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安置とは?ご遺体安置の意味と安置場所の選択肢について

安置とは?ご遺体安置の意味と安置場所の選択肢について
  • 2024年08月26日

大切な方がお亡くなりになったあとは、お葬式を執り行うための準備を進めます。

その際には、ご遺体の搬送手配や葬儀社決め、安置場所など、決断を迫られることもたくさんあるでしょう。特に病院からご遺体を移動させる場合は、お亡くなりになってから決められた時間に行う必要があります。

ご遺体の安置先によっては、お葬式まで故人さまに会えない場合もあります。

後悔しないためにも、ご遺体安置の方法やそれぞれの場所のメリット・デメリットを把握しておくことも大切です。

この記事では、ご遺体安置の概要や自宅以外の選択肢、メリット・デメリットを紹介します。

記事の監修

人はなぜ弔い、弔われるのか、葬送儀礼を意味のある営みとして理解し、私たちは次世代へ伝えていきます。葬送儀礼マナー検定実施中。

ご遺体安置とは?

ご遺体安置とは?

ご遺体安置とは、ご臨終からお葬式の日まで決められた場所にご遺体を保管することです。

死亡判定を受けてから、ご遺体をご自宅もしくは安置施設に移します。病院の霊安室や警察署の霊安室では長い時間ご遺体を安置しておくことはできません。

そのため、ご遺体の安置場所や搬送方法は、お葬式の詳細を決める前に決めておく必要があります。

ご遺体の安置場所とそれぞれのメリット・デメリット 

ご遺体の安置場所とそれぞれのメリット・デメリット 

ご遺体の安置場所として、ご自宅や葬儀場(斎場)・葬儀社、安置施設があります。

ここでは、それぞれの安置場所の特徴やメリット・デメリットを解説します。

ご自宅

ご遺体の安置場所としてご自宅も選択肢としてあります。

ご自宅を安置場所にするメリットは、ご家族や弔問客が故人さまによりそって時間を過ごせることです。故人さまにとっても、生前の想いがあふれる住み慣れた自宅で最後の時間を過ごせます。

一方、ご自宅を安置場所にするデメリットは、アパートやマンションなどの集合住宅だと搬送経路の確保が難しいことです。法律的にご自宅でご遺体安置をしても問題ないものの、事前に管理人や大家さんには報告しておく必要があります。

斎場・葬儀社

斎場・葬儀社もご遺体の安置場所の選択肢の一つです。

多くの斎場・葬儀社では安置場所を設けています。

安置場所を斎場・葬儀社にする場合、安置の準備やご遺体の管理を一任できるメリットがあります。ご自宅で安置するスペースを確保できない場合や、搬入経路の確保ができない場合も安心です。

ご遺族が高齢や大切な人を失った悲しみなどから、ご自宅での弔問の用意ができない場合も斎場・葬儀社で面会できます。そのままお葬式を執り行うことも可能で、ご遺体の搬送回数が少なくて済むのもメリットといえるでしょう。

一方、斎場・葬儀社を安置場所にするデメリットは、面会や弔問の時間が決められているケースが多いことです。安置した日数が多くなると費用も増えるため、事前に予算を決めておく必要があります。

一般的には、お葬式はお亡くなりになった当日に納棺、翌日にお通夜、3日目に葬儀・告別式の流れで進みます。費用について不安がある場合は、すべての費用が含まれているプランを利用するのもよいでしょう。

安置施設

安置施設も、ご遺体を安置する場所の選択肢の一つです。

ご遺体安置や面会に特化している安置専用の施設を安置施設といいます。

安置施設のメリットは、ご家族や親族が故人さまとの静かな時間を自由に持てることです。ご自宅での安置が難しかったり、火葬場の都合で待機が必要になったりした場合も便利です。

他にも、お葬式を執り行う場所が遠方で一時的に安置したい、宗教で決まっている場所に移すまでの間のみ安置したい方にも向いています。

一方で、安置施設のデメリットは搬送を含めると費用が高くなりやすいことです。安置施設がご自宅から遠い場合だと、家族の移動にも時間が多くかかってしまいます。ご火葬やお葬式に対応していない場合、葬儀社の手配も自身で行わなければなりません。

