家族葬で香典は持参するべき?相場や香典袋の書き方、渡し方について徹底解説
- 2024年07月29日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
近年、「家族葬」というスタイルでお葬式を行う方が増えてきています。これは文字通り家族や近親者のみで葬儀を行うもので、参列者も限られたものになります。もし、家族葬に参列することになったら、香典は必要なのでしょうか。また渡し方や香典額の相場は一般葬と異なるのでしょうか。
ここでは参列時に失礼にならないように、家族葬の香典について解説していきましょう。
目次
家族葬に香典は持参するべき?
家族葬に明確な定義はありませんが、基本的には故人となった方のご遺族、親族、そして生前特に親しかった友人などの間だけで行われる小規模なお葬式です。喪主やご遺族の方から家族葬を行うと連絡があった場合、一般の方の会葬は辞退していると考えた方がよく、お声がけがない場合の参列は遠慮するか、確認をとってからにするのがマナーです。
家族葬を行う理由のひとつに、「香典返しの手間を省きたい」ことがあります。香典額に見合う香典返しを個々の参列者にするのは、なかなか手間のかかることです。そのため今では、家族葬では香典を辞退し、香典返しも用意しないことが多くなっています。
ただし、家族葬と言ってもお葬式には変わりなく、「香典辞退」の意向が特に案内されていない場合は、相応の金額の香典を包んでいくのがマナーとなります。まずは出席前に、喪主が香典を受け取るかどうかを確認しておきます。訃報に香典や供花についての記載がない場合は、まずは喪主に、または必ず参列しそうな故人に近い人に事前に尋ねてみるのもいいでしょう。連絡がつかない場合は、葬儀社に確認してみるのもおすすめです。
どうしても事前にわからない場合は、どちらにでも対応できるようにしておきます。つまり香典の用意はしておいてお葬式に参列し、受け取りを辞退されたらその意向に従えば良いのです。その場合は、喪主側の事情もあるので無理に渡そうとするのは禁物です。
家族葬の香典相場
家族葬でも、香典の相場は一般のお葬式と変わりません。ただし故人に近い親族などの参列が主なので、一人当たりの金額は一般葬よりも高めになる傾向はあります。喪主側にとっては、参列者が少ないため葬儀費用の出費は抑えられますが、香典による収入も減ります。そのため、ご遺族に負担がかからないように、親族は場合により多めに香典を包むことがあります。また、逆に地域の慣わしで金額が決まっている場合は、それに従うのが無難です。
以下に、一般的な香典の相場をご案内します。
故人との関係 | 香典相場 |
---|---|
自分の両親 | 5万〜10万円 |
自分の祖父母 | 1万〜5万円 |
自分の兄弟姉妹 | 3万〜5万円 |
配偶者の両親 | 1万〜3万円 |
近い親戚 | 1万〜3万円 |
その他の親戚 | 5千〜2万円 |
友人・知人 | 5千〜1万円 |
近所の人 | 5千〜 |
下記の「香典のマナー」に関する記事で詳細を解説していますが、金額は2や4といった「割り切れる」数、または4(死)や9(苦)などの縁起の悪い数を避けるのが無難です。ただし、故人との関係性から1万円では安いが3万円では高いという場合もあり、最近はこだわらずに2万円を包む場合もあります。なお、現在では香典の最低金額は5,000円が相場になっているようです。
- 【合わせて読みたい】
- 香典完全ガイド!金額相場、香典袋の書き方、渡し方やマナーについて
身内として参列する場合に香典が必要な親族の範囲は?
