お盆玉ってなに?お盆に渡すお年玉の相場とは?
- 2024年11月29日
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お盆は、日本人なら誰もが知っている伝統的な行事です。
お正月と並んで、様々な行事の中で最大級の規模を占めるものでもあります。そんな中、近年お年玉と並んで注目を集めている「お盆玉」。
数年前から新しいお小遣いの形として急速に普及し始め、現在では全国的に広まりつつある風習です。
コマーシャルで話題になることもあるため、名前だけなら聞いたことのある人も多いでしょう。とはいっても、お年玉に比べるとまだその知名度は低いため、詳細について正しく理解していない人も多いでしょう。
今後、認知が進むことで、新しい夏の風物詩となるかもしれないお盆玉ですが、その意味と由来は、一体どのようなものなのでしょうか。
この記事ではお盆玉という言葉の意味、発祥地域やその由来を解説します。合わせてお盆玉専用ポチ袋の買い方や、お盆玉に最適な金額の相場、更にお盆玉に対する様々な意見も紹介。
お年玉と似たような物にも思えるお盆玉ですが、理解を深めることで様々な側面が見えてきます。
お盆玉とは?
「お盆玉」とは、その名の通りお盆の時期に渡すお小遣いのことを言います。
これはお年玉と同様、親族や子供に渡すことが一般的です。お年玉の場合には、親から子、祖父母から孫など、年長者が年少者に渡すことが多く、その逆はあまりありません。
対してお盆玉は必ずしも年長者が渡すわけでは無く、子が親に対し「帰省の際の心付け」という形で渡すケースも存在しています。
お年玉に比べて形式が自由なこともあり、近年急速に普及が進んでいます。
過去にはイオンがお盆玉を題材にしたコマーシャルを放送するなど、企業からも注目を集めている風習です。
ちなみに、この「お盆玉」という言葉は近年に作られた造語です。平成23年4月22日に「マルアイ」という企業がこの単語を商標登録しています。お盆玉の普及もこの「マルアイ」という企業がきっかけです。
文具等の製造を手がけるマルアイはお盆玉を商標登録した後、「お盆玉袋」と呼ばれるポチ袋を発売。その後お年玉袋は人気を博し、様々な場所で販売されるようになりました。
これがお盆玉の全国的な普及につながっています。
お盆玉の由来(始まった時期や発祥の地域など)
では、お盆玉の由来となる風習は何だったのでしょうか。またその風習はいつから行われていたものなのでしょうか。
その答えを見つけるには、かなり昔の時代まで遡らなければなりません。
お盆玉のルーツとなったのは、江戸時代に山形県の一部地域で行われていたとされる風習です(地域については諸説あります)。この地域ではお盆の時期に入ると、奉公人に対して衣類や下駄などの物品を渡すならわしがありました。この風習は「お盆小遣い」という呼び名で受け継がれ、江戸時代には物品を渡していたものが、昭和初期に現金へと変わります。
戦前に栄えた商家などでは、使用人や子供たちに50銭ほどのお小遣いを与えていました。この金額は丸々一日分の賃金に相当するほどであり、当時の子供たちにとってはお年玉と並ぶ大きなお小遣いだったと言えます。
この頃には現金でお盆玉を渡す風習が定着していたため、それが近年普及したお盆玉の原型になったとされています。
江戸時代から昭和初期にかけて、お盆玉を渡す風習はごく一部の地域でのみ行われていました。
しかし近年になり、マルアイを始めとする様々な企業がお盆玉に需要を見出し、宣伝を行ったことによって認知が進んでいます。
従来からお年玉袋の販売を行っていた郵便局は、2014年7月にお盆玉袋の取り扱いを開始しました。全国展開されている郵便局での導入により、今後更にその普及が進んで行くものと思われています。
お盆玉ポチ袋はどこで買える?
