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葬儀後の流れ
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お葬式が終わった後も、喪主はさまざまな手続きや対応が必要です。
「お葬式にどんな手続きがあるかわからない」「お葬式が終わった後は何をしたらいい?」など、疑問や不安に感じる方もいるでしょう。
お葬式が終わった後に慌てないためにも、どのような手続きや対応が必要になるかを把握しておくことが大切です。
この記事では、お葬式が終わった後の手続きや法事、関係者への対応などを紹介します。
お葬式が終わったら、さまざまな手続きをしなければなりません。ここでは、喪主がお葬式後に行う手続きを解説します。
逝去した方が年金を受給していた場合は、年金事務所または街角の年金相談センターに受給者死亡届を提出しなければなりません。
日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は、原則として年金受給権者死亡届の省略が可能です。
また、まだ受け取っていない年金や逝去後に振込された年金のうち、逝去した月までの年金はご遺族が受け取れます。
提出が遅れてしまった場合は、年金を多く取りすぎることになるため、後で返金が必要になるケースがあるため注意しましょう。
管轄 | 日本年金機構 |
---|---|
死亡届の添付書類 |
|
未支給年金請求の届出の添付書類 |
|
提出先 | 年金事務所または街角の年金支援センター |
参考:日本年金機構
社会保険に加入していた方が逝去した場合は埋葬料、国民健康保険に加入していた方が逝去した場合は葬祭費の申請を行います。
埋葬料は、故人さまと生計を同じくしていた関係にあった人が受け取れる給付金で、全国健康保険協会に加入している場合の申請先は全国健康保険協会です。
葬祭費は、75歳未満の被保険者が逝去した場合、その葬祭を行った人が受け取れる給付金で申請先は市区町村役場になります。
いずれも、期限までに申請をしなければ給付を受けられないため注意が必要です。
また、支給金額の埋葬料は組合によって異なり、葬祭費は自治体によって3〜7万円となっています。例えば、新宿区の場合は葬祭費が7万円です。
例)
埋葬料 | 葬祭費 | |
---|---|---|
管轄 | 全国健康保険協会 | 市区町村役場 |
対象となる故人さまの職種 | 会社員 | 自営業や個人事業主 |
支給金額 | 5万円 | 3~7万円 |
請求者 | 埋葬を行った人 | 葬祭を行った人 |
申請期限 | 逝去日から2年以内 | 葬儀日から2年以内 |
参考:全国健康保険協会
相続手続きには、単純承認、限定承認、相続放棄があります。
故人さまの遺産は相続人によって分割され、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続対象です。
マイナスが上回る場合は相続の権利を放棄する相続放棄といいます。相続財産からマイナスの財産を清算して、財産がプラスになればそれを引き継ぐということを限定承認といいます。プラスとマイナスの双方の財産も引き継ぐことを単純承認といい、特に手続きをしなければ単純承認になります。
単純承認 | 限定承認・相続放棄 | |
---|---|---|
管轄 | 家庭裁判所 | |
費用 | 不要 | 2~5万円 |
期限 | なし | 3ヵ月以内 |
参考:最高裁判所
故人さまが生命保険に加入していた場合、申請手続きを行うことによって生命保険の受け取りができます。
まずは、保険契約者または保険金受取人が生命保険会社に連絡します。その後に必要書類や案内が送付されるため、これらの書類に必要事項を記入して提出しましょう。
生命保険の支払期限や条件は、加入している生命保険によって異なります。詳細については、故人さまが加入している生命保険の約款を確認しましょう。
故人さまにかかった医療費において、ひと月に自己負担限度額を超えて支払った場合、申請すると超えた分が支給されます。
高額療養費制度と呼ばれるもので、医療費の家計負担が重たくならないようにする制度です。
故人さまが、国民健康保険、後期高齢者医療制度、各種健康保険のいずれかに加入していた場合に対象となる可能性があります。
この制度は本人の生存中だけでなく、本人が逝去した後にも相続人による請求が可能です。
なお、高額療養費制度の問い合わせ先は、どの医療保険に加入しているかによって変わります。わからない場合は、被保険者証に記載されている保険者まで問い合わせましょう。
管轄 | 故人さまが加入していた健康保険組合の窓口、市区町村役場
※保険の種類によって変わる |
---|---|
期限 | 医療費が発生した月の翌月から2年以内 |
審査期間 | 数週間から1ヵ月程度 |
参考:厚生労働省