ご遺体の搬送方法について

ご遺体の搬送方法に関しても大きく分けて、3つあります。

寝台車

飛行機

船舶

一般的にいずれの場合も葬儀社に搬送および搬送の手続きを行ってもらいます。費用に関しては距離、棺桶の大きさや総重量によって変わってきます。

葬儀社によっては「近距離」の場合、お葬式までを含めた一式として費用が一律のプランもあります。

ドライアイスといった必要な付帯品も葬儀社が用意するため、ご遺族に煩雑な手間が必要ありません。

お葬式をどこに頼むかすぐに決められない場合は、葬儀社に「搬送までを依頼する」こともできます。

もし急なご不幸で葬儀社が決まっておらずお急ぎの場合は、当サイトでもご相談可能です。

ご遺体の安置・搬送にかかる費用 

ご遺体の安置・搬送にかかる費用

ご遺体を安置する場合、一般的には搬送距離10kmで20,000円の搬送費が目安となります

搬送の距離が長くなると料金もさらに高くなるため、事前にどれくらいの搬送費がかかるか確認しておきましょう。

一方、安置にかかる費用は安置場所によっても以下のように異なります。

  • 自宅:無料
  • 斎場・葬儀社:1日5,000円~30,000円
  • 安置施設:1日10,000円程度から

上記以外にも、ドライアイスや枕飾りなどの費用が別途必要となります。

自宅でご遺体を安置する場合は場所代はかからないものの、ご自身でドライアイスや枕飾りの手配を行わなければなりません。

この場合、ドライアイスや枕飾りを葬儀社に手配してもらい、ご遺体は自宅に安置という方法もあります。

ご遺体を安置する期間

ご遺体を安置する期間は、一般的に2日〜3日程度とされています。

ただし原則日本の場合、火葬以外は許可がおりず、火葬場の休日や予約状況によりご遺体の安置期間が長くなることもあります。

基本的に火葬場のお休みは友引と元日です。

民間の火葬場の場合、お正月の三が日をお休みとしているところもあります。

なお、日本の場合は法律で24時間以内の火葬は禁止されているため、必ず1日以上安置することになります。

これは、仮死状態が見落とされたということが前例としてあるためです。

宗教によるご遺体安置の仕方の違い 

宗教によるご遺体安置の仕方の違い

ご遺体安置は宗教によって異なります。

基本的には、故人さまの宗教や宗派に合わせて安置を行うのがよいでしょう。

ここでは、宗教によるご遺体安置の仕方の違いを紹介します。

仏式の遺体安置

仏式では、ご遺体は北枕もしくは西枕に安置されます。

スペースの問題がなければ北枕が基本ですが、これはお釈迦様がお亡くなりになる際に、頭を北に向ける姿勢だったという説に由来するものです。

薄い敷布団に新しいシーツをかけ、薄いかけ布団を上下逆にしてかけます。ご自宅の場合はスペースの問題からベッドに安置するケースもありますが、床でもベッドでも問題ありません。

ご遺体の腐敗を防ぐためのドライアイスを設置し、お顔に白い布をかけて、胸元で合掌をさせて数珠を持たせます。布団の上には魔除けとして守り刀を置く場合もあります。

また、仏教のご遺体安置ではろうそくとお線香の火を絶やさないようにするのが基本です。お供え物に関しては、宗派や地域による差もあるため、僧侶や親族に確認しておきましょう。

キリスト式の遺体安置

キリスト式では、安置する際に枕の向きにルールはありません。

神父もしくは牧師にお祈りをしてもらってからご遺体を安置します。

キリスト式では枕飾りは行わず、テーブルの上に白い布をかけ、十字架やろうそく、聖書、生花を置きます。ろうそくの火も、絶やさないようにするのが基本です。

なお、キリスト式には大別してカトリック系とプロテスタント系があります。いずれもお葬式では重要な儀礼があるものの、カトリックは儀式に厳格であるのに対し、プロテスタント系は比較的自由です。

