葬儀をしないで火葬のみで見送る火葬式の特徴や費用相場・流れ
- 2024年10月25日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
身内に不幸がおきた場合、時間に追われながらお葬式の準備を進めていく必要があります。
お葬式にはさまざまな種類があり、火葬のみで見送る火葬式(直葬)も形式の一つです。ご火葬のみのお葬式には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
この記事では、ご火葬のみのお葬式が選ばれる理由やメリット・デメリットなどを紹介します。
目次
火葬のみの火葬式(直葬)とは
火葬式とは、お通夜や告別式などの式を行わず、火葬場にてご火葬のみでお見送りするスタイルのお葬式です。
直葬と呼ばれるお葬式も火葬式のことを指し、ご遺族にとってご負担の少ないお葬式のスタイルの一つとなります。
なお、お葬式の形式は、故人さまの遺志やご遺族のご意向で決めることができます。そのため、ご火葬だけでも法的には問題ありません。
火葬のみの火葬式が選ばれている理由
ご火葬のみの火葬式は、近年増加しているお葬式のスタイルです。ここでは、火葬のみの火葬式が選ばれている理由を紹介します。
お葬式の費用を抑えたい
火葬式は、通夜や告別式を行う従来の葬儀に比べて費用を大幅に抑えられます。
一般的な葬儀一式費用の平均は121.4万円※であるのに対し、火葬式の相場は20万円前後です。最安値を打ち出しているところだと10万円を下回るところもあり、オプションを付けて満足度の高いものにしたとしても、40万円前後で行えます。(※2022年 一般財団法人日本消費者協会 第12回「葬儀についてのアンケート調査」より)
お通夜やお葬式を省略した火葬式では、式場の使用料や花祭壇、料理などの費用がかからないため、お葬式の費用を大きく抑えることができます。
最小限の人数でお見送りがしたい
最小限の人数で故人さまのお見送りがしたい場合も、火葬式が選ばれやすいです。
お通夜や告別式は親族や親戚に加え、友人や知人、会社関係者なども多く参列します。しかし、大人数のお葬式になると対外的な気遣いも必要です。
そのため、精神的な負担軽減という理由で、少人数で執り行われる火葬式が選ばれる場合もあります。
故人さまの遺志
故人さまの生前のご意向に基づき、火葬式を執り行う場合もあります。
例えば、「自分が亡くなってもお葬式はしなくていい」「火葬だけでいい」と生前に言っていた場合などです。お葬式は故人さまの意思を尊重することも大切です。
お葬式に呼べる人数が少ない
お葬式で呼べる人数が少ないと想定される場合も、火葬式が選ばれることがあります。
現在の高齢化社会では、故人さまの友人や知人も高齢となり、お葬式に呼べる人が少ないという場合もあるでしょう。
また、お葬式を執り行うことで参列者の負担になるという理由から、火葬式を選ぶ場合もあります。
従来のお葬式の形式にこだわらない
宗教観の変化や多様化により、従来のお葬式の形式にこだわりがなく、火葬式が選ばれるケースもあります。
そもそもお葬式は、宗教に基づいて故人さまの成仏やご冥福を祈る儀式です。宗教者のいるお葬式や伝統的なお葬式のスタイルに対し、必要性を感じない方もいるでしょう。
このような場合にも、シンプルにお見送りができる火葬式は適しています。
火葬のみで問題ないのか?