故人さまが運転免許証を持っていた場合は、警察署または運転免許センターに免許証を返納する必要があります。
故人さまの運転免許証は、逝去によって効力が自動的に失われるため、ご遺族が免許証の返納手続きを怠ってもペナルティは課せられません。
しかし、放置しておくと他人に悪用されるリスクがあるため、原則として返納するのが望ましいです。
返納手続きに明確な期限はありませんが、悪用を防ぐためにも早く返納することをおすすめします。
管轄 | 警察署または運転免許センター |
---|---|
期限 | なし |
必要なもの |
|
参考:警視庁
お葬式後は、故人さまが生前加入していたサービスの解約手続きが必要となります。手続きが必要となるサービス例は以下の通りです。
これらのサービスについては、契約内容や規約に基づいて適切に手続きを進める必要があります。相続人は各サービス提供者に連絡し、速やかに手続きを進めていきましょう。
喪主はお葬式が終わった後も、法事・法要の準備や手配を行う必要があります。ここでは、喪主がお葬式後に行う供養を解説します。
お葬式が終わり、最初に行われる法要が初七日法要です。
故人さまが逝去してから七日目に行われる法要であり、故人さまの霊を供養し、成仏を願うために行います。
数え方はお葬式を行った日ではなく、逝去した日を含めて数えるのが基本です。例えば、水曜日に逝去された場合は、翌週の火曜日が初七日となります。
初七日法要は祭壇を設置し、お坊さんを招いて読経やお焼香を行い、その後は食事を取るのが一般的です。
ただし、近年はお葬式と合わせて初七日法要を行うケースも増えています。これはライフスタイルの変化により、親族が集まりにくくなっていることやご遺族の負担を軽減するためです。
地域の慣習やお寺の意向に問題がなければ、お葬式と初七日法要を同時に行っても問題ありません。初七日法要については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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四十九日法要とは、命日から数えて四十九日目に行われる追善法要です。
仏教において四十九日は忌明けとされており、この日を境に故人さまのご冥福を祈って喪に服していた期間を終えます。
故人さまは四十九日後に仏の元に向かうとされており、重要な日と位置づけられ、盛大に法要を行って供養するのが慣例です。
四十九日法要ではお坊さんによる読経や焼香、説法が行われ、故人さまの冥福を祈ります。参列するのは、一般的にご遺族や故人さまと血縁関係にある親族のみです。
初七日法要とは違い、四十九日法要を繰り上げて行うケースは多くありません。
しかし、近年は人が集まりにくくなっている背景もあり、状況や地域によっては四十九日法要も繰り上げるケースがあります。
四十九日法要については、以下の記事でも詳しく解説しています。
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ご遺骨をお墓に納めることを埋葬といいます。
現代の日本においてはほとんどの自治体が土葬を禁止しているため、埋葬方法は主に火葬です。埋葬のタイミングは、四十九日法要や百箇日方法、一周忌、三周忌などがあります。
埋葬はいつ行っても問題ないとされており、ご火葬後を終えた当日に行うこともあれば、しばらく自宅に安置するケースもあります。
喪主は親族とも相談しながら、埋葬のタイミングや準備を進めましょう。
年忌法要とは、故人さまの命日やその前後に年単位で行われる法要です。故人さまの霊を供養し、成仏を祈ることで故人さまが安らかに過ごせるように願います。
また、家族や友人が集まり、故人さまを偲びながら語り合うことにより、絆を深める意味合いもあります。代表的な年忌法要の種類は以下の通りです。
三回忌以降はお葬式を行った年も含めて計算するという点に注意が必要です。そのため、一周忌の翌年に三回忌を行うことになり、二年連続年忌法要を行います。
年忌法要の準備や段取りなども、喪主が行うのが一般的です。
お葬式はさまざまな人と関わることになり、落ち着いたらお礼や対応などが必要です。ここでは、お葬式後に必要となる関係者への対応を解説します。
お葬式後は、お葬式に参列できなかった弔問客が故人さまを悼み、自宅に訪れてくる場合があります。
いつ弔問客が訪れても対応できるように、玄関の掃除をして、おもてなしのお菓子や返礼品を用意しておくのが望ましいです。
弔問客が来たらお線香をあげてもらうように促し、「本日はご多用のところおいでいただき、感謝申し上げます」と伝えましょう。
お線香をあげてもらう際には、お菓子やお茶でもてなします。故人さまに代わってできる範囲で構わないため、感謝の気持ちを持っておもてなししましょう。
弔問については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
