「喪中見舞い」とは?送る時期とマナー・文例、寒中見舞いとの違い
- 2023年02月07日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
おつき合いのある方から「喪中はがき」を頂いたら、年が明けてから松の内(1月7日以降)に「寒中見舞い」のはがきを送りますが、喪中の方への気遣いや弔意の表し方として、「喪中見舞い」を贈るという方法もあります。
年内に届くように、「喪中見舞い」として、お礼状やはがきとお供え物を送るのです。
「喪中見舞い」は近年の新習慣で、地域によっては馴染みがない方も多く、また対応について賛否両論ありますが、この記事では「喪中見舞い」のマナーや文例をご紹介します。
目次
喪中はがきを受け取ったら
喪中はがきを受け取ったとき、すぐにお悔やみの気持ちを伝えたいなら「喪中見舞い」、年が明けてからのごあいさつとするならば「寒中見舞い」にします。
一般的なのは「寒中見舞い」の方で、「喪中見舞い」は新しい手段です。
喪中見舞いとは
喪中の相手へお悔やみの気持ちを伝えるお悔やみ状や喪中見舞いはがきとともに、香典や品物(お供え物)を送ることを「喪中見舞い」といいます。
「喪中見舞いはがき」だけを送る方法もあります。
「喪中見舞い」を送る時期は決まっていませんが、一般的に喪中はがきが12月中旬までに届くので、なるべく早く年末には届くように送るのが良いでしょう。
香典を送る際は、現金を入れた不祝儀袋と喪中見舞いの手紙を「現金書留の封筒」に同封して郵送します。
香典の相場は地域の慣習や故人との関係性により、3,000円~で、新札は使いません。
住所と氏名を不祝儀袋、現金書留の封筒の両方に記します。
手紙は白色の便箋一枚を用い、薄墨で書いても良いですが、こだわらなくても大丈夫です。
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寒中見舞いとは何が違うの?
「寒中見舞い」と「喪中見舞い」の違いは大きく2つ、香典やお供え物をおくるかどうかと、送る時期が違います。
「寒中見舞い」が喪中はがきの返事としてスタンダードで、松の内(1月7日)以降から立春(2月4日)までの間に「寒中見舞いはがき」を送ります。
香典やお供え物は用意しません。
「寒中見舞い」はがきの定型文やイラストのテンプレートは「喪中見舞い」と違い郵便局はじめ、様々な企業のWeb上で用意されているので、それらを利用すると便利です。
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喪中見舞いのマナー
喪中見舞いとして香典やお供え物を送るのは、近年の家族葬の増加により喪中はがきでご不幸を知ることが増えてきたこと、それにより香典をお渡しする機会がないことへの新しい対応です。
ただし葬儀をだいぶ過ぎているタイミングの場合、香典返しといった「相手のお返しの手間や費用」を考えると、香典や品物は送らず手紙(またはハガキ)を送るだけでも良いでしょう。
相手の負担にならないか、配慮して方法を選びましょう。
喪中見舞いに選ぶお供え物
喪中見舞いのお供え物の相場は3,000円から5,000円といわれます。
地域や宗教宗派により異なる場合がありますので、周りの方々に確認しても良いでしょう。
基本は贈られた側の負担とならないような金額とします。
喪中見舞いに選ばれる品物はお線香やろうそくが浮かぶかもしれませんが、それらについては賛否両論の意見があります。
仏壇に飾れる花を贈ることもあり、花の配達サービスで喪中見舞いに対応した商品も増えています。
他にはお菓子やお茶、ギフト券や個人がお好きだった物を贈る方もいらっしゃいます。
喪中見舞いの熨斗(のし)と表書き
熨斗は品物の販売店で用意があるものなので、「喪中御見舞」「御供」の表書きで結び切りのデザインのものを選びましょう。
ご不幸から四十九日までは「御霊前」、四十九日の忌明けからは「御仏前」も使えます。
※「喪中御見舞」「御供」はどちらにも使えます。
喪中見舞いに選ぶはがきと切手
