お通夜の香典袋には何を書く?書き方の注意点やマナーを解説
- 2024年11月28日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お通夜に持参する香典袋には、意味やマナーがあります。
知らずに持参すると相手に失礼になる可能性もあるため、事前に香典袋の書き方については把握しておきましょう。
この記事では、お通夜の香典袋に書くこと、水引の意味や色の種類、注意点、宗教別のマナー、持参のマナー、よくある質問について詳しく解説します。
お通夜の香典袋について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
お通夜の香典袋に書くこと
香典袋とは、線香の代わりに故人さまに供える香典を入れる袋のことです。香典袋には、主に贈り主の金額・氏名・住所を記入しなければいけません。
ここでは、お通夜の香典袋に書くことを詳しく解説します。
金額
香典袋には、金額を記入しましょう。
金額の書き方は「金〇〇圓」のように表記するのがマナーで、数字は「一・二・三」のような新字体ではなく「壱・弐・参」のような旧字体を使用します。
新字体 | 旧字体 |
---|---|
一 | 壱 |
二 | 弐 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
十 | 拾 |
千 | 阡 |
万 | 萬 |
日常生活で使用されている新字体は簡易的で、改ざんされるリスクがあるため、香典袋などの数字は旧字体で書くのがマナーです。
仮に金額が5,000円なら「金伍仟圓」、1万円なら「金壱萬圓」となります。
過不足なくちょうどの金額を入れていることを表現する場合は、「金〇〇圓也」として「也」を最後に付け加えても良いでしょう。
氏名
香典袋には、氏名も記入してください。
氏名はフルネームで記入し、誰が贈り主なのかをわかるようにしておきます。ただし、香典を複数人で出す場合は名前の書き方に注意が必要です。
人数別の名前の書き方は以下の表をご参照ください。
人数 | 名前 |
---|---|
夫婦 |
|
2人 |
|
3人 |
|
4人~ |
|
1人で出す場合は自身のフルネームだけ記入すれば問題ありませんが、夫婦で出す場合は夫のフルネームを手書きの下か中央に書き、妻の名は左側に並べて書くのがマナーです。
2人で出す場合は、目上の人を表書きの下・中央に書き、2人目は左側に並べて書きます。3人で出す場合も同様に、目上の人を表書きの下・中央に書き、残り2人は左側に並べて書きます。
4人以上で出す場合は、「団体名+一同」と書くようにしましょう。もしくは「団体名+代表者+他一同」でも構いません。
誰が贈り主なのかわかれば問題ないため、香典を出す人の氏名のみ記入してください。
住所
香典袋には、住所も記入してください。
住所が必要な理由は、香典返しで間違わないためです。参列者の住所は喪主もある程度把握していますが、すべての人の住所を網羅しているわけではありません。
たくさんの参列者から香典をいただくと、氏名と住所が一致せず困惑することもあるため、贈る側は氏名の隣に住所を記入しておきます。
そうすることで、喪主もしくはご家族が香典返しを手配しやすくなります。住所は、本籍ではなく現住所を記入しましょう。
香典袋の水引の意味と色の種類
香典袋に欠かせないのが水引です。ここでは、香典袋における水引の意味と色の種類について詳しく解説します。
水引の意味
香典袋に使用されている水引とは、贈り物を包んだ封筒や紙にかける帯紐のことです。
魔除けや未開封の意味があり、お祝い事では赤白の水引が使用されるのに対して、お悔やみ事では白黒の水引が使用されます。
通常は「二度と繰り返さないように」と固く結ばれた結び切りが使用されますが、地域によっては「末永く付き合う」ことを意味する『あわじ結び』が使用されます。
一部の水引には蝶結びのものがありますが、蝶結びは慶事などのお祝い事で使用されるもので、弔事などのお悔やみ事では使用しません。
蝶結びの水引は「病気を繰り返す」「不幸を重ねる」などの意味があるため、香典袋では使用しないよう注意してください。
色の種類
水引は、お葬式だと黒白のものを使用するのがマナーですが、他の色も使用できます。例えば、以下のようなものなら使用可能です。
- 黒白:お葬式などの仏式全般で使用される(神式でも使用される)
- 黒銀:仏式全般で使用される(神式では使用されない)
- 黄白:関西や北陸の法事や法要で一部使用される
- 双銀:仏式の弔事でよく使用される
- 双白:神式の弔事でよく使用される
水引の種類で迷った場合は、黒白のものを選ぶのが良いでしょう。
黒銀は仏式全般で使用されるものの神式では使用されないため、参列するお通夜の形式に合わせて選ぶ必要があります。
黄白は、関西や北陸の法事や法要で一部使用されるもので、神式ではあまり使用されないものの仏式では比較的使用される水引となっています。