カトリックのお葬式は原則的に教会で行われるものの、ご遺体は自宅に安置し、納棺や通夜祭を営みます。

神式の遺体安置

神式では、ご遺体を安置する際に頭を西もしくは東に向けます。

顔に布をかぶせて胸で手を合わせますが、神式の場合は仏式と違って数珠は必要ありません。数珠はもともと念仏を唱えるための仏具であるためです。

枕飾りに関しては、白木の古台にろうそく2本、榊(さかき)、神酒、お水、お塩、洗米をお供えします。

なお、神式は古くから日本にあった民族的なお葬式が原型です。仏式との共通点が多いのも日本特有の宗教であるためですが、地域によってしきたりやマナーにも違いがあります。

ご遺体の安置についても地域によって考えが異なる場合もあるため、事前に葬儀社や親族に確認しておくと安心です。

自宅でご遺体を安置する場合の注意点 

ご自宅でご遺体を安置する場合は、ご遺体の状態に考慮することやルールを守った安置が欠かせません。

ここでは、ご自宅でご遺体を安置する場合の注意点を紹介します。

自宅で安置する際の部屋

ご自宅でご遺体の安置を行う際には、仏壇を置いている部屋に寝かせるのが基本です。

仏壇があっても場所が狭い場合、次の選択肢となるのが故人さまが生前使用していた部屋です。病院や施設で長い間にわたって生活していた場合など、決まった部屋がない場合は、リビングや和室でも問題ありません。

昔は自宅で安置する場合、和室に布団を敷いて寝かせるのが一般的でした。今は和室がない家も多くあるため、必ずしも和室でなければならないルールはありません。

動線の確保

ご遺体の安置をご自宅で行う場合、搬送を踏まえて動線の確保を行いましょう。

ご自宅以外でお亡くなりになった場合、ご遺体を搬送しなければなりません。一般的な戸建住宅なら玄関だけでなく、リビングの窓を利用して室内に移動できます。

しかし、2階に安置しようと考えている場合は、廊下が狭くて担架が通れない場合もあるでしょう。建物内で移動が難しくなり、ご自宅での安置ができなくなる可能性もあります。

アパートやマンションなどの集合住宅も、担架やストレッチャーを使って搬送できるか管理人や大家さんに確認しておきましょう。

室温を調整する

ご自宅でご遺体を安置する場合は室温調整が欠かせません。

ご遺体の腐敗を遅らせるためにエアコンを使用し、室温が18℃以下に保てるように調整します。特に夏場はご遺体の腐敗が早く進みやすい特徴があるため、安置の期間が数日に及ぶ場合は十分に注意しなければなりません。

冬場も暖房やストーブをつけていると室温が上昇し、ご遺体に影響する可能性もあります。

ご自宅での室温調整が難しい場合は、安置環境が整った斎場・葬儀社や安置施設も視野に入れましょう。

ドライアイスは首や下腹部にあてる

ご自宅でご遺体安置を行う際には、ドライアイスを首や下腹部にあてて腐敗を遅らせる必要があります。

ご遺体の安置期間は短くても1日、人口の多い首都圏になると2~3日が一般的です。火葬場の予約状況によっては、それ以上の安置が必要になるケースもあります。

ご遺体の状態を生前に近い状態で保つためには、お亡くなりになった直後から冷却しなければなりません。特に故人さまの体が大きかったり、体温が高かったりする場合は冷却を急ぐ必要があります。

ドライアイスを首に置くのは顔の周辺が変色するのを防ぐためです。下腹部にあてるのは腐敗が内臓から進みやすいことや、冷たい空気が下に伝わるため、体全体を効率よく冷やすためです。

ただし、死因やご遺体の状態によっては冷やすべき部位の優先順位が異なる場合もあります。ドライアイスの設置には専門知識が必要ですが、基本的には葬儀社のスタッフが行ってくれるため心配は不要です。

寝具は白で統一する

ご遺体を安置する場合、寝具は白で統一するのが基本です。

白で統一する理由は、汚れがない色であるからだと考えられています。白色であれば、生前に使用していた寝具をそのまま使っても問題ありません。ただし、洗ったばかりのシーツやカバーをかけて清潔感を保ちましょう。