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香典返しとは、お葬式でいただいたお香典に対するお返しのことです。
香典返しは、忌明け法要が無事に終わったことへの感謝の気持ちを伝えるために行います。香典返しには当日返しと後日返しがあり、当日返しはお葬式の当日にお渡しします。
一方、後日返しは四十九日法要の後に送るのが一般的です。
香典返しの相場は半返しで、通常は受け取った金額の半分から1/3程度となります。当日返しで用意した金額がお香典の金額に見合わない場合は、改めてお香典を贈りましょう。
なお、高額なお香典の香典返しについては、無理に半返しをする必要はありません。
香典返しの相場やおすすめの品物、カタログギフトに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
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お葬式が終わった後は、お礼状を送るのがマナーです。
メールやハガキのお礼状は略式になるため、手紙にしたためて送りましょう。ただし、お葬式前後は時間的にも精神的にもご遺族の負担が大きいため、印刷で送っても問題ありません。
お葬式でお礼をするタイミングは二回ほどあります。一回目はお葬式当日にお渡しする会葬礼状、二回目は忌明け頃に香典返しやお葬式でお世話になった人に送るお礼状です。
なお、お葬式を知らせていない人に対しては出さなくてもよいとされています。
お葬式は精神的にも時間的にも負担が大きくなります。ここでは、お葬式後の注意点を解説します。
お葬式後の手続きは、期限に注意しながら計画的に進めることが大切です。
お葬式後はさまざまな手続きがあり、中には期限が設けられているものもあります。あらかじめ手続きのリストを作成し、期限が短い手続きから優先的に進めていきましょう。
また、お葬式後は同じ場所で何度も別の手続きを行うケースがあります。例えば、住民票の抹消や介護保険資格喪失届の手続き場所は、いずれも市区町村役場です。
それぞれ個別に手続きをすると移動に時間も多くかかるため、一度にまとめて行う方が効率的といえます。
手続きのリストを作成する際は期限や内容だけでなく、手続きできる場所も記載しておくと一回足を運ぶだけで複数の手続きが可能です。
お葬式前後は心身ともにご遺族への負担が大きくなります。
特に喪主は故人さまと近い関係にあるだけでなく、お葬式の段取りや準備、関係者への対応などやるべきことも多くあります。
「お葬式をしっかり執り行わなくてはいけない」と、強い責任を感じる方もいるでしょう。
そのため、お葬式やその後には「葬儀疲れ」を感じることも多く、体調を崩してしまう場合もあります。少しでも疲れたと感じる場合は、周囲の方にも頼りながら休息を取りましょう。
また、お葬式の準備や進行はご遺族だけで行うのではなく、無理をせず葬儀社のスタッフに協力を依頼することも大切です。
そしてお葬式が終わった後は、ゆっくり時間をかけて気持ちの整理をしましょう。「早く元気を出さないと」と焦ってしまうことは禁物です。
無理をせず、疲れたと感じる場合は家族や親戚、友人に話を聞いてもらうのもおすすめです。
四十九日法要までの忌中や、一周忌法要までの喪中においては、控えるべきことに注意しましょう。
忌中で控えるべきことは、結婚式などお祝い事への出席や婚姻届けの提出、旅行、お正月のお祝い、神社へのお参りなどです。喪中で控えるべきことは、お正月のお祝いが挙げられます。
忌中や喪中に控えるべきことがあるのは、それぞれに特有の意味や習慣があるためです。
忌中は故人さまの霊が冥土で旅をしているとされ、その間は穢れを避けるために慎ましく過ごすことが求められます。
一方、喪中は故人さまを偲び、悲しみの気持ちを表す期間です。忌中よりは制限が緩やかであるものの、お正月のお祝いは控えるという慣習が残っている地域も多くあります。
この記事では、喪主がお葬式後にすべきことや手続き、供養、挨拶まわりを解説しました。
大切な人が逝去した後は、故人さまと近い人が喪主となり、お葬式や行政手続き、関係者への対応を行います。
お葬式が終わっても時間や精神的に負担がかかる日々が続くため、体調を崩してしまう場合もあります。
負担を少しでも軽減するためにも、頼れるところは親族や親しい友人、葬儀社のスタッフにしっかり頼ることも大切です。
お葬式のことなら、よりそうお葬式にご相談ください。
よりそうお葬式では、専門相談員が事前の準備からお葬式のお手配まで、お葬式にまつわるさまざまなご不安に寄り添ってサポートします。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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