今さら聞けないお焼香のやり方!遺族も知っておきたいマナーを徹底解説!

- 2024年08月26日

お葬式手配の「よりそうお葬式」
お葬式に参列した際に、「お焼香のやり方や作法がわからなくて困った」という経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お焼香の正しい作法がわからず、何となくその場の雰囲気にあわせている方も多いでしょう。
お葬式は故人さまをお見送りするために行う大切な儀式です。故人さまに哀悼の意を示すためにも、正しいお焼香のやり方を知っておきましょう。
この記事では、お焼香のやり方やご遺族が知っておきたいマナーを紹介します。
目次 [表示]
遺族が知っておきたいお焼香(おしいただく)
お焼香は「おしいただく」という作法に基づいて行います。
ここでは、ご遺族が知っておきたいお焼香の作法や目的、ルールを紹介します。
お焼香はおしいただく作法
お焼香は、おしいただくという作法をもとに行います。
おしいただくとは、右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香をつまみ、額の高さまで上げる行為です。おしいただいた抹香は、指をこするようにしながら香炉に落として焚きます。
このおしいただく所作を1回から3回に分けて行うのがお焼香の基本です。
お焼香の目的
お焼香の目的は、故人さまの冥福を祈るためとお焼香をする人自身の心身の穢れを落とすことです。
まずは自分自身の穢れを落として清浄な状態になったうえで、故人さまに向き合う必要があります。お葬式に臨む準備として、心を落ち着かせるためにも大切な儀式といえるでしょう。
自身の穢れを落としたあとは、故人さまに抹香の香りをささげて冥福を祈ります。
なお、仏教の宗派によっては極楽浄土は良い香りに満ちていると考えられており、仏が故人さまを迎えに来る際には香りを持ち込むとされています。お葬式で抹香の香りを漂わせるのは、このような状況を再現することも理由の一つです。
お焼香に込められた意味や由来、作法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
お焼香のルールに決まりはない
お焼香のルールや作法に特別な決まりはありません。
お焼香の目的からもわかるように、お焼香が持つ役割も時代と共に変わっています。お焼香の作用がわかりにくいのも、時代に合わせて変化してきたことが挙げられるでしょう。
実際、お葬式では規模や会場の広さに応じてお焼香の回数が変更される場合もあります。
そのため、お焼香のルールや作法がわかりにくい場合は、基本的なマナーに基づいて行うと問題ないでしょう。お葬式に参列する際には周りの人に合わせて行ったのでも問題ありません。
ご遺族の場合はお焼香の順番が早くなるため、葬儀会社の担当者に確認しておくと安心です。
お焼香の回数は宗教・宗派によって違う?
お焼香のおしいただく回数は、宗教・宗派によって異なります。
ここでは、宗教・宗派によってお焼香の回数やマナーが異なる理由を解説します。
お焼香は宗教・宗派によって異なる
お焼香は仏教で行われるもので、神道式やキリスト教式では行われません。
神道式ではお焼香の代わりに玉串奉奠が行われます。これは榊の枝葉に紙垂しでという紙片をつけた玉串を神前に捧げる作法です。一方、キリスト教式においてはお焼香の代わりに献花を行うのが一般的となっています。
また、仏教でも故人さまがお亡くなりになったあとの捉え方の違いから、宗派によってお焼香のルールが異なる場合もあります。
お葬式に参列する際に、マナーを重視するのであれば、お焼香はできるだけ相手の宗派に合わせるのが望ましいでしょう。わからない場合は自身の宗派に合わせてお焼香をしても問題ありません。
いずれにしても、各宗派が大切にしているのは「故人さまとのお別れをしっかり済ませられるように」という点です。
お葬式に参列する際には、必要以上にマナーや作法に固執せず、しっかり故人さまの冥福を祈りましょう。
宗派によってお焼香のマナーが違う理由
お焼香のマナーが宗派によって違っているのは、お焼香に込められる意味が異なるためです。
一般的に、1回目のお焼香には「一に帰る」という意味があります。2回目に行うのは薫香を絶やさないために、3回行うのは仏教においては3という数字に特別な意味があるためです。具体的には、三業や三毒を清めて、三宝に香を捧げるという理由から行われています。
各宗派によってお焼香の方法が異なるのは、この中で重視すべきポイントや考え方に違いがあるためです。
例えば、浄土真宗ではお焼香を1回しか行いません。これは浄土真宗の考えにおいて、人間や動物の救済はお釈迦様によって約束されているためです。冥福を祈らなくてもお亡くなりなった方は必ず浄土真宗に行けるため、「一に帰る」の考えに基づいて1回のみとなります。
宗派ごとのお焼香の回数
お焼香の回数は宗派によって異なります。
以下に宗派ごとのお焼香の回数の目安を紹介します。
- 天台宗:1回もしくは3回
- 真言宗:3回
- 浄土宗:1回
- 浄土真宗(本願寺派):1回
- 浄土真宗(大谷派):2回
- 臨済宗:1回
- 曹洞宗:2回
- 日蓮宗:1回もしくは3回
上記は目安であり、実際には地域によって異なる場合もあるため注意が必要です。
なお、お葬式の参列者が多い場合は宗派に関係なく、「お心を込めて1回焼香」と案内される場合もあります。
基本的にはお葬式のアナウンスに従い、わからなければ自身の宗派に合わせたお焼香を行いましょう。
宗派ごとのお焼香の回数や作法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
お焼香をする順番は?
