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散骨方法や費用はどれくらいかかる?散骨の許可や手続きの流れ

散骨方法や費用はどれくらいかかる?散骨の許可や手続きの流れ
  • 2024年10月09日
家族が余命宣告されたら。やるべき準備と心構え
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「余命宣告」の正しい意味や、家族が余命宣告されたときの心構え、するべき準備のことについてわかりやすくご紹介します。
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この記事のポイント

散骨は遺骨を自然に還す新しい葬送方法で、関心が高まっています。
日本では法律上問題なく行えますが、適切な手続きやマナーが必要です。海洋や山林、宇宙などが主な場所で、費用は海洋散骨で10万~30万円程度です。

日本では火葬後の遺骨はお墓に埋葬するのが一般的ですが、最近は宗教観や社会の変化に伴い、埋葬や供養のあり方も変化してきています。
その流れの中で注目されているのが「散骨」という方法。生前に散骨を望み、遺族が実行するケースも増えています。

ここでは散骨のやり方やマナーなど、散骨を望むならぜひ知っておきたいポイントについて解説していきます。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

散骨とは

散骨は自然葬の一種で、火葬を行った後の遺骨を粉末状にして海や山などに撒くことです。
日本では長らく、遺骨は骨壺に入れてお墓か納骨堂に納骨するのが一般的でした。海外でも宗教上の理由などから散骨を行う国はありますが、それもごく一部です。

しかし現代では、火葬後は納骨せず散骨してほしいと願う個人が増えてきたことにより、日本を含め世界各地で散骨が行われるようになりました。「海や山が好きだったから」「死後は自然に還りたい」といった理由で散骨を選ぶ人が多いようです。

また、核家族化や少子化が進む現代日本では、残していく家族にお墓の世話で迷惑をかけたくない、という理由で散骨を望む人も増えています。

散骨はどのくらいの人が意識している?

散骨の希望者は全体の45%以上

保険会社の第一生命による調査「葬送に対する意識」の全国統計によりますと、「散骨をしてほしいですか?」という質問に対して、散骨を希望すると答えた人が四割以上と高い数値を記録しました。
世間での肯定的な意見や関心の高さがうかがえる結果といえます。

散骨は合法?それとも違法?法律との関係について

日本の法律では散骨を禁止する法律が存在しないため、散骨自体が罪に問われることはありません。
2018年現在、法律上は遺骨を土に埋めなければ合法です。しかし、散骨のやり方や場所によってはトラブルに発展することもあります。そのため、散骨を行いたい場合にはやや注意が必要です。

散骨は日本でもメジャーになってきたとはいえ、遺骨を公共の場所に撒くことについては抵抗を感じる人がまだまだ少なくありません。
そのため自治体によっては散骨が条例で禁止されていたり、遺骨を細かく砕かないで撒いた場合には死体遺棄の疑いをかけられてしまう恐れもあります。

また、自分の私有地であっても、場合によっては散骨に対して苦情を入れられることがあります。それが民事裁判にまで発展することも、可能性として考えられなくはありません。個人で安易に散骨を行うのは避けましょう。

散骨時に守るべきルールやマナーは?

法律上は認められているとはいえ、まだまだトラブルの可能性と隣り合わせの散骨。故人の遺志を尊重するなら、最後まで円満に終えてあげたいものです。そこで続いては、安心して散骨を行うために守りたいルールやマナーについて解説していきます。

公のルールや手続きについて

散骨を行う際には、自治体での手続きは基本的に必要ありません。
散骨までは通常の火葬と同じく、自治体の役場で死亡届を提出して火葬許可書をもらい、遺体を火葬します。

ただし散骨は火葬直後に行う他に、自宅に安置していた遺骨を散骨するケースや、すでに埋葬された遺骨を引き取って散骨するケースもあります。

すでに埋葬された遺骨を引き取って散骨する場合

すでに埋葬された遺骨を引き取って散骨する場合には「改葬許可書」が必要です。これは埋葬された遺骨を他の墓地などに移す際に必要な許可書で、自治体に申請することで入手できます。

散骨前に必ず行いたいのは、死体遺棄罪回避のための砕骨と散骨予定地の条例チェックです。トラブルを避けるためにも、この二つだけは事前に必ず行うように確認しておきましょう。

ここがポイント
1.埋葬された遺骨を引き取って散骨する場合には「改葬許可書」が必要
2.散骨前に死体遺棄罪回避のための砕骨と散骨予定地の条例チェック

散骨する場所について

散骨をする場所は個人の自由ですが、公衆衛生や周りの人の感情についての問題から、散骨を避けた方がよい場所はいくつか存在します。例えば他人の私有地はもちろん、公共の河川や湖、水源に近い場所への散骨は避けるべきです。

