家族葬の通夜、葬儀・告別式の流れと主な注意点を詳しく解説
- 2024年10月08日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
家族葬といっても、通夜や葬儀・告別式での流れは一般葬と変わりありません。故人を弔う式なので同じことが行われます。ただし、一般葬に比べて参列する方が少なく、また身近な方が多いため省略される部分もあり、その分、式が短くなる傾向はあります。今回は、家族葬における通夜及び葬儀・告別式の流れについて解説していきます。
目次
家族葬が選ばれる理由
家族葬は身内やごく親しい方のみで行うお葬式です。人数は家族数人から、親族のほか知人まで集まるものがありますが、通常は多くても二十人以内のものを指します。
一方、一般的な葬儀の場合は、故人の仕事関係や知り合い、近所の人々なども参列します。そのため残された遺族や喪主の方は対応に追われてしまい、落ち着いて故人をしのぶ時間もないことがあります。
また、故人が高齢の場合は、お呼びできる参列者が少なかったり、またお呼びした相手も高齢なため参列を控えたりするケースもあり、どうしても少人数のお葬式になってしまうことがあります。そのような場合は、広く告知する一般葬よりも家族葬の方が向いているでしょう。
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家族葬の葬儀前の流れ
これから一般的な仏式の葬儀の形式に従って、家族葬の流れを見ていきましょう。遺族側が最初にすることは、まず葬儀の責任者である喪主を決めます。喪主が高齢などで葬儀の管理が難しい場合は、喪主以外に実務的な担当者である施主(世話役)も決めることです。
次に葬祭業者を選び、一日葬にするか二日葬にするかを決めて申し込みます。この2つの違いは、お通夜をするかしないかです。通夜を行うべきかお迷いの方は、後述する「家族葬で通夜は行うべき?」をお読みください。
火葬場の手配は葬儀社が行い、予約できた火葬場のスケジュールから逆算して葬儀の日取りを決めますが、火葬場には休業日(友引の日など)があるので、それにより日程が希望日よりもずれることがあります。
次に菩提寺があれば連絡して、僧侶のスケジュールを確認します。菩提寺が無かったり、お呼びするのが困難だったりする場合は、葬祭業者に手配も頼めます。その際、宗教と宗派を伝えることも忘れずに。
その後は、予算もあると思いますので、それによって葬儀の詳細を葬祭業者と決めていくといいでしょう。葬儀費用は基本プラン+オプションで決まることが多いので、不要なものはここで伝え、逆にオプションサービスをつける場合にはその金額と内容、いつまでキャンセル料がかかるかを確認します。通夜ぶるまいや精進おとしがあるとするなら、人数の変更はいつまでできるのかも確認しておきましょう。
家族葬では香典辞退をされる喪主や遺族の方も多いので、その方針も早めに決めておくと良いでしょう。
葬儀の日程が決まれば、家族葬にお呼びする方へ連絡を入れます。葬儀は早くて翌日、遅くても二、三日後とすぐなので、通常は電話で知らせます。連絡がつかなければ短いメールを入れて、折り返し連絡をいただいてもいいでしょう。
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家族葬で通夜は行うべき?
本来、通夜はその名のように明かりを絶やさずに夜通しかけて行っていましたが、現代では簡略化されて夕刻から2時間程度。通夜ぶるまいを入れても3時間程度で終わります。
また、本来は参列者の弔問も告別式だったのですが、近年は仕事帰りなどに訪れる弔問客が増え、むしろ通夜に一般の方が多くいらっしゃる傾向に変わってきています。そのこともあり、以下のような理由で通夜を省略し、葬儀・告別式のみの一日葬を行う家族葬が増えています。
・家族葬ではお声がけした方のみ参列するため、現在、一般の方が多く参列する通夜をする必要度が減った
・故人が高齢である場合は、故人の親族も高齢であることが多く、2日間の参列には身体的な負担がかかるため
・遠方に住む親族をお呼びする場合、一日だけなら宿泊も伴わないので参列しやすい
・費用的な問題
家族葬の通夜の流れ
ここでは仏式の通夜の流れを大まかに説明していきます。家族葬でも、通夜式自体は基本的には一般葬と変わりありません。参列者の少ない家族葬では焼香時間が短くなりますが、読経の内容が変わるわけではありませんので、一般の通夜と同様で所要時間は30〜40分程度、法話や喪主の挨拶も入れて1時間以内となります。通夜ぶるまいは1〜2時間なので、すべてを入れてもかかる時間は2〜3時間程度です。
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30分前には受付を開始しますが、香典辞退をする場合は受付に伝えておきましょう。またこの頃に読経を依頼している僧侶がご来場するので、喪主がご挨拶とお出迎えをします。
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家族葬の通夜を行う際のマナー
