中袋なしの香典の書き方は?お札の入れ方・封の仕方・袱紗の包み方を解説
- 2024年05月21日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
香典の書き方は中袋なしの場合と中袋ありで変わりますが、初めて出す場合は「どのように書けば良いのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
香典は中袋のありなしで書き方が変わるため、それぞれの書き方の違いについて知っておくことが重要です。
この記事では、中袋なしの香典の書き方をはじめ、お札の入れ方や封の仕方、袱紗(ふくさ)の包み方を解説します。
併せて受付への香典の渡し方やよくある質問もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
香典の中袋がある場合・ない場合
香典には、中袋がある場合とない場合があります。
香典とは、不祝儀用の水引を結んだ香典袋に現金を包んだもので、故人さまに対する供養の気持ちを表すものとしてお葬式に持参するのが一般的です。
中袋とは、封筒の形状になっている現金を入れる袋のことで、外袋とは違って封筒の形をしているのが一般的となっています。
通常、香典袋には中袋がありますが、ないものも販売されているため注意が必要です。
地域によっては中袋を使用すると袋が二重になり、「不幸が重なる」「縁起が良くない」とする地域もあり、中袋を使用しないのがマナーとされることもあります。
中袋なしの香典は「略式」と捉えられる地域もありますが、最近では中袋を使用しない地域も広まっており、送る形式は人それぞれです。
中袋なしの香典の書き方
中袋なしの香典はどのように書けば良いのでしょうか。ここからは、中袋なしの香典の書き方について解説します。
香典を書くペン
香典を書くペンは、基本は薄墨の筆ペンが適しています。
薄墨には、「涙で墨が薄くなった」「悲しみで筆に力が入らない」「墨を磨る時間も惜しんで駆けつけた」などの意味が込められており、故人さまを追悼する気持ちを表しています。
そのため、香典を書く際は薄墨の筆ペンを使用するのが一般的です。ただし、地域によっては薄墨を使用しない場合もあるため、地域に合わせるのが賢明です。
筆ペンがない場合は毛筆で書いても構わないとする地域もあり、四十九日や一周忌は濃墨の筆ペンで書いても構わないとする地域もあるなど、地域差があるといえるでしょう。
なお、外袋は毛筆で書くのがマナーですが、中袋はボールペンで書いてもマナー違反とはならないため、使用するペンは使い分けても良いでしょう。
表面の書き方
中袋なしの香典袋の表面は、中袋がある場合と同様に上段中央に「御霊前」「御香典」と書くのが一般的です。ただし、宗教や宗派によっても変わるため、注意が必要となります。
- 仏教の場合:御香料・御香典・御霊前・御仏前
- 神式の場合:御神前、御榊料(おんさかきりょう)、御霊前、御玉串料
- キリスト教式:御花料、御香料、御霊前
- 親戚や知人が少ない
基本的には、どの宗教・宗派でも香典袋に「御霊前」と書いて問題ありません。
ただし、仏教は四十九日を過ぎると「御仏前」と書き、神式は「御神前」と書く場合もあります。また、キリスト教ではカトリックの場合「御ミサ料」と書くなど、それぞれ書き方に違いがあるため注意が必要です。
なお、氏名は表面にフルネームで記入します。表面の水引の上部には「御霊前」などの言葉を記入し、下部に「御霊前」の文字よりも小さく氏名を書くのがマナーです。
大きく書きすぎるとバランスが崩れるため、全体的なバランスにも配慮しましょう。
夫婦連名で記入する場合は中央に夫の氏名、横に妻の氏名を記入します。職場などから連名で香典を出す場合は、目上の方から順番に記入するのがマナーです。
人数が3人を超える場合は代表者1名の氏名を書き、左に「外一同」と記入しましょう。
裏面の書き方
中袋なしの香典袋の裏面は、金額と住所を書くのが一般的です。金額と住所はご遺族の方が管理しやすくするために記入する情報であるため、間違いないよう記載しましょう。
書く位置は水引よりも下部、縦書きで「右側に住所」「左側に金額」を記入しましょう