とくに決りはなく、また、家族葬も一般葬も変わりありません。一般的には故人の両親、子供とその家族、兄弟姉妹ぐらいが参列の範囲ですが、結局は故人の生前のお付き合いの状況によります。香典を渡さなくてもいいのは、未成年や社会人になっていない学生、故人と同居している子や孫、喪主などです。子や孫などの家族でも、同居していなければ香典を渡すのが一般的なマナーです。
家族葬での香典袋(不祝儀袋)の書き方
家族葬であっても、香典袋の書き方は一般葬と変わりません。香典袋の水引は高額(5万円〜)でなければ印刷されたものでかまいません。水引の色は黒白が一般的ですが、一部の地域(関西、特に京都)では黄色と白のものが使われることがあります。また、記入する際には薄墨の筆記具を使って表書き、名前、住所、金額などを書くのがマナーです。
表書きの書き方
宗教によって異なります。家が仏教でも、故人はキリスト教に改宗していたということもありますので、事前に確認しておきましょう。特に案内がない場合は仏教式のお葬式が一般的です。
【仏教】 浄土真宗以外は「御霊前」「御香料」「御香典」など。浄土真宗は「御仏前」に
仏教では四十九日の法要まではこの世にまだ魂がいることがもある(まだ仏になっていない)と考えているので、「御仏前」は使いません。ただし浄土真宗は、亡くなった即日に浄土に召されるという考えなので、「御霊前」ではなく「御仏前」の表書を使います。ここだけ注意しましょう。
【神道】「御霊前」「御榊料」「御玉串料」「神饌料」など
比較的多いのは「御霊前」ですが、仏ではないので絶対に「御仏前」は使わないように注意しましょう。
【キリスト教】「御花料」
カトリックとプロテスタントでは共通するものもありますが、異なる表書きもあります。事前に宗派を確認するか、「御花料」にしておくのが無難です。またカトリックは「御霊前」でもかまいませんが、プロテスタントでは不適切になります。以下を参考にしましょう。
・プロテスタントの場合:「お花料」「御花料」「献花料」
名前の書き方
一般的な御香典の書き方と同じです。水引の下に回送者の名前をフルネームで書きます。3名までが連名が可能です。その場合は、目上の人間を一番右端に置きます。家族葬の場合は、会社や団体から御香典を受け取ることは少ないので、ここではその場合は割愛します。
金額の書き方
大字(だいじ)と呼ばれる、旧漢字のように後から数を書き換えられない漢字を使います。法的文書や会計文書に用いられるのは、壱、弍、参、拾のみですが、香典には伍や仟、萬、圓が使われることもあります。ただし普通の漢数字で書いても、最近ははマナー違反ではありません。
大字:壱・弐・参・伍・捨・仟・萬・圓
お札の入れ方
特に決まりはありませんが、お札を香典袋(中袋)に入れる時は方向を揃えて裏向きに入れるのが一般的です。お札の顔が下にあるように入れると覚えておけばいいでしょう。中袋の裏の名前を確認しながら、封筒から少し出したときにすぐに数字が読めるので、名前を確認しながらお札を数えるのに相手が楽ですよね。
また、香典はご祝儀と異なり、新札は控えるのがマナーになっています。これは新札だと「準備していた」となり、縁起が悪いからといいます。現在ではそれも形ばかりになりつつあり、新札なら一度折って入れる方も少なくないようです。逆にシワが多かったり、汚れがあったりするようなお札も避けましょう。
家族葬での香典の渡し方とかける言葉
家族葬に呼ばれているということは、故人に近い親族、あるいは故人と親しかった友人でしょう。参列される方々も、お互いの顔を知っているような内輪の人々が多いので、特にかしこまったマナーはいらないでしょう。
香典に関しては、家族葬では辞退をしている場合が多いのでまずはそれを確認しておきます。無理に渡すのは、他の参列者の手前もあり相手を困らせることになるので禁物です。
香典について案内がなければ、念のために用意して持っていくようにします。「持っていったが辞退された」なら問題はありませんが、逆の場合は面倒なことになります。その場合は近くのコンビニなどで香典袋を手に入れるか、葬儀社のスタッフにあるかどうかを相談してみるのも一つの方法です。
