法事・法要とは?お供え物の選び方や渡し方、マナーを紹介
- 2024年08月26日
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法事・法要とは、故人さまを偲んで冥福を祈るための追善供養のことです。そして法事に招待された場合、参列する際にお供え物を持参するケースもあります。お供え物は故人さまへの供養や、法事の手配をしてくれたご遺族に感謝を伝える役割です。
お供え物を用意するにあたって、「何を持って行ったらいいのかわからない」「香典と別に必要なのか」など、疑問や不安に感じることもあるでしょう。
この記事では、法事・法要とはどんな儀式なのか?法事。法要に招かれた場合に知っておきたいお供え物のルールやマナー、選ぶポイントを紹介します。
目次
法事・法要とは
法事・法要とは、故人さまを偲んで冥福を祈るための追善供養です。ここでは、法事・法要について詳しく解説していきます。
法事と法要の違い
法要はご遺族や親族、知人が参列する儀式であるのに対し、「法事」は法要のあとの会食も含めた供養のことをいいます。
法要は追善供養と呼ばれる場合もあり、僧侶の読経や参列者によるお焼香を通し、故人さまの冥福を祈る儀式です。もともと法要には、お坊さんが仏教の教えを広める目的があります。
一方、法事は故人さまの冥福を祈り、家族や親族、知人が集まる仏教行事全般を指します。そのため、お盆やお彼岸供養なども法事です。
一周忌や三回忌のことを法事と呼んでも間違いではありませんが、法要と呼ぶ方が適切です。
法事の中に法要が含まれるため、両者を混同する場合もありますが、厳密には意味が異なることを覚えておきましょう。
法事・法要の目的
法事・法要は、故人さまの冥福をご遺族や親族、知人などで祈る儀式です。
仏教において人間は輪廻転生すると考えられており、逝去してから49日後に生まれ変わる世界が決められるといわれています。
逝去してから49日が過ぎるまでは、故人さまの魂の行き場がありません。
仏教ではこの期間を中陰といい、故人さまの魂が生まれ変わる世界を決める裁判が7日ごとに行われるとされています。
仏教では、生きている人の善行はお亡くなりになった人の善行になると考えられているため、法要という善行を行います。
また、それ以外にも仏様への感謝の気持ちを伝え、故人さまをよりよい世界に導いてもらうために法要を行います。
※一般的に浄土真宗では、年忌法要は行われますが、「臨終即往生」の考えから、それぞれの法要で追善供養をする習慣はありません。
故人さまがお亡くなりになってから1年までの法事
故人さまがお亡くなりになってから1年までに行われる法要を忌日法要といいます。忌日法要は命日から以下のように7日ごとに行われます。
- 初七日:命日から7日目
- 二七日:命日から14日目
- 三七日:命日から21日目
- 四七日:命日から28日目
- 五七日:命日から35日目
- 六七日:命日から42日目
- 七七日(四十九日):命日から49日目
- 百カ日:命日から100日目
最近では繰り上げ法要や繰り込み法要といって、お葬式の日に初七日法要を行う場合もあります。また、二七日法要から六七日法要までは省略し、四十九日法要のみとするケースも多いです。
百カ日は故人さまの命日から100日目に行われる法要で、「卒哭忌(そっこくき)」と呼ばれています。ご遺族が故人さまを失った悲しみから解放される日として、親族と僧侶のみで法要を執り行うケースもあります。
故人さまがお亡くなりになってから1年以降の法事
故人さまがお亡くなりになってから1年以降に行われる法要を年忌法要といいます。年忌法要は命日から以下のように1年ごとに行われます。
- 一周忌:命日から1年目
- 三回忌:命日から2年目
- 七回忌:命日から6年目
- 十三回忌:命日から12年目
- 十七回忌:命日から16年目
- 二十三回忌:命日から22年目
- 二十七回忌:命日から26年目
- 三十三回忌(年忌明け):命日から32年目
命日から1年目を一周忌といいますが、それ以降の年忌法要の呼び方は「〇〇回忌」です。回忌は命日を1回忌とするため、3回忌は命日から2年目、7回忌は命日から6年目となります。
一周忌は年忌法要の中でも大切な法要とされており、僧侶や親族、生前に故人さまと縁のあった人が出席するのが一般的です。
三回忌までは法要を執り行うケースが多いですが、それよりあとの法要は執り行わないケースも増えています。
なお、三十三回忌を年忌明けとするケースが多いですが、百回忌まで行うところもあるなど、家庭や地域によってどこまで年忌法要するかは異なります。
よりそうお坊さん便では法要日程がわかる、法要の日取り計算表もあります。ぜひご活用ください。
