喪主の決め方、役割は?時系列で分かりやすく解説
- 2022年01月27日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
葬儀の喪主を務めなければならない。でも、具体的に何をすればいいか、分からないですよね。喪主がすべきことを事前に知っておけば、より安心して納得のいく葬儀を行えます。
この記事を読んでいただくことで、そもそも喪主とは何なのか、誰が喪主を務めるべきか、何をすべきなのかがすぐに分かります。葬儀全体の時系列に沿って分かりやすく解説します。
喪主とは
喪主とは、故人の供養を中心となって人物のことであり、葬儀の主催者のことを指します。寺院や葬儀社とのやりとり、参列者への対応、役所への届出の申請など、喪主の役割は実にたくさんあります。
喪主の決め方 誰が務めるべきか
誰が喪主を務めるべきかを定めた法律はありません。故人様と関係の近い血縁者が務めるのが一般的です。家族や親族間で話し合って決めます。
ひと昔前であれば、家督を継ぐ長男が喪主を務め、親族や地域社会へのお披露目の意味合いがありました。しかし最近では次男や三男、さらには女性が喪主を務めることもあります。続柄や性別よりも、故人との近さが優先されます。
配偶者や子
一般的には配偶者や子が喪主を務めます。葬儀のあとの仏事や供養も中心となって執り行うので、高齢の配偶者よりも子が務めることも少なくありません。
また子の場合、必ず長男でなくても構いません。遠方の長男ではなく、故人と同居していて地域社会とのつながりのある次男や三男が喪主をする、というケースも実際にあります。
親族の中の誰が喪主を務めるかは、家族や親族の中で話し合いましょう。
遺言が指定する人
遺言で故人の遺志が示されているのであれば、それに従って喪主を決めます。その場合、血縁者以外でも喪主になれます。
今後の供養を執りおこなう人
喪主は、葬儀だけを取り仕切ればいいのではなく、必然的にその後の仏事や供養をしていくこととなります。お仏壇やお墓を誰が見ていくか、法事などの際に誰が寺院とのやりとりをするかも考えて喪主を決めていきましょう。
喪主と施主の違い
喪主と施主を分ける、という方法もあります。
喪主とは供養の主体で、施主とは葬儀費用の支払い者のことです。このように役割分担をすることで、喪主の負担は大きく軽減されます。
たとえば、僧侶とのやりとりや参列者のお迎えは喪主が務め、実務的な取り仕切りや葬儀社との折衝は施主が務めます。
かつては喪主と施主を分けることは珍しくなかったのですが、最近では家族葬が多いため、喪主が施主の役割を担うことが一般的です。
喪主の役割 時系列で解説
それでは喪主は具体的にどのようなことをしていかなければならないのか。葬儀全体の時系列にあわせて解説していきます。
ご逝去時 病院とのやりとり
●死亡診断書の受け取り
故人様がご臨終を迎えたら、医師から死亡診断書を受け取ります。死亡届ともなる大切な書類です。
●支払い方法などの確認
看護師によるエンゼルケアが済むとすぐに故人を運び出さなければなりません。入院費などの支払いをどのよにすればいいか、説明を受けておきましょう。
葬儀社への連絡と打ち合わせ
●葬儀社に連絡して搬送の手配
葬儀社に連絡すると、すぐに搬送車で迎えに来てくれます。希望の安置場所を伝えましょう。
●ご安置
自宅に安置する場合は、仏間をきれいに整えて、故人様を寝かせる布団を用意しておきます。
●葬儀の打ち合わせ
ご安置が済むと、そのまま打ち合わせに入り、さまざまなことを決めていきます。葬儀の日程と場所、葬儀スタイル、プランの決定、料理や返礼品などの決定、死亡届の提出、遺影写真の作成などが挙げられます。
その他、参列者への対応や挨拶など、喪主が斎場の中でしなければならないこともこの時点で教えてもらえます。分からないことはそのつど葬儀社に確認しましょう。
寺院への連絡と対応
●葬儀の依頼
菩提寺へもすぐに連絡します。故人様がご逝去を伝ることががそのまま葬儀の依頼の意味を含むこととなります。枕経や戒名の希望があればこの時に伝えておきましょう。
●葬儀日程の調整
葬儀日程の希望を聞いておきます。火葬場や斎場の空き状況と照らし合わせながら、喪主、寺院、そして葬儀社の三者で調整して日程が決まります。
葬儀の案内
●親族や参列してほしい人への葬儀案内
葬儀日程と場所が決まると、各方面に葬儀の案内をします。家族の中で手分けして連絡しましょう。
最近では家族葬が増えているため、参列してほしい人と控えてほしい人を明確に分けなければなりませんので、対応には十分に気をつけましょう。
●会社や学校などへの忌引き申請
葬儀の詳細が決まってから、会社や学校への忌引き申請をします。
通夜までに準備、決定すべきこと
●葬儀プランの決定
葬儀プランは、葬儀のスタイルが決まれば自ずと決まってきます。「家族葬プラン」「一日葬プラン」などのプランが用意されています。
●死亡届
死亡届の提出は葬儀社が代行してくれますので、必要事項を記入して書類を完成させます。なお、死亡届を提出することで火葬許可証がもらえます。
●遺影写真
遺影写真は、祭壇の中心に飾られ、葬儀の後も自宅に残るものです。故人様らしい、明るい表情のものを選びましょう。葬儀の打ち合わせの中で「遺影をどれにしようと」と探し始めると、貴重な時間が奪われてしまうので、可能であれば事前に決めておくのが望ましいです。
