お盆(初盆)の準備は何からすればいい?|お盆はいつからいつまで
- 2023年02月13日
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故人が亡くなってから、四十九日の忌明け(きあけ)を過ぎて、初めて迎えるお盆のことを、「初盆(はつぼん)」もしくは「新盆(あらぼん、にいぼん)」と言います。
お盆は毎年夏になると訪れる、故人やご先祖様が家に戻られる日となります。 故人やご先祖様の霊をお祀りし、家族・親族や知人・友人を招いて法要を行います。
では、初盆は通常のお盆と何が違うのでしょうか。
こちらでは、初盆の法事・法要について詳しく説明していきます。 事前に知っておくことで、安心して初盆を迎えることができますので、ぜひ、参考にしてください。
なお、浄土真宗の場合、お盆に故人やご先祖様が戻って来られるということがありませんので、お盆の期間に特別な準備をすることはありません。
目次
お盆の時期と地域による違い
一般的に、お盆の時期は、地域によって異なります。 東京や横浜の一部の地域では、旧盆と言われる7月13日〜7月16日にかけて、それ以外の地域では新盆と言われる8月13日〜8月16日にかけての4日間にお盆を迎えます。
お盆の時期については、地域の慣習によりますので、事前に確認をしておくと良いでしょう。
では、初盆(新盆)と通常のお盆とでは、何が違うのでしょうか。 初盆は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆です。
通常のお盆と比べ、精霊棚(盆棚)と呼ばれる祭壇や盆提灯で、華やかなお飾りでお迎えするのが一般的です。
そのために、通常にお盆に比べ準備をすることが多くなりますので、早めに準備を始められることをお勧めします。
初盆・新盆の準備期間
初盆(新盆)の準備は何かと大変なことがあるかと思います。
しかし、故人が生前好きだった食べ物やお花など、故人を思い起こしながら準備をすることで、故人と過ごした時間を思い出し、故人を偲ぶ時間を過ごすことができます。
また、初盆で家族や親族、友人や知人が、故人の繋いでくれたご縁で、一同に会することができるのです。
そのご縁への感謝を伝えることは、とても大切なことです。 初盆の準備は、故人への感謝の念を表し、故人を思い起こす良い機会として、準備を進めてみてはいかがでしょうか。
準備を始める時期はそれぞれですが、だいたい、1ヶ月半から2ヶ月前に始めると全ての準備を滞りなく終わらせることができます。
1ヶ月前までに準備すること
まずは、1ヶ月前までに準備をすることを紹介します。
法事・法要の執り行う日時を確認
お盆の時期には、 大変混み合いますので、早めに日取りを決めることをお勧めします。 お盆の時期に法事・法要を執り行うのは、初盆だけではありません。
招待状の手配
招待をしたい方にも予定はありますので、なるべく早めに招待状を手配し郵送するようにしましょう。また、招待する方の人数の確認にもなりますので、この後に控えている準備をスムーズに進めることができます。
料理の手配
招待状が戻ってきて、人数が確定したら、料理の手配をします。
お盆の時期には、仕出し屋さんも忙しい時期となります。ご自宅で料理を準備されない場合は、早めに予約をしましょう。
返礼品の準備
法事・法要に参列してくださった方々にお礼として、返礼品を準備します。
盆の時期が近づけば、近くほど、デパートも忙しくなってきます。早めに注文をしておくことで、何かトラブルが発生した時や人数変更があった時に対応がし易くなります。
故人のために来て頂いた方々に失礼がないようにするためにも、早めの準備をお勧めします。
また、お葬式を執り行って頂いた葬儀社にお願いすることもできることがありますので、事前に確認されておくと良いでしょう。
お布施の準備
お布施は当日までに準備をしたら良いと思われがちですが、お布施を入れる不祝儀袋に決まりがあったり、お札の準備が間に合わなかったりということもあります。
また、金額で悩まれることもあるかと思います。 事前に菩提寺(手次寺)に確認をして、準備をしておきましょう。
当日までに準備すること
続いて、当日までに準備することを紹介します。
仏壇の掃除
通常の掃除と異なり、お仏壇の細部まで丁寧に掃除をします。
迎え火・送り火のおがらの購入
ホームセンターやスーパーで購入することができます。 ご自宅の環境によっては、地面に直接火を当てることができないこともあるかと思います。その場合、素焼きのお皿を置くなど、おがら以外の物を準備する必要がありますので、事前に、確認をしておきましょう。
