香典の金額の正しい書き方は?マナー(入れ方・折り方・包み方・渡し方)を解説
- 2024年11月28日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
香典の金額は正しく書かないと失礼にあたる場合もあるため、注意が必要です。
しかし、香典の金額を書く機会はあまりなく、いまいちどのように書くのが正しいのかわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、香典の基本知識、金額の正しい書き方、使用する筆記用具、マナー、辞退されていた場合、香典に関するよくある質問について詳しく解説します。
香典金額の書き方について知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも香典とは?
香典はお香やお花の代わりに供えるお金のことで、ご家族への哀悼の意を表したり、故人さまへの感謝を示したりするためのものです。
ここでは、香典の基本知識について詳しく解説します。
お香やお花の代わりに供えるお金
香典は、お香やお花の代わりに供えるお金を指します。もともと香典は御香料(おこうりょう)や御花料(おはなりょう)と呼ばれ、故人さまやご家族に贈るお香やお花を意味していました。それが次第にお金を包むようになり、「香典=現金」という認識が広まりました。
現代ではお葬式の経済的負担を軽減する意味合いがあり、相互扶助的なものとして渡すのがマナーです。
ただし、最近では香典を辞退されているご家族もいらっしゃるため、もし香典辞退の旨があった場合は持参しないのがマナーとなります。
家族への哀悼の意を表すもの
香典は、ご家族への哀悼の意を表すものとされています。
お葬式に参列するだけで弔いの気持ちは十分伝わりますが、香典を渡すことでより形式的に哀悼の意を表現することが可能です。
故人への感謝を示すもの
香典は、故人さまへの感謝を示すものでもあります。
お葬式に参列することが故人さまへの弔いになりますが、香典を渡すことでより明確に感謝を示すことが可能となります。
熨斗(のし)の有無
香典の熨斗をつけるか迷うところですが、熨斗は結婚式などのお祝い事につけるものです。
お葬式はお悔やみ事となるため、香典に熨斗はつけません。代わりに、不祝儀袋に入れるのがマナーとなります。
不祝儀袋とは、水引がついた表書き用の外袋と白い中袋の2点がセットになったもので、現金を中袋に入れてから外袋で包むものを指します。
入れる金額によって選ぶ不祝儀袋が変わるため、詳しくは以下を参考にしましょう。
- 5,000円:水引が印刷されている略式の袋
- 1~2万円:黒白または双銀の水引(7本以上)の袋
- 3~5万円:双銀の水引(10本以上)の袋
- 10万円~:大判・高級和紙の袋
あくまでも目安ではありますが、金額が低いほど簡易的な袋、金額が高いほど格式のある袋に入れるのがマナーです。
以下の記事では香典袋について解説しているため、併せてお読みください。
香典の金額の正しい書き方
香典の金額は外袋と中袋(表面・裏面)で書き方が異なるため、注意が必要です。
ここでは、香典の金額の正しい書き方について詳しく解説します。
香典袋の書き方については他の記事でも解説しているため、併せてご覧ください。
外袋の書き方
外袋には、表書き・氏名を記入します。
- 表書き
→仏教:御霊前(お葬式)、御仏前・御佛前(四十九日以降)
→神道:御神前、御玉串料、御榊料
→キリスト教:御花料・御ミサ料(カトリック)、御花料・献花料・弔慰料(プロテスタント) - 氏名
表書きは、仏教のお葬式だと御霊前(浄土真宗の場合は御霊前は使用せず、御仏前が望ましい)、四十九日以降だと御仏前または御佛前と書きます。また、神道では御神前・御玉串料・御榊料、キリスト教のカトリックだと御花料・御ミサ料、プロテスタントだと御花料・御ミサ料と書きます。
故人さまの宗教によって表書きが変わるため、間違わないよう注意しましょう。氏名は香典を出す人のフルネームを書きます。
中袋(表面)の書き方
中袋(表面)には、金額を記入します。金額は前に「金」、後に「也」をつけて漢数字の旧字体で書くのがマナーです。
代表的な金額の書き方については、以下を参考にしてみてください。
- 5,000円:金伍仟圓也
- 1万円:金壱萬圓也
- 3万円:金参萬圓也
- 5万円:金伍萬圓也
- 10万円:金拾萬圓也
以上のように金額の前後に「金」「也」をつけて表現するのがマナーです。普段使用している数字や単位も旧字体で表記することが求められるため、注意が必要です。
中袋(裏面)の書き方
中袋(裏面)には、郵便番号・住所・氏名を記入します。
- 郵便番号
- 住所
- 氏名
