葬儀の受付係の役割とは?やり方と気をつけるべきマナーを解説

- 2022年01月27日

お葬式手配の「よりそうお葬式」
葬儀で受付係を任されるということは、遺族の代理として立つことになるとも言えます。受付は分かってしまえば特段難しい手順はないものの、急に任されると慌ててしまう方も多いです。また、受付を担当される方は、言葉遣いや服装マナー、受付の手順だけでなくお葬式全体の流れをしっかりと理解し、弔問客へ失礼のないように対応をしなくてはなりません。
いざお願いをされた時に慌てることのないように、必要な準備や具体的な流れ、マナーなどについて詳しくご紹介いたします。
目次 [表示]
受付係はどんな方に依頼する?
参列者の記録やお香典の管理を任せることになるため、受付係を依頼する方は慎重に選ぶ必要があります。そのため、一般的には以下のような関係の方に依頼をされていることが多いです。
地域の町会の方々
(メリット)
昔は葬儀というと、必ずといっていいほど町会の方が手伝うのが慣習となっており、その兼ね合いから受付係も頼まれる方が多く、作業自体に慣れている。
(デメリット)
最近は町会との付き合いも減っている傾向にあり、特に家族葬などで広く声をかけない場合は受付係の依頼ができない。
ご親戚
(メリット)
受付係としてお金の管理を安心してお願いできる上に、双方で気を遣う必要がないため依頼をしやすい。
(デメリット)
近しい関係のご親戚の方は式場内の席に着席する必要があるので、ある程度離れた関係の親戚(いとこや甥・姪など)にお願いする必要がある。
友人や会社の同僚など
(メリット)
会社の方や取引先などが多く参列されるような一般葬や社葬では、来られた方の関係性が受付時点で分かるため、その後の案内がしやすい。
(デメリット)
上司に依頼しなくてはいけない場合など、人によっては社内の人間関係に気を遣うため、受付係を気軽に依頼しにくい。
受付の代行業者
(メリット)
受付を担当するプロに依頼ができるため、作業の流れがスムーズで記録ミスや会計ミスなどのトラブルが起こらない。
(デメリット)
葬儀社を通して依頼する必要があり、外注スタッフの人員追加となってしまうため、受付係として1人依頼するだけでも15,000〜20,000円程度が掛かってしまう。
受付の流れとやり方
葬儀の受付というと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、当日は葬儀社のスタッフも近くにいるので、不明点などは都度伺うようにすれば問題ありません。また、事前に受付のやり方を知っておけば安心して対応することもできますので、実際の流れに沿って順番に解説をいたします。
事前準備
受付を依頼された方は、遅くとも開始時刻の1時間前には式場に到着しているようにしましょう。また、参列者から聞かれることも多いため、お手洗いの場所や待合室、翌日の告別式の開式時刻などを事前に把握しておくと安心です。
役割の分担
受付の業務は大まかに「お香典を受け取る」「会計作業をおこなう」「返礼品を渡す」の3つに分けることができます。担当する人数によってそれぞれの役割を分担させることから始めましょう。中でも会計作業に関しては、最終的にお香典として頂いた現金の集計をおこなうため、慎重に決める必要があります。
記帳案内、受付への誘導
式場に到着した参列者の方へ順次芳名カードへの記帳を案内します。記帳が完了したら、お香典と一緒に受付へ持参して頂くようにお伝えしましょう。
お香典の受け取り
受付の時点で名前や住所、連絡先などの記入事項に漏れが無いかを確認します。返礼品の準備がある場合には、この時点で直接品物を渡すか、もしくはお帰りの際に取り替えられるように引換券を渡すようにします。
返礼品のお渡し
受付の時点ですぐに渡すこともありますが、多くの場合はお焼香が済んだ後か、通夜振る舞いなどの会食の席を立ってお帰りになる際に品物を渡します。この時引換券との交換をする場合は、他の方の分と合わせて複数枚持っている方もいらっしゃいますので、返礼品を渡す個数に注意しましょう。
また品物の取り替えを忘れてそのまま帰ってしまう方もいるため、目の前を通る方へ積極的に声掛けをします。