お葬式でお焼香を行う際は、あらかじめ決められた順番に基づいて行います。
ここでは、お焼香をする順番を紹介します。
お焼香の順番の基本的なルール
お焼香の順番の基本的なルールは、故人さまと関わりが深かった人から行うことです。
お焼香にはさまざまな種類ややり方があるものの、順番に関しては宗教や宗派など決まりはありません。お焼香の順番は以下のようになります。
- 喪主
- ご遺族
- 親族
- 会社関係
- 友人
- 知人
家族葬の場合は会社関係や友人、知人が参列することは少なく、ご遺族と親族間の順番で考えます。また、会社関係の方が多く参列する場合は、社内の肩書順でお焼香を行っていくのが一般的です。
座席の並びがお焼香の順番になる
お焼香の順番は、葬儀会場での座席とも関係があるため覚えておきましょう。
一般的に葬儀会場の座席順は故人さまと関係性が深いほど、祭壇の近くに座るのが一般的です。そのため、お焼香の順番=座席の順番になっている場合が多く、家族葬においてもご遺族と親族以外は座席が分けられています。
式場では祭壇に向かってご遺族や親族は右側に、一般の参列者は左側に座るのが基本です。ただし、会場によってはマイクの位置や設備上の関係から、席順が異なる場合もあります。
子どもの順番
お焼香を行う際の子どもの順番は、「年長順」「同姓順」「男性優先」の3つの考え方があります。
年長順は、子どもの年齢が高い順番にお焼香を行うというシンプルなルールです。同姓順は、将来的に墓守りを優先させたいという考えから、故人さまと同じ姓の人から行います。
男性順は一部の地域で慣習として残っており、長男、次男のあとに長女、次女の順でお焼香をします。
子どもの順番については地域の慣習による違いがあるため、事前に親族にも確認しておきましょう。
孫の順番
お焼香を行う際の孫の順番は、子どものお焼香がすべて終わったあとになります。孫の順番も子どもの順番に合わせて行うのが一般的です。
例えば、子どもが年長順にお焼香を行った場合は、孫も同じく年長順で行います。ただし、孫が未成年や未婚である場合、お焼香を家族単位で行うケースも多いです。このような場合は、子どものお焼香が終わったら、そのまま孫がお焼香となります。
こちらも地域や親族の考え方によって孫のお焼香の順番も異なるため、事前に相談しておきましょう。
夫婦の順番
夫婦がお焼香を行う際の順番は、故人さまとの関係の深さによって異なります。
夫の親族のお葬式に参列した場合は夫の次に妻、妻の親族のお葬式に参列した場合は妻の次に夫です。基本的には家族単位となる場合が多いため、夫婦の順番は前後になります。
ただし、親族の意向によっては家族単位ではなく、故人さまとの関係の深さが順番になる場合もあります。
焼香の順番でのトラブルと解決策
お葬式では、お焼香の順番を巡ってトラブルになるケースがあるため注意が必要です。
特に夫婦で参列した場合に配偶者の順番が関わってくる場合にトラブルが起こりやすい特徴があります。例えば、夫の父がお亡くなりになって夫が喪主を務めたとします。
お焼香を家族単位で行う場合だと、喪主の夫に次にお焼香を行うのは妻です。その場合、故人さまと関係が深い夫の兄弟や、その子どもの順番が後回しになってしまいます。
ご遺族によっては、血のつながりがない喪主の妻が先にお焼香を行うことに対し、不満を持ってしまうというものです。
お葬式の場でトラブルが発生するのは故人さまにとっても悲しいことでしょう。そうならないためにも、事前に親族間でお焼香の順番をしっかり決めておくことをおすすめします。
また、関西の一部では「止め焼香」といい、故人さまと関係が深い人ほど後に焼香を行っているところもあります。通常のお焼香とは逆の考えであり、順番を巡ってのトラブルが起こりにくいのがメリットです。
お焼香の種類は3つ!
