香典の金額が五千円の場合の書き方は?縦書き・横書きについて詳しく解説
- 2024年12月27日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
香典袋の書き方や金額、お札の扱いについては、知っておきたいマナーの一つです。
しかし、「縦書きと横書きどちらで書くべき?」「お札の入れ方はどうしたらいい?」など疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、故人さまと血縁関係のない方の相場となる五千円を例に、香典のマナーについて紹介します。
香典の金額が五千円のケース
香典の金額が五千円のケースとして多いのは、故人さまとの関係が友人や知人など、血のつながりがない場合です。
年齢的には20〜30代で、年齢が高くなると包む金額も多くなります。ただし、香典の金額は故人さまとの関係や年齢によって異なるため一概にはいえません。
親戚以上の近親者であれば香典の相場は一万円以上とされますが、学生や金銭的な事情がある場合には五千円を包む場合もあります。
香典には相場があるため、相場の範囲内でお金を用意するのが一般的です。相場に比べて多すぎても少なすぎても失礼にあたるため注意しましょう。
香典の相場については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
香典の金額は横書きか縦書きか
香典袋に香典の金額を書く場合は、縦書きが基本です。
縦書きで記入する理由は、香典袋が縦長の形状をしているため、横書きにすると読みにくくなるためです。
ただし、横書き用の香典袋も販売されているように、縦書きか横書きかに厳密なマナーはありません。記入欄に合わせて横書きで書いても問題ないでしょう。
どちらのスタイルで書く場合も、ご遺族が後で香典返しを送るために読みやすく丁寧に書くことが大切です。
五千円の香典袋の書き方と事前準備
香典袋に必要事項を書く場合は、マナーや作法に注意する必要があります。ここでは、香典を五千円包む場合の香典袋の書き方と事前準備を解説します。
筆記用具を準備する
香典袋に記入する際は、適切な筆記用具を準備する必要があります。
一般的には毛筆もしくは筆ペンで記入しますが、タイミングによって薄墨と濃墨を使い分ける必要があります。
お通夜や葬儀・告別式で香典を渡す際は、薄墨で書くのがマナーとなるため、筆ペンを用意する場合は薄墨タイプのものを選びましょう。
一方、四十九日以降の法要で使用する香典袋には濃墨を用いるため、筆ペンを用意する場合は通常の濃さで問題ありません。
中袋は毛筆や筆ペンの必要はないため、万年筆やサインペンなどを使うとよいでしょう。
中袋は外袋に比べて袋のサイズが小さく、書く内容も多いため、書きやすい筆記用具を用意しておく必要があります。
香典金額五千円に合った香典袋を用意する
香典袋は、金額に見合ったものを選ぶことがマナーです。
香典として五千円を包む場合は、「白無地×白黒」または「白無地×青白」の水引が印刷された香典袋がよいでしょう。
水引は香典袋にかける帯紐のことで、魔除けや未開封などの意味があります。香典袋の水引の色によって、包む金額も変わってくるため注意しましょう。
お葬式で用いられる水引には、青白、黒白、双銀、黄白、双白があります。
このうち、五千円以下で用いるのは青白もしくは黒白の水引です。黄白の水引は一〜五万円、双銀や双白の水引は五万円以上のときに使われます。
また、本物の水引が使われているものは、一般的に一万円以上を包む場合に使われます。
金額の書き方
香典袋の金額は、基本的に大字(だいじ)で書きます。
大字とは、数字の改ざんを防ぐために使われる旧字体の一種です。以下の表に香典袋で用いることの多い大字をまとめています。
常用漢字 | 大字 |
---|---|
一 | 壱 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
十 | 拾 |
千 | 阡 |
万 | 萬 |
円 | 圓 |
香典袋に金額を記載する際には、金額の前に『金』、金額の後に『也』を使うのが一般的です。五千円を包む場合だと、『金伍阡圓也』と記入します。
香典袋の金額を横書きにする場合だと大字は使わず、算用数字またはアラビア数字を使用します。金額の前には『金』または『¥』、金額の後には『円』または『-』と記載してください。
数字にカンマをつけると改ざんを防ぐことができ、ご遺族もわかりやすくなります。五千円を横書きにすると、『金5,000円-』となります。
中袋の書き方
香典袋に中袋がついている場合、中袋と外袋には以下の情報を記入する必要があります。
- 中袋の表面:金額
- 中袋の裏面:郵便番号、住所、氏名
