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法事・法要のマナー
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お布施の相場はいくら?正しい包み方とは?渡し方のマナーなど気になる疑問点を解説!
葬儀でのお別れが終った後にも、故人を偲んで贈り物などをする人も多いのではないでしょうか。特に命日は残された人達にとって故人を弔う特別な日であり、贈り物の機会としても利用されます。
しかし、命日に贈り物をする際には贈るタイミングや留意しておくべきマナーなどが存在します。せっかくの贈り物でも、実は相手方にとって失礼にあたっていたり負担になってしまっては元も子もありません。
今回は命日に贈り物をする場合に失敗しない為のマナーや贈り物のタイミングをご紹介します。
命日とは一般的に「故人が亡くなった月日」の事であるという認識が強いのではないでしょうか。広義ではこの認識で間違いありませんが、実は命日には2つの種類がある事をご存知ですか?それぞれに意味合いや行事が異なるので2つの違いを確認しておきましょう。
祥月命日は故人が亡くなった「月日」の事を指し、例えば7月1日に亡くなった人の祥月命日は「毎年7月1日」という事になります。
祥月とは正忌月を意味するので本来は「正月」と記しますが、新年の正月と混同しがちだったので、儒教で年忌を意味する「小祥忌(一周忌)、大祥忌(三周忌)」から祥の字を取ったと言われているのです。
祥という字には「幸い」の意味もあり、祥月命日には凶が去って吉になるという願いも込められています。
月命日とは故人が亡くなった「日」のみを指すものであり、7月1日に亡くなった人の月命日は「毎月1日」となります。
祥月命日では親族や生前親しかった知人を招いて法要を行う事が多いですが、月命日はそうした法要を行う事はなく故人を思い出して偲ぶという意味合いが強いです。
月命日では親族間でも法要が行われない事が多い為、親族以外が贈り物をするのは祥月命日の年忌法要の際が一般的です。毎月贈り物をされてもかえって遺族側が負担に感じてしまうという事もあるでしょう。
贈り物をするなら祥月命日や年忌法要などある程度期間が空く節目に贈る事が一般的ですが、こうした年単位での節目の他にも贈り物をするタイミングは存在します。
ケースバイケースで適したタイミングで渡せるように確認しておきましょう。
自分の仕事が忙しく葬儀後の法要などで渡すタイミングがなさそうな場合には、葬儀前に贈り物をするのも1つの手段です。
遺族側も葬儀が始まると何かと忙しいので、お互いの少し落ち着いているタイミングで贈り物をする事も配慮と言えます。
お通夜や葬儀の日に香典と一緒に贈り物を渡すのも一般的な方法と言えます。故人を偲ぶ気持ちが1番伝わり易いタイミングであるとも言えるでしょう。
死後の世界では7日後ごとに閻魔大王から生前の裁判を受けるとされており、49日目に来世の行き先が決まります。7日目は三途の川に到着して急流か緩流かが決まる、49日目同様大切な日なのです。
裁きの日には遺族が極楽浄土行きを願い追善供養を行いますが、特に大切な初七日と四十九日法要では親しい知人にも集まってもらう事も珍しくありません。
こうした故人の行く末にとって大切な日も贈り物のタイミングとして適していると言えます。
夏のお盆は故人の魂がお墓に帰ってくるとされる日で、遺族は手厚く故人の魂を迎え入れる準備を整えます。
故人と再会できるお盆に贈り物をする事で、遺族にも故人にも喜ばれると言えるでしょう。
お彼岸は彼岸(あの世)と此岸(この世)が最も近くなるとされる春分・秋分の日を中心に年2回訪れます。
故人を偲ぶ気持ちが届き易い日なので、贈り物をして追悼の念を伝えると良いでしょう。
贈り物の金額は低すぎても失礼にあたりますし、高すぎてもかえって遺族の人たちに気を遣わせてしまうでしょう。
贈り物を渡すシーンや故人との関係性でも多少異なるので、正しい相場感覚を身につけておく事が大切です。
お通夜や葬儀など直接故人とのお別れを行う場での贈り物は5000円~1万円程度が相場となっています。
突然のお別れを悲しむ気持ちを込めて、ある程度しっかりした贈り物を選んでおきましょう。
葬儀後、法要以外のタイミングで仏壇を訪れてお参りする場合は3000円程度を見積もっておきましょう。
高価なものよりもカジュアルな値段の方がお参りする方も訪れやすく、遺族側も気を遣わず受け入れやすいと言えるでしょう。
