お葬式の参列でご遺体と顔合わせはできる?顔合わせの作法や安置の疑問点を解説
- 2024年04月23日
お葬式手配の「よりそうお葬式」
お葬式に参列する際、「ご遺体と顔合わせはできるのか」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的に参列者はご遺体と顔合わせ可能ですが、作法を覚えておかないと失礼に当たることもあるため、注意が必要です。
この記事では、ご遺体と顔合わせはできるのか、顔合わせの作法やエンゼルケアの役割、お身体を安置する際の疑問点などについて詳しく紹介します。
ご遺体と顔合わせはできる
ご遺体との顔合わせは可能です。ご遺体と顔を合わせる機会は、逝去後の安置室もしくは告別式となります。
お通夜のときに設けられる機会でも顔合わせが可能なため、ご遺体との顔合わせをお考えの方は参列するお葬式の内容に併せて行いましょう。
ご遺体との顔合わせは「顔を見られる状態(自然死・死化粧)」であることが前提ですが、安らかにお眠りになっている場合は顔合わせの機会が設けられます。
ただし、お亡くなりになられた状況によっては顔合わせが難しい場合もあるため、詳しくは参列するお葬式の喪主もしくはご家族に確認するのが賢明です。
ご遺体との顔合わせの作法
ご遺体との顔合わせを行う場合は、マナーを守ることが重要です。ここでは、ご遺体との顔合わせにおける作法について解説します。
棺に納められている場合
棺に納められている場合、まずはご遺体からやや離れた位置で深く一礼しましょう。
棺の小窓がすでに開いている場合は、そのまま近づいて故人さまのお顔を見ます。閉まっている場合は、本人のご家族が扉を開けてから近づいて見るのが一般的です。
なお、顔合わせの際は棺にはなるべく触れないようにしてください。あくまでも顔合わせでは、故人さまのお顔を拝見するだけにしましょう。
布団で眠っている場合
布団で眠っている場合、まずは枕元よりもやや下の位置に正座しましょう。
両手をついて深く一礼するとご家族が顔にかけている白布を外してくれるため、膝をついたまま顔に近づき、両手を膝の上に置いたまま顔を見ます。
最後は故人さまへの冥福の祈りとして一礼と合掌を行い、枕元からやや引いて再度しっかりと一礼するのが一般的です。
なお、顔合わせの際は故人さまのお身体や白布に触れてはいけません。他にも、お葬式の形式や信仰する宗教により対面時のマナーは変わるため、事前に確認しておきましょう。
ご家族に言葉をかける
故人さまとの顔合わせでは、ご家族に暖かい言葉や穏やかな言葉をかけるのが一般的です。
ただし、どのような言葉をかけるべきか迷ってしまうこともあるため、あらかじめ次のような言葉を用意しておくのがマナーとなります。
- 謹んでお悔やみ申し上げます。
- 安らかなお顔で眠っていますね。
ご家族にかける言葉は決まっているわけではありませんが、あまりにも冗長な挨拶はマナー違反とされるため、端的な言葉で切り上げるのが一般的です。
どうしてもご家族に言葉をかけたい場合は、故人さまとの顔合わせのときではなく他のタイミング(お通夜・告別式)で行ってください。
大切なのは気持ち
故人さまとの顔合わせでは、「挨拶をしたい」「きちんとお別れしたい」という気持ちが大切であるため、作法に縛られる必要はありません。
最低限のマナーを守っておけば、特に問題になることはないでしょう。
ただし、最低限の作法を守らないと失礼に当たる可能性もあるため、「お身体には触れない」「棺・白布には触れない」などの暗黙の了解は守らなければなりません。
故人さまへの気持ちを間違った方法で表さないためにも、最低限のルールは守りましょう。
取り乱さない
故人さまとの関係によっては、お亡くなりになったことを受け止められず、泣き崩れてしまうこともあるかと思います。
もちろん、状況が状況だけに悲しみを溢れさせても問題ありませんが、顔合わせの際に取り乱してしまうのはマナー違反とされるため注意しましょう。