形式的なお葬式を執り行わず、ご火葬のみの火葬式でも問題ありません。大切なことは、ご遺族の納得や満足です。
「家族全員で見送りをできれば満足」「宗教的な価値観は気にしない」と思い、納得しているのであれば、故人さまも満足しているはずです。
火葬式でもお坊さんの読経はいただける
火葬式であっても、お坊さんに読経してもらうことは可能です。
その場合は、火葬場まで足を運んでもらい、お別れ室や火葬炉の前で読経してもらう流れとなります。
ただし、読経できるかどうかは火葬場によって異なり、時間も5分程度になるのが一般的です。
お葬式の時のように本格的なものと比べると、読経の時間は短くなるという点に注意しましょう。
火葬した後に供養してもらうこともできる
火葬式においても、ご火葬後にお坊さんに供養してもらうことは可能です。
火葬式を執り行ったものの、物足りなさを感じ、あとからお坊さんに手厚く供養してもらいたいという場合もあるでしょう。
このような場合は、お寺のお坊さんに相談し、新たに供養してもらうことをおすすめします。
火葬のみのメリット
火葬式はご遺族にとってさまざまなメリットがあります。ここでは、火葬のみのメリットを解説します。
お葬式のコストを抑えられる
お葬式のコストを抑えられる点は、火葬式を執り行う大きなメリットです。
お通夜や告別式のコストを抑えられるだけでなく、参列者が少ないため、返礼品にかかる費用も抑えられます。
故人さまとのお別れを、少ない費用で抑えたいと考えている場合は火葬式がおすすめです。
精神的・肉体的な負担を軽減できる
火葬式には、ご遺族の精神的・肉体的な負担を軽減できるメリットもあります。
大切な人がお亡くなりになればショックも大きいものですが、通常は感傷に浸る間もなく、お葬式の準備や手続きを進めなければなりません。
お葬式の打ち合わせから関係者への連絡などに追われ、お葬式当日に疲労のピークを迎えることも考えられます。
参列者や関係者に対して気丈に振る舞う必要もあり、精神的な負担も増すでしょう。その点、最少人数で執り行う火葬式は精神的・肉体的な負担が軽減されます。
対外的な対応が不要
火葬式は基本的にごく近しい身内だけで行われます。
参列者が少ないため、あいさつ回りやお礼を述べたりといった対外的な対応に追われることも少ないでしょう。
火葬のみ行う場合のデメリット
火葬のみのお葬式は近年になって増えたこともあり、火葬式に対して不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、火葬のみのデメリットを紹介します。
ご遺体を安置する場所が必要になる
火葬式では、ご遺体を安置する場所が必要になるケースもあります。
一般的なお葬式では、葬儀社がすべての手配を行います。ご遺体の運搬から安置、お葬式の準備まですべて任せることも可能です。
一方、ご火葬のみを依頼する場合は、ご遺体を安置する場所をご遺族が手配しなければなりません。
法律により、死後24時間を過ぎるまでご火葬をしてはならないというルールがあるため、安置場所の確保は必要となります。
安置場所は自宅、葬儀社、安置施設から決めるのが一般的です。
突然の弔問に対応する必要がある
ご火葬のみの場合、親族中心で行うため、火葬式終了後に突然の弔問への対応が必要になるケースもあります。予期しないタイミングでの弔問は、ご遺族にとって大きな負担です。
故人さまと近い友人や知人には、優先的に訃報を伝え、弔問の申し出があれば都合のよいタイミングを伝えておくのが望ましいです。
周囲に理解してもらえない可能性がある
火葬式を執り行うにあたって、親戚や故人さまの知人に理解してもらえず、苦言を呈される可能性もあります。
故人さまやご遺族は火葬式に問題がないと思っていても、周囲の人からみると「式をしないのは間違っている」と思われる可能性もあるでしょう。
また、身内だけで火葬式を執り行い、事後報告で故人さまの訃報を伝えると、教えてくれなかったことに不満を感じる可能性もあります。
火葬式を検討している場合は、親戚や故人さまと近い立場の人には伝えておく必要もあるでしょう。
菩提寺とトラブルになる可能性がある
火葬式の注意点として、菩提寺とトラブルになる可能性がある点が挙げられます。
火葬のみで済ませたという事後報告だと、お寺はお経を上げることができません。菩提寺の立場としては、大切な檀家のご逝去に際し、きちんと供養をして戒名を授ける必要があります。
そのため、事後報告だとその後の関係が悪化する可能性もあるため、事前に伝えておく必要があります。最悪、お葬式の上げ直し要求されたり、お墓への納骨を断られる場合もあります。