四十九日法要や一周忌などの節目では故人との関係性で贈り物の相場が異なります。
故人の身内である場合は1~3万程度の予算でしっかりとした贈り物を選び、親族としてキッチリ弔う姿勢を表しましょう。
故人との親しい知人関係の場合には3~5000円程で品物を選び、普段の仏壇参りよりも少し心付けしておくのが一般的です。
お供え物を贈る際には気をつけておきたいポイントがいくつかあります。遺族の人達に負担をかけない為にもマナーや要点を押さえておきましょう。
遺族の元へは様々な人が訪れて故人のお参りをする事が予想されます。法要などでは贈り物を持ち寄る人も多数いるでしょう。
そんな時にかさばるものを贈ってしまうと、遺族側でも保管に困ってしまう場合があるのです。
贈り物を選ぶ際は飲食で消費しやすいものや消耗品でなるべく後に残らない品物にしましょう。ただし、食品でも殺生を連想させる生肉や魚などはタブーとされているので注意が必要です。
食品を贈る際特に気をつけたいのは、品物の包装方法と消費期限です。
多くの人が来訪する法要では頂き物を切り分けたり配分する手間を省く為、あらかじめ小分けにされているお菓子やゼリーなどが好まれます。
持ち寄られた贈り物が食品で被ってしまっても良いように、その場で急いで処理する必要のない、なるべく長持ちする食品を選ぶのもポイントです。
法要はあくまでも故人を偲ぶ為のものであり、食べ物を持ち寄って楽しむ席ではありません。
故人の事を思いだすのであれば、生前好んで食べていたものなどが気持ちがよく表れるので遺族にも喜ばれるでしょう。
法事・法要でのお供え物の選び方や渡し方など詳しい説明はこちら
お供えものを贈る時には品物にのしを付ける事が一般的とされています。品物選びのマナーに気をとられてのしでマナーに反してしまう事のないよう、しっかり確認しておきましょう。
故人を偲ぶ命日では双銀や黄白など地味目なのしを用います。
水引きは不幸を繰り返さないという意味を込めて「結びきり」を使用しましょう。ただし地方によっては使用するのしの色などが異なる為、地域の風習を確認してそれに準じる事が大切です。
表書きを書く際は黒の墨で、できれば薄墨を用いるようにしましょう。
お供え物に添付するなら「御供(ごくう)」、現金を包んで渡す場合なら「ご仏前」や「御供物料」と書くのが一般的です。
少しでも遺族の気持ちを汲んで役立てて欲しいという思いから、お供え物のひとつとして香典の現金を渡す場合や「物とお金」の両方を贈るケースもあります。
自分と遺族との距離感を考えて、差し支えがなければ現金を贈るというのもまた一つの弔いなのです。
渡す金額の相場は機会や故人との関係性によって変動するので確認しておきましょう。
お通夜・葬儀の場であれば親族の場合は1~3万円、友人や知人であれば1~2万円程度が相場となります。
各種法事に持ち寄るなら親族で3000円~1万円、友人や知人ならば5000円~1万円を包むのが一般的な相場となります。
現金を渡して役立てて欲しいという思いを包むので、通常よりも少し心付けしておく事で気持ちを表しているのです。
命日の法要で直接遺族と顔を合わせた際に一言追悼の言葉を伝えたり、贈り物をした際には短いメッセージを添えるのが通例となっています。
こうしたメッセージは一般的に時候の挨拶は省いて、簡潔に気持ちを伝える事が大切とされているものです。
故人が亡くなった事に関する悲しみについて述べたり、故人との思い出やお世話になった事の感謝を伝えると良いでしょう。
以下は代表的な例文になります。
・「ご冥福を心よりお祈り申し上げます」
・「謹んでお悔やみ申し上げます」
・「心から哀悼の意を捧げます」
法事に直接顔を出せない事についてのお詫びを付け加えたり、贈り物に添付するのであれば品物を送付した事について一言述べるなど状況に応じてアレンジを加えてください。
また、「ご家族の気持ちを思うと胸が痛みます」などの様に遺族の悲しみに配慮した言葉をかける事もあります。
昨今ではあまり気にしないという遺族の人も居ますが、命日に贈り物をする際にはいくつかのしきたりの様なものがあります。
心を込めてせっかく用意した贈り物でも、知らず知らずのうちにマナー違反を犯してしまうと気持ちも台無しになってしまうかもしれません。きちんと追悼の気持ちを伝えられるように、気に留めておきたいマナーを押さえましょう。
香典などの金額にも言える事ですが、基本的に葬儀や法事において偶数というものは嫌われる傾向にあります。