お焼香の種類には、立礼焼香、座礼焼香、回し焼香の3つがあります。
どの方式を選ぶかどうかは、葬儀会場の広さや参列者の数によって決められます。
ここでは、それぞれのお焼香のやり方を解説します。
立礼焼香のやり方
立礼焼香は葬儀で最も多く見られるお焼香の方式です。
葬儀社が用意する斎場でお葬式を行う場合は、そのほとんどが立礼焼香によるお焼香となります。
立礼焼香では遺影の前に焼香台と香炉が設けられているので、お焼香は参列者1人1人が順番に遺影の前まで進んで行うことになります。
具体的には、自分の番が来たら、静かに祭壇の手前まで進み、ご遺族に向かって一礼をします。ご遺族に一礼した後は祭壇の前まで進み、遺影に向かってしっかりと一礼しましょう。
次に祭壇の前に置かれている焼香台では手順に従ってお焼香を行います。
お焼香の際に宗派による焼香方法が分かっているのであれば、その手順にあわせてお焼香をするのが基本的なマナーです。
お焼香が済んだら、あらためて遺影に一礼して合掌します。遺影に向かったまま、数歩、後ろへと下がり、再び遺族に向かって一礼して席へと戻ります。
以上が立礼焼香による焼香の基本的な作法です。
多くの人が見守る前でお焼香することになるため、緊張して動作が慌ただしくなってしまうことがあります。
そのため自分の順番が回ってきた時には、意識的にゆったりと振舞うことを心掛け、お葬式の厳粛な雰囲気を損なわないように落ち着いて祭壇へと向かうようにしましょう。
座礼焼香のやり方
立礼焼香が立ってお焼香を行うのに対し、畳などに座ってお焼香を行うのが座礼焼香と呼ばれる方法です。
お焼香の基本的な作法は立礼焼香とそれほど変わりません。ただし、座礼焼香と立礼焼香では移動の方法の作法に大きな違いがあるので注意しましょう。
立礼焼香ではお焼香の時に立って移動をしますが、座礼焼香では主に立膝で移動を行うのが作法とされています。
まず、お焼香の順番が回ってきた時には、中腰の姿勢で祭壇の前まで進み、そこで正座をして遺族の方に一礼します。
そしてそのまま膝を使って祭壇へと進み、手を合わせてから宗派の手順に従ってお焼香を行います。
お焼香が済んだら合掌をし、膝を使って後ろへと下がり、もう一度、ご遺族が座っている方へと向かって一礼します。
そのあとは静かに中腰の姿勢をとって自分の席へと戻るのが座礼焼香のやり方です。
座礼焼香のコツは、祭壇の前までは中腰で進み、祭壇の近くまで来てから腰を下ろすことです。あまり早くから膝立ちで移動を始めてしまうと、数珠を持っている左手を床についてしまうことがあります。
数珠をそのまま床につけてしまうのは、葬儀の場ではマナー違反です。
あまり無理をせず、できるだけ低い姿勢を保って移動するようにするのが座礼焼香をスマートに行うポイントになっています。
回し焼香のやり方
葬儀会場が狭く、参列者方がスムーズにお焼香を行えるスペースがない場合に行われるのが回し焼香です。この回し焼香は立礼焼香と並んで、都市部ではよく見かけるお焼香のやり方となっています。
回し焼香では香炉と香合がお盆に乗って回ってきます。自分のところにお盆が回ってきたら、軽く会釈して受け取り、膝の前にお盆を置くようにしましょう。
お盆を膝の前に置いたら、祭壇に向かって一礼し、宗派の定める手順に従ってお焼香を行います。
お焼香が終わったら再び祭壇に向かって合掌し、次の人へとお盆を回します。
以上が基本的な回し焼香の方法です。
葬儀会場が畳ではなく椅子の場合は、お盆を膝の上にのせてお焼香を行います。その際に注意したいのが香炉の落下です。
特に合掌の際にはお盆が傾きやすくなっているので、誤って落としてしまわないように十分に注意する必要があります。
特にお葬式に子どもが参列している場合は、周りの大人たちでサポートしてあげることが重要です。
遺族がお焼香する際に知っておきたいマナー

ご遺族がお焼香する際にはマナーを守り、参列者や故人さまに失礼がないようにしなければなりません。
ここでは、ご遺族がお焼香する際に知っておきたいマナーを紹介します。
数珠
お焼香を行う際には、数珠を左手にかけた状態で右手でお焼香をするのが基本です。
自身の順番が来てから焼香台までは、房を下にして左手に数珠を持って進みましょう。合掌の際は親指と人差し指の間に数珠をかけて両手を合わします。長い数珠は、両手の中指にかけて手のひらですり合わせて合掌します。
