喪中で年賀状を受け取った時、送る時に気をつけること
- 2022年03月15日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
ご自身が喪中のときに、喪中であることを知らない方から年賀状を受け取ったらどう対応したら良いのでしょうか?
その場合には「寒中見舞い」で返事を出します。
また喪中でも年始のタイミングでご挨拶をしたい場合に、実は「年始状」という方法があります。
この記事では喪中の方の年賀状にまつわるマナーや喪中でも年始の挨拶ができる「年始状」についてご紹介し、また子供同士の年賀状も控えるの?などの疑問にもお答えします。
目次
喪中とは何か?
喪中とは喪に服すことで、故人の死を悼(いた)んで社交的な行動、華やかな場への出席などを避けて身を慎みます。
具体的には年賀状や正月行事、結婚式などお祝いごとを控えます。
喪中の期間に絶対の決まりはなく、一般的にはご不幸があってから1年間が目安です。
祖父母や兄弟・姉妹など2親等の場合は「亡くなってから3ヶ月までが喪中」という考え方もありますが、宗教、宗派や地域の風習によっても若干違いがあります。迷う場合は、周囲の方や親戚の方などに相談しましょう。
(参考)喪中に入るとされる親族の範囲は、一般的に2親等内です。
・0親等:夫や妻
・1親等:父母、義父母、子供
・2親等:祖父母、兄弟・姉妹、孫、兄弟・姉妹の配偶者、義兄弟・義姉妹 義兄弟・義姉妹の配偶者、義祖父母
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喪中には年賀状を控える
喪中では年内のうちに「年賀の挨拶を控えること」をお伝えします。 それが喪中はがき(年賀欠礼状)です。
つまり喪中の方は年賀状を出さず、11月末から12月中旬の相手が年賀状を用意する前に届くように「喪中はがき」を送ります。 例えば2親等の祖父母が夏頃にお亡くなりになった場合、喪中を3ヶ月と判断したならば、年賀状を出してもかまわないとされます。
ただし3親等のご不幸であっても同居していたり関係が深かったりなど、自身がお祝い事をする気持ちになれないという場合には無理して年賀状を出す必要はありません。
このように喪中の年賀状は、ご自身の気持ちを優先しても良いものです。
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「喪中はがき」についての詳しい説明はこちら
喪中で年賀状を受け取っても問題ない
喪中に年賀状を頂くとき、喪中はがきを出した相手からも届く場合があります。
喪中はがきは「喪中のため、こちらからの新年の挨拶を控えることをお伝えする」ことが目的のため、喪中に年賀状を受け取ることには何も問題がありません。
喪中の年賀状、返事は「寒中見舞い」で
喪中ですが年賀状を頂いたときには、「寒中見舞い」で返事を出します。
特に喪中はがきを出していない相手から年賀状を届いた場合は、喪中はがきを出していない旨をお詫びする言葉を含めた「寒中見舞い」を送ります。
故人へ届いた年賀状への返事も「寒中見舞い」とします。
寒中見舞いとは
寒中見舞いはもともと、暑中見舞いのような季節の挨拶でしたが、最近は「喪中の方への挨拶状」または「喪中の方が用いる挨拶状」として使われることが増えています。
寒中見舞いのはがき、切手、デザインのマナー
寒中見舞いには切手部分が胡蝶蘭デザインの通常(官製)はがきを郵便局で購入するか、 寒中見舞い向けの定型文、イラスト入りはがきをコンビニエンスストアや文房具店、イオンなど大型スーパーなどで購入します。
寒中見舞いに使う切手は2018年現在、全国一律62円です。ソメイヨシノの普通切手を用います。
デザインには冬や早春らしいイラストを用い、新年らしいデザインや干支などは使いません。
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「寒中見舞いのマナー・文例」 についての詳しい説明はこちら
喪中の方から出産・結婚・引越(転居)報告の注意点
喪中の方が年賀状などの新年の挨拶を控えたため、寒中見舞いで結婚や出産、引っ越しの 近況報告をしたい場合は、さらりと伝えましょう。