火葬式の費用相場
火葬式の費用は葬儀社によって違いがありますが、他のお葬式に比べ費用を抑えることができます。ここでは、火葬式の費用相場について解説します。
火葬式の費用について
火葬式にかかる費用は、一般のお葬式に比べると安価です。
費用は葬儀社によって異なります。例えば、よりそうお葬式では税抜価格91,000円(税込100,100円)※2024年10月現在(火葬料金が別途必要)のプランがあります。
故人さまを安置したあと、火葬場にお連れしてご火葬を行うシンプルなプランです。面会を省略することで、もっとも費用を抑えることができます。
火葬場の種類による費用の違い
火葬場の種類としては、公営と民営があります。
全国的には自治体が運営している公営火葬場が多いものの、東京都心では民間企業が運営している民営火葬場もあります。
公営火葬場の費用は自治体によって異なりますが、安いところだと無料、高くても5万円程度です。
例えば、北海道札幌市の場合は市民であればご火葬代は無料となっています。一方、東京都23区の場合はご火葬代は目安としては59,600円(大人)です。
このように、自治体によってご火葬にかかる費用は異なります。
火葬式プランに含まれるもの、含まれないもの
葬儀社の中には格安で火葬式を行えると宣伝しているところもありますが、あとから追加費用を求められることも少なくありません。
プランの中に何が含まれているのかの確認は、とても大切です。火葬式プランに含まれる主な品目は次の通りです。
- 寝台車での搬送(病院など~安置場所・安置場所~火葬場)
- お棺
- ご遺体安置料(火葬当日までの霊安室やドライアイス使用料)
- 骨壷
- 装飾具(炉前飾りや遺影写真、位牌、お別れ花など)
- 火葬許可など書類申請代行
これら以外に、火葬料金やお坊さんを招いて火葬炉の前で読経を行う場合や、遺体搬送以外に移動用の車輌が必要な場合、火葬中の控室の利用、枕飾りや後飾りの設置などは、追加費用となります
火葬式の費用を抑える方法
火葬式の費用を抑える方法としては、健康保険の葬祭費を利用したり、地方自治体の補助金制度を活用したりなどがあります。
故人さまが被保険者となっている健康保険や、管轄の後期高齢者医療広域連合で葬祭費・埋葬費が支給される場合があります。
健康保険の葬祭費や申請期限は地域によって異なるため、事前に自治体に確認しておくと安心です。
また、自治体によっては火葬料の補助制度があり、お葬式を執り行う際に補助金がもらえる場合もあります。
火葬式の流れ
ご臨終から、火葬式の手配や終了までの一連の流れをご紹介します。
1.臨終・お迎え(搬送)
故人さまが息を引き取ったら、速やかに葬儀社に連絡を入れます。
葬儀社に依頼すると、寝台車が安置場所までご遺体を搬送します。ご自宅で看取られ、そのまま安置する場合でもドライアイス等は必要です。
次に、医師から死亡診断書を発行してもらいます。自治体に提出する大切な書類となるため、葬儀社に預けます。
2.ご遺体の安置
日本の法律では、お亡くなりになってから24時間は火葬ができません。そのため、ご遺体を一時的にどこかに安置しなければなりません。
安置場所とは、ご遺体を安置する施設のことで、ご自宅または葬儀社、火葬場の霊安室などがあります。
葬儀社に依頼する場合は、安置場所の提案、寝台車の手配、ドライアイスの手当てなどをしてくれます。
これらの費用は葬儀プランに含まれていることも多いですが、移動距離や安置施設の利用日数によって、料金が追加になることもあります。不安があれば事前に確認しておきましょう。
3.納棺
故人さまの旅立ちの身支度を整え、棺へ納めます(納棺の儀式)。納棺の際には、お花や、故人の好きだったものなども一緒に納められます。
4.火葬
火葬場に到着したら、火葬許可書を提出して、炉前にて故人との最後のお別れの時間です。
そして棺のふたを閉めて、ご火葬を見届けます。ご火葬の前後で、お坊さんによる読経をいただくこともできます。
(火葬場によってはできない場合もあります)
火葬時間は火葬場によって異なりますが、おおむね、1~2時間です。終わるまで控室等で待機します。
ご火葬が済んでお骨になると、係員の指示に従って遺骨を骨壷に納めます。これを「収骨」や「お骨上げ」と呼びます。お骨とともに、お墓への埋葬の際に必要な書類となる火葬済印付の「埋火葬許可証」を受け取り、火葬式は終了です。
火葬のみで見送る場合の気になる疑問をQ&Aで紹介