お葬式(お通夜・葬儀・告別式)で渡す場合
受付がある場合は、記帳をするときに香典をお渡しします。ただし、少人数の家族葬では特に受付を置かないことも多いです。
香典の渡し方は一般のお葬式と同じです。まずは喪主やご遺族の方に「このたびはご愁傷さまです」などと簡単に挨拶して、香典を受付にお渡しします。受付がなければ喪主やご遺族に渡します。
職場や会社から香典を贈りたい場合
家族葬では香典を辞退することも多いので、あらかじめ香典の取扱いの意思を聞いておきましょう。訃報などで辞退の意思が示されているのに、香典を渡すのはマナー違反になります。また、葬儀へ招待されていない場合も香典は不要です。
家族葬に参列できない場合の香典の渡し方
家族葬では、参加する人は親族やごく近しい友人に限られるため、参列に声がかからない場合があります。また、招かれた場合でも諸事情で参列できないことがあります。そうした場合は、以下のような方法で香典をお渡しすると良いでしょう。
後日訪問する場合
家族葬に招かれているということは、故人と近しい間柄だったので声がかけられたと考えていいでしょう。もし諸事情で参列できなければ、後日に日を改めて、できれば四十九日までに弔問にうかがうのがおすすめです。その際に香典辞退の意向が伝えられていなければ、香典をお渡しします。
注意としては、ご迷惑にならないように必ず事前連絡すること、仏式で四十九日を過ぎている場合は香典の表書きは「御仏前」とすること(すでに仏になっているため)です。弔問の際には香典の他に、供物を持っていくとより丁寧になります。
家族葬に招かれていな場合は、ご遺族の意を汲んで香典を渡しにわざわざ行くことは避けましょう。
代理人に依頼する場合
家族葬に招かれていて参列できない場合、参列する知り合いに頼んで代理で香典を渡してもらう方法もあります。ただしこの場合も、事前に喪主が香典を辞退していないかの確認は必要です。家族葬に招かれていない場合は、手間をかけさせないためにも香典は控えた方が良いでしょう。
郵送する場合
家族葬では、葬儀をすませてから各方面に訃報を伝えることが多いようです。この場合、まずはご遺族にお悔やみの連絡を伝え、弔問や香典の確認をします。その時に相手が香典を辞退した場合は、意向を汲んで郵送でも送ることはやめましょう。香典返しなどで相手に気を遣わせることになります。
香典辞退の場合のお悔みの仕方
ご遺族による香典辞退の意向が示されている場合は、何も用意せずに家族葬に参列されてもマナー違反ではありません。ただし、供物や供花の辞退の意向がされていない場合は、これを贈ることもできます。
【供物】果物やお菓子、缶詰など
【供花】白い系の優しい色合いのもの
その場合は家族葬に限らず、会場の統一感をはかるために葬儀会社を通じて依頼するのが一般的です。祭壇の周りを飾っている花は、基本的には同じタイプの花で飾られています。これは宗教や遺族の意向に合わせて花を選んでいるからです。そのため葬儀社によっては、よそからの供花の持ち込みを禁止しているところもあります。
まずは喪主、または葬儀を取りまとめている親族に確認してみましょう。供物や供花もお返しを必要とするものなので、辞退している家族葬もあります。
- 【合わせて読みたい】
- 葬儀で香典辞退と言われたらどうする?供え物や供花は送る?家族葬の時は?
まとめ
一般葬ではなく家族葬を選ぶのは、故人やご遺族のさまざまな意向や事情があるからです。そのため、香典に関してもご遺族の意向を優先するのがマナーとなりますので、香典辞退が知らされていた場合はそれに従いましょう。
会葬者が良かれと思って無理に香典を渡したことで、香典返しなど逆にご遺族の負担が生じてしまうことがあるからです。とくに香典辞退が伝えられていなければ、香典に関しては一般葬と変わりません。
家族葬の香典に関するよくある質問
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