法事・法要のお供え物のルール
法事・法要ではお供え物が必要になる場合もあります。ここでは、法事・法要のお供え物のルールを紹介します。
お供え物が必要になる法事・法要
お供え物が必要になる法要は、一般的に初七日と四十九日です。すべての法事でお供え物が必要になるわけではありません。
なお、年忌法要は地域によって異なるものの、七回忌までは持参し、それ以降は不要とする場合が多くなっています。
可能であれば、お供え物を持参するかどうか参列者同士で事前に話し合っておくと安心です。
お供え物は持参しなくてもマナー違反ではない
法事にお供え物を持参しなくてもマナー違反にはなりません。
お供え物は絶対に必要という性質のものではなく、実際に持参せずに法事に参加する人も多くいます。ただし、特に取り決めがないのであればお供え物を持参した方が丁寧です。
お供え物は故人さまに捧げるものである一方、法事の手配をしてくれたご遺族へのお礼としての意味合いもあります。
そのため、手土産に代わるものとしてお供え物を用意するケースも少なくありません。
場合によっては、お供え物を他の親族へのお土産に持たせたり、その場で開封して使用することもあります。そのため、特段の事情がなければお供え物を持参した方がスマートです。
お供え物を持参した方がいいケース
お供え物を持参した方がいいケースとして挙げられるのは、親戚の法事に参列する場合です。特に、ご家族やご夫婦で参列する際には持って行った方が無難でしょう。
親族同士で事前に話し合いができるような状況なら、お供え物が被らないように調整しておくことをおすすめします。
ただし、親族のお葬式や法事であっても法事にお供え物を持参しないのが一般的であれば、持参の必要はありません。
持参するかどうか迷っている場合は持参することをおすすめします。なぜなら、お供え物を用意していたことが問題視されるケースはほとんどないためです。
地域によるお供え物のルールの違いに注意
法事に参列する際には、地域によるお供え物のルールの違いに注意しましょう。法事に出席する際にお供え物を持ち寄る風習もあるため、親族に確認しておくと安心です。
また、必ずしもお供え物を持参しなければならないわけではなく、地域によっては「御供物料」として現金を包む場合もあります。
一方で、現金で渡すことが失礼と考えられている場合もあるため、不安に感じる場合は合わせて確認しておきましょう。
お供え物の金額相場
「御供物料」として現金を包む場合、法要のみで会食に参加しないのであれば5,000円前後が相場とされています。会食に参加する場合は、食事の費用を考えると10,000円から15,000円程度と考えるのが良いでしょう。
お供え物を現金でなく品物で持参するときも、だいたい目安として5,000円から10,000円の間くらいの品物を選ぶようにします。
高価すぎるものは控える
お供え物は高価すぎるものは控え、相場内に収めることが望ましいでしょう。
中には、故人さまやご遺族にお世話になったという理由で高価なお供え物を送りたいという方もいるでしょう。
明確な金額の決まりはないものの、高価すぎるものはご遺族に気を使わせてしまいます。
さらに、高価なお供え物を受け取ったご遺族は返礼品も考える必要が出てくるため、場合によっては負担をかける可能性もあるでしょう。
一方で、安すぎるお供え物も失礼にあたる場合があるため、安ければいいというわけでもありません。
お供え物を渡すタイミング
お供え物は、施主に挨拶をしたタイミングで渡すのがよいでしょう。
法要会場のように自宅とは別会場で法事が執り行われる場合は、会場入口や親族の控室に渡します。
法事を自宅で執り行ったり、弔問したりする場合は、玄関で出迎えられた際に渡すのが一般的です。
また、故人さまの遺影に挨拶をしてから渡したい場合は、お線香をあげて少し落ち着いてから渡したのでも問題ありません。
お盆やお彼岸のように帰省ができない場合、お供え物を宅配便で送ることもできます。
このケースであれば、法要の真っ只中はご遺族も慌ただしいため、法要の2日~3日前に届くように送るのが丁寧です。
お供え物の渡し方のマナー
お供え物を施主に渡す際には、袋から取り出して「御仏前にお供え物ください」と伝えるのがマナーです。
ひとこと添えることによってご遺族もお供えものであることがわかり、どのような贈り物なのかもすぐに判断できます。
お供え物を入れていた袋は、ご遺族に手間がかからないようにするためにも自分で持ち帰りましょう。
お供え物を袋に入れずにそのまま持参することもマナー違反となるため、法事に車で行く場合も袋に入れて持参し、渡すタイミングで取り出します。