住所の書き方
香典の住所は、都道府県から正式に記入するのが一般的です。住所は引っ越しなどで変更となる場合があるものの、基本的には現住所を書きます。
金額の書き方
香典の金額は、改ざん防止のため「旧漢字」で記入するのが一般的です。香典で使用する旧漢字は主に次の通りとなります。
- 1:壱
- 2:弐
- 3:参
- 5:伍
- 10:拾
- 千:阡
- 万:萬
- 円:圓
旧漢字で書く際は、「金参阡円」「金伍阡円」「金壱萬円」のように「金」をつけて書くのがマナーです。
なお、あまり一般的ではありませんが、横書きの場合は「¥3,000円」「¥5,000円」「¥10,000円」と記載し、「¥」をつけて書くのがマナーです。
金額の相場については、「香典の金額相場、香典袋の書き方・渡し方やマナーまで徹底解説」で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
香典袋のお札の入れ方
香典袋にはどのようにお札を入れれば良いのでしょうか。ここからは、香典袋のお札の入れ方について解説します。
香典に入れるお札
香典に入れるお札は、新札(新しいお札)ではなく古札(古いお札)を入れます。
新札は「訃報を予見していました」という意味で捉えられてしまう可能性があり、ご遺族に対して失礼にあたるという観点から避けた方が無難でしょう。
通常は、「突然の訃報で事前に準備できませんでした」という意味で、古いお札を包むのがマナーです。
ただし、あまりにもシワや汚れが目立つお札は避けてください。どうしても新札しかない場合は、折り目をつけてから包みましょう。
お札の方向
お札の向きは、正式に決まっているわけではありません。
ただし、お札には表面(人物画のある方)と裏面があるため、香典袋に入れる際は表面にお札の裏面がくるように入れるのがマナーとされています。
香典袋の表面から開けると人物画が下を向いているように見えることから、人物画の向きには注意して入れましょう。
複数枚のお札を入れる場合は、すべての向きを揃えてから入れてください。
お札の枚数
お札の枚数も、正式に決まっているわけではありません。
例えば、5,000円を包む際は「五千円札1枚」でも「千円札5枚」でも構いません。ただし、ご遺族が数える手間を考えると枚数は少ない方が良いでしょう。
なお「4」や「9」は死を連想させる忌み言葉とされるため避けてください。
偶数のように割り切れる数字も、「故人さまとの縁が切れる」という意味で縁起が悪いため、避けるのがマナーとされています。
香典袋の封の仕方
香典袋は基本的に封をしません。
お金を入れるものであるため「封をしなければならない」と思うかもしれませんが、糊付けする必要はありません。
どうしても封をしないと不安な場合は、一部の香典袋に付属されているシールを貼るのが良いでしょう。
地域によっては「〆(しめ)」をする風習もありますが、一般的には何も書かなくて大丈夫です。むしろ、糊付けや「〆(しめ)」によって閉じてしまうと、ご遺族の方が開ける際に手間となります。
お札が落ちないか心配な場合でも、短いセロハンテープで留める程度にしましょう。
香典袋の袱紗(ふくさ)の包み方
香典袋は、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナーです。袱紗とは、お金を入れた封筒を包む小さな風呂敷を指します。
通常、香典袋はそのまま持参するのではなく、袱紗に入れて持参します。袱紗は大きく分けて祝儀用と不祝儀用があり、香典の場合は不祝儀用に入れて持参するのがマナーです。
包み方としては、袱紗を裏向きにして角が上下に来るよう広げ、袱紗の中央に香典を表向きにして置きます。その後「右側→下側→上側→左側」の順番に折って端を入れ込めば完成です。
香典の受付への渡し方
香典はどのように受付に渡せば良いのでしょうか。ここからは、香典の受付への渡し方について解説します。
受付で記帳する
葬儀場に到着したら、まずは受付で記帳します。
通常、受付は葬儀場に入った正面もしくは側面に設置されており、葬儀社の方もしくはご遺族の方が対応しているため、到着した段階で先に受付に向かうのが一般的です。
