家族葬の挨拶状の書き方、例文、送る時期を詳しく解説!
- 2024年11月27日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
家族葬の挨拶状は、故人の死去と家族葬を知らせるため、葬儀後に落ち着いてから送ります。挨拶状は印刷でも問題なく、句読点を使わず、行頭を下げないことが重要です。
家族葬の報告や供物辞退の内容を含めます。
身内や近い親族、親しい友人などの少人数で行う「家族葬」では、葬儀前に訃報や葬儀の内容について、お知らせする範囲を限定しています。これは故人の遺志の場合もありますが、そもそも家族葬は最期の時間を少人数で静かに過ごしたいという遺族側の考えで行われるからです。従って家族葬にお呼びしなかった方々には、後日改めて訃報を兼ねた挨拶状を送ることになります。ここでは家族葬後に送る挨拶状の時期や書き方のポイントなどについて解説します。
目次
家族葬の挨拶状とは?
家族葬は、家族や近い親族、親しい友人などごく内輪で行う葬儀なので、参列者への案内は電話や口頭などでもかまわないでしょう。
したがってここでは「家族葬の挨拶状」とはすでに家族葬が終わった後に出すものを指します。これは参列しなかった(お声がけしなかった)方へ故人が亡くなったことを伝え、また、お知らせすることなくすでに家族葬を行なったお詫びをするものです。
挨拶状の内容については、後述の「家族葬の挨拶状のポイント」に詳しく述べているのでそちらを参照ください。
家族葬の挨拶状を送る時期
家族葬の挨拶状はいつ頃出したら良いでしょうか。これには明快なルールはなく、宗教や宗派にもよっても異なりますが、一般的には香典返しと同様に「忌明け」が一つの区切りになります。
仏教
忌明けとなる四十九日を過ぎたあたりが目安となります。
神道
忌明けとなる「五十日祭」からその後1ヶ月ぐらいが目安です。
キリスト教
プロテスタント系は1ヶ月後の記念式、カトリックは30日目のミサを目安にするといいでしょう。
家族葬でも直葬に近い形ですまし、ごく近い家族しか参列しなかった場合は、忌明けよりも早い時期(亡くなってから1週間から10日が目安)に挨拶状を送るのがいいでしよう。この場合、親族や親しい友人にもお知らせしていなかったので、忌明けよりも早く出してもマナー違反ではありません。
逆に法要から日数がたってしまった場合は、遅れたことで相手が失礼に感じる場合があるかもしれません。その場合は、挨拶状に書く葬儀の日付は月だけを記入するということもあります。
挨拶状は手書きではなく印刷でも良いか?
手書きではなく印刷したものを送ってもマナー違反ではありません。かつては毛筆で手書きの挨拶状を送っていましたが、時間がかかる上に読みやすいとは限らないので、今ではほとんどが印刷になっています。縦書きでも横書きでもかまいませんが、冠婚葬祭で使う文章に屋、句読点を省く慣習があります。
また、挨拶状を葬儀社に依頼することもできます。デザインや文面の自由度は高くありませんが手慣れており、頼むのにも手間がかかりません。
挨拶状と喪中はがきの違い
家族葬の挨拶状と喪中はがきでは、本来の目的が異なります。挨拶状は、故人が亡くなったこととそれをお知らせすることなく家族葬を行ったことを詫びるもの、喪中はがきは家族や近親者に年内に不幸があったため、新年の挨拶を欠礼させていただくものです。
ただし、時期によっては喪中ハガキと兼ねて挨拶状を出すこともあります。喪中ハガキを出すタイミングは、相手が年賀状を書き出す前の11月下旬から12月上旬です。その頃に四十九日などの忌明けになる場合は挨拶状を出すタイミングと重なるので、喪中ハガキと兼ねれば良いでしょう。それ以外の時期は、家族葬の挨拶状は適切な時期に出すようにしましょう。
家族葬の挨拶状を送る相手
挨拶状の送り先は、本来なら葬儀にお呼びする方たちです。つまり一般葬なら参列していただけるような方々と考えれば、どういった方々へ挨拶状を送るかイメージできるでしょう。漏れがないように、挨拶状を送るリストは故人に近い人同士で確認しましょう。
- 【合わせて読みたい】
- 【家族葬の香典返し】相場、品物、挨拶状のすべてが分かる完全マニュアル
家族葬の挨拶状の書き方のポイント
家族葬を行なった後に送る挨拶状の文面には、含むべきいくつかのポイントがあります。ここからはその項目とその理由を解説していきます。ここにあげた例文は横書きですが、実際は縦書きになります。
家族葬の挨拶状を書く時のルール
葬儀の挨拶状には、いくつかのルールがあります。
1.「、」「。」といった句読点は使わない
もともと日本語には句読点がなく、使われるようになったのは明治以降のことです。これは読みやすくするためですが、句読点を使わないことで相手に敬意を示します。
2.行頭を一字下げにしない
古来の和文では行頭の一字下げはありませんでした。これも読みやすくするために行われるようになったので、句読点と同じ理由で挨拶状には使いません。
