羅漢(阿羅漢)とは?羅漢像のある有名な寺院や施設など
- 2023年01月20日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
羅漢という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまりなじみのない言葉ですが、羅漢とは悟りを開いた高僧のことを言います。
阿羅漢と呼ばれ、羅漢は阿羅漢の略称です。
本記事では羅漢にまつわる内容や寺院・施設などをご紹介します。
羅漢とは?
羅漢とは冒頭でもお伝えしたように、釈迦の弟子の中で最も位の高い弟子に与えられる称号のようなものです。この称号を与えられるということはそれだけ名誉のあることなのです。
これ以上学ぶことがない人に与えられる称号とも言われており、「無学位」とも呼ばれることもあったくらい釈迦の弟子の中ではずば抜けた存在でした。
羅漢の下の位は「有学」という称号となっており、今の社会とは違ってその人にどれだけ学ぶ必要があるのかで決められていたことがわかります。当時はインターネットなどもなかったため、自分の立場の詐称をする人も多くいたようです。いくら詐称してもいつかはばれてしまうもので、そうした嘘の証言により羅漢を故意に名乗る僧呂たちのことを「大妄語」と呼んで僧団から追放していました。
阿羅漢の例
十六羅漢
長く世の中に留まって仏の決まり事を守っていくようにと釈迦から命じられた16人の羅漢のことを指します。
- 賓度羅跋羅惰闍(ひんどらばっらだじゃ)
- 迦諾迦跋蹉(かだくかばさ)
- 迦諾迦跋釐惰闍(かだくかばりだじゃ)
- 蘇頻陀(そびんだ)
- 諾距羅(なくら)
- 跋陀羅(ばだら)
- 迦理迦(かりか)
- 伐闍羅弗多羅(ばしゃらふったら)
- 戍博迦(じゅはか)
- 半託迦(はんだか)(周梨槃特)
- 羅怙羅(らごら)
- 那伽犀那(なかさいな)
- 因掲陀(いんかだ)
- 伐那婆斯(ばなばし)
- 阿氏多(あした)
- 注荼半託迦(ちゅだはんだか)
法住記にこれら16人の羅漢の名前が記載されており、彼らの存在は長い間書物などを通して伝えられています。
十八羅漢
十六羅漢に加えて慶友・賓頭廬(びんずる)の2人か、または、大迦葉・軍徒鉢歎(ぐんとはつたん)の2人を加えた18人の羅漢を指します。経典によって追加される羅漢に差異があるようです。興味のある人は書物で見比べてみるのもいいでしょう。
五百羅漢
釈迦入滅後の第1回、第4回の仏典編集会議で集まった人数がそれぞれ500人であったことから、両会議で集まった人を指して五百羅漢と言われるようになったようです。この500人それぞれが自分の能力で世の中を良くしていくための使命を与えられていたといわれています。
羅漢像のある有名な寺院や施設
続いて十六羅漢、十八羅漢、五百羅漢それぞれの有名な寺院や施設をご紹介します。
十六羅漢
十六羅漢岩
十六羅漢岩は、22体の磨崖仏の総称です。場所は山形県飽海郡遊佐町にあります。磨崖仏は、十六羅漢の像に、釈迦牟尼、文殊菩薩、普賢菩薩、観音、舎利仏、目蓮の6体を加えた全22体を指します。かつて鳥海山が噴火したときに日本海に流れ出した安山岩溶岩で形成されています。日本海を背景にしてみる羅漢は、独特の雰囲気を味わうことができます。
木造十六羅漢像
木造の羅漢を見たい人は瑞雲院もしくは善光寺へ行ってみましょう。瑞雲院は山形の新庄にある寺院で、善光寺は栃木県の足利市にあります。
本光寺
長崎県の島原市でも岩に掘られた十六羅漢像を見ることができます。
十六羅漢石庭
京都の妙蓮寺にある庭園も羅漢で有名な場所です。十六羅漢を謳ってはいますが、実際には15人ほどしか羅漢は残されていません。想像していたのと違うということのないように、事前にホームページなどで情報収集しておくといいでしょう。
岳林寺十六羅漢像
曹洞宗岳林寺の向かい側の丘には十六羅漢像が並んでいます。古くからある松に囲まれながら並んでいる羅漢は不思議な雰囲気を醸し出しています。天気のいい日に出向くと松の木の間から差し込む日光でより綺麗で優しい気持ちにさせてくれるでしょう。
十八羅漢
萬福寺
京都府宇治市にある萬福寺は黄檗宗の寺院です。萬福寺の伽藍はすべて屋根がついた回廊になっており、雨の日でも気にせずに移動することができます。十八羅漢像は大雄寶殿に、従来の鎌倉・室町の十六羅漢に「慶友」と「賓頭蘆」を加えた形の十八羅漢とした明代寺院の形式で安置されています。
青雲亭
マレーシア最古の中国仏教寺院といわれている有名な寺院です。国内にある像とは異なった雰囲気を味わうことができます。
五百羅漢
天恩山五百羅漢寺
都内でも五百羅漢を参拝することができます。そこは東京都目黒区にある天恩山五百羅漢寺です。かつて500体以上あったとされる羅漢像は現在305体ほどに減ってしまいましたが、それでも十分見ごたえがあり、迫力ある羅漢を見ることができます。
光徳寺
千葉県市原市にある寺院です。光徳寺は500年以上の長い歴史のある寺院で、参拝者も多くいます。500体もの羅漢は相当の迫力があり、圧巻です。
佐野原五百羅漢園
ここで見られる五百羅漢像は、ひとつひとつの顔が細かく表現されており、多様な表情を見ることができます。「亡き親・子供・愛しき人に会いたくば五百羅漢にこもれ」という言葉があるように、必ず五百羅漢の中に探し求めている顔があると言われています。
家族や愛する人をなくしてぽっかりと心に穴が開いてしまった人が多く訪れる場所です。心の傷を癒したい人は出向いてみましょう。
佐野原五百羅漢園では五百羅漢像の他にも十八羅漢や、大理石で作られた三国志の石像も見ることができます。
羅漢について興味が出た人は実際に見に行こう
今回、羅漢について紹介させていただきましたが如何でしたでしょうか。
国内にも様々な寺院で羅漢像を見ることができます。興味のある人は羅漢像のある場所を訪れてみてはいかがでしょうか。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
もともと羅漢は、十大弟子中の舎利弗や目犍など仏弟子の最高位にあたる尊者を示していましたが、後に修行の過程にある僧侶も含めるようになりました。羅漢は多くは十六羅漢や五百羅漢のように群像で表されます。第一の尊者ともいれる羅漢は、独立して像の頭や眼をなでて病気平癒を願う「おびんずるさま」として親しまれています。