「割り切れてしまう」数字である為、故人の魂と現世との繋がりが切れてしまうと考えられるのです。こうした事から贈り物で果物の詰め合わせを利用する場合には、1、3、5などの奇数個を盛り合わせて贈りましょう。
なお、奇数でも9は「苦しむ」を連想させるので避けた方が無難です。
贈り物としてお花を使用する際に気をつけたいポイントは「鉢植え」と「棘・匂い・毒」です。
宗派や信仰度によっては鉢植えの中にある肥料が不浄なものだという認識になり、気にする人も居るのでフラワーアレンジメントやスタンド花を利用する事がオススメです。
花の種類に関しては棘のあるものはケガをして血が流れる事で本尊が穢れてしまう、匂いや毒の強い花は生々しさがお供えものとして適さないとして避けられます。
ただしあくまで慣例的な事なので、例えば故人がバラが好きだったのであれば遺族に一言断った上でバラをお供えするというケースもあるのです。その際には棘を全て取り除いた上で供えるとより丁寧な印象になるでしょう。
故人へ供える花は基本的に白を貴重とした淡い色合いのものが好まれます。
特に故人の行く末が決まる四十九日法要では真っ白な花を供えるのが一般的です。四十九日を過ぎて半年程たっても真っ白な花を贈ってしまうと、法要を引きずってしっかりと供養できていないと思われてしまいます。
半年をめどに徐々に明るい色を入れて遺族の心が落ち着くような花を贈ると喜ばれるでしょう。
お供え物は基本的に中身が分かるような状態で持ち込む事はマナー違反とされており、ふろしきや紙袋に包んで持参します。しかし、実際にお供えする時や施主に渡す際には中身が何かある程度伝わるような渡し方をする事がポイントです。
お供え物であれば紙袋やふろしきを解いて相手側から品物やのしの文字が読める向きで、現金であればふくさから出して、相手方にのしの表書きが読める向きで渡しましょう。
法事・法要でのお供え物の選び方や渡し方など詳しい説明はこちら
故人や残された親族を気遣って持ち寄ってくれたお供え物ですから、もらったら感謝の気持ちをお返ししたいという人も多いでしょう。実際、お供え物を頂いたらお返しするのが遺族側のマナーとして浸透しています。
気持ちを返したいとは言え、頂いた金額相応のものをそのままお返ししてしまっては、かえってお供えしてくれた人の気持ちを受け取っていないとも捉えられます。遺族に負担をかけさせてしまったと思われる事もあるので、お供え物のお返しは基本的に頂いた金額の3分の1程度の品物が相場です。
お返しの品物も消費して形が残らない消えものが好まれるので、日持ちするお菓子やお茶などが一般的となっています。
葬儀や法事が立て続く中で忙しいかもしれませんが、頂いたもののお返しは遅くても1ヶ月以内に送るようにしましょう。また、その際は気遣ってもらった事に対するお礼状も忘れずに添える事が大切です。遺族の負担を気遣ってお返しの品物を辞退する人も居ますが、そういった人にもお礼状は忘れずに送りましょう。
今回は命日を中心に葬儀や法要で贈り物をする際のポイントについてご紹介しました。
細かいしきたりや地域による考え方の違いなどはありますが、大切なのはお参りする人が故人や遺族を思いやる気持ちです。
最低限守るべきマナーや贈り物で避けるべき品物などを把握しておけば、あとは故人の好きだったものや縁のある品物で供養してあげるのも良いでしょう。
命日や法事の意味合いを理解した上でお参りする事で、より一層故人の事を偲ぶ事ができると言えるのではないでしょうか。
遺族の人たちと故人の思い出話に花を咲かせる事も、また供養の1つになります。贈り物をする際は故人の事や遺族の人達に最大限の配慮をしつつ、自分の追悼の心を伝えられるような品物のチョイス、渡し方を心がけてくださいね。
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※本記事の情報正確性等につきましては、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではありません。特に宗教、地域ごとの習慣や個別の事情によって考え方や対応方法が異なることがございます。掲載情報は、ご自身の責任と判断においてご利用ください。情報の利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。本記事に掲載の提供情報は、法的アドバイスの提供を目的としたものではありません。
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