他には、仏式なら双銀、神式なら双白が使用されやすいため、香典袋を持参するならどのような色の水引を選ぶのかも考慮しておきましょう。
なお、水引の色は香典の金額によって変わることもあります。
例えば、5,000円程度までなら印刷されたもの、10,000円以上なら水引が付いたものを使用するのがマナーとされています。
目安としては5万円以上なら双銀、それ以下なら黒白と使い分けるとわかりやすいです。
香典袋を書く際の注意点
香典袋を書く際は、いくつかの注意点を守らなければいけません。ここでは、香典袋を書く際の注意点について詳しく解説します。
外包みは薄墨の毛筆・筆ペンで記入する
香典袋の外包みは、薄墨の毛筆・筆ペンで記入するようにしましょう。
薄墨の毛筆・筆ペンを使う理由は、「故人さまを失った悲しみで墨をすれなかった」「訃報に対する悲しみの涙で滲んだ」などの感情を表現するためとされています。
薄墨がない場合は、普通の毛筆・筆ペンでも問題ありませんが、マナー的には薄墨で書くのが望ましいです。
最近では表書きが印刷された香典袋もありますが、故人さまとの関係が深い人は薄墨で書くようにしてください。
中包みの金額・氏名・住所は丁寧に記入する
香典袋の中包みの金額・氏名・住所は、丁寧に記入するようにしてください。
お札を入れる中包みは表面に金額、裏面に氏名と住所をはっきりとわかるように記入し、誰が読んでもわかる書体で書きます。
筆記用具は筆を使用するのが正式とはされているものの、黒インクのものなら大丈夫です。
ただし、故人さまと親しい間柄でも喪主やご家族にはわからないことがあるため、金額・氏名・住所含めすべて省略せずに記入しましょう。
以下の記事では、中袋なしの香典の書き方について解説しているため、あわせてお読みください。
数字は新字体ではなく旧字体を使用する
香典袋に記入する金額の数字は、新字体ではなく旧字体を使用します。
最近では算用数字で記入する人もいますが、正式には「壱・参・伍・仟・萬」のように漢数字を使用するのが正しいです。
日常的に使用している数字は改ざんのリスクがあるため、書き足しや書き直しができないよう漢数字で記入するのが良いでしょう。
稀に香典袋のなかの金額と記入した金額が間違っていることがあるため、中身を確認してから記入するようにしてください。
香典袋の宗教別のマナー
香典袋は宗教によって表書きが変わるため、注意が必要です。ここでは、香典袋の宗教別のマナーについて詳しく解説します。
仏教
仏教の表書きには「御霊前」と書きます。仏教では、故人さまはお亡くなりになってから49日間は霊体と考えるため、御霊前と書くのがマナーです。
ただし、お亡くなりになったらすぐ仏さまになると考える浄土真宗だけは、御仏前と書くのがマナーとされるため注意しましょう。
宗派に関係なく表書きをする場合は、御香典もしくは御香料と記入してください。参列するお葬式の宗派がわからない場合は、喪主もしくはご家族に聞いておくと安心です。
神道
神道の表書きには「御霊前」と書きます。神道では、故人さまはお亡くなりになってから50日間は霊体と考えるため、御霊前と書くのがマナーです。
他にも表書きには「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」などの書き方がありますが、神前に捧げるため御仏前とは書きません。
また、蓮の花がデザインされた香典袋も避けた方が良いでしょう。
キリスト教
キリスト教では、カトリックとプロテスタントで表書きが変わります。
- カトリック:御ミサ料
- プロテスタント:献花料
カトリックではお葬式でミサが開かれるため「御ミサ料」と書きますが、プロテスタントでは献花式が行われるため「献花料」と書くのがマナーです。
キリスト教でも御霊前と書くことがありますが、カトリックはOKでもプロテスタントではNGになるため注意してください。
どちらの宗派なのか迷った場合は、どちらでも使用できる「お花料」を使用しましょう。
以下の記事では、宗派によって違う香典袋の書き方について詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
香典袋を持参する際のマナー
お通夜に香典袋を持参する場合は、マナーを守らなければいけません。ここでは、持参する際のマナーについて詳しく解説します。
ご遺族にお悔やみの言葉を伝える
お通夜に香典袋を持参したら、ご遺族にお悔やみの言葉を伝えましょう。
お悔やみの言葉は「この度はお悔やみ申し上げます」「この度は御愁傷さまです」などが良いですが、忌み言葉・重ね言葉は口にしないようにしてください。
忌み言葉・重ね言葉には以下のようなものがあります。
繰り返しを連想させる重ね言葉 | かえすがえす、重ね重ね、くれぐれも、しばしば、重々、たびたび、たまたま、次々、時々、どんどん、日々、ますます、またまた、みるみる、わざわざ |
---|---|
