仏壇を処分することになったら?方法や費用を解説
- 2023年01月30日
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仏壇を引き継ぐことができない場合などは、仏壇を処分することもやむを得ません。
しかし、分からないのがその処分方法です。
仏壇というものは、実は処分方法が少々複雑です。
その理由は、昔から伝わる「閉眼供養」と言う儀式にあります。
今回は閉眼供養の意味とともに、仏壇の処分について詳しく解説していきます。
仏壇の処分にはどんな方法があるのか、どれくらいの費用がかかるかなど、仏壇の処分についての疑問をスッキリ解決しましょう。
目次
閉眼供養とは?仏壇を処分する前に確認しよう
まず、処分する仏壇は「開眼供養(かいげんくよう)」を行っているか確認してください。
開眼供養とは、新しい仏壇やお墓を作った際に行われる法要です。「魂入れ」とも呼ばれ、故人の魂を仏壇やお墓に宿すという意味があります。
仏壇やお墓は、故人の魂を入れて初めて単なる物体ではなく意味のあるものになります。
開眼供養を行っていれば、仏壇の処分や墓じまいの際には「閉眼供養(へいげんくよう)」も必要です。
こちらは開眼供養とは逆で「魂抜き」、または「お性根抜き」とも呼ばれ、故人の魂を仏壇から抜く儀式になります。
この儀式によって魂を天へと還すとともに、仏壇やお墓を単なる物体に戻すのです。
もし閉眼供養をしないまま仏壇を処分すると、故人の魂ごと処分することになってしまいます。よって開眼供養を行っていれば、忘れずに閉眼供養も行いましょう。
ちなみに、開眼供養を行っていなくても閉眼供養を行うことはできますし、行った方が故人のためになります。
ただし、宗派が浄土真宗の場合だけは別です。
浄土真宗には仏壇やお墓に魂が宿ると言う教えはありません。従って、開眼・閉眼供養ではなく宗派独自の儀式を執り行います。
閉眼供養は、お寺の檀家であればお寺に依頼することで行ってもらえます。
檀家になっているお寺が無い、または分からないといった場合には、供養を専門に行う業者を利用するのが便利です。
また最近では、自宅へお坊さんを手配できるサービスも人気があります。このサービスでも閉眼供養を行ってもらうことが可能です。
お寺に引き取ってもらう処分方法
仏壇をゴミとして処分するのは忍びない、そんな時はお寺に引き取ってもらいましょう。
代々の先祖を祀っている菩提寺(ぼだいじ)なら、快く承諾してもらえるはずです。閉眼供養も併せてお願いできるので、菩提寺があればまず相談してみることをおすすめします。
また、必ず菩提寺に引き取ってもらう必要はありません。
菩提寺でなくても仏壇を引き取ってくれるお寺もあるので、そこを利用するのも良い方法です。引き取りを断られることもまれです。ただし、宗派が違う場合には断られる可能性があります。なるべく同じ宗派のお寺にお願いするため、自分や家族の宗派を確認しておきましょう。
お寺に仏壇を引き取ってもらう場合には、お布施と言う形で処分費用を払うのが一般的です。
お布施に廃棄の費用を加算して、合計で4万円ほどが相場になります。ただしお寺によって支払うべき金額は異なります。あるいは受け取ってもらえないこともあるので、事前に尋ねておいた方が無難です。
もしお寺にお金のことを聞きづらければ、周りの檀家に相談するのもいいでしょう。他の家はどの程度支払っているのかが分かり、金額を決めやすくなります。
仏具店に処分を依頼する方法
仏壇を引き取ってもらえるお寺が近くに無い時などは、仏具店に依頼するのも一つの方法です。多くの仏具店で仏壇の引き取りサービスを行っています。新しい仏壇への買い替え時には、購入店で古い仏壇の引き取りも依頼するのがおすすめです。
仏具店に依頼するメリットは、まずお寺と違って宗派の心配がいらないことです。当然ながら店舗ごとに宗派が違ったり、特定の宗派は引き取りを拒否されるといったことはありません。
また、店舗によっては仏壇の搬出から行ってくれるところもあります。大きな仏壇を店舗へ運ぶのは難しいと言う場合には、相談してみるといいでしょう。ただし、処分費用に運搬費が上乗せされる可能性もあります。
反対にデメリットは、仏壇を購入することが引き取りの条件になる店舗もあることです。引き取りを拒否されたことで、他の仏具店を探す必要が出てくる恐れもあります。ホームページなどに引き取りに関する記載があれば、条件をよくチェックしてから持ち込むようにしましょう。
仏具店での処分費用は2万円から8万円程度が相場です。店舗によって異なるので、依頼の前には必ず確認してください。
仏壇は粗大ゴミに出してもいい!?