確実なのは郵便局
お盆玉ポチ袋の購入先として最も確実なのは郵便局です。
7月中頃になると、お盆玉専用のポチ袋が全国の郵便局で販売開始されます。主に夏をイメージさせる様々な種類の絵柄があり、どれも3枚入りで200円前後となっています。
店頭の分かりやすい場所に置かれる事が多く広告も目に付きやすいため、戸惑い無く購入できるでしょう。
近くに郵便局がある場合には最適な選択肢と言えます。
大型スーパーなら取り扱っている場合も多い
一部の大型スーパーでは、お盆時期になるとお盆玉ポチ袋の取扱いが開始されます。
専用のコーナーが設けられる場合も多く、郵便局と並んで確実に購入しやすい方法です。店内ではなくレジ付近に置かれている場合もあり、その際は店員に尋ねることで購入可能です。
価格はポチ袋によって異なる場合、全て同価格で統一される場合など様々ですのできちんと確認しましょう。
ネットショップならいつでも買える。ただし注意点も
郵便局が近場にない場合や、近所のスーパーに取り扱いがない場合などは、ネットショップの利用も選択肢に入ります。サイトにアクセスするだけですぐに購入が出来るので、時間がない場合にもおすすめできる方法です。
ただし、ネットショップで購入する際には注意すべき点もいくつか存在します。
価格が店頭販売より高い場合や、別途送料がかかる可能性があるからです。
また、購入に使用するサイトは信頼性の高い所を選んで下さい。安いからといって不審なサイトで購入すると、個人情報の流出やクレジットカードの不正利用に繋がります。
注意点をよく理解した上で購入を行いましょう。
お盆玉の金額相場
お盆玉ポチ袋が購入できたら、あとは肝心の中身です。普段のお小遣いとは違いますし、お年玉というわけでもありませんので、いくら位必要なのか分からない人も多くいます。
お盆玉として渡す金額はどのくらいが適切なのでしょうか。年齢別におおよその相場を見ていきましょう。
幼稚園以下なら小銭程度、またはお金以外の物
幼稚園、またはそれ以下の年齢の子供の場合は、500円玉等の小銭やお菓子で済ませる場合が多くなっています。
幼稚園の年齢であれば自分で何かを購入する機会も少なく、ほとんどの物を両親に購入してもらっているはずです。ですから、お年玉としてもほんの気持ち程度、もしくはお菓子などの物をあげるのが丁度よいと言えます。
小学生なら3000円以下
小学生となると友達と遊びにでかけたり、お菓子を購入したりとお金を自分で使う事が増えてきます。といっても、まだまだその金額は多くありません。
お菓子を購入してもせいぜい100円200円のレベルですから、2000円や3000円もあれば小学生には十分な大金なのです。
中には学年ごとに金額を上げていくような渡し方もあるようですが、それでも3000円以内に収まることがほとんどです。
中学生になると5000円近くに
中学生では遊び場所が変わる事も多く、カラオケや映画など、よりお金を使いやすい場所へとシフトする傾向があります。
1000円単位でお金を使うことも少なくないため、小学生のように2000円や3000円では足りなくなる場合もあります。
その結果、目安として5000円程度をお盆玉とする場合が多くなっているのです。
親戚に中学生以上の子供が多くいる場合、お盆玉に必要な費用はかなり多くなってしまうでしょう。
高校生では10000円の大金。しかしゼロになる場合も
高校生ともなると、お金の消費スピードは跳ね上がります。カラオケやボウリングはもちろん遊園地に出かけたり、服を買ったりと様々な支出が出てくる時期です。
高校生の子供にあげるお盆玉はほとんどの場合最低5000円以上、ときには10000円を超える事も珍しくありません。お年玉の事も考えると、かなりの金額になることが予想されます。
しかしそれとは対照的に、ゼロにしてしまう割合も増えてきます。
高校生になるとアルバイトが出来ますので、お年玉に頼らなくても自力でお金を稼げるようになるからです。
「自分が遊ぶお金は自分で稼ぎ、お金を得る苦労を知ってほしい」。そんな思いから、高校生にはお盆玉を渡さない場合もあるようです。
大学生以上や、祖父母に対する金額は人それぞれ
大学生以上になると、人によってお盆玉の有無や、金額が分かれるようになります。ほとんど大人のようなものですから、渡さない人も多い年代です。
また、お金では無くお互いにプレゼントを送り合うなど、多様な形が取られています。
祖父母に対して渡す場合には10000円前後の場合も多いですが、これも個人の方針次第となっています。
大人同士では、金額よりも気持ちの側面を重視する傾向にあるからです。
全体的に、お年玉より少し少ない程度
全ての年代に共通して、お年玉と同じか、それよりわずかに少ない金額となることがほとんどです。
あくまでメインはお年玉で、お盆玉はおまけ程度に考える人が多いと言えます。金銭的に余裕がない限り、その金額にこだわる必要性は薄いと言えるでしょう。
お盆玉は迷惑という意見も…
お盆玉は、お年玉と比べても新しく、近年認知されるようになったばかりの風習です。
肯定的な意見もありますが、否定的な意見、迷惑に思う意見も少なくありません。お盆玉に対する否定的な意見としては次のような物があります。
・「お年玉と同じく一度渡したら次の年も渡す必要があり、渡す気が起きません」
・「お年玉に近い金額が必要なため、支出がとても多くなってしまい金銭的に厳しいです」
・「自分の子供以外の親戚一同に渡す必要があり、面倒くさく感じてしまいます」
否定的な意見の多くが金銭的負担に関するものとなっています。お年玉の支出に加えお盆玉も必要となると、かなりの金額です。その負担の多さこそ、お盆玉が迷惑に思われてしまう原因と言えるでしょう。
その他にも、新しい流行のため文化として不必要である、といった文化的側面からの意見も見られました。
まとめ
お盆玉はお年玉に並ぶ新しいお小遣いとして、普及が進んできました。受け取る側としては嬉しいものですし、金額が適切であれば思いを伝える手段としても有効です。
しかし、新しい文化には否定意見も多いため、無理やり取り入れると思わぬすれ違いになりかねません。
金額も多くなりがちですから、しっかりと相談した上で、取り入れるかどうか決める必要があるでしょう。あくまでも無理のない範囲で、日頃の感謝を伝えられるようにすることが大切なのです。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
「お盆玉」の名称はマルアイで作った造語で、商標登録をされています。いこーよ(2019年調査)によると、お盆玉について「知っている」と回答した人が60%、その中で自分が渡したりする習慣があるか尋ねたところ約6割が「お盆玉の習慣がない」と答えました。お盆玉という言葉は知っているものの、まだまだ習慣化はされていないようです。