また、人がよく集まる海水浴場や漁場・養殖場の近くは、遺骨を撒いたことによるイメージの悪化が懸念されます。風評被害を受けたとして管理者に訴えられる可能性もあります。

国有地であっても管理者の許可が必要なので、事前に散骨してもよいか確認は必要です。これらはあくまで業界のルールや基本的なマナーによるものですが、散骨の場所選びは周りの環境や人々のことを考慮し細心の注意を払って行いましょう。

避けた方がよい場所

当日の行動や装いについて

死や遺骨、葬式などに関して抱く感情は人それぞれです。散骨に関しても、遺骨が身近にあることに抵抗を感じる人もいれば、それほど気にならないという人もいるでしょう。
複雑でデリケートな問題だからこそ、散骨は他の人のことを十分考え、迷惑をかけないように行いたいものです。

公共の場所で行う散骨は、できれば人がいない時間帯を選びます
もしも周りに人がいる時に行うなら、喪服を着ないなど散骨だと分からないようにして行うのが望ましいです。リゾート地などでは特に、周りから浮くほどフォーマルな格好はマナー違反と考えましょう。

散骨を行うなら一緒に花束などを供えたい、または海に流したいと思う人もいるかと思います。そんな時は、花束を包んでいたビニールなどのゴミを残らず持ち帰るのもマナーです。

日本国内なら?海外の場合は?散骨できる場所について

日本にはルールやマナーの問題で散骨すべきではない場所がありました。では、どこなら散骨を行っても問題がないのでしょうか。
海外の場合と合わせて、散骨してもよい場所を紹介していきます。場所選びの参考にしてみてください。

日本の場合

日本で散骨が認められているのは、例えば特定の国が所有権を持たない公海や定められた墓地、私有地です。実際には条例や周りの人への配慮などから、困難が多い陸地よりも公海で行う海上散骨を選ぶ人が多いようです。

一方で、最近では樹木葬を行う人も増えています。樹木葬とは、樹木の根元に遺骨を撒く自然葬の一種です。故人の好きだった樹木の下に眠らせてあげたいという思いで行われるケースがよく見られます。

トラブルになりがちな陸地での散骨ですが、樹木葬は専用の墓地で行えば問題ありません。また、遺骨を土に埋めた上から樹木を植えることを樹木葬と呼ぶこともあります。

海外の場合

海外だと、ハワイやオーストラリアのグレートバリアリーフ、パラオなどで散骨ができます。ただし、散骨に関する規定は国によってそれぞれです。

特にハワイでは、陸地からの距離や散骨への参加者の人数などに関して様々な規定が存在します。違反すると賠償金を請求される恐れもあるため、出国前にその国の法律を必ず調べておきましょう。また、遺骨を海外へ持ちだすのにも各種の手続きが必要です。

宇宙の場合

まだ扱っている事業者は少ないのですが、散骨には宇宙に遺骨を撒く「宇宙葬」も存在します。宇宙葬は、ロケットなどに遺骨の入ったカプセルを搭載して宇宙空間に打ち上げます。

すでに海外では20万円程度で宇宙葬を行える業者も現れているので、故人が宇宙を好きだったという人や宇宙に携わる仕事をしていたという人は、散骨の一種として検討してみてもよいかもしれません。

自分で?それとも散骨業者に任せる?散骨の方法は3パターン

散骨には法律がないため、そのやり方も特に決められていません。散骨のやり方について分けるとすれば、下記3つのやり方が考えられます。

1.砕骨から散骨まで全て自分で行う
このパターンだと、火葬場から引き取った遺骨を自分で砕く必要があります。散骨場所も自分で探さなければいけないので負担が大きいですが、その分費用が掛かりません。
2.砕骨や散骨当日の準備など一部の作業を業者にお願いする
個人ではなかなか難しい遺骨を砕く作業や、散骨場所の選定などの一部の作業を業者へ依頼するパターンです。すべての作業を業者に依頼するよりかは費用を抑えることができます。
3.砕骨からすべての作業を業者にお願いする
特に粉状になるまで骨を砕くのには力と根気が必要であり、心理的にも故人の骨を砕くのは難しいという人もいるかと思われます。そんな時には業者に任せるのがおすすめです。

散骨場所についても詳しいはずなので、大抵の業者に頼めば後からトラブルになるということは無いでしょう。業者に依頼すればそれぞれ費用が掛かるものの、散骨までスムーズに行えて負担も軽減できます。

業者を選ぶ際には、どの程度までサービスを行ってくれるのか、また故人の遺骨を任せても大丈夫な業者なのかを確認してから依頼しましょう。何件かの業者に相談してみて、比較しながら選ぶのが望ましい選び方です。