3.季節の挨拶は使用しない
4.忌み言葉を使わない
「重ね重ね」「たびたび」といった重ね言葉のように、忌み言葉は、不幸が続くことを連想させるので使用しません。「四」「九」のように「死ぬ」「苦しい」を連想させる言葉ですが、日時を表す場合は問題ありません。例文にはない、自分で考えた文章を付け加える際は注意しましょう。
5.宗教用語は気をつけて使う
仏教以外の葬儀を行なった場合、仏教用語を使わないように注意しましょう。具体的には、戒名(法名)、冥福、供養、法要、法事、成仏などです。逆に仏式では、「天国」という言葉は使いません。
その他、神道の葬儀では、故人は家を見守る神様になるので、「永眠」は使ってはいけません。
6.「逝去」を使わない
「逝去」はもともと尊敬語なので、遺族から他の人に出す文章には使いません。最近では、使用例も見かけるようになってきましたが、抵抗がある人もいるでしょうから、なるべく使わない方がいいでしょう。
故人が亡くなったことを伝える
【例】父 鈴木〇〇儀 かねてより病気療養中のところ去る○月×日に△△歳にて永眠しました
挨拶状の冒頭に、まずは故人との関係、そして故人が亡くなったことを知らせます。死因については、病死以外は明記しないことが多いようです。特に病気でなく、寿命の場合は「天寿を全うしました」でもいいでしょう。また故人の年齢を記すこともあります。ちなみに「儀」は「私儀」のように、自分自身や身内のものに関するへりくだった謙譲表現です。
家族葬として執り行ったことのお詫び
【例】故人の生前の意向により 葬儀は身内のみで相済ませました
家族葬は一般葬と異なり、声をかけられないと参列できないのがマナーです。そのため挨拶状では、声をかけなかった人に対してのお詫びの気持ちを述べることも重要です。特にお詫びの言葉を明記しなくてもいいのですが、入れる場合は
と付け加えると良いでしょう。また家族葬は「故人の遺志」であることを入れると、相手も納得しやすいでしょう。
続けて仏式の葬儀で、四十九日法要の後ならば下記のように加えても良いでしょう。
お花・不祝儀・供物を辞退する場合その旨を伝える
事後報告ですが、一般葬なら参列を希望していた人から香典(仏式以外なら不祝儀)、供花、供物が贈られる場合があります。
お返しが手間ということもあり家族葬ではそれらを辞退する場合が多く、辞退するなら相手に気を使わせないためにも書き加えておくようにしましょう。ただし、辞退しないといけないわけではありません。
生前にお世話になったお礼をする
【例】故人が生前に賜りましたご厚情に深く感謝し 慎んで御礼申し上げます
挨拶状は故人が亡くなった報告をするだけではなく、生前に受けたご厚誼についてお礼を伝えるためのものでもあります。最後に一文を付け加えるのを忘れずに。
日付・喪主の住所・名前を添える
令和△年○月×日
東京都千代田区○○○1-2-3
喪主 ○○○○
最後に日付と喪主の住所と名前を記します。西暦でなく元号が一般的です。また数字は縦書きなので漢数字で記すのが良いでしょう。電話番号は記載しないのが一般的です。
家族葬の挨拶状の例文
【例文】簡潔なパターン
本人の遺志により 葬儀は近親者のみで執り行いました
なお香典 供花 供物につきましてはご辞退させていただきます
生前賜りましたご厚誼につきまして厚く御礼申し上げます
令和△年○月×日
東京都千代田区○○○1-2-3
喪主 ○○○○
【例文】仏式のものでやや長めのパターン
謹んで御通知します
故人の生前の意向により 葬儀は身内のみで相済ませました
お知らせが遅れたことを心よりお詫び申し上げます
また○月×日に四十九日法要と納骨を済ませましたことも 合わせてご連絡申し上げます
なお 誠に勝手ではございますが香典 供花 供物はご辞退させていただきます
故人が生前に賜りましたご厚情に深く感謝し 慎んで御礼申し上げます
令和△年○月×日
東京都千代田区○○○1-2-3
喪主 ○○○○
家族葬の挨拶状のまとめ
家族葬の挨拶状を送るのは、四十九日などの忌明けのタイミングとなります。挨拶状には故人が亡くなったこと、家族葬として葬儀を済ませたお詫び、香典(不祝儀)を辞退する場合はその旨、生前の御礼などを書きます。挨拶状には忌み言葉などの約束ごとがあるので注意しましょう。自分でパソコンなどでも作れますが、改まった文章になるため句読点は省いたほうが良いでしょう。手間なら葬祭業者に発注することもできます。
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
家族葬終了報告を目的とした挨拶状を出すケースは、実際はそう多くありません。故人の交友関係が広い場合は出すこともありますが、それくらいネットワークを持っている方だと、一定の規模で葬儀を行うか、後日お別れの会などで改めて告別の場を設けるケースが多いようです。