お香典の集計
受け取ったお香典は都度中身の現金の確認をして、式が落ち着いた段階で最終的に受け取った金額の集計作業をおこないます。意外にありがちなのが、お香典袋の中に現金の入れ忘れをして、そのまま受付へと提出されてしまう方もいるため、必ず中身の確認をするようにしましょう。
受付係が気をつけるべきマナー
受付をお願いされる立場とはいえ、参列者であることに変わりはないため、通常の葬儀と同様にマナーを守った振る舞いを心がける必要があります。その中でも、特に受付係が気をつけるべきマナーについて2点ご紹介をいたします。
服装
受付係だからといって、何か特別な服装にする必要はありません。基本的には他の参列者と同じように、一般的な喪服の着用をしていれば大丈夫です。
ただし、遺族の代わりに受付に立つということはそれだけ責任が生じる上に、周りからも見られる機会が多くなるため、シワのないシャツやスーツをしっかりと着用するなど、身だしなみには細かく気を配る必要があります。
言葉遣い
参列者の中にはご高齢の方もいらっしゃるため、記帳や受付の案内をする際はゆっくり・はっきりとしたトーンで丁寧な言葉遣いをするように意識しましょう。また、お香典を受け取る際は、遺族の代わりの立場として「本日はご会葬ありがとうございます。(お香典を)お預かりさせて頂きます。」といったお声がけをすることが望ましいです。
受付係のお焼香や食事、引き継ぎのタイミングは?
式の参列人数にもよりますが、大規模な葬儀になってくると受付の方は特に開式前後が忙しくなってしまいます。式中もなかなか手が離せない状況にもなるため、通常の参列者とは違った流れでお焼香や食事の案内をされることが多いです。
お焼香のタイミング
遅れてくる参列者もいらっしゃるため、受付の方は閉式まで持ち場を離れることができません。また、現金がある以上は万が一の盗難の恐れもあるため、必ず持ち場に誰かが残っている必要があります。
そのため、受付係は開式前の空き時間か、もしくは参列者の数が落ち着いた頃合いを見計らって、交代でお焼香にご案内されることが多いです。事前に葬儀社のスタッフに確認をするようにしましょう。
通夜振る舞いの席に着くタイミング
参列者はお焼香が終わった後や、閉式後にそのまま通夜振る舞いの席に案内をされます。一方で受付係の方は、お香典の集計作業などを終えてからになるため、案内される順番としては基本的に1番最後となることが多いです。
お香典の引き継ぎ
式がひと段落したところで、集計の済んだお香典は封筒などにまとめて喪主に手渡します。この際に翌日も受付をお願いされているからといって、現金を預かったままの状態にしておくのは万が一のトラブルにも繋がりかねないため、必ず避けるようにしましょう。
また、出棺時のお香典の引き継ぎをする際は、慌ただしくなってしまい、渡す前に遺族が火葬場へ行ってしまったなどの状況も発生しがちなので、引き継ぐタイミングには要注意です。
受付の方へのお礼はどれくらい用意する?
受付係のお礼として渡す金額の相場は、関係性に関わらず概ね3,000〜5,000円くらいとされています。ただし地域によっては別の形式でお礼を差し上げる場合もありますので、事前に葬儀社のスタッフなどへ確認を取るようにしましょう。現金でお渡しをする際は、表書きとして「寸志」と表記した無地の封筒に包んで準備をします。
渡すタイミングとしては、受付の作業が終わった際に、「本日はありがとうございました。」というお礼の言葉を添えてそれぞれの方へお渡ししましょう。
まとめ
葬儀の受付係は、事前に担当する方同士で「お香典を受け取る」「会計作業をおこなう」「返礼品を渡す」などの役割を決めておく必要があります。それぞれの担当する業務内容や、全体的な流れについて難しいことはないものの、お香典の取り扱いなどは金銭が絡む部分でもあるため、慎重に行うようにしましょう。
また、遺族の代わりにお香典を受け取る立場であることを念頭に置いて、言葉遣いや立ち振る舞いなどはしっかりと意識して、式の最後まで責任を持って対応することが重要です。

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