金額は、縦書きの場合は表面上部、横書きの場合は表面下部、記入欄が設けられている場合は枠に沿って書きましょう。
郵便番号、住所は縦書きの場合は裏面の左下に記入し、その左側にフルネームを記入します。横書きの場合は金額の下、記入欄が設けられている場合は枠に沿って書きます。
住所は香典返しに必要となるため、縦書き・横書きに関わらず、部屋番号まで含めて詳細に記載することが重要です。
氏名は外袋にも記載していますが、中袋にも同じように記載しましょう。その理由は、香典の集計をする際に、別々になってしまうと誰からの香典か判断がつかなくなるためです。
読み手がわかるように、丁寧さを心がけましょう。
中袋なしの書き方
香典袋に中袋がない場合は、香典袋の裏面に住所や金額を記載する必要があります。
住所は裏面に金額と隣り合わせにし、縦書きで書くのが一般的です。金額と並べて書く際に、住所の文字は金額に比べて小さく書くのがポイントになります。
中袋がない香典袋の中には、あらかじめ住所欄が記載されているタイプもあります。住所欄が横書きで記載されている場合は、枠に沿ってそのまま横書きして問題ありません。
なお、五千円に適している印刷タイプの香典袋になると、中袋が入っていないものも多くあります。
住所や金額がきれいに書けないと不安に感じる場合は、住所欄が記載されている方が、枠に沿って書けるためまっ直ぐ書きやすくおすすめです。
中袋なしの香典袋の書き方やお札の入れ方、袱紗の包み方などは、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
連名で書く場合
香典を連名で出す場合は、人数によって書き方が異なります。
- 二人の場合:名前を中央に書き、夫婦の場合は夫の左側に妻の名前を書く
- 三人の場合:一人目を水引の中央に書き、残り二人の名前を左側に書く
- 四人の場合:代表者の名前を中央に書き、左側に『外一同』と書く
連名で出す場合、四人以上で贈るご香典は表書きに代表者以外の名前は書きません。
誰からのご香典かわかるように、個人名や住所を半紙もしくは奉書紙などの紙に記入し、香典袋の中に入れましょう。
香典を連名で五千円包む場合、一人あたりの金額は多くありません。例えば、五名で五千円の香典を包むなら、一人あたりの香典は千円です。
香典返しの負担をご遺族にかけたくないという場合は、「香典返しは辞退いたします」と書き、香典袋に入れておきましょう。
香典五千円の入れ方とマナー
香典の入れ方にはマナーがあります。ここでは、香典の五千円を香典袋に入れる際のマナーを解説します。
五千円のお札の枚数
香典として五千円を用意する場合は、五千円札を一枚でも、千円札を五枚でも問題ありません。枚数に決まりはないため、五千円がなければ千円を五枚用意して包むこともできます。
ただし、ご遺族からすると五千円が一枚の方が香典の計算がしやすく、間違いも減るでしょう。
特にたくさんの香典が集まる場合、バラバラのお札が多いと、集計にかかる手間や負担も大きくなります。
マナー違反にはならないものの、ご遺族に配慮することも大切です。
急なお葬式だと五千円札を用意する時間がない場合もありますが、ある程度時間的に余裕があれば、五千円を用意した方が丁寧です。
五千円の入れる向き
香典袋に五千円を入れる向きは、封筒の表側に対して『裏側・下向き』が一般的です。
お札には表裏、上下の向きがあります。人物が描かれている面が表、お札を縦にした場合に人物が描かれている方が上です。
封筒の表側に対して裏側、下向きに入れるのは、「悲しみにくれて顔を伏せる」という意味があります。
また、下向きに入れることで封筒から取り出した際に、すぐに金額表記が目に入り、確認しやすいという意味もあります。
千円札を五枚入れる場合は、すべて同じ向きに揃えるのがマナーです。
地域によってはお札の上下が逆さになるところもあるため、地域の方や葬儀社のスタッフに確認しておくと安心です。
古すぎるお札と新札は避ける
香典の五千円を用意する際には、古すぎるお札と新札は避けましょう。
新札を避けた方がよい理由は、「不幸を前もって予想していた」という印象を与えてしまうためです。新札を用意するためには、あらかじめ銀行で両替をしておく必要があります。
新札だとご遺族に不快な思いをさせてしまう可能性があるため、使用感のあるお札の方が無難です。たまたま新札しか手元にない場合は、折り目をつけてから香典袋に入れましょう。
真ん中を二つに折って折り目をつけると、使用されたように見えます。
一方、破けていたり、しわだらけだったりするお札を香典に使用するのも失礼です。古札を使うといっても、ある程度きれいな古札を使いましょう。
のりづけはしない