故人さまのお身体を目の前にすると感情を抑えられなくなる可能性もありますが、冷静さを保ちながら顔合わせするよう心がけることが重要です。
決して「悲しみを堪えるべき」という意味ではありませんが、ご家族以上に泣き叫んだりするのはお葬式ではマナー違反となってしまいます。
そのため、顔合わせの際は自分自身の心の準備も整えてから望みましょう。
【ご遺族向け】エンゼルケアの役割
エンゼルケアは故人さまへ施すさまざまな措置のことを指します。ここでは、ご遺族の方に向けてエンゼルケアの役割について解説します。
医療器具の除去
エンゼルケアには、医療器具を除去する役割があります。
病院でお亡くなりになった場合は医療器具が装着されていることがあり、過去の怪我や病気によっては体内に医療器具が挿入されていることもあります。
エンゼルケアでは、それらの医療器具を除去するのが一般的です。
法律で定められているわけではないものの、病院の方針やご家族の希望によって行われるのが通例で、病院でお亡くなりになられた場合は看護師の方が行います。
なお、自宅でお亡くなりになられた場合も業者に依頼すると医療器具の除去を行ってもらえますが、別途で費用がかかることがあるため、注意しましょう。
故人さまのお身体の安置・処置
エンゼルケアは、故人さまのお身体の安置・処置を行う役割もあります。
基本的には死後処理から死化粧までの一連のケアを指し、故人さまが安らかにお眠りになれるようサポートしてくれるのが本来の役割です。
日本では、「お亡くなりになってから24時間以内に火葬してはいけない」という法律があるため、最低でも24時間は故人さまのお身体を安置する必要があります。
そのための処置を行うのがエンゼルケアです。実際に、エンゼルケアを行うことで故人さまの火葬までの準備が整い、安らかにお眠りいただけます。
なお、ご遺体の安置・処理には特殊な方法としてエンバーミングと呼ばれるものもありますが、エンゼルケアとは別物であるためご注意ください。
エンバーミングは、別名「遺体衛生保全」や「死体防腐処理」と呼ばれるもので、故人さまのお身体の一部を切開して体液を輩出し、防腐剤を注入する行為を指します。
また、エンバーミングではご遺体の修復も可能です。
エンバーミングを行うことで故人さまのお身体を常温でも保管できるようになる他、長期間の保管でも感染症が広がる心配がないため、エンゼルケアと合わせてご検討ください。
ご遺体の整顔・化粧
エンゼルケアでは、故人さまの整顔・化粧を行うこともあります。
お葬式に備えて、故人さまのお身体の見た目を整えるのもエンゼルケアの役割の1つです。
男性の場合は髭を剃ったり、女性の場合は化粧を施したり、性別に関係なく故人さまのお身体を綺麗にするのがエンゼルケアの役割となります。
【ご遺族向け】ご遺体を安置する際の疑問点
故人さまの状況によっては、自宅にご遺体を安置する必要があります。ここでは、故人さまのお身体を安置する際の疑問点について解説します。
基本的な安置方法
自宅の場合、故人さまのお身体は涼しいところに安置するのが一般的です。
自宅は常に空調が整っている葬儀社とは異なります。部屋の温度に左右され、高温だと腐敗が進みやすくなってしまうため、基本的には涼しいところに安置します。
お亡くなりになってから24時間以内は火葬できないため、冬場は暖房を調整しつつ、夏場は18度以下に保つようにしましょう。
ただし、葬儀社に依頼すれば対応してくれるため、故人さまのお身体の安置で悩む必要は基本的にはありません。
棺があればドライアイスで保冷できるため、不明点があれば早めに葬儀社に相談しましょう。
ご遺体には触れてもいい?
故人さまのお身体は、ご家族が直接触れてお手入れをすることは原則ありません。
病院でお亡くなりになられた場合は、医師をはじめ病院のスタッフが対応してくれる他、自宅の場合でも葬儀社のスタッフが対応してくれます。
「自分自身で綺麗にしてあげたい」という気持ちはわかりますが、ご遺体のケアを含めた対応は専門スタッフに任せるのが賢明です。
髭や化粧はどうすればいい?