喪中見舞いのはがきには、郵便局なら切手部分がヤマユリ(通常はがき)、山桜(インクジェット用通常はがき)、胡蝶蘭(弔事にも使えるはがき)のどれかを購入します。
ただし私製はがきでも問題ありませんので、喪中見舞いの定型文やイラスト付きのはがきを購入されても便利ですが、デザインは喪中はがきや寒中見舞いほど、多くはありません。
切手は62円の普通切手(ソメイヨシノ)がおすすめです。
喪中見舞いは、喪中の方へのお悔やみや励ましの言葉をかけることが目的ですので、弔事用の花文様切手は避けましょう。
喪中見舞いの文例やイラストのテンプレートは、新しい習慣のため多くはありませんが「喪中見舞い テンプレート」で検索するといくつか無料のものがみつかります。
喪中見舞いの書き方マナー
喪中見舞いは「句読点をつけない」「行頭の一文字下げをしない」で書きます。
喪中見舞いの書面は「喪中お見舞い申し上げます」と始めることが多いですが、必須ではありません。
時候の挨拶や「拝啓」「謹啓」などの頭語は必要ありません。
「死ぬ」といった忌み言葉や繰り返す言葉「重ね重ね」なども使いません。
次に喪中はがきに対するお礼、故人のご冥福を祈る言葉を伝えます。
お供え物を送る場合には品物について触れます。
そして年末までに届けることが一般的ですので、こちら側も年賀状の挨拶を控えることを伝えます。
その他、お悔やみの言葉、相手を気遣う言葉や新年でのお付き合いを願う言葉などで締めます。
手紙にする場合は故人とのエピソードなどを自由に盛り込むことで、相手の心が励まされ、癒されていくことでしょう。
喪中見舞いの文例
喪中はがきでご不幸を知った場合
ご逝去を存じ上げず お悔やみも申し上げず失礼いたしました
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
心ばかりですが〇〇を贈らせていただきますのでお供えいただければ幸いです
服喪中と存じ 新年の挨拶は控えさせていただきます
皆様 どうぞお体を大切に新しい年をお迎えになられますよう心よりお祈り申し上げます
葬儀に参列し、喪中はがきも頂いた場合
〇〇様がお亡くなりになられてから〇ヶ月 お寂しい年の瀬をお過ごしのことと
お察し申し上げます
服喪中と存じ 年頭のあいさつを控えさせていただきます
ご家族が一人かけたこの冬は寒さもひとしおとお察しいたしますが
お体大切に新年をお迎え頂きますようお祈り申し上げます
喪中見舞いとして訪問する場合
タイミングと手順
喪を知ったときが四十九日内であれば、四十九日までに訪問して良いといわれますが、タイミングが年末などあわただしいことが予想されるときなら、年があけて松の内(1月7日)以降に連絡して訪問するのが良いでしょう。
いきなり訪問せず事前に電話で連絡し、喪中はがきを頂いたお礼とお悔やみ、葬儀に参列できなかったことをお詫びします。
そのうえでお伺いして手をあわせたい旨を伝え、日時を調整します。
手土産
当日は香典を持参します。あわせてお供え物をお持ちしてもよいでしょう。
お供え物は線香に限らず、故人がお好きだったものやご家族で分けやすい個包装のお菓子などもおすすめです。
訪問時の服装は喪服までいかずとも、地味なスーツやワンピースといった控えめなものとしましょう。
まとめ
喪中見舞いは新しい習慣なので、必須のマナーではありません。
特に家族葬を行った場合は、相手のお返しの手間や費用を考えれば香典やお供え物がなく、書面だけで良いことも多いでしょう。
ご自身の故人との関係と、ご遺族の方に配慮して「喪中見舞い」にするか「寒中見舞い」とするか見極めることが必要です。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
喪中見舞いは、昔からあった慣習ではなく、近年企業のPRにより新しくできたお悔やみスタイルです。「喪中はがきを受け取ったけど、どうしたら良いのだろう」というニーズにマッチして広がるようになりました。訃報から時間が経過していると、改めて喪失感が沸き上がってくる時期でもあります。相手を思う気持ちを喪中見舞いとして表現することで、遺族の気持ちが楽になることもあります。