仏壇をゴミとして処分することは基本的に問題ありません。
閉眼供養を終えた仏壇は、単なる「木の箱」になったと考えられます。よって、仏壇だからと言って祖先に気兼ねする必要はありません。
もしゴミとして処分するなら、仏壇は粗大ゴミの扱いになります。
ただし、自治体によって処分方法やルールが異なる場合があります。
例えば比較的大きな仏壇だと、決められた大きさに解体してから捨てることが必要かもしれません。
仏壇の解体は素人には難しい部分も多いので、大工などのプロへ依頼するとスピーディーです。解体で出たゴミはきちんと種類ごとに分別して捨てましょう。
またどこに捨てるのか、自分で運ぶ必要はあるのかなど、疑問な点はあらかじめ自治体へ確認すべきです。自治体のルールに違反すると回収してもらえない恐れがあります。
ごみとして処分するメリットは、費用を比較的安く抑えられることです。
安くて無料か数百円、高くても数千円ほどと、お寺や仏具店に依頼するよりもずっとリーズナブルに処分できます。
また自治体が処分してくれるので、適切に処分されたかどうかの心配もいりません。
デメリットは
- 自治体によって解体の必要があること
- 閉眼供養を自分でする必要があること
そして
- 近所とのトラブルが起きる可能性がゼロではないこと
です。
仏壇をゴミとして外に出すこと自体、信心深い人にとっては受け入れがたいことである可能性があります。
特に高齢者の多い地域やお寺の近くでは要注意です。
トラブルを防ぐためには、外で人に見られるところに仏壇を放置しない方が安心です。
閉眼供養の費用相場は?
閉眼供養を行う場合にも、お布施と言う形でお寺へ費用を支払います。
閉眼供養に支払うお布施(費用)の相場は、一般的に1万~5万円だと言われています。平均的な金額だと、3万円に「車代」5千円を加えて合計3万5千円ほどです。支払う金額に迷ったら、この金額を目安にするといいでしょう。
ただし車代は、近所からお坊さんを招いたなら不用です。
また閉眼供養ではあまり見られませんが、供養の後に宴席を設ける場合は、お布施と車代の他に食事代として「お膳料」を支払います。
お布施、車代、お膳料はそれぞれ別の熨斗袋に入れ、表書きしてお坊さんに手渡します。
お布施の金額は宗派によって変わることがあります。
檀家の間である程度金額を揃えている可能性もあるので、やはり周りに尋ねておくと安心です。周りに他の檀家がいなければ、お寺に直接尋ねても失礼には当たりません。
しかしお布施とは、本来はそれぞれの気持ちで支払う金額を決めるものです。よって、必ず周りと同じ金額を支払う必要は無く、余裕がなければ少額でも問題ありません。
開眼供養にいくらお布施を支払うかは、それぞれの判断で決めて良いと言えます。
仏壇を廃棄する費用の相場は?
