葬儀の進行係とは その他の世話役(受付・会計)も詳しく解説
- 2022年12月09日

お葬式手配の「よりそうお葬式」
葬儀の現場では、さまざまな世話役が喪主を支えますが、そのうちの1つが「進行係」です。
進行係は、主に通夜式や葬儀告別式といった式典を進行します。最近では葬儀社のスタッフが担う進行係ですが、具体的にどのようなことをするのでしょうか。
この記事では、進行係の具体的な役割や動きを台本例付きでご紹介いたします。さらには進行係以外のさまざまな世話役についても解説します。
目次 [表示]
喪主を支える葬儀の世話役について
喪主の役割は膨大です。親族の中心となって故人を弔わなければなりませんし、一方で葬儀を開催して親族や参列者をもてなさなければなりません。お寺や葬儀社との打合せ、さらには親族や参列者への対応を、各方面に気を配らなければなりません。
そこで、喪主を手助けするのが「世話役」と呼ばれる人たちです。世話役には次のようなものがあります。
- 受付係 参列者への記帳を促し、香典を受け取る
- 会計係 いただいた香典金額を確認し、整理する
- 案内係 式場内の案内、誘導をする
- 駐車場係 駐車場の案内、整理をする
- 返礼品係 参列者に返礼品を配る
- 進行係 式典を進行させる
本来であれば、喪主が香典を受け取り、返礼品を手渡すなどして参列者をもてなすことができればよいのですが、とてもそこまでのことはできません。ですから世話役は、喪主や遺族になり代わり、それぞれの持ち場で参列者を受け入れ、案内するのです。
式典を進行させる「進行係」も世話役の大切な役割のうちの一つです。昨今では葬儀社スタッフが担うことが当たり前となっていますが、ひと昔前は、寺院と喪主との間に立って、式典をスムーズに進めるために立ちまわりました。司会進行だけでなく、会場の席の確認、焼香や弔事の誘導、弔電の拝読など、進行係のしなければならないことは多岐に渡ります。
進行係の仕事
進行係は、葬儀の世話役の内の一つで、通夜式や葬儀告別式を滞りなく進めていきます。具体的にどのような役割を担うのか、詳しく解説していきます。
進行係とは
昨今では、葬儀の進行は葬儀社スタッフや専門の司会者が担いますが、ひと昔前は、寺院と喪主との間に立って、式典をスムーズに進めるために進行係が立てられました。もちろん現代においても、葬儀社に進行を任せずに遺族の側から進行係を立てても構いません。
進行係の具体的な仕事
司会進行だけでなく、会場の席の確認、焼香や弔事の誘導、弔電の拝読など、進行係のしなければならないことは多岐に渡ります。
喪主、遺族、寺院との打合せ
式典をどのように進めていくか、事前に喪主と寺院とともに打合せをします。喪主とは、席順、焼香、弔事、喪主挨拶などのタイミングなどを綿密に打合せします。寺院とは、その宗派で用意しておくべきもの、読み上げるお経や読経時間の確認、誘導の方法や焼香のタイミングなどを確認します。
司会進行
司会者として式典を進行します。開式、閉式、導師の紹介、焼香案内、弔事の案内、弔電の拝読など、要所要所で式典を取り仕切ります。マイクでナレーションを読み上げるだけでなく、さまざまな場面で参列者を誘導しなければなりません。
座席の確認
誰がどの席に座るかを事前に喪主と打ち合わせをしておきます。喪主のほかに、葬儀委員長や弔辞者がいる場合も座席を指定しておきます。着席の順番がそのまま焼香の順番となることを考慮して座席を決めましょう。
焼香の案内
焼香は、喪主、遺族、親族、参列者の順番に行われます。着席順に焼香台へと促します。
弔電の確認
各方面からいただいた弔電は、葬儀告別式の中で紹介されます。全文読み上げるもの、名前だけを紹介するもの、読み上げる順番などを事前に喪主と決めていきます。また、差出人の名前の読み間違えは絶対にあってはならないことですので、あわせて確認しておきます。
進行係のナレーション例
開式10分前のナレーション
「ご参列の皆様にご案内いたします。まもなく定刻となります。式場内の座席へとご着席下さい」
開式前の注意事項
「まもなく開式でございます。開式に先立ち本日の式進行、ならびに注意事項を申し上げます。本日は●●宗□□寺様にお勤めを賜ります。ご入場の際は、合掌でお迎え下さい。みなさまのお焼香は私ども進行係のナレーションと案内に沿ってお進みください。本来●●宗のお焼香の回数は3回ですが、本日はたくさんの方にご参列いただいておりますので、心を込めて1回のお焼香でお願いいたします。なお、携帯電話やスマートフォンををお持ちの方は電源をお切りいただくかもしくはマナーモードに設定していただきますよう、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます」
