいに洗い流すという意味もあります。石鹸と各種洗剤がセットになっているタイプも人気です。
返礼品として選ぶ際には、スーパーやドラッグストアで手に入らない高級感のあるものを選ぶのもよいでしょう。
他にも、ハンドソープやボディソープなどを返礼品にするのもおすすめです。
贈る相手の年齢や性別、家族構成などを考慮し、そのうえで相手に喜んでもらえるものを選びましょう。
タオル
タオルもお葬式の返礼品として選ばれやすいアイテムの一つです。
消えものではありませんが、タオルは実用的であり、さらに悲しみを拭い去るという意味もあります。故人さまが旅立つときに身につける白装束にちなみ、白のタオルは古くから返礼品の定番です。
返礼品にタオルを選ぶ際は、柄は無地で落ち着いた色を選んでください。派手な色がNGというわけではないものの、贈りさまの好みがはっきりしないなら落ち着いた色がよいでしょう。
一方、バスタオルを返礼品にしても問題ありません。タオルとバスタオルがセットになった返礼品も人気があります。
香典返しにおすすめの返礼品
香典返しは、香典の金額に合わせた返礼品選びがポイントになります。ここでは、香典返しにおすすめの返礼品を紹介します。
カタログギフト
香典返しに人気の返礼品としてカタログギフトがあります。
カタログギフトとは、受けとった側がカタログに掲載されているギフトから好きなものを選べる形式の返礼品です。受け取った側は、自分の好みに合わせて選べるメリットがあります。
カタログギフトの中身もさまざまで、香典返しに定番の消耗品から旅行、体験型ギフトもあります。
贈る側も自身で香典返しを考える必要がなく、贈る側・贈られる側双方にメリットがあるといえるでしょう。
金額も3,000円や5,000円、10,000円のように幅広い金額が用意されています。そのため、香典の金額をもとにカタログギフトを柔軟に選ぶことが可能です。
ただし、カタログギフトには商品代金とは別に、印刷や商品の発送などのシステム料がかかる場合もあります。カタログギフトの金額だけでなく、総費用で検討する必要があります。
グルメ詰め合わせ
グルメの詰め合わせも香典返しに人気の返礼品です。
お葬式の返礼品としても選ばれやすい食品ですが、香典返しになると金額に応じてバリエーションも多くなります。例えば、高級なお菓子セットやスイーツを贈るのもよいでしょう。
ただし、グルメの詰め合わせは贈る相手の好みに合わせる必要があります。
贈り先の方のグルメの好みを把握していない場合は、グルメの詰め合わせに特化したカタログギフトを贈るのもよいでしょう。
香典返しでは肉や魚を贈るのはNGですが、カタログギフトに掲載されているものは、個人で選択できるためNGではありません。
まとめ
この記事では、お葬式の返礼品の種類やマナーを紹介しました。
お葬式を執り行う際には、会葬返礼品や通夜返礼品、香典返しが必要となります。それぞれで意味合いが異なり、相場やそれによって相応しい返礼品も異なります。
お葬式に参列してくれた方や、香典を送ってくれた方に失礼がないためにも、返礼品は適切に用意して贈りましょう。
お葬式とともに、各種返礼品も取り扱っておりますので、よりそうお葬式にお問合せください。
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