寒中見舞い文例
喪中はがきを出さなかった方へのお詫びつき文例です。
ご丁寧な年頭のご挨拶をいただきありがとうございました
昨年〇月に父が永眠し 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご連絡が行き届かず 誠に失礼いたしました
なお本年も変わらぬお付きあいのほど どうぞよろしくお願いします
「寒中見舞いのマナー・文例」はこちらの記事でご紹介しています。 詳しくはこちら。
喪中で年始にご挨拶したいなら「年始状」
祝いの言葉を述べず(賀詞※を使わず)、年賀状をやり取りしている相手と「年賀状のタイミング」で挨拶を交わしたい場合は「年始状」を送ります。
※賀詞とは新年の挨拶にあたるもので「謹賀新年」や「謹んで新年のお慶びを申し上げます」、「賀春」「おめでとうございます」といったお祝いの言葉です。
喪中でも出せる年始状とは
賀詞を使わない挨拶状で、東日本大震災後に広まっていったようです。
年賀状の代わりに喪中の方が、あるいは喪中の方へ、どちらでも送ってよいものです。
年賀状と同じタイミングで届けます。
注意点は、「年始状」には普通のはがきを使うとされているので、年始に届けたい場合は年末に投函すると良いでしょう。
寒中見舞いでは控える、またはさらりと触れるだけとされる結婚や出産、引っ越しといった「近況報告」を行ってもよい便りです。 書き方では年賀状と同様、句読点を付けないのがマナーです。
年始状の文例
新しい年が皆様にとって穏やかな年でありますよう
心より祈念いたします
本年もよろしくお願いいたします 平成〇〇年 元旦
仕事関係の相手への対応
社葬があっても、会社は喪中にならない
会社には喪中という考え方がないので、創業者が亡くなったなど社葬を行った場合でも会社・法人が喪中にはならないため、年賀状は通常通りでかまいません。
ただし家族経営の会社などでは公私を分けず、年賀欠礼をお伝えすることもあります。
喪中でも仕事関係の方への年賀状は控えない
会社の同僚や、仕事関係の方で故人と面識の無い方に対しては、喪中はがきは送らず、通常通り年賀状を出します。
ビジネスの相手へ気を使わせないためです。
しかしお子さま同士ならば年賀状のやり取りは通常通りとし、許容することが多いようです。
また喪中で年賀状を受け取ったお子さまの場合は返事を松の内以降の寒中見舞い、と遅らせずに、すぐに年賀状の返事を出すことが多いです。
学校が始まりますので、「返事がなかった。」といったことになるのを避けるためです。
事前に、喪中なので年賀メールは送らないことを伝えておくと良いでしょう。LINE、フェイスブックといったSNSでも同様にした方がよいとされます。
その場合はメールやLINEでやり取りする相手ですから、定型文のように固い文章にせずとも良い、といわれます。
自然な文章でお伝えしてもかまわないですが、絵文字、顔文字、デコなどは控えましょう。
ただし、メールやLINEでのやり取りは「対応は相手によって変える」ことが実際には多いようです。
つまり気を使わせないように、あえて喪中であることを知らせないで通常通りの年賀メールのやり取りをするのです。
メールやLINEなどSNSでは相手との関係性を踏まえて柔軟に対応しましょう。
まとめ
喪中のときに年賀状を受け取ったら、「寒中見舞い」で返事を出しますが、それは年賀状という正式な挨拶を頂いた方への丁寧な対応です。
仕事関係の相手や、メール、LINEといったSNSで年始の挨拶をかわす相手の場合にはあえて喪中であることを知らせず、通常通りに年賀のご挨拶することも多いです。
時代にあわせて、また相手との関係性にあわせて対応を変えていけるとスマートですね。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
近年は喪中はがきで訃報を知るケースも増えてきています。喪中の方には一般的に年賀状を送らず、年明けに寒中見舞いとしてはがきを出す習慣があります。近年は、喪中はがきに対して「喪中見舞い」という形で年内にはがきを出す人も増えています。