散骨に必要な費用は?種類ごとに料金相場を解説

いざ散骨をするとなると、誰もが心配になるのがその費用。あまり馴染みのないものですから、どれくらい掛かるかイメージしづらいという人も多いのではないでしょうか。続いては、散骨に掛かる費用について解説していきます。

海洋散骨の料金相場

海に遺骨を播く海洋散骨は、沖に出るために船をチャーターする必要があります。自力でチャーターすることも可能ですが、業者に依頼した方が費用が安く抑えられます。また、国内での海洋散骨のほうが、海外で行うよりも費用が安くなります。

業者の提供する海洋散骨のサービスには、一つの遺族だけでの散骨や他の遺族との合同散骨、または業者が代理で行う委託散骨が存在します。
委託散骨は遺族が同乗することはできませんが、最も費用を抑えられる方法です。

逆に最も費用が高くなるのが一つの遺族が単独で行う場合です。しかし費用が掛かる分、故人との別れの時間をゆっくり過ごせるという点がメリットです。

相場は、単独での散骨が20~30万円、合同散骨が10万円前後、委託散骨が5万円前後と見られます。

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樹木葬の料金相場

遺骨を埋葬した後に樹木を植えるタイプの樹木葬は、相場が50万円前後です。

200万円弱掛かると言われている墓石に比べると、かなりリーズナブルにお墓が建てられます。また樹木の根元に散骨するタイプは、それよりも費用が安くなります。

その後の維持管理費は樹木葬を行った場所によって異なりますが、例えばある霊園では運営管理費に年間1万円が必要です。他の霊園や墓地を見てもその前後の金額なので、2万円まではいかないというのが相場と見られます。

宇宙葬の料金相場

宇宙葬は、プランや業者によって費用が異なってきます。月面に散骨するプランがもっとも高額で相場が約250万円です。

人工衛星に搭載するプランは約100万円ロケットに搭載するプランだと約50万円が相場になります。業者で比較すると、費用が安い所だと約20万円で宇宙葬を行えるところもあれば、やはり100万円近く掛かるところもあります。

いずれにせよ、宇宙葬はまだそれほど手軽なものではないと考えるのがよさそうです。

葬儀から散骨までの流れ

散骨を行うタイミングには特に決まりはありません。
葬儀後にすぐ散骨する人もいれば、49日を過ぎてから散骨する人、または埋葬済みの遺骨を引き取って砕骨、散骨する人もいます。
遺族が納得して行えるタイミングなら、いつ散骨を行ってもいいのです。

もし葬儀後に散骨を行うなら、火葬をして砕骨、散骨という流れになります。火葬までは通常の埋葬と同じ流れで葬儀や手続きを行います。

埋葬後の遺骨を取り出して散骨する場合は、お墓から骨を取り出して砕骨、そして散骨という流れです。取り出す手続きは通常の改葬と違いがありません。市役所で改葬手続きを行い、許可証をもらって墓地から遺骨を取り出します。

業者への散骨の相談や依頼は、故人の生前でも行うことができます。
あらかじめ散骨したい意思があるのなら、生前に手続きを行っておくと葬儀後スムーズに散骨へと進めるはずです。

監修者のコメント

陸地(土地)への散骨をする場合、その土地が墓地として許可を得ているかどうか、確認しておきましょう。墓地ならば永続性が保たれますが、単なる私有地への散骨となると、その土地が将来別の形に変貌してしまう可能性もあります。島根県のカズラ島は散骨島として知られています。

まとめ

時代の流れとともに、日本でも散骨がメジャーになりつつあります。散骨を選ぶ人も増えてきて、今後はもっと気軽に散骨ができるようになるかもしれません。

しかし、散骨に必要な砕骨から散骨までを個人で全て行うのは大変です。特に砕骨は体力的にも精神的にも負担が大きいもの。難しそうならすぐに業者に依頼しましょう。

散骨のニーズが高まるとともに、サービスが充実している業者も増えています。また最近では、散骨まで行ってくれる葬儀社もあるようです。葬儀の相談をする際には、散骨についても併せて相談してみる といいでしょう。

散骨に関するよくある質問

そもそも散骨とは?
散骨は自然葬の一種で、火葬を行った後の遺骨を粉末状にして海や山などに撒くことです。
散骨を避ける場所を教えてください。
他人の私有地、公共の河川や湖、水源に近い場所への散骨は避けるべきです。
散骨をする際には喪服を着用するべきでしょうか?
公共の場所で行う散骨は、喪服を着ないなど散骨だと分からないようにして行うのが望ましいです。リゾート地などでは特に、周りから浮くほどフォーマルな格好はマナー違反と考えましょう。
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