ここでは、ご火葬のみで見送る場合の気になる疑問をQ&A形式で解説します。
火葬式を執り行う際も、一般的なお葬式と忌引き日数は変わりません。
火葬式は一日で行うお葬式の形式とはいえ、故人さまがご逝去してから24時間経過しないと火葬はできません。
そのため、今日お亡くなりになったとしても、明日以降のご火葬となるため、火葬式を終えるまでには2日間必要となります。
一般的なお葬式でも火葬式でも、ご逝去からご火葬までの時間は忌引き休暇の適用になるのが一般的です。
火葬式に参列する際は、事前に香典辞退の連絡がなければ持参するのが一般的です。
火葬式に香典が必要かどうかの判断は、喪主やご遺族の判断に任されます。当日、お供えをする際に辞退された場合は持ち帰りましょう。
また、火葬式で香典を渡す際にもお葬式と同じくタイミングやマナーが重要です。一般的なお葬式と同じく香典は受付で渡し、芳名帳に記帳をしたうえでお悔やみの言葉を添えましょう。
火葬式を執り行う際、お葬式の準備前なら「葬儀は通夜、告別式を行わず、火葬だけで行います。式場の準備はしていません」と関係者に伝えます。
参列していただく近親者にお知らせする際は、ご火葬のみでお葬式を行う理由を手短に伝えておくとトラブル防止になるでしょう。
火葬式を終えてからご逝去のお知らせをする際には、「故人さまの遺志を尊重し、近親者のみで葬儀を執り行いました」という書面を郵送します。
ここでは、火葬式によるお葬式を執り行ったということは特に知らせる必要はありません。
火葬式は、一般的なお葬式と同様に葬儀社に依頼するのが一般的です。
ただし、葬儀社の中には火葬式に対応していないところもあるため、事前にプランがあるか確認しておきましょう。
また、火葬式を自分で執り行おうとしても、火葬場によっては個人で予約が取れないケースもあります。
火葬式でも喪主を立てるのが一般的です。
喪主の務めとして、死亡届の提出や葬儀社との打ち合わせ、支払い、故人さまの供養などの役割があります。
身内だけの少人数で行われる火葬式において、一般的なお葬式のような参列者へのおもてなしや挨拶は必要ありません。
タイミングを見計らって何らかの形のお墓に納骨する必要があります。
ご遺骨を家に置いてはいけないという法律はありませんが、いつまでもお骨を自宅に置いておくことは現実的ではありません。
お墓といっても伝統的な石のお墓に限らず、最近では納骨堂や樹木葬などといったタイプのお墓も人気です。ご家族で話し合い、自分たちにあったお墓を準備しましょう。また近年「永代供養墓(合祀墓)」も注目されています。
跡取りや墓守がいない方には、継ぐ人がいなくても入ることができる合葬タイプのお墓もあります。
一般的なお葬式と同様に、喪服を着用して参列します。
男性であればブラックスーツに白のワイシャツ、黒のネクタイ、黒の靴下、黒の革靴です。女性であればブラックフォーマルで靴やストッキングも黒で統一します。
よりそうのお葬式の「火葬式プラン」
「よりそうお葬式」には火葬式プランのご用意があります。
お迎えから火葬日当日までのご遺体安置の後、お通夜・告別式を省いて火葬のみが行なわれるシンプルな葬儀スタイルです。
ご遺体安置については、お預かりが出来ます。ご面会が可能なプランもございますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
費用を抑えられる【よりそう火葬式 シンプルプラン】
ご火葬前に最後の面会ができる【よりそう火葬式 面会プラン】
ご火葬までご自宅で一緒に過ごせる【よりそう火葬式 自宅安置プラン】
まとめ
この記事では、お葬式をせずに火葬のみでお見送りをする火葬式の特徴や費用相場や流れを解説しました。
火葬のみでお葬式をするメリットは費用を抑えられることや、精神的・肉体的な負担が少ないことです。
一方で、親族から反対されたり、菩提寺とトラブルになったりする場合もあるため、関係者には事前に伝えたうえで執り行う必要があります。
ご火葬のみのお葬式なら、よりそうお葬式にお任せください。
よりそうお葬式では、シンプルプラン、面会プラン、自宅安置プランなど、さまざまな火葬式のプランをご用意しています。
また、24時間365日いつでも無料でご相談を受け付けています。専門相談員が事前の準備からお葬式のお手配まで、お葬式にまつわるご不安によりそい、サポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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