仏壇を廃棄する場合の費用は自治体によって異なります。
無料で処分できるところもあれば、数千円かかるところもあります。しかし、おおむね3,000円が上限と見られます。
仏壇を粗大ゴミとして回収に出す方法は、主に
- 粗大ゴミシールを貼って、自治体が指定する場所に置く
- 回収センターへ自分で運ぶ
- 自宅へ回収に来てもらう
の3つです。
粗大ごみシールは住んでいる地域のコンビニや役場で入手できます。
いくら分購入すればいいのか、あらかじめ自治体へ問い合わせておきましょう。なぜなら、仏壇の大きさや重さによって金額が違う可能性があるためです。
回収センターでは、その場で不用品の重さを計って処分費用を決めます。ただし仏壇を必ず取り扱うとは限らないため、持ち込めるか事前に確認するのが無難です。
自宅へ回収に来てもらうサービスは、不用品を指定場所まで運べない場合に利用可能です。
申請には自治体の基準を満たす必要があり、料金の有無や金額は自治体ごとに異なります。
業者へ委託する費用
上記の方法で仏壇を処分できない、あるいは処分に手間を掛けたくないのであれば、回収業者に処分を委託しましょう。
電話で依頼が可能で、仏壇の他にも仏具など不要な物を一緒に引き取ってくれます。
特におすすめなのが、お寺と関係の深い業者です。
多くの業者が、回収と同時に閉眼供養も行ってくれます。また遺品整理士など、仏壇の知識が深いスタッフがいる業者もあります。このような業者なら、仏壇の処分も安心して任せられるでしょう。
回収業者に閉眼供養まで依頼した場合、費用の相場は2万~7万円ほどになります。
粗大ゴミとして処分するよりも割高になってしまうのがデメリットです。
また業者によっては、適切に仏壇を処分してくれないところもあります。こういった悪徳な業者には依頼しないよう、口コミなども参考にして慎重に依頼先を探したいものです。
できるだけ費用を抑えるため、そして信頼できる業者に依頼するためには、複数の業者を比較して検討することがポイントです。
まずは各社に見積もりを依頼しましょう。その上で、費用・サービスともに納得できたところへ依頼するのがベストです。
開眼供養をしていなかった場合は閉眼供養の前に行う
もし仏壇の購入時に開眼供養を行っていなければ、閉眼供養の前に行うこともできます。
処分の方法としても、開眼供養を経て閉眼供養を行い、その上で処分するのが適切です。開眼供養を行ったか分からない場合にも、念のためお寺に依頼しておくと間違いがありません。
開眼供養の費用は、購入時に行った場合には閉眼供養とほぼ同じです。
ただし供花やお線香などの費用が別途掛かるので、閉眼供養よりも総額は高いと予想されます。閉眼供養と開眼供養を同時に行う場合のお布施は、お寺あるいは他の檀家と相談するのが良いでしょう。
両方の費用を合わせた金額を包めば無難ですが、お寺によっては閉眼供養の費用だけでいいと言われる可能性もあります。
仏壇を処分する際の注意点は?
仏壇の処分で起きるトラブルによくありがちなのが、引き出しの中を確認し忘れてしまうことです。
仏壇の大きさや形状にもよりますが、引き出しがいくつも付いていることが珍しくありません。そこに位牌や遺影などをしまったまま、処分に出してしまうケースがあるのです。
時には、仏壇の引き出しに通帳や現金を入れたまま手放してしまうケースもあります。ゴミとして解体・処分されれば、それらの品はまず手元に戻りません。
処分してから後悔しないためにも、仏壇を家から出す前にはもう一度引き出しの奥までよく見てください。
また、仏壇によっては「隠し引き出し」にも注意が必要です。
特に古い仏壇は、一見して分からないところに引き出しが作られていることがあります。
例えば、仏壇の彫り物がされている部分です。試しに触ってみて、動かせる感じはありませんか。そこを外すと引き出しが隠されている仏壇も実際に存在します。
最近のコンパクトな仏壇も、注意するに越したことはありません。
見た目をすっきりと見せるために隠し引き出しを供えているタイプがあるためです。どの年代の仏壇も、念のため引き出し以外の所も確認してみましょう。
仏壇は閉眼供養を行い処分することが大切!
仏壇を処分する際に確認したいことと、いくつかある仏壇の処分方法について解説しました。
仏壇はお寺や仏具店で引き取ってもらうか、ゴミとして回収してもらうことで処分が可能です。ゴミとして処分するなら、自治体と回収業者のどちらに依頼するかを選ぶことになります。
故人の魂が宿る仏壇は、単なる木の箱や道具ではありません。
やむを得ず仏壇を処分する場合には、お寺などで閉眼供養を行ってからにしましょう。
閉眼供養は仏壇から魂を抜き、処分しても良い状態にしてくれる大切な儀式です。
まずは開眼供養を行っているか確認し、行っていれば閉眼供養も行います。行っていなければ、閉眼供養の前に開眼供養を改めて行うことが必要になります。お寺が近くに無い場合には、その他の供養を行ってくれるサービスが便利です。
どんな方法で仏壇を処分しても、故人にとって失礼には当たりません。
しかし、故人のためにも仏壇の処分はしっかりと手順を踏んで、適切な形で行いたいものです。
仏壇の処分に関するよくある質問
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