香典袋に五千円を入れる際は、封をするためののりづけはしてはいけません。その理由は、のりづけされていると封を開ける作業に時間がかかってしまうためです。
香典を受け取ったご遺族は、香典返しのために金額や氏名、住所などをメモします。のりづけされていると、香典袋を開けるのに時間がかかり、ご遺族に負担をかけてしまいます。
また、香典袋を購入するとシールがついてくる場合もありますが、シールもはがす手間がかかるため避けた方がよいでしょう。
一方、外袋の水引に差し込む短冊にはのりづけした方がよいです。
短冊は表書きや名前を書く細長い用紙のことで、短冊を差し込んだだけだと落ちてしまう可能性があります。
香典を受け取ったご遺族が短冊を落として手間をかける場合もあるため、のりづけしておく方が丁寧です。
香典返しを辞退する場合
香典として五千円を包む場合、中には香典返しは辞退したいという方もいるでしょう。香典返しを辞退することは失礼にはあたりません。
香典返しを辞退する場合は、香典袋の住所氏名の左側に「お返しは辞退させていただきます」と記載します。
中袋がないタイプの香典袋で他人に見られたくない場合は、一筆箋に書いて香典袋に入れても問題ありません。
一筆箋に書く場合は、宛名、本文、差出人の順番で書きます。本文には、「お悔やみ申し上げます。お返しのご配慮は不要です。」のように挨拶を交えると丁寧です。
また、近年はお葬式の当日に香典返しをするケースも増えており、その場合は受付で香典返しの辞退を伝えましょう。
五千円を香典袋に入れて渡す場合の注意点
五千円を香典袋に入れてご遺族に渡す場合は、マナーをしっかり守りましょう。ここでは、香典を渡す場合の注意点を解説します。
水引は外さない
五千円を香典袋に入れて渡す際、水引が印刷ではなく本物の場合、水引は外さないように注意しましょう。
一度外してしまった水引を再度入れようとすると、歪んだり、折れてしまったりする可能性があります。
きれいに戻すことができない場合もあるため注意が必要です。水引はつけたまま渡すのがマナーであるため、五千円を入れる際には、外れないように細心の注意をしましょう。
市販の香典袋の上包みは折られているため、水引を外さないように下から中袋を引き抜きます。中袋にお金を入れて金額や住所、氏名を書いたら再び中袋を入れます。
最後に香典袋の上側を覆いかぶすように包むと完成です。
袱紗(ふくさ)を使用する
香典をご遺族に渡す際には袱紗を使用するのがマナーです。
袱紗とは冠婚葬祭で使用する香典やご祝儀を包む布のことで、水引や飾りが崩れたり、折り目やシワがついたりすることを防ぎます。
また、金封を袱紗に包むことは渡す相手に敬意を示すことになるともいわれています。袱紗を用いた場合の基本的な香典の渡し方は以下の通りです。
- 香典袋を袱紗から取り出す
- 袱紗の上に香典袋を重ねる
- 袱紗に重ねたまま反時計回りにして相手側に向ける
- お悔やみの言葉を添えて両手で香典袋を渡す
なお、香典に使用できる袱紗の色は紫や紺、緑、灰など主に寒色系です。暖色系は慶事用に使う袱紗となるため注意しましょう。
紫色は慶事用にも弔事のどちらにも使えるため、一枚持っておくと便利です。
袱紗の包み方や使い方などは、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
渡す際の言葉がけ
香典をご遺族や受付に渡す場合は、お悔やみの言葉を伝えるのが一般的です。お悔やみの言葉は、「この度はご愁傷様です」とかけるのがよいでしょう。
香典を渡す際に「御霊前にお供えください」という挨拶もありますが、霊という概念がない浄土真宗の方には失礼にあたる表現です。
このように宗教や宗派によって失礼になる挨拶もあるため、宗教や宗派に関係なく使えるご愁傷様を用いるのが無難です。
また、お悔やみの言葉は長々と続けるものではありません。他の弔問客を待たせることにもなるため、長い言葉はマナー違反です。
お悔やみの言葉を伝える際には、忌み言葉や重ね言葉にも注意しましょう。
お悔やみの言葉については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
まとめ
香典袋は縦書きが基本ですが、横書きの欄が設けられていれば横書きでも問題ありません。
香典の金額が五千円の場合、縦書きなら『金伍仟圓』、横書きなら『金5,000円-』と記載します。
縦書きと横書きでは書き方が異なるため、故人さまやご遺族に失礼のないようにマナーを守って書きましょう。
中袋ありと中袋なしでも書き方は変わってくるため、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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