居住している場所の郵便番号と住所を記載し、続けて氏名を書くだけです。
香典に使用する筆記用具
香典に使用する主な筆記用具は、薄墨(うすずみ)と毛筆もしくは薄墨筆ペンです。
ここでは、香典に使用する筆記用具について詳しく解説します。
薄墨と毛筆
香典は、薄墨と毛筆で記入するのがマナーです。
薄い墨を使用するのは「故人さまを失った悲しみの涙で滲んだ」との意味合いが込められているためです。濃い墨ではっきりと書くのはマナー違反となるため、ご注意ください。
薄墨筆ペン
香典は、薄墨筆ペンで記入してもマナー違反とはなりません。
正式には薄墨と毛筆を準備すべきですが、突然の訃報で用意できないことがあるため、最近では薄墨筆ペンでもOKとされています。
ただ、普通の筆ペンはコンビニやスーパーで取り扱っていることが多いものの薄墨筆ペンは取り扱っていない店舗が少なくないため、注意が必要となるでしょう。
サインペンも可
家庭や地域によっては、サインペンも可とされている場合があります。サインペンは筆よりも読みやすくかけるため、むしろ読み手にとっては親切です。
書き手としても容易に書けるため、特別な理由がなければサインペンでも良いでしょう。
カジュアルなペンは不可
注意しておきたいのが、カジュアルなペンは不可である点です。
鉛筆やシャープペンなど消しゴムで消せるものはもちろん、ボールペンなど日常生活で使用しているものもマナー違反となります。その他のカジュアルなペンも使用しないようにしましょう。
香典のマナー
香典のマナーで特に注意したいのが、入れ方・折り方・包み方・渡し方です。
ここでは、香典のマナーについて詳しく解説します。
入れ方
香典の入れ方で注意したいのが、お札に関するマナーです。お札は新札だとマナー違反になるため、旧札を入れるようにしましょう。
なぜ、新札を入れてはダメなのかというと「不幸を予期して備えていた」と誤解を与えかねないためです。不幸は本来予期できないからこそ、旧札を入れるのがマナーとなります。
お札を入れる向きは肖像画が下になるようにし、頭が上にならないようにしてください。
以下の記事では香典の入れ方について解説しています。
折り方
香典の折り方は、ご祝儀袋と反対にするのがマナーといえるでしょう。
まずは裏返しにした中袋を中央に置き、包みを右、左の順番に織り込みます。次に中袋に折り目がつかないよう、下から上に包みを折ります。上から包みを下に折り、水引を中央に着け直したら完成です。
なお、お札そのものを包む中袋に関しては、斜めにした紙の中央にお札を置き、下・右・左の順に折った後、上から包むように折るだけの工程となります。
包み方
香典の包み方で注意したいのが、袱紗(ふくさ)に関するマナーです。香典は香典袋のまま持参するのがマナー違反とされるため、袱紗と呼ばれる布に包んで持参しなければいけません。
現金をそのまま持参するのもマナー違反となるからこそ、香典袋に入れるだけでなく袱紗に包んで持参するようにします。
袱紗の包み方については、以下の記事もご確認ください。
渡し方
式場に到着したら、袱紗から香典袋を取り出して受付の人に渡します。受付の人に渡す際は「この度はご愁傷さまです」と一言お悔やみの言葉を添えながら渡すのがマナーです。
受付の人が受け取ったら芳名帳への記入を促されるため、氏名と住所を書きましょう。併せて、傘やコートなどお葬式の邪魔になりそうな手荷物をお預けください。
他の記事では香典の入れ方、いつ渡すべきか、袱紗の包み方や使い方、御霊前の入れ方について解説しているため、併せてご覧ください。
以下の記事では香典の渡し方について解説しています。
香典を辞退されていた場合
参列するお葬式によっては香典を辞退されていることがあるため、香典辞退に対するマナーを知っておきたいです。
ここでは、香典を辞退されていた場合について詳しく解説します。
火葬式(直葬)は香典の辞退が多い
火葬式(直葬)は、香典の辞退が多いとされています。火葬式(直葬)とは、お通夜・葬儀・告別式などを省略してご火葬だけを行う形式です。
この形式のお葬式では香典を辞退されているケースがいくつかあるため、参列するお葬式はどうなのか一度確認しましょう。
家族葬の香典辞退も少なくない
家族葬の香典辞退も、少なくないです。家族葬とは、お通夜・葬儀・告別式・ご火葬をご家族のみで行う形式となっています。
この形式のお葬式も香典を辞退されているパターンがあるため、喪主やご家族に確認してから参列するようにしましょう。
香典辞退の理由は人それぞれ
香典辞退の理由には、以下のようなものがあります。
- 香典返しまで手が回らないため
- 故人さまの遺志を尊重するため
- 参列者に負担をかけないため
- 宗教上の理由があるため
喪主・ご家族のなかにはお葬式の手続きやお墓の手配で忙しく、香典返しまで手が回らないとの理由で香典辞退を選択する人が珍しくありません。