●受付係の決定
香典を預かる受付係を決めます。どれくらいの人数が必要かは参列者の数によって変わるので、葬儀社に相談しましょう。
●供花供物の決定
親族や関係者からいただく供花や供物の方針を決めます。お花の内容や金額を統一することもありますし、最近では家族葬で執りおこなうために、供花や供物に加えて香典も辞退するという家も少なくありません。
通夜式
●親族や弔問客の受け入れ
斎場に足を運んでくださった親族や弔問客を受け入れるのは喪主の大切な仕事です。可能な限りお礼を述べましょう。
●席順、焼香順の確認
着席の順番が、そのまま焼香の順番となります。喪主を先頭に故人様との関係が近い人から座ります。
●供花供物の確認
親族や関係者からいただいた供花や供物は、祭壇脇に飾られます。これらの順番を決めていきます。
●寺院への対応
僧侶が斎場にやって来ると、控室に挨拶に出向き、御礼を述べます。その際故人様の授かる戒名の説明を受けます。また、お布施を渡すのは通夜式を終えた後がよいでしょう。再度控室に出向き、通夜式の勤行のお礼を伝え、お布施を渡します。
●喪主挨拶
通夜式を終えると、喪主が一言挨拶を述べ、通夜ぶるまいの席へ案内します。
葬儀告別式
●弔辞弔電の確認
弔辞を引き受けてくれた方に御礼を述べます。そして実際に弔辞をどのように行うか、葬儀社を交えて打ち合わせをします。
●出棺車両の確認
●喪主挨拶
また、各方面からいただいた弔電は一部を奉読し、それ以外は名前を紹介します。どの弔辞を読むかを決め、読み方や順番の確認をします。
葬儀告別式を終えるとそのまま火葬場へ向けて出棺となります。霊柩車、マイクロバス、自家用車など、誰がどの車両に乗るかを事前に確認しておきます。
出棺前には喪主から参列者へ向けた御礼の挨拶をします。タイミングや立ち位置など、葬儀社と打ち合わせをしておきます。
葬儀後
●各種手続き
年金や保険や税金関係など、行政に対する死亡手続きを行います。またその他にも、不動産や自動車、電気、水道、ガスなどの名義変更、銀行口座の凍結の解除、生命保険の請求などが挙げられます。
●法要、仏壇、位牌の準備
四十九日法要の準備や手配をします。寺院と連絡を取り合って日程と場所を決め、料理や引き物の手配をします。また、四十九日法要は故人がご先祖様となる日と考えられています。四十九日までに位牌を準備し、お仏壇のない家はあわせて購入します。
●家族葬の場合の事後報告
もしも家族葬で行ったのであれば、連絡を控えていた相手に対してきちんと事後報告をします。
喪主挨拶の文例
喪主が複数の方々に向けて挨拶する場面は主に3つあります。それぞれ、どのような言葉を述べれば良いのか、参考にしてみてください。
通夜終了時
本日はご多用の中、故人・○○のためにご足労いただき、誠にありがとうございます。こうしてみなさまにお集まりいただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。また、生前は格別のご厚情を賜りましたこと、故人に代わりまして深くお礼申し上げます。
明日の葬儀告別式は△△時よりこちらの斎場で執り行う予定です。お時間がございます方は、どうぞ故人の最後を見送ってやっていただければと存じます。
ささやかではございますが、別室にお食事の席を設けております。故人を偲ぶ時間としていただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
出棺時
遺族を代表して、一言ごあいさつを申し上げます。
故人の長男の◯◯でございます。
本日は、大変お忙しい中、故人・◯◯のためにご参列いただき、誠にありがとうございます。みなさまに囲まれて旅立てることを、きっと故人も嬉しく思っているものと存じます。
仕事や趣味に打ち込むことのできる、幸せな85年間でした。父がこのような充実した人生を過ごせたのも、ひとえにここにお集まりの皆さまのおかげでございます。
これより父は荼毘に付されますが、遺された私たちが今以上に心を合わせて元気に生きていくことが、父にとっての一番の供養になると思います。まだまだ未熟者の私たちではございますが、皆様方におかれましては、どうぞこれからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
精進落とし時
昨日と本日の二日間に渡って父の最後を見届けて下さり、本当にありがとうございました。つつがなく葬儀・告別式、そして火葬を済ませることができたのはみなさまのおかげです。改めてお礼申し上げます。
ささやかではございますが、精進落としの席を用意いたしましたので、どうぞ、お時間の許す限り、おくつろぎ下さい。故人との思い出話などをお聞かせいただければ幸いです。
本日は、誠にありがとうございました。
まとめ
喪主の務めは実に多岐にわたります。だからこそ、まわりの家族や親族が喪主をサポートすることで、喪主の負担は軽減されます。また、家族が力を合わせている姿こそが、故人様にとっても喜ばしいことになるはずです。
葬儀をスムーズに、そして満足いくものにするためにも、周りの人たちと手を携え合いながら進めていきましょう。
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