また、迎え火・送り火に関しては、地域の慣習が大きく影響しますので、併せて確認をされておくと良いでしょう。
盆棚(精霊棚)の準備
故人やご先祖様の霊をお迎えするための棚となります。仏壇の前に設置し、お位牌を仏壇から盆棚に移します。
盆棚のお飾りに関しては、宗教・宗派によって異なりますので、事前に確認をしておきましょう。
なお、仏具店では、各宗教・宗派に合わせてセットになっているものを購入することができます。
精霊馬(しょうりょううま)と精霊牛(しょうりょううし)の準備
故人やご先祖様をお迎えし、お送りするために、キュウリやナスで作ります。
「霊が来るときには馬に乗って早く、帰るときには牛に乗ってゆっくり」という願いが込められています。
そのため、お迎えするときにはお仏壇側に向けて、お送りするときには外側に向けてお供えします。
盆提灯(ぼんちょうちん)の準備
盆提灯は、故人・ご先祖様の霊が迷うことなく家に辿り着くことができるように、お盆の間中灯しておく提灯となります。 盆提灯には白い提灯と絵柄の入った提灯の2種類がありますが、初盆では白提灯を準備しましょう。
初盆での盆提灯は、白提灯を玄関先やお仏壇の前に飾ります。 これは、初めて家に戻ってくる故人が、迷うことなく戻ってくることができるようにとの願いから飾ります。
白という色は、初めて故人をお迎えする色として、清浄無垢でふさわしい色とされていますので、ぜひ、白提灯を準備されることをお勧めします。
また、家庭や地域によっては、白提灯に家紋を入れる場合があります。その場合、家紋入れをお願いしてから手元に届くまでに期間を要しますので、注文をする前に制作期間を確認しておくと良いでしょう。
ちなみに、初盆で使った白提灯は、送り火で燃やすか菩提寺に持って行き供養してもらいます。菩提寺で供養をして頂く場合は、事前に確認を取っておきましょう。
お供え物の準備
初盆のお供え物は、季節の果物や野菜、供花、お線香、ロウソクが一般的です。 ロウソクは、白ロウソクを準備します。 また、初盆の際にはお団子を準備するのが一般的です。お供えする団子の種類に関しては、宗教・宗派によって異なりますので、事前に確認をしておきましょう。
お墓の掃除
迎え火を焚く前までに、お墓の掃除をします。 お迎えの当日、掃除をした後に迎え火を焚くこともありますが、掃除をする場合、掃除道具など持って行くものが多くあります。 日程的に余裕がある場合は、お盆より前に済ましておくと、安心してお盆を迎えられます。
新盆のお供え物
新盆を迎えるにあたり、お供え物として一般的に以下の物を準備します。
お供え物に関しても、宗教や宗派、地域によって決まっている場合は、そのしきたりに従いましょう。
お線香
お線香の香りは仏様の食事であるだけでなく、その場やそこにいる人を浄化してくれます。
最近は、様々な香りのお線香があります。故人が好きだった香りのお線香をお供えしても良いでしょう。
ロウソク
お線香に火を灯すために使います。初盆を含め、法要の際には白ロウソクを準備しましょう。
お花
仏花としては、香りの強い花やトゲのある花、傷みやすい花は良くないとされていますが、最近は、故人が好きだった花をお供えすることが多くなってきました。 しかし、初盆に来てくださる方の中には、しきたりを気にする方もいらっしゃいます。
特に、ご年配の方は気にされますので、気をつけましょう。
なお、初盆の時の仏花としては、白い菊をお供えすることが多いようです。
宗教・宗派によってはお供えする花が決められていることがありますので、事前に確認をしてからお供えしましょう。
浄水
浄水とは、浄化した水のことではなく、仏様にお供えする水のことを「浄水」と言います。
水道水で構いませんので、汲みたての水をお供えしましょう。
宗派によっては、浄水の上にミソハギの花を添えます。
浄飯
炊きたてのご飯をお供えします。
宗教・宗派によって、ご飯の盛り方が違いますので、気を付けましょう。
季節の果物
果物は丸いものが良いとされています。また、お供えするときには切らずにそのままお供えします。
代表的な果物としては、みかん、リンゴ、桃、メロン、スイカ、ぶどうなどになります。
季節の野菜
キュウリで作った馬とナスで作った牛をお供えします。
その他、とうもろこしやレンコン、かぼちゃ、いもなどをお供えする場合もあります。
そうめん
そうめんは地域性があるようですが、生麺のままお供えする場合と茹でたお素麺を汁の中に入れてお供えする場合があります。
団子
初盆では、お団子をお供えします。
お迎えの時、滞在されている間、お送りする時で、お供えする団子を変えます。
団子の種類としては、白団子や餡子、みたらしが一般的です。
お菓子
日持ちするおせんべいや落雁、クッキーなどが一般的です。
また、季節物である水羊羹やゼリーなどの水菓子も定番のお菓子としてお供えされます。
その他、故人が好きだった食べ物や飲み物をお供えしても良いでしょう。
新盆の行事の手順
新盆の行事の手順は、お盆の行事を行う宗派においては同じ手順となります。
こちらでは、一般的な手順についてご紹介していきます。
迎え火(8月13日)
8月13日の迎え火は、家族揃って行うことで、故人やご先祖様も喜ばれます。また、遠いところに住んでいるために、年に一度しか家族全員が集まることができないこともあり、家族の絆を深める良い機会となります。 ぜひ、家族で揃ってお迎えしましょう。
- 午前中に盆棚にお供え物をし、お迎えする準備をします。
- 菩提寺に行き、菩提寺にお参りをします。
- 墓石に行き、お線香を焚き、お供えしたロウソクの火で盆提灯に灯りを灯します。
地域によっては、自宅の門前もしくは玄関先で迎え火を焚きます。 - 灯りを灯した盆提灯を盆棚の両脇に飾ります。
- 盆棚にお参りをします。
お墓参りと法要(8月14日?8月15日)
8月14日〜8月15日の間に、招待した方々と揃ってお墓参りをし、僧侶による法要を執り行います。
なお、地域によっては、自宅で執り行う場合もあります。 お墓参りの後には会食を行います。会食の席では、故人の思い出話しなどをして過ごします。
送り火(8月16日)
8月16日は、戻られていた故人やご先祖様の霊が、戻られる日となります。
お見送りするのは、夕方になりますので、ぜひ、揃ってお見送りをしましょう。
- 最後のお供え、お参りをします。
- 夕方になったら、送り火を焚きます。
- 盆棚を片付けます。
- お位牌を仏壇に戻します。
なお、この期間に使っていた白提灯は送り火と一緒に燃やす、もしくは、菩提に持って行き供養していただきます。
法要の準備と知っておきたいこと
法要では、菩提寺の僧侶を招きますが、その際に必要となる準備や注意点についてまとめました。初盆は、何かと初めてのことばかりとなりますが、事前に準備をしておくことで、安心して初盆をお迎えすることができます。
ポイント①:菩提寺の僧侶には早めに連絡を取りましょう。
ポイント②:法要に招待する方には早めにお知らせしましょう。
ポイント③:僧侶へのお布施の準備をしておきましょう。
ポイント④:初盆に必要な物品の購入は、早めにしておきましょう。
ポイント⑤:会食用の料理は早めに予約しておきましょう。
早めの事前準備
初盆は、故人が亡くなられてから四十九日後に迎える初めて迎えるお盆です。
そのため、通常のお盆よりも正式な手順や華やかな形式で執り行われます。
しかし、予約が必要なところや購入する物に関しては、決して、初盆だけで必要なことではありません。
通常のお盆でも、念入りにされる場合は、初盆に近い準備をされます。
初盆で不慣れな分、早めに事前順を進められることをお勧めします。
まとめ
初盆についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
初盆ということで、何かと不安なことや不慣れなことが多いかと思います。また、宗教や宗派によっては決まりもあります。
こちらでは、一般的な初盆の迎え方についてご紹介していますので、細かいしきたりや作法については、ぜひ、菩提寺の僧侶や親戚の方、地域の方々に確認をしておくことをお勧めします。
お盆(初盆)の準備に関するよくある質問
- お盆とは?地域による考え方の違い
- 初盆の迎え火、送り火はいつ?提灯は必要なの?
- 初盆のお供えは何を用意する?
- お盆提灯の飾る時期は?夜中もつけたままでいい?
- お盆になすときゅうりを飾る牛、馬の意味って何?精霊馬の作り方は?
- 初盆の飾り付けって?各宗派の飾り方や祀り方をご紹介!
- 初盆(新盆)に必要なお布施の相場は?お布施の渡し方とタイミング!
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監修者のコメント
岩田 昌幸 一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
お盆期間中、盆棚や仏壇にお供えする花を盆花といいますが、かつては地域に生育する花をお供えしていたものでした。例えばオミナエシ、キキョウ、ヤマユリ、ミソハギなどを野山から採取してきたようです。