もしくは、ご遺族に挨拶を済ませてから受付に向かうのでも問題はありません。
香典を取り出す
香典を取り出す際は、袱紗(ふくさ)の上に乗せたまま相手に表書きが読める向きで渡しましょう。
袱紗(ふくさ)に入れたまま渡したり、袱紗から出して香典のみを手渡ししたりするのはマナー違反となるため、必ず袱紗(ふくさ)の上に乗せて両手で渡しましょう。
お通夜にも告別式にも参列される場合は、どちらかでお渡しすれば問題ありません。
ただし、数回に分けて渡すと「不幸が繰り返される」という意味となり縁起が悪いため、両方に参加する場合はお通夜・告別式のどちらかで渡すのがマナーです。
香典を渡す際は、お悔やみの言葉を添えるのが一般的となっています。
お悔やみを伝える
香典を渡す際には、お悔やみの言葉も一緒に伝えましょう。
お悔やみの言葉は、「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」「ご冥福をお祈りいたします」などがあり、特に何を伝えるべきかは決まっていません。浄土真宗の場合は「お悔やみ申し上げます」という言葉が一般的です。
通常は、「この度は突然のことでお悔やみ申し上げます」や「この度はご愁傷様です」のように使用します。
合わせて、ご遺族の方に対する配慮の気持ちもお伝えするとより丁寧です。ただし、他の参列者の方も受付に来るため、長話をするのは避けましょう。
香典の書き方でよくある質問
最後に、香典の書き方でよくある質問について紹介します。
ボールペンで書いても良い?
香典に書く「御霊前」の言葉や氏名、金額や住所は、ボールペンで書いてはいけません。
中袋はボールペンで書いても構いませんが、基本的には外袋含め筆ペンもしくは毛筆で書くのがマナーです。ただし、地域ごとに風習は異なります。
基本的には、鉛筆やシャープペンなどで記入するのはマナー違反となるため、筆ペンや毛筆を用意しておくのが良いでしょう。
マナーは地域によって違う?
マナーは地域によって違います。
例えば、地域によっては香典の中袋を必要とするところもあれば、中袋があると袋が重なるため「不幸が重なる」「縁起が悪い」と解釈される地域もあります。
原則は外袋と中袋を用意して香典を包むのが良いですが、中袋が不要の場合もあるため、それぞれお住まいの地域にあわせて判断するのが良いでしょう。
地域によっては独自の風習が根付いている場合もあるため、ご両親やご親戚の方にマナーを聞いておくと安心です。
ただし、香典は気持ちが重要であるため、最近では現代人にあわせてマナーも変わってきています。
お葬式後に渡しても問題ない?
香典はお葬式後に渡しても問題はありません。
お通夜や告別式に参列できず、香典をお渡しするのがお葬式の後になる場合は、喪主にお詫びをお伝えして弔問に伺いたい旨を伝えてください。
基本はご遺族の方の都合に合わせ、後日弔問します。弔問とは、日程の都合でお葬式当日に参列できなかった場合にご遺族へお悔やみを伝えに行くことです。
お葬式に参列できない場合は、弔問を申し出て後日お伺いしましょう。
なお、焦るあまり突然訪問する方もいますが、突然の訪問は迷惑になるため注意しましょう。どうしても日程が合わない場合や遠方で行けない場合は、香典を郵送しても構いません。
郵送する際は現金書留を使用し、封筒のなかに香典袋とお悔やみの手紙を同封してください。
ただし、しばらくは喪主の忙しい時期が続くため、お葬式の前後は避けるのが賢明です。郵送は、お葬式後の1週間〜1ヶ月の間に送ることを推奨します。
まとめ
香典の書き方は中袋なしの場合とありの場合で変わります。
どちらも表面の水引上部に「御霊前」「御香典」と書き、水引下部に氏名を書きます。裏面には金額と住所を書き、封をせずに袱紗の上に乗せて渡すのがマナーです。
葬儀場では受付に記帳し、香典を取り出してお悔やみの言葉と一緒に渡すのが一般的です。
中袋はボールペンで書いても構いませんが、外袋は筆ペンで毛筆で書くのがマナーとされるため、あらかじめお葬式用のペンを用意しておくのが良いでしょう。
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