また、お供え物を施主以外に渡すことや直接仏壇に備える行為はNGで、お供えものを宅急便で送る場合は手紙を添えておきましょう。
いきなり宅急便で送った場合は再配達や保管に手間がかかるため、事前にお供え物を送ることを忘れないように伝えてください。
お供え物をいただく場合について
ご遺族から法事後にお供え物を配られた場合は、ありがたく頂いて帰りましょう。法事ではお供え物が豊富に寄せられた場合、参列者に持って帰ってもらうケースもあります。
地域や家庭のルールによっては、頂いたお供え物は参列者に持ち帰ってもらうのが基本の場合もあります。
ただし、法事の場でみんなが頂いたり、ご遺族が持ち帰ったりするケースもあり、取り扱いはさまざまです。基本的にはご遺族の意向に合わせて対応するのがよいでしょう。
おすすめのお供え物
法事・法要で持参するお供え物はどのようなものがよいのでしょうか。ここでは、おすすめのお供え物を紹介します。
お供えの「五供」とは
お供え物は、「五供(ごく)」と呼ばれる考えに基づいて用意するのが基本です。五供は以下の5つが基本とされています。
- 香:お線香
- 灯明:ろうそく
- 花:生花や造花
- 飲食:ご飯やお菓子、フルーツなどの食べ物
- 浄水:水やお茶などの飲み物
この中でもお供え物として持参することが多いのは、花や飲食です。
なお、五供にはそれぞれ意味合いがあります。例えば、花であれば「その花のように心清らかにいてほしい」という考えに基づくものです。
五供を基本供養とすることは宗派や地域で共通しているものの、供養に使う仏具や個数、数え方などには違いもあります。
お供え物におすすめ1:お菓子/菓子折り
お菓子や菓子折りをお供え物を選ぶなら、日持ちするものが良いでしょう。
洋菓子であればマドレーヌ、クッキーがおすすめです。生クリームのついたケーキなどは避けましょう。
せんべいや羊かん、最中などの和菓子も人気です。特に小豆を使ったお菓子は昔からお供えとして重宝されてきました。
そのため饅頭、団子は定番なのですが、地域によっては手作りしてお供えする場合もありますので親族などに確認して用意することをおすすめします。
お菓子などは、持ち帰りのしやすい個包装になっている品を選ぶようにしましょう。
お供え物におすすめ2:果物
お供えには丸いものが良いとされているため、果物もおすすめです。
場所や時期によっては、果物をお供え用にセットで販売してくれているところもあります。果物の中でも梨、リンゴ、ブドウ、オレンジ、桃、メロン、すいかなどが定番です。
果物の種類については特に決まりはありませんが、早く傷んでしまうものや臭いのあるもの、果汁が出やすいものはお供えに向きません。
お供え物におすすめ3:お酒
生前、故人さまがお酒好きだった場合は、ビールや日本酒などをお供え物するのもよいでしょう。
お酒は故人が好きだった銘柄のものであれば、在りし日の故人さまを思い出し、偲ぶきっかけになるでしょう。
ただし、宗派や地域の風習、ご遺族の意向でお酒はNGのケースもあるため注意が必要です。
お供え物におすすめ4:花
お供え物の定番として花があります。切り花は花瓶の用意が必要となるため、アレンジメントされているものがよいでしょう。
また、四十九日法要までは胡蝶蘭、菊やユリなどがふさわしいとされています。それ以降であれば、色のある花などをお供えしても良いとされています。
法事・法要で避けた方がいいお供え物
法事・法要のお供え物は、五供に関連するものなら何でもいいわけではありません。ここでは、法事・法要で避けた方がいいお供え物を紹介します。
香りの強い花・線香・食べ物
香りの強い花や線香、食べ物は、法事のお供え物には向いていません。
仏教では刺激的な香りのあるものは五辛と呼ばれており、修行の妨げになると考えられています。また、仏様も香りを食べるという考えがあるため、きつい香りを放つものはお供え物として適切ではありません。
香りが強い食べ物には、にらやニンニク、パクチー、マンゴーなどがあります。花であれば、ユリやクチナシ、キンモクセイなどは香りが強いため控えた方がよいでしょう。
お肉、お魚
仏教では殺生を禁じていることから、お肉やお魚をお供え物とするのはNGです。
これらは四つ足生臭と呼ばれており、生ものはすぐに傷んでしまうという意味合いでも、お供えには向いていません。
ただし、「お亡くなりになった故人さまが好きだった食べ物をあげたい」という考えから、お肉やお魚を供えたい方もいるでしょう。
このような場合、傷まないようにお供えしたあとはすぐに下げるなどの工夫をすれば、お供えしても問題ないケースもあります。
参列者としてお肉やお魚などのお供え物を持参する際には、必ずご遺族に事前確認しておくことが大切です。