決別を連想させる忌み言葉 | 飽きる、失う、薄い、疎んじる、終わる、返す、帰る、嫌う、切る、切れる、断る、裂ける、冷める、去る、捨てる、疎遠、耐える、出す、泣く、逃げる、放す、離れる、ほころびる、ほどける、戻る、揉める、離縁、離婚、別れる |
不幸を連想させる忌み言葉 | 相次ぎ、飽きる、浅い、焦る、褪せる、生きていた頃、忙しい、痛い、おしまい、落ちる、衰える、終わる、欠ける、悲しむ、枯れる、九(く)、崩れる、消す、壊す、最後、冷める、去る、四(し)、死ぬ、しめやかに、捨てる、葬式、絶える、散る、倒れる、弔う、とんでもない、流す、無くす、亡くなる、涙、冷える、病気、降る、仏、ほどける、滅びる、負ける、短い、病む、破る、敗れる、割る、悪い |
すべての忌み言葉・重ね言葉を避けることは難しいかもしれませんが、喪主やご遺族に対しては口にしないよう注意が必要です。
受付で記帳した後に香典を出す
受付には芳名帳と呼ばれるものが置いてあるため、記帳した後に香典を出します。芳名帳は参列者の出席確認、住所録としての活用、香典の金額管理をするためのものです。
お通夜で式場に到着したら、芳名帳に記帳してから香典をお渡しください。
袱紗(ふくさ)に包んで渡す
香典は袱紗と呼ばれる布に包んで持参し、現地で開いてお渡しします。
右手に袱紗を載せて左手で袱紗を開け、香典袋を取り出して改めて畳んだ袱紗に載せるようにして渡すのがマナーです。
香典袋は反時計回りに回して、表書きが相手に見えるように渡すのが良いでしょう。袱紗の包み方については、以下の記事もご確認ください。
長話しないようにする
香典を渡す際に長話する人がいますが、挨拶は端的に済ませるようにしましょう。
お通夜では他の参列者も次々と集合時間に合わせて到着するため、長話していると他の参列者の迷惑になります。
どうしても話したいことがある場合は、お通夜後の会食で話すのが望ましいです。
喪主やご家族に話題を振られた場合は別ですが、自ら思い出話をするなど長話になりそうな会話は控えてください。
お通夜や香典袋に関するよくある質問
最後に、お通夜や香典袋に関するよくある質問について詳しく解説します。
お通夜だけの参列はマナー違反?
お通夜だけの参列は、マナー違反ではありません。
一般葬は1日目にお通夜、2日目に葬儀・告別式・ご火葬を行いますが、人によっては忙しくてお通夜しか参列できないこともあるかもしれません。
仕事やプライベートでどうしても葬儀・告別式・ご火葬に参列できず、「焼香だけでもあげたい」と考える人もいるでしょう。
お通夜だけの参列はマナー違反ではないため、気負わずに参列してください。
しかし、古くからのしきたりやならわしを重んじるご家庭では、お通夜だけの参列に対して懐疑的な見方をする人もいるため、事情の説明を求められることもあります。
香典を渡すタイミングはいつが理想?
香典を渡すタイミングは、式場に到着して受付を済ませた後が理想です。
他のタイミングでも渡すことはできますが、喪主やご家族はお葬式の運営や手配で忙しいため、当日に渡すタイミングがあまりありません。
タイミングを見逃してしまった場合は後日弔問して渡せますが、弔問は喪主やご家族の負担となりやすいため、当日に渡すのが理想です。
香典をいつ渡すのかについては、以下の記事もご参照ください。
旧札・新札はどちらを選ぶべき?
香典袋に入れるお札は、新札ではなく旧札を選びます。
新札はあらかじめ予期して準備していたとイメージされる可能性があるため、間に合わせで用意したと思われる旧札を選ぶのがマナーです。
まとめ
お通夜に持参する香典袋には、金額・氏名・住所を書きます。金額は漢数字で書き、氏名と住所は贈り主のものを間違いないよう書きます。
香典袋には水引が必要で、一般的な香典であれば黒白のものを選ぶのが良いです。金額によっては双銀のものが相応しいとされることがあるため、適宜選ぶのが望ましいです。
お通夜では香典袋を袱紗に包んで持参し、現地で開いて渡すようにしましょう。
お通夜だけ参列するのはマナー違反のように感じるかもしれませんが、忙しいようであればお通夜だけでもマナー違反にはならないため、気兼ねなく参列してください。
最近では、お葬式の形も変わってきており、一般葬だけでなく家族葬や火葬式など幅広いお葬式が執り行われています。
喪主やご家族によっては香典を辞退されていることもあるため、必要なのかどうかを参列前に確認しておくと安心です。
お葬式を執り行う場合は、自分の希望にあったプランがある葬儀社から選ぶのが望ましいです。
よりそうお葬式では「一日プラン」や「二日プラン」などの家族葬の他、「シンプルプラン」「面会プラン」「自宅安置プラン」などの火葬式にも対応しています。
当社では、幅広いご希望に対応できるよう柔軟なプランを用意しているため、ご予算に合わせてお選びいただくことも可能となっています。
お葬式の準備でお困りのことがございましたら、ぜひ一度ご相談いただけると幸いです。
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