家族葬でも通夜のマナーは一般葬と同じです。たとえ参列者が全員身内だけという家族葬でも服装には気をつけましょう。服装については、現在は正式喪服ではなく、準喪服のブラックスーツや略喪服の着用が主流になっています。
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家族葬の葬儀・告別式の流れ
家族葬の場合も葬儀・告別式の流れも一般葬と同じです。時間的には、受付と焼香の時間が短くなり、弔電を読まないことがあるというぐらいでしょうか。一日葬では通夜が省かれるので、葬儀はこの日一日のみとなります。
葬儀・告別式の開始時間は、火葬の予定時刻から逆算して決めることが多く、家族葬なら、遅くとも火葬の1時間前には終了し(斎場と火葬場の距離にもよります)、出棺して移動します。ここまで葬儀開始から出棺までは1時間半から2時間ほどです。
また、香典辞退の場合は、受付や葬儀社にも伝えておきます。葬儀・告別式終了後、出棺してすぐに火葬場に向かうことになるので、この時間に葬祭業者と火葬場への移動や精進おとしの人数の確認もしておきましょう。
家族葬の場合は、焼香は10分程度で終わりますが、読経が短縮されるわけではありません。場合によっては、告別式の後、続けて繰り上げ初七日法要が行われることがあります。
ただし、もともと限られた参列者しかいない家族葬では、そのまま全員が斎場に残り、お別れの儀に参加することが多いようです。
家族葬の葬儀・告別式を行う際のマナー
家族葬のマナーも一般葬と変わりありません。お呼びする人がいるならば、いらしていただいた方に感謝の気持ちを表すのが大切です。焼香の際にはきちんと黙礼をしましょう。着席は一般的には祭壇に向かって右側が遺族の席です。また式の開始の10分前には着席していましょう。
ここでは仏式の葬儀の例を解説しましたが、神式、キリスト教式の家族葬も一般的な葬儀と同様の流れで行われます。服装については、現在は正式喪服ではなく、準喪服のブラックスーツの着用が主流になっています。
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葬儀後(出棺~精進落とし)の流れ
葬儀後、斎場では故人との最後の直接対面となる「お別れの儀」があります。その後、出棺となり、喪主や親族は火葬場へと向かいます。これが30分ほど。火葬場では、火葬の前に「納めの式」、火葬後に「お骨上げ」があり、その間は参列者は控室で待ちます。火葬場で過ごす時間は、およそ1時間半から2時間半。お骨上げの後は解散、またはそのまま精進落としの席に向かう場合があります。
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棺が閉じられ、棺を搬出して車に乗せます。霊柩車に棺を乗せる時は、喪主は位牌を、遺族が写真を持ちます。最後に喪主から参列者に挨拶をします。
火葬の時間は地域や火葬場によっても異なりますが、45分〜1時間半ぐらい。その間、遺族は控室で待つことになります。火葬が終わると、遺骨を骨壷に収める「お骨上げ(収骨)」が行われます。終わると、火葬場のスタッフから提出した埋火葬許可証に火葬済印が押されて返却されるので忘れずに。
火葬場スタッフにへの心付けですが、公営では不要、民営でも現在は廃止される傾向にあります。あらかじめ葬祭業者に聞いておくと良いでしょう。
通夜ぶるまいと異なり、こちらは参加する人数はあらかじめ決めてあり、一人一人に食事が配膳されることが多いです。
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出棺~精進落としを行う際のマナー
これも家族葬でも一般葬と変わりません。喪主は出棺の際に参列者に挨拶をするのが慣例となっています。精進落としの席順については決まっており、上座に僧侶、会社関係者や友人などいらしていただいた方が座り、末席に遺族が座ります。精進落としを始めるときに喪主が手短に御礼を述べ、献杯して食事を始めます。
まとめ
家族葬といっても式の流れは一般の葬儀と変わりません。傾向としては、通夜を行わない一日葬を選ぶ方が増えていること、一般葬に比べ香典辞退が多いことがあげられます。少人数で行う利点としては、形式的な部分があれば相談して省略できるということでしょうか。
服装については、あらかじめ顔見知りの参列のみであれば、喪主から参列者に略喪服ですますと伝えることもできます。また、通夜振る舞い、精進落とし、繰り込み初七日法要は行わないなども、家族葬なら決めやすいでしょう。
家族葬の流れに関するよくある質問
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
家族葬の流れも、一般葬と大きく異なることはありません。参列者が少ないため、ゆっくりと互いに会話ができる時間を設けることができるのが家族葬のメリットといえるでしょう。親しい間柄の人達のみが集まるため、「食事だけはこだわりたい」という声も多くあります。