常温で保存できず日持ちしにくいもの
常温で保存できないものや、日持ちしにくいものもお供え物には不向きです。
法事で持参したお供え物は仏前にお供えしたあとにご遺族がいただいたり、参列者に配ったりします。
常温で保存できないものや日持ちしにくいものは、消費期限を気にしなくてはなりません。
その日のうちに消費できるとは限らないため、常温で保存ができて、なおかつ日持ちするものがよいでしょう。
また、夏場のチョコレートのように室温によって溶けてしまうお供え物は、短時間でも仏壇を汚してしまう可能性もあります。
故人さまが好きだったという理由で、これらをお供え物として持参したい場合は、必ず事前にご遺族の許可を得ましょう。
毒やとげのある花
毒やとげのある花も流血や死を連想しやすいため、お供え物には不向きです。
トゲがある花には、バラやサボテン、アザミが挙げられ、毒がある花にはスズランやスイセン、彼岸花などが挙げられます。
ただし、トゲがある花については故人さまが生前好きだった場合、トゲをすべて取り除いてから備えるのであれば問題ありません。
地域や宗派によってお供えする花に関するマナーは異なるため、わからない場合は事前に親族に確認しておくと安心です。
また、毒やトゲのない花であっても、散った花びらで仏壇を汚さないようにするために、傷みやすい花は避けた方がよいでしょう。
お供え物の包み方に関するマナー
お供え物は包み方にもマナーがあります。ここでは、お供え物の包み方を紹介します。
のし紙
弔事用のし紙は包装紙の上から貼り、水引の下に参列者の代表名をフルネームで書きましょう。
お供え物につける包装紙の下に弔事用のし紙を貼ってしまうと、誰からのお供え物かわからなくなるので注意が必要です。
夫婦でお世話になった場合は、下の名前を連名にします。名前が5名以上になるときは「○○一同」と書くのがよいでしょう。
水引
お供え物の水引は四十九日までは白黒を使用し、四十九日以降は双銀のものを選びます。
弔事用のし紙の水引は、一度結ぶとほどけない「結び切り」になっており、これは人生に一度きりで良いことに使われるものです。
三回忌以降は黄白が一般的とされていますが、関西などでは四十九日以降から黄白の水引を使うようです。地域により違ってくるため確認しておきましょう。
表書き
表書きは、仏教だと四十九日前でなら「御霊前」が正式です。
浄土真宗は、人が逝去したらすぐに仏になるとされるためお葬式から「御仏前」となります。
宗派によって変わるため、分からない場合は「御供」「粗供養」とするとよいでしょう。
四十九日以降の表書きでは、成仏し仏となったと考えるため、正式には「御仏前」または「御佛前」となります。こちらも「御供」「粗供養」としても問題はありません。
法事・法要でのお供え物に関するよくある質問
ここでは、法事・法要におけるお供え物に関するよくある質問をまとめています。
法事・法要は故人さまの死後、供養として行われるものをいいます。
法要は、読経してもらうなどの供養の儀式のことを指します。お亡くなりになってから49日後に行う四十九日法要は特に大切な法要の一つとされ、お墓などへの納骨が行われます。
法事とは、その法要や、その時に行う会食などを含めたものを指し、行う内容や規模がその時々で変わってきます。
「御供物料」として現金を包む場合、法要のみで会食に参加しないのであれば5,000円前後が相場とされています。
会食に参加する場合は、食事の費用を考えると10,000から15,000円程度と考えるのが良いでしょう。お供え物を現金でなく品物で持参するときも、だいたい目安として5,000円から10,000円の間くらいの品物を選ぶようにします。
まとめ
法事・法要は、故人さまを偲んで冥福を祈るための追善供養です。
法要には初七日や四十九日のような忌日法要や、一周忌や三回忌のような年忌法要があります。
いずれの場合も法要に参列する際にはお供え物を持参した方がいいケースもあるため、ぜひ本記事を参考にしてください。
また、お供え物のルールやマナーは地域や家庭、宗派による違いも大きいため、不安に感じる場合は事前に確認しておく必要もあります。
お供え物は故人さまの冥福を祈るためのものであるため、故人さまやご遺族に失礼のないようにしましょう。
お葬式や法事のことなら、よりそうお葬式の「よりそうお坊さん便」にお任せください。
よりそうお葬式では専門相談員が、ご相談を承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
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