故人さまを失った悲しみに暮れているなか、香典返しに対応する余裕がないために香典を辞退する人が一定数います。また、故人さまの遺志を尊重するとの理由で辞退する人や、参列者に負担をかけたくないとの理由で辞退する人もいるなど、理由はさまざまです。
他にも宗教上の理由があるなど、人によって香典辞退の理由は変わります。香典を辞退されていた場合は、無理に渡さないようにしましょう。
香典は無理に渡さない
香典を辞退されているにもかかわらず無理に渡すのは、マナー違反です。
古くからつながりのある人によっては「辞退されていても気持ちとして渡したい」と考えるかもしれませんが、喪主・ご家族側にとっては負担となります。
一度香典を受け取ったからには香典返ししないわけにはいかず、余計な負担をかけさせてしまうことになりかねません。香典辞退の旨があったら、渡さないようにしましょう。
香典辞退については以下の記事でも解説しているため、あわせてご覧ください。
香典に関するよくある質問
香典に対していくつか疑問がある人は、お葬式に参列する前に解消しておきたいです。
ここでは、香典に関するよくある質問について詳しく解説します。
- 金額は平均してどれくらい入れる?
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香典の金額は人によって違うため、具体的にいくらが平均なのかは一概にいえません。ただし、一般的には故人さまとの関係が深いほど金額は上がり、関係が浅いほど金額は下がります。
基本的に本人との関係性によって香典の金額を決めるため、金額的には「両親>兄弟姉妹>祖父母」となるのが一般的です。
より関係が浅い知人・友人、会社の関係者、近所のご家族には比較的低めで良いでしょう。血縁関係になくても関係が深かった相手には、高めに包む場合もあります。
なお、香典の金額相場・費用相場については以下の記事でも解説しています。
- 御香典と御霊前はどっちがいい?
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仏式のお葬式では香典袋に御香典と書くべきなのか、御霊前と書くべきなのか迷うところですが、どちらを選んでも差し支えありません。
ただ、一部の家庭・地域ではお葬式から三十五日法要までは御霊前、四十九日以降は御仏前、宗派が不明な場合は御香典と使い分けているところがあります。
原則はどちらでも構いませんが、家庭や地域によって風習が変わるため、迷ったら年長者に助けを求めるのが良いでしょう。
- 相場を超える金額は失礼になる?
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相場を超える金額を渡すのは失礼に当たる可能性があるため、注意が必要です。
家庭・地域によって捉え方が変わるのですが、一部では「お札が重なる=不幸が重なる」と連想させることから縁起が悪いとされることがあります。
血縁者の人たちを超える香典を出すのは失礼に当たるため、相場に合わせるのが安心ではないでしょうか。
- 郵送することはできる?
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香典は郵送することが可能で、遠方でお葬式に出られそうにない場合は香典を郵送して対応します。
宅配便や普通郵便で現金を送ることは禁止されているため、必ず「現金書留」で郵送してください。
現金は香典袋に納めてから現金書留専用封筒に入れ、郵便局の窓口で出しましょう。
コンビニ・スーパーでの集荷やポストへの投函には対応していないため、必ず郵便局の窓口で出しましょう。
まとめ
香典の金額の書き方は、外袋と中袋で変わるため注意が必要です。
基本的に外袋には表書き・氏名が必要で、中袋(表面)には金額、中袋(裏面)には郵便番号・住所・氏名の記載が求められます。金額に関しては漢数字の旧字体を使用しましょう。
ただし、お葬式によっては香典辞退されていることがあるため、参列するお葬式が香典を辞退していないかどうかご確認ください。一般葬では香典を受け付けていても家族葬・火葬式(直葬)では受け付けていないことが稀にあるため、確認が必要です。
なお、自分自身がお葬式を執り行う立場になった場合は、香典を辞退するかどうかを考えておきましょう。
お葬式の仕方で悩まれている方は、一度よりそうお葬式にご相談ください。
当社では「一日プラン」「二日プラン」などの家族葬の他、火葬式(直葬)にも対応しているなど豊富なプランを用意しているため、ご予算に合わせてお選びいただけます。
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