ご遺体の髭を剃ったり、化粧を施したりするのも基本的には病院のスタッフもしくは葬儀社のスタッフにお任せするのが賢明といえるでしょう。
ご遺体を安置していると無精髭が気になったり、血色が気になったりすることもありますが、ご家族が自ら髭を剃ったり化粧を施したりするのは避けた方が良いでしょう。
もちろん、ご家族であれば故人さまのケアを行うことは可能ですが、慣れていない状態で髭を剃ったり化粧を施したりすると、故人さまのお身体に傷が付いてしまう可能性もあります。
故人さまをお葬式の前に綺麗にしてあげたい場合は、葬儀社スタッフに任せましょう。
ご遺体のお身体の目や口が開いたらどうすべき?
ご遺体の目や口が開いてしまった場合も、原則は病院のスタッフや葬儀社のスタッフに任せるのが賢明です。
お亡くなりになられた状況によっては、目や口が開いてしまうことがありますが、プロに任せれば安らかに眠っているように整えてくれます。
自宅でお亡くなりになられた場合は、手で押さえて5秒ほど待てば自然に閉じられることもありますが、無理に閉じようとしようとすると故人さまのお身体を損傷させてしまうかもしれません。
ご遺体を傷つけてしまうとご家族自身がショックを受けることもあるため、極力は病院のスタッフもしくは葬儀社のスタッフに対応してもらいましょう。
ご遺体のお身体に出血がある場合はどうすべき?
まれにご遺体から出血する場合がありますが、この場合も専門スタッフに相談しましょう。
目の前の光景にパニックになってしまうかもしれませんが、まずは慌てずに深呼吸して、故人さまのお身体には触れないようにしつつ速やかに病院もしくは葬儀社に連絡します。
肝臓の疾患があった場合は腹水が溜まっている可能性もあるため、専門スタッフに対応してもらいましょう。
ご遺体の顔と表情の関係
最後に、ご遺体の顔と表情の関係について解説します。
お亡くなりになられた際の顔と表情は関係ない
故人さまがお亡くなりになられた際、最後の表情が顔に現れると勘違いされている方も稀にいますが、顔と表情には関係がありません。
確かに、安らかにお亡くなりになれた場合は、優しい表情のままになることもあります。
一方、表情が強張っているように見える場合は、「怪我が痛かった」「病気が苦しかった」と解釈する方もいますが、基本的には顔と表情には因果関係はありません。
医学的には、顔の筋肉が弛緩することで表情が和らぎ、優しい表情になることが多いとされています。
顔はエンゼルケアで綺麗にしてもらえる
故人さまのお顔は、エンゼルケアによって綺麗にしてもらえます。
仮にお亡くなりになられた後の表情が強張っているように見えても、エンゼルケアによって優しい顔に整えてもらうことが可能です。
病院の看護師はもちろん葬儀社の方の手によって綺麗に整えてもらえるため、安心して任せてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ご遺体との顔合わせは、逝去後の安置室もしくは告別式などのタイミングで可能ですが、取り乱さないよう冷静に行う姿勢が求められます。
ご家族との挨拶においても、暖かい言葉や穏やかな言葉をかけるのが一般的で、顔合わせに行く参列者は作法を守ることが重要です。
よりそうお葬式では、お葬式全般のご相談はもちろん、ご遺体のお身体を綺麗に整える「湯灌」「ラストメイク」も対応させていただいています。
オプションを追加いただくことで、昔ながらの拭き取りと着替えを行う「古式湯灌」、お風呂やシャワーを使用したお清めを行う「湯灌」に対応可能です。
ラストメイクにも対応しておりますので、故人さまのために何かしてあげたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、当社では初めてのお葬式で「何から着手すればいいかわからない」という方に向けて、最適なサポートをご用意しております。
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