導師入場~開式の辞
「導師入場です。御一同さま、合掌でお迎え下さい」
「合掌、お直り下さい」
「ただいまより、故○○様の葬儀ならびに告別式を執り行います。お勤めをいただきますのは、〇〇家菩提寺、●●宗□□寺ご住職です」
弔辞
「これより弔辞を頂戴いたします。故人様の長年のご友人である○○〇〇様。お願いいたします」
弔電
「続きまして、本日、各界各方面より賜りました弔電を、謹んで御霊前に奉読申し上げます」
「このほかにも、多数の弔電を頂戴しておりますが、時間の都合上、大変失礼ながらお名前のみご奉読させていただきます」
「いただきました弔電は、のちほど謹んで御霊前に奉奠させていただきます。以上、弔電のご紹介でございました」
焼香案内
「これより、お焼香にお進みいただきます。喪主〇〇〇〇様」
「以降、係の者がご案内に参ります。順番にお進みいただき、終わりましたらお席へとお戻りください。
喪主挨拶
「出棺に先立ちまして、喪主の○○様より、本日ご参列賜りました皆様に、お礼のご挨拶を申し上げます」
閉式の辞
「これをもちまして、故○○様の葬儀ならびに告別式を終了いたします。これより故人様は●●斎場へとご出棺となります。火葬場に同行される方は所定の車両にお進み下さい」
「本日はお忙しい中のご参列、誠にありがとうございました。お引き物の引き換え券をお持ちの方はスタッフまでお申し出ください。どうぞお気をつけてお帰り下さい。本日は誠にありがとうございました」
葬儀の世話役 さまざまな仕事
進行係以外にも、葬儀ではさまざまな世話役がそれぞれの現場で参列者への対応をします。
受付係
受付に立って、参列者に記帳を促し、香典やお供え物などを受け取ります。会葬返礼品や香典返しの品物(あるいは引換券)を受付で手渡す地域もあります。その他、式場やお手洗いがどこにあるかなどを伝える、総合案内的な役割も担います。
会計係
香典金額を確認し、整理します。通常、受付テーブルの背後に設けられています。受付係が受け取った香典袋の中身を確認し、紙幣をまとめ、記録します。通夜式や葬儀式が終わると、代表者が責任を持って喪主に手渡します。
案内係・接待係
葬儀の規模が大きい時には、式場の要所要所に案内係を立てて参列者を誘導します。また接待係は、僧侶のおもてなしや、通夜ぶるまいの席で食事や飲み物を出したり下げたりします。その他、靴を脱ぐ場面で下足札を配る下足係などもあります。
駐車場係
駐車場で、車で来場された参列者を誘導します。
返礼品係
会葬返礼品や香典返しの品物を参列者に配ります。受付で手渡すケースと、帰り口で引換券と引き換えに配るケースとがあります。
進行係を喪主が手配する際の注意点
昨今では、葬儀社のスタッフが信仰係を務めます。葬儀の担当者がそのまま司会をしたり、専門の司会者や補佐を務める誘導スタッフがあてがわれたりするのが一般的です。こうした人件費も葬儀プランの中に含まれています。
もちろん、プロの司会者やナレーターなど、喪主が信頼のおける人に進行係を依頼することも可能です。ただし、葬儀の進行は宗教的な知識や葬儀現場での経験や判断が求められ、台本だけ読めば誰もがすぐにできるほど簡単なものではありません。
それでも進行係を自ら手配したい時には、早い段階で葬儀社に相談しておきましょう。そしてしっかりと打合せをして葬儀に臨むことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後にこの記事のポイントとなる部分を箇条書きでまとめます。
- 葬儀の現場ではさまざまな世話役が喪主を支えるが、そのうちの1つが「進行係」
- 進行係は、主に通夜式や葬儀告別式といった式典を進行する
- その他の世話役に、受付係、会計係、案内係、駐車場係、返礼品係などがある
- 進行係の具体的な仕事に、喪主や寺院との打合せ、司会進行、座席の確認、焼香の案内、弔電の確認などがある
- 昨今では葬儀社が務めることが一般的。どうしても喪主が手配したい場合は、寺院と葬儀社と綿密な打ち合わせをすべき
滞りなく葬儀が進行することで、喪主や遺族、そして参列者も、故人様を安心して送り出すことができます。進行係は、満足いくお葬式を支える大切な役割なのです。

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