白色の寝具がない場合は薄い色のもので代用しても問題ありません。

また、ご遺族がお亡くなりになった季節が寒い冬でも厚い布団をかけるのはNGです。厚い布団をかけると腐敗が進む可能性があるため、薄い寝具を用いなければなりません。

枕飾りを供える

故人さまがお亡くなりになってからお葬式までの間、ご遺体を安置する際に枕元に枕飾りを準備します。

枕飾りとは故人さまの魂があの世に旅立ち、成就できるように願うために行うものです。体から離れた魂がこの世にすがり、憑りつくことを防ぐための役割もあります。

仏教の場合だと、小さい机に白い布をかけるか、白木の机を用意して以下のものを並べるのが一般的です。

  • 香炉
  • 燭台
  • 花立て
  • 枕団子
  • 一膳飯

香炉には線香を1本立てて、燭台にはろうそくを立てます。花立てにはユリや菊の花を飾り、枕団子を6個(地域によっては11個)を飾るのがしきたりです。

一膳飯は故人さまの茶碗にご飯をつぎ、中心に箸を2本立てます。

なお、焼香と燭台と花立てのセットを三具足(みつぐそく)といい、祭壇を作るうえで必要な道具です。地域によっては燭台と花立てを一対にし、五具足とする場合もあります。

宗教による違いもあり、浄土真宗では枕団子や枕飯、水は飾りません。

ご遺族で枕飾りを用意する場合は、どのようなお供え物を用意すればいいか葬儀社や菩提寺に確認しましょう。お葬式の準備などでご遺族の負担も大きいため、葬儀社に依頼して用意することもできます。

守り刀を置く

ご遺体を安置する際に、故人さまの胸元に置く短剣のことを守り刀といいます。

守り刀は刃の刃先がお亡くなりになった故人さまの顔に向かないように、刃先は足元に向けるのが基本です。掛け布団の上から胸元におき、納棺したあとは棺桶の上に置きます。

実際に用いられる刀は本物とは限りません。銃刀法に抵触しないように、模造刀を使用するのが一般的です。また、剃刀や小刀、ハサミ、木刀が使用される場合もあります。

守り刀の風習は全国各地で古くから行われているもので、その由来に定まった説はありません。仏教や神式、民間信仰など、それぞれの宗教の考えと結びついて説明されます。

例えば、仏教の場合だと、お亡くなりになった故人さまが極楽浄土に渡るためのお守りという説です。神式は亡くなることを穢れとする考えがあり、穢れを払うために刀が用いられているという説もあります。

自宅でご遺体安置をした場合の末期の水について 

自宅でご遺体安置をした場合の末期の水について

ご自宅でご遺体を安置した場合、末期の水を行います。

末期の水とは、お亡くなりになった故人さまの口に水を含ませる儀式です。安らかに旅立って欲しいという願いを込めて行います。

本来は逝去の直前に行われていたものの、現代は逝去後に行うケースがほとんどです。

末期の水に必要な道具は宗教や地域によって異なる場合があるものの、基本的には脱脂綿と水とお箸の3つです。故人さまが生前使っていた容器を使用する場合もあります。

具体的な末期の水の手順は以下の通りです。

  • 脱脂綿に水を湿らせる
  • 故人さまの唇に優しく触れる
  • 上唇を左から右になぞる
  • 下唇も同様に左から右になぞる

なお、下唇をなぞったあとに故人さまの顔を拭く場合もあります。その際はおでこを左から右になぞり、次に鼻を上から下になぞります。

末期の水を行う順番はお焼香と同じく、故人さまと血縁が濃い方から行います。

仏教でも浄土真宗では末期の水を行いません。

まとめ

この記事では、ご遺体安置の意味や自宅以外の選択肢、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。

ご臨終からお葬式の日まで、決められた場所にご遺体を保管することをご遺体の安置といいます。昔は自宅でご遺体を安置するのが一般的でしたが、住居や生活スタイルの変化などに伴い、斎場・葬儀社や安置施設に安置する選択肢もあります。

いずれにしても、病院でお亡くなりになられた場合、長時間の安置ができないケースがほとんどです。「安置場所が見つからなくて困った」という状況にならないためにも、事前に安置場所を決めておくとよいでしょう。

よりそうお葬式では、ご遺体の搬送、ご安置場所の手配も行なっております。

お葬式のお手配から法事法要、仏壇、お墓、納骨、遺産整理までしっかりサポートいたします。24時間365日いつでも無料でご相談を受け付けており、お葬式にまつわるご不安によりそってサポートいたします。

ご遺体の安置について不安やわからないことがある場合も、お気軽にお問い合わせください。

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