数珠は肌身離さず持つのがマナーであり、席を立つ際にイスや畳のうえに置きっぱなしにするのはNGです。バッグに入れて持ち歩くときも、直接しまうのではなく、数珠袋に入れましょう。
ただし、宗派や地域の慣習によっては数珠の取り扱いが変わる場合もあります。不安がある場合は葬儀社に確認しておくと安心です。
身だしなみ
お焼香を行う際の身だしなみは、お葬式の形式に合わせましょう。
ご遺族の服装は、葬儀・告別式では正式礼装、お通夜では準礼装が基本となります。ただし、お通夜に関しては、お亡くなりになった方の三親等までは正式礼装をマナーとしている地域もあるため、注意しましょう。
正式礼装は男性も女性も喪服です。生地は黒で光沢素材のものを避け、靴や靴下なども黒で統一します。準礼装は男女ともにブラックフォーマルとなります。
手荷物
お焼香の場面では手荷物は持っておくのが一般的です。
小さな手荷物であれば脇に抱えたり、左手に通したりしてお焼香を行います。葬儀会場によっては焼香台の前に手荷物を置くスペースが設けられている場合もあるため、この場合は台の上に置いても問題ありません。
大きい荷物に関してはクロークがある場合は預け、ない場合は足元に置いてお焼香を行うのがマナーです。
挨拶
お葬式でお焼香を行う際、遺影写真の前に立ったら一礼してからお焼香をします。
そのあとは数珠を左手にかけて合掌して再度一礼し、反対側の親族と参列者に一礼して下がるのがマナーです。ご遺族は参列者がお焼香のときに一礼するため、その際は軽く頭を下げて応えるようにしましょう。
ただし、故人さまに対する悲しみから心に余裕がない場合もあります。このような場合は、必ずしもお礼に対応しなくても問題ありません。
不安がある場合や事前に葬儀会場や葬儀社に確認
お焼香について不安を感じる場合は、事前に葬儀会場、葬儀社のスタッフに確認しておきましょう。
お焼香には「必ずこうしなければならない」というルールはありません。しかし、地域や参列者によってはルールに基づいているにも関わらず、「マナー違反」と思われてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、不安を感じる場合は事前に地域に詳しい葬儀会場や葬儀社に確認しておくと安心です。
お焼香の正しいやり方を徹底しよう!
故人さまのためにも、お焼香の正しいやり方を徹底しましょう。
お焼香は抹香をおしいただき、香炉に落とすのが基本です。しかし、その回数は宗派によって異なり、お葬式に参列する際には迷ってしまう可能性もあります。お焼香のことで頭がいっぱいになり、故人さまの冥福を祈ることができない状態は避けたいところです。
どの宗派も作法に固執するのではなく、心を込めて故人さまの冥福を祈ることが大切だと考えられています。しかし、不作法のままお葬式でお焼香をすることも故人さまに対して失礼といえるでしょう。
お葬式には時間的に余裕がない場合も多いですが、わからない場合は葬儀会場や葬儀会社のスタッフに相談するとスムーズです。
なお、お焼香のやり方や基本的なマナーは以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
まとめ
この記事では、お焼香のやり方や作法、ご遺族も知っておきたいマナーを紹介しました。
お焼香は自身の穢れを取り除いたり、故人さまをお見送りするなど役割も歴史とともに変化しています。お焼香には厳密なルールはないものの、宗派や地域によってはやり方が決まっている場合も多いです。
故人さまに失礼がないように、ご遺族や参列者でトラブルがないように、最低限のマナーを守ってお焼香することも大切です。
お葬式はいつ必要になるかわからないものであるため、そのときに備えて正しいお焼香ができるように作法をチェックしておきましょう。
お葬式に関することなら、よりそうお葬式にお任せください。
よりそうお葬式では専門相談員が事前の準備からお葬式のお手配まで、お葬式にまつわるご不安によりそい、サポートいたします。
お葬式で大切なことは後悔のないお別れです。
故人さまと最後の時間を大切に過ごすためにも、まずはお気軽にお問い合わせください。

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