破魔矢とは?祀り方(飾り方)や由来、矢じりの向きについて詳しく解説
- 2022年04月15日
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お正月に神社や寺院にお参りすると、お守りやお札などと並ぶ縁起物として破魔矢(はまや)を見かけますよね。この破魔矢にはどのような由来や意味があるのでしょうか。
そして授与された破魔矢は自宅のどのような場所に祀るのが良いのでしょうか。今回は、その飾り方から処分の仕方までを解説します。
破魔矢の由来と意味
破魔矢は、おもに正月の縁起物として神社で授与される矢です。単独でも授かることができますが、「破魔弓(はまゆみ)」と言われる弓とセットにすることもできます。
破魔矢や破魔弓は、正月の縁起物以外にも男子の初節句や、新居を建てる際の上棟式といった神様に祈願するときにも使われることがあります。
破魔矢の由来ですが、もともと古代の正月に行われていた弓の技を試す「射来(じゃらい)」という年占いにあると言われています。
これは地区ごとに射来を競い、勝った地区は豊作に恵まれるという占いです。その競技に使われる的を「ハマ」、使われる矢を「ハマ矢」、弓を「ハマ弓」と呼日ました。そのうちに「ハマ」に「破魔」の字を当て、「魔を破る」という意味を重ねるようになったと言います。
古代の人々は弓矢には悪霊を追い払う力があると考えていたのです。
やがて武家の時代になり、男子が誕生すると初正月に破魔矢や破魔弓を贈る習慣が生まれました。江戸時代後期にはそれが庶民の間でも広がります。弓の方は省略されることが多くなりましたが、破魔矢は家内安全などの縁起物として、お正月に神社などで授けてもらうようになったのです。
破魔矢を祀る場所と飾り方
それでは授与された破魔弓を自宅に飾りましょう。粗末に扱わなければ置き場所には特に決まりはありませんが、次のような場所が一般的です。
神棚または床の間
ご自宅に神棚または床の間があれば、そこに飾るのが望ましいとされています。神様の縁起物ですので、目線よりも上の清らかな場所が良いでしょう。
玄関またはリビング
神棚や床の間がない場合は、他の縁起物など共に玄関の靴箱の上やリビングの棚の上に飾るという方もいらっしゃいます。外からの邪気や魔物を破魔矢が破るという意味で、玄関に置くという考えもあります。
家族が集うリビングに置くというのも、「魔除け」という意味からもいいでしょう。
どちらにせよ、神様から授かった縁起物なので、明るく清らかで、見下ろしたりしない場所が良いでしょう。
破魔矢の矢じりを向ける方角は?
破魔矢の置き方には上下があります
破魔矢の飾り方ですが、破魔矢には上下があり、羽がついている方が上になります。逆に矢じりを上に向けることは、天に向かって矢を射ることになるので禁じられています。
破魔弓とセットになっているばあいは、ガラスケースの中に固定されているのですが、神社などで授かってきた場合は破魔矢だけになります。その場合は、破魔矢立てを購入して立てるか、横に置くといいでしょう。破魔矢立ては神社以外でも仏具店やネット通販で購入できます。
破魔矢の矢じりの方向は?
その方の考え方にもよりますが、決まった方向はなく、特にこだわらなくても良いとされています。ただし家を建てる上棟式の場合は、鬼門と裏鬼門に当たる北東と南西に矢を向けるのが慣わしとなっています。これはそれぞれの方位から入ってくる魔を防ぐためと言います。
2021年の方角
また、その年の凶の方角に破魔矢を向けるという考えもあります。凶の方角とは、その年の干支の方角の反対で、2021年は丑年なので未の方角(ほぼ南南西)になります。破魔矢を授かるときに神社などで確認しておくといいでしょう。
破魔矢の処分方法について
破魔矢は前年にそれを授与された神社を納めるのが基本ですが、どうしても行けない場合は近くの神社でも納めることができます。
破魔矢の効力は、お神札やお守りなどと同様に一年です。破魔矢を授与されるのはお正月が多いと思うので、翌年の初詣での際に持っていき、古札所(古神札奉納所)に置いてくるのが一般的です。場所がわからなければ、神社で「破魔矢を返却したいのですが」と尋ねると良いでしょう。
古札所に納められた破魔矢は、神社では「お焚き上げ」という形で、焼却されます。お焚き上げは年末、または翌年の1月15日に行われることが多いので、それまでに納めましょう。ただし、お受け取りは一年中しているので、ご安心ください。
その際に、お焚き上げ料、あるいは焼納料を納めて帰るようにしましょう。料金が決まっている場合もありますが、お賽銭箱があればそこへ。金額は、授与された破魔矢と同金額程度が目安とされる場合もありますが、気持ちで構わないでしょう。
破魔矢のまとめ
新年の初詣の際に授与していただき、家に習慣で飾っていることもある破魔矢ですが、「魔を破る」という魔除けや家内安全を祈る効果がある縁起物です。お札と同様に大事に一年飾り、時期が来たら他のお札などと共に返納しましょう。
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監修者のコメント
岩田 昌幸一般社団法人 葬送儀礼マナー普及協会
お札やお守りなど小さいものであればお炊き上げとして神社や寺院で受け付けていることがありますが、神棚や仏壇など大型のものは仏具店で引き取ってもらうケースが一般的です。粗大ゴミとして処分することもできますが、心情的に抵抗のある人も多くあまり出されていないようです。ゴミとして処分する場